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『人口減少で日本経済はオワコン』に関する4つの勘違い

1 『人口減少で日本経済はオワコン』は本当か?

人口減少で、日本の経済はオワコン
『はやく人口を増やさないと

よく聞く話ですよね?
ところで、歴史上で経済がオワコンの国ってどういうイメージを持たれますか?
雇用が失われ、街には失業者があふれ、治安が悪化して・・・。

あれ?

失業者が沢山いるのに、人口増やしたら逆効果じゃないですか?

それに、人口の多い少ないで国力が決まるなら、どうして人口三億人程度のアメリカがダントツの超大国なんでしょうか?

ひょっとして、人口増やせば全て問題解決って早計かも って思いませんか

2 『人口を増やせば問題解決』 の4つの誤解

【誤解1】 人口を増やせば経済規模が大きくなって豊かになる。

仮に、人口を2倍に増やして、経済規模が2倍になったとしましょう。
でも、貿易赤字も2倍になったら意味がないと思いませんか?

人口を増やせば少なくても内需は拡大するので、経済規模は大きくなりそうです。
しかし、内需だけでは豊かになれません

理由は簡単で、日本はエネルギーも食料も輸入に頼っているためです。
経済規模を大きくしても、コスト分以上の外貨を稼げないと、国の富は流出し続け、みんなで貧乏になります

会社に例えれば、社員を増やして売り上げを増やしても、最終的に利益が残るか赤字になるかはわからない、といったところでしょうか。

人口を増やせば経済規模が大きくなる可能性が高いが、国民一人一人が豊かになれるかは別問題なのです。

 

【誤解2】 労働人口を増やさなければ年金が破綻する

 結論から言いますと、年金は破綻しません
むしろ破綻させることのほうが難しいくらいの制度設計とのことです。

多くの人が、年金についての下のような図を見たことがあると思います。
いわゆる騎馬戦型と、肩車型ですね。

昔は数人の労働者で一人の年金受給者を支えていたのに、今では肩車型に悪化してしまった。
だから、労働人口を増やして、騎馬戦型にもどさないと・・・。と思いますよね。

しかし、これは現実的ではありません。
騎馬戦型を維持するためには、下の3人が年を取って年金受給者になると今度は9人の労働者が必要で、さらにこの9人の・・・と鼠算式に労働人口を増やす必要があります・・・ちょっと無理ですよね。※1

年金制度は『賦課方式』で、現役世代が年金受給者を支える仕組みですが、団塊の世代の大量退職と年金受給は人口統計からすでに分かっていたので、160兆円を超える手つかずの積立金が準備されています。(『修正賦課方式』)

あとは、平均寿命を勘案しながら、支給開始年齢を調整すれば破綻することはないという仕組みのようです。

むしろ、年金を破綻させないために大量移民だ!と一気に人口を増やすなどの悪手に走ると逆効果です。

十分な雇用がなければ、失業保険や生活保護で逆に社会保険が圧迫されて破綻してしまうかもしれません。

 

※1(保険料納付期間が約40年に対して、年金給付期間が約20年という期間の差はありますが、保険料免除・猶予・未納も4割強という数字もあるので、そこは考慮しておりません。)

 

【誤解3】 『豊かな日本』=バブル期のイメージが強い → 内需主導に過度な期待

日本が豊かになったのは高度成長期であって、バブル期ではありません。

日本が豊かになった(海外から富が流入した)のは高度成長期です
当時は1$=360円の固定相場であり、性能が良く、今より圧倒的に割安感のある日本製品は世界を席巻しました。

ところが、変動相場制の導入により海外にあまり物が売れなくなったため、国内投機が異常に加熱したのがバブル経済です。

今では色々な規制も導入されているので、いくら内需に力を入れても、バブル期ほどの過熱感はないでしょう。

結局、豊かになるためにはある程度世界で稼げることが重要ではないでしょうか。

 

【誤解4】 『日本の適正人口は1.2億人』

日本の適正人口は1.2億人だと思っていませんか?

戦時中、『1億火の玉』というスローガンがあったそうですが、これは、当時日本の一部だった朝鮮半島や台湾を含めた数字です。

戦後の日本の人口は7000万人くらいであり、それでも食料が輸入されるまでは餓死者が続出していました。

日本の人口が1億人超になったのは、戦後のベビーブーム世代が生まれてからであり、それでも我々が飢えずにいるのは、戦後の経済成長があったからです。

もし、日本経済が今後衰退すると思っているのに、無理に1.2億人の人口を維持しようとするとどうなるでしょうか。
日本国民が再び飢えに苦しむようになると思いませんか?

高度成長期、日本円は1ドル360円の固定相場制でした。
安い賃金団塊の世代の労働力が、当時の労働集約型の生産体制圧倒的なパワーを発揮するという、奇跡のような好条件が重なって大躍進しました。

現在、AIとITが発達し、そもそも省人化により昔ほど雇用が創出されなくなっています。
状況が変わっています。1.2億人の人口を賄うだけの雇用はすでにないのかも知れません。

 

まとめ

人口減少=悪で、人口増加=善 という前提には少し無理があります。
人口増加、人口減少にはそれぞれメリット・デメリットがあります。

日本のような資源輸入国にとって、安易に人口を増やすことは、エネルギーや食糧の輸入コストの増大につながるので、それ以上に稼がないと国の富は流出し続け、貧乏になります。

逆に言えば、稼げる産業・人材を育成し、コスト以上の富を獲得できるのであれば、人口増もありかと思います。

他にも、海洋資源や新エネルギーの開発でエネルギーコストを減らす、または逆に資源大国に変貌する。むしろ、日本政府はちゃんとそういった戦略をとっています。

本当にまずいのは、人口減少=日本オワコンという負のイメージのみが先行して、安易に悪手を選択し、結果みんなで困窮することではないでしょうか?

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参考にさせていただいたHP等

独立行政法人 経済産業研究所『年金制度に関する二つの誤解』