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夕方、あと一品が足りない。冷蔵庫を開けても何もない。棚の奥に鯖缶がある。……でも、これって開けてそのまま食べていいものなの?と、ふとためらったことはありませんか。子どもの分だけ作る日はとにかく品数がしんどくて、鯖缶に何度も助けられている、という家は多いと思います。
先に結論をひとつ。鯖缶は、水煮も味噌煮も缶の中でしっかり加熱してから密封されているので、開けてそのまま食べられます。温め直さなくても大丈夫。問題は「そのままだと少し物足りない」ところで、そこはかけるものひとつで景色が変わるんです。かけるだけ・混ぜるだけの食べ方と、缶汁の扱い、そして開けたあとの保存まで、順番に見ていきましょう。
鯖缶がそのまま食べられる理由——缶の中で火が通っています
鯖缶は、生の鯖を缶に詰めて、ふたを閉めてから缶ごと加熱して作られています。中身に火が通るのと、缶の中を無菌に近い状態にするのが同時に行われるので、開けた瞬間の中身はそのまま食べられる状態なんですよね。缶詰に賞味期限が長いものが多いのも、この作り方のおかげです。
- 水煮:塩と水だけで煮てあるもの。味がまっさらなので、かけるもので方向を決められます。そのまま食べるなら塩気を足すのが前提
- 味噌煮:すでに味が付いているので、いちばん「開けてそのまま」に向いています。ごはんにのせるだけで一食になる
- しょうゆ味・蒲焼き風:甘辛いので、ごはんや卵と相性がいい。おつまみにもそのままいけます
- 骨と皮:やわらかく煮えているので、そのまま食べられます。ただし小さなお子さんに出す時は、かたい骨が残っていないか一度ほぐして確かめてから。中骨の端が残っていることがあります
開ける時に気をつけたいのは、切り取ったふたの縁で手を切らないこと。プルタブを起こして開けるタイプでも、縁は思った以上に鋭いです。ふたはすぐシンクの中に伏せておくと、あとで洗い物と一緒に触ってしまう事故が減ります。お子さんに開けさせる時は、必ず横で見ていてあげてくださいね。
かけるだけで一品になる10通り——水煮がいちばん化けます
そのまま食べて「うーん、味が薄い」となるのは、たいてい水煮です。でもそれは弱点ではなくて、何をかけてもいいということ。器に移して、上からかけるだけの10通りを並べてみます。
- マヨネーズと七味。定番中の定番で、いちばん失敗しません。マヨネーズの油分が鯖のくせをやわらげてくれて、七味の香りが後味を締めます
- しょうがとポン酢。しょうがのチューブをひとしぼり、ポン酢をひとまわし。さっぱりして、暑い日でも食べやすい組み合わせ
- ごま油と塩。水煮に、ごま油をひとまわしして塩をひとつまみ。それだけでおつまみの顔になります。白ごまを振るとさらに香ばしい
- 大葉のせん切り。刻んでのせるだけ。香りが強いので、鯖のにおいが気になる人にはこれが一番効きます
- のりで巻く。焼きのりに鯖とごはんを少し乗せて巻く。子どもがいちばん食べてくれる形でした
- 粉チーズ。水煮に粉チーズと黒こしょう。意外なようで、洋風のおつまみになります
- カレー粉。ひとつまみ振ってスプーンで混ぜるだけ。鯖のくせをカレーの香りが完全に上書きしてくれます
- レモンかすだち。しぼるだけ。油の重さが消えて、口の中がさっぱりします
- 刻みねぎとしょうゆ。ねぎを多めに、しょうゆはほんの少し。味噌煮にも合います
- キムチ。汁ごとのせる。辛みと酸味で、鯖の風味がまったく別のものに変わります
「マヨネーズは合いますか」という問いをよく見かけますが、合います。というより、鯖缶に足すものの中でいちばん相性がいい部類だと思います。マヨネーズは油と酢と卵でできているので、鯖の脂と重なってこくが出て、酢が生臭さの角を取ってくれるんです。ここに七味かこしょう、または刻んだ玉ねぎを足すと、パンにのせても成立します。
混ぜるだけの一品——火もまな板も使わない5つ
かけるだけの次に楽なのが、冷蔵庫にあるものと混ぜるだけの食べ方です。包丁を出さずに済むものを選びました。
- 冷ややっこにのせる。豆腐を器に出して、鯖缶を汁を切ってのせ、しょうがとしょうゆ。夏はこれだけで一品として出せます。ボリュームもしっかり
- きゅうりとあえる。きゅうりを手で折って塩もみするか、ポリ袋に入れてめん棒でたたく。そこに鯖缶とごま油、塩。切らなくてもできます
- トマトと合わせる。ミニトマトを半分に切って、鯖缶とオリーブ油、こしょう。水煮でも味噌煮でもいけます
- 納豆に混ぜる。納豆に付いているたれをそのまま使って、鯖缶を混ぜる。においが心配な組み合わせに見えて、意外と気にならないです。ねぎを足すとさらに落ち着きます
- ごはんにのせて丼に。味噌煮ならそのまま、水煮ならしょうゆとごま油を少し。卵黄をのせると立派な一杯になります
魚料理が面倒に感じる原因の多くは、下ごしらえとにおいの残る調理器具なんですよね。その話は魚料理が面倒に感じる理由と続けるコツにまとめています。鯖缶は、その面倒をまるごと飛ばせるところがいちばんの価値だと思っています。
缶汁は使う?捨てる?——迷ったらこの目安で
そのまま食べる時にいちばん迷うのが、缶に残った汁ですよね。栄養があると聞くと捨てにくいし、でも生臭さの元にもなります。わたしは、こう分けて考えています。
- 味噌煮・しょうゆ味は、少し使う。もともと調味されている汁なので、ごはんにのせる時や丼にする時に少量まわしかけると、こくが出ます。ただし全部かけると塩辛くなります
- 水煮は、その日の気分で。汁には脂と塩分が出ています。あっさり食べたい日は切る、こくが欲しい日は少し残す。汁ごと味噌汁やスープに入れる使い方もあります
- 生臭さが気になる日は、迷わず切る。汁を切るだけで、においはかなり落ち着きます。かけるだけの食べ方をするなら、切ってからのほうが調味料の味が決まります
- 汁だけをそのままごくごく飲むのはやめておく。塩分が濃く、脂も多いので、飲みものとして扱うものではないんです。料理に使う、が基本
汁の切り方は、缶のふたを少しだけ開けたまま押さえて傾けるのがいちばん早いのですが、縁で指を切りやすいので、心配なら中身をざるに空けてしまうほうが安全です。もっと丁寧にやるならキッチンペーパーに一度あけて、押さえずに軽く吸わせます。作ったあとに生臭さが出てしまった時のリカバリーは鯖缶の生臭さを消す方法にまとめました。
残った分の保存——缶のまま冷蔵庫に入れないでください
ここだけは、やわらかく書かずにはっきり書かせてください。開けた鯖缶を、缶のまま冷蔵庫に入れないこと。缶は密封されている間は強いのですが、開けてしまうと中身が空気にも金属にも触れ続けます。味が落ちるうえ、においも移ります。
- 食べきれない分は、すぐに清潔な保存容器かガラスの器に移す。缶に残したまま置かない
- ふたをして冷蔵庫へ。食べきる目安は翌日まで。それ以上置くつもりなら、最初から使い切れる量で開けるほうが安心です
- 常温に出しっぱなしにしない。特に夏場は、食卓に置いたままの時間をできるだけ短く
- 次に食べる時、においや味がいつもと違うと感じたら食べない。「もったいない」より「やめておく」を優先していいところです
- 翌日に食べるなら、加熱する料理に回すのが気持ちの上でも楽。味噌汁や炊き込みご飯、和えものより火を通すおかずへ
鯖そのものの保存の考え方は鯖の保存方法にも書いています。缶詰も生の魚も、「開けたら、切ったら、そこから別の食べ物」と思っておくと迷いません。お弁当に入れる時の条件は少し違うので、鯖缶をお弁当にそのまま入れる時の注意のほうを見てくださいね。
洗い物を増やさない食べ方——器ひとつで終わらせる
- 器に直接あけて、その器の中で味付けする。ボウルもまな板も使わない。混ぜるのはスプーン1本で足ります
- ごはんの上に直接のせる。丼にしてしまえば、洗うのは茶わんとはしだけ
- 缶はすぐ水ですすぐ。放置すると脂が固まって落ちにくくなり、においも出ます。自治体の分別に合わせて出すためにも、すすいでおくと楽
ゆきこ( ゚Д゚)『夕方に一品足りなくて泣きそうになる日、小さい子がいる家だと週に何回もありますよね。鯖缶を器にあけてマヨネーズと七味をかけただけなのに、子どもが全部食べた、という話もよく聞きます。手を抜いたと思う日ほど、なぜか評判がいい。棚に鯖缶を切らさない、はうちでも大事にしたいルールです』
水煮は味がまっさらな分、その日の気分でどこへでも持っていけます。まとめ買いして棚に並べておくと、「今日はもう無理」という日の保険になりますよ。
あわせて読みたい
作ってみたら生臭くなってしまった、という時は鯖缶の生臭さを消す方法へ。味噌汁や炊き込みご飯が臭くなる原因と、今からできるリカバリーを書いています。朝のお弁当に使いたい人は鯖缶をお弁当にそのまま入れる時の注意を先に読んでください。保冷と汁切りの条件が変わります。生の鯖が余った時は鯖の保存方法、魚料理そのものがしんどい時は魚料理が面倒に感じる理由と続けるコツもどうぞ。
まとめ:そのままでOK、かけて変えて、残りは移して冷蔵
- 鯖缶は缶の中で加熱ずみ。水煮も味噌煮も開けてそのまま食べられます
- 水煮はマヨネーズと七味・ごま油と塩など、かけるだけで一品になります
- マヨネーズは合います。酢と油が生臭さの角を取ってくれるから
- 缶汁は味噌煮なら少し使う、生臭い日は切る。そのまま飲まない
- 缶のまま保存しない。容器に移して冷蔵で翌日まで、においが違えば食べない
保存版:この記事の早見表
手順を1枚にまとめました。



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