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「砂糖を減らしたいな」と思って甘酒を買ってみたものの、いざ煮物を作る段になって手が止まる。大さじ1の砂糖の代わりに、甘酒をどれだけ入れればいいの? 多めに入れたら水っぽくなりそうだし、少なすぎたら甘みが足りない。最初は目分量で入れて、びしゃびしゃの筑前煮になった、という失敗はよく聞きます。
先に結論をひとつ。甘酒は砂糖の代わりになりますが、「同じ量を入れ替える」ものではありません。甘さの強さも、水分の量も、焦げやすさも違うからです。この3つを頭に置いておくと、味付けがぐっと安定します。切らした日の代わりや、酸っぱくなった甘酒の見分け方まで、順番に見ていきましょう。
まず確認——砂糖の代わりに使えるのは「米麹の甘酒」のほうです
お店に並んでいる甘酒には、大きく分けて2種類あります。ここを取り違えると、味付けそのものが変わってしまうので、最初に見ておきましょう。
- 米麹(こめこうじ)の甘酒:お米と麹だけで作られたもの。砂糖を入れていないのに甘いのは、麹の働きでお米のでんぷんが糖に変わっているから。砂糖の代わりに使うならこちらです。原材料の欄に「米、米麹」だけが並んでいたら、これ
- 酒粕(さけかす)の甘酒:日本酒を搾ったあとの酒粕をお湯で溶いて、砂糖を足して作るもの。もともと砂糖が入っているうえに、アルコールが残っています。原材料に「酒粕」「砂糖」と書かれていたらこちら
酒粕のものは、独特の香りと苦みがあるので、料理の甘みとしては使いにくいんです。そして大事な点として、アルコールを含む甘酒は、お子さんや、これから運転する方には避けてください。パッケージの「アルコール分1%未満」といった表示や、「お子さまはご遠慮ください」の一文を、買う前にひと目見ておくと安心です。妊娠中の方やお薬を飲んでいる方も、念のため表示を確認してくださいね。
砂糖の代わりに使う時の3つのコツ
米麹の甘酒を用意したら、あとはこの3つを覚えるだけ。ほとんどの失敗はここに集約されます。
- 甘さの出方がやわらかい。砂糖のようにガツンと来る甘さではなく、じんわり広がる甘みです。だから同じ量では甘さが物足りなく感じます。逆に言えば、入れすぎても「甘ったるい」にはなりにくいので、味見をしながら足していけば大きく外しません
- 水分が増える。甘酒はどろっとした液体ですから、大さじ3も入れれば煮汁がその分ふえます。甘酒を加えた分だけ、水やだしを減らす。いちばん多い失敗はまさにこれです
- 焦げやすい。糖分が多いので、強火で煮詰めると鍋肌からあっという間に色がつきます。火は弱めに、仕上げのほうで加えるのがコツ。照り焼きなら、最後にからめるくらいの気持ちで
どれくらい入れる?——出発点は「砂糖大さじ1=甘酒大さじ3」
置き換えの目安は、砂糖大さじ1に対して、甘酒(米麹・ストレートタイプ)を大さじ3。そのうえで、煮汁や水分を大さじ2ほど減らします。これが出発点です。
- 濃縮タイプの甘酒(水で薄めて飲むもの)は甘みが強いので、大さじ1.5〜2から試して、味を見ながら足す
- みりんと置き換えるなら、みりん大さじ1に対して甘酒大さじ1〜1.5くらい。ただし甘酒にはアルコールによる「照り」や「煮くずれ防止」の働きがないので、仕上がりの艶は控えめになります
- 味が決まらない時は、塩をほんのひとつまみ。甘みが引き立って、ぼやけた味がしゃんとします
- お菓子に使う時は、牛乳や水をその分減らすのを忘れずに
なお、「甘酒に替えれば糖分が減る」と言い切れるかというと、そこは断定できません。甘酒にもお米由来の糖分はしっかり入っています。糖分の管理が必要な持病がある方は、自己判断で置き換えず、かかりつけの先生に相談してから取り入れてくださいね。
向く料理と、向かない料理
甘酒は「甘み」だけでなく「とろみ」と「うまみ」も一緒に持ち込みます。そこが合う料理では大活躍しますし、合わない料理ではどうにもなりません。
- とても向く:煮物、照り焼き、肉じゃが、そぼろ、和え物のたれ、ドレッシング、下味の漬け込み。とろみとうまみが乗って、コクのある仕上がりになります。鶏むね肉を甘酒と塩に漬けておくと、驚くほどしっとり焼けますよ
- わりと向く:パン、パンケーキ、蒸しパン、スムージー、ヨーグルトに混ぜる。水分の多い生地なら置き換えが効きます
- 向かない:メレンゲ、カラメル、クッキーやパイのようなサクサクした焼き菓子。これらは砂糖が「甘み」ではなく「構造」を作っているので、甘酒では代わりになりません。無理に置き換えると、しっとりした別のお菓子になります
- 色が気になる場合:甘酒はうっすら茶色く、加熱するとさらに色が濃くなります。真っ白に仕上げたい料理には向きません
甘酒を切らした!——今日の代わりになるもの
レシピを見て作り始めてから「甘酒がない」と気づく日、ありますよね。完全に同じにはなりませんが、目的別に近づけることはできます。
- 煮物・照り焼きの甘みとして:みりんがいちばん近い代わりです。甘酒大さじ3に対して、みりん大さじ1と少しくらい。アルコールが気になる時は、先に小鍋でひと煮立ちさせて煮きってから使ってください
- コクとうまみが欲しい時:砂糖に、塩麹をほんのひとつまみ。麹のうまみが足されて、ぐっと甘酒寄りの味になります。塩麹の保存に迷ったら塩麹の保存の仕方も見てみてください
- 飲みものとして:プレーンヨーグルトに、はちみつか砂糖を混ぜて牛乳でのばす。とろみと優しい甘さが似ています。ただし1歳未満のお子さんには、はちみつを使わないでください
- お菓子の生地に:牛乳+砂糖でも十分成立します。とろみが欲しければ、ヨーグルトを少し足して
ちなみに、家で甘酒を作りたくなった時は、温度と時間の管理がすべてです。ヨーグルトメーカーの温度と時間の目安に、麹を扱う時の考え方も書いています。
酸っぱくなった甘酒——「発酵が進んだ」と「傷んだ」の見分け方
冷蔵庫に入れておいた甘酒が、なんだか酸っぱい。これはどちらの可能性もあります。米麹の甘酒は生きた材料なので、置いておくと乳酸によるほのかな酸味が出てくることがあるんです。そこは「進んだだけ」でおいしく食べられる範囲。でも、明らかにおかしい時は別です。
- 食べても差し支えないことが多い:ヨーグルトのようなやわらかい酸味。色は白〜クリーム色のまま。においも穏やか。加熱調理に回せば気になりません
- 食べないほうがよい:ツンと鼻にくる刺激的な酸っぱさ、お酒やシンナーのようなにおい、苦み、舌がピリピリする感じ、表面がねばつく、糸を引く、泡がぶくぶく出て容器のふたが膨らんでいる
判断に迷った時は、においが決め手です。ふたを開けた瞬間に「あ、違う」と感じたら、その直感を信じてください。においや味が明らかにいつもと違えば、もったいなくても食べない。これは甘酒にかぎらず、発酵食品ぜんぶに共通する線引きです。ひと口だけ試す、というのもやめておきましょう。
ピンクや白いものが出た時と、保存の目安
表面に色のついたものが浮いていたら、まずは落ち着いて見てみましょう。
- 白いつぶつぶ・もやっとしたもの:麹の粒や、お米の粒が浮いてきただけ、ということがよくあります。混ぜて溶けるようなら、多くはそれ
- ふわふわした白い綿状のもの、黒・緑・青の点:これはカビのことが多いので、その部分だけ取り除かず、容器ごと処分してください。見えているのは表面だけで、下にも広がっていることがあります
- ピンクや赤っぽい色:色のついた菌が増えているサインと考えて、食べずに処分するのが安心です。「ここだけすくえば大丈夫」とは考えないほうがいいところ
そして、そもそも色が出ないようにする保存のコツを。開封したら冷蔵庫で2〜3日を目安に使い切る。取り分けるスプーンは必ず清潔なものを使って、飲みかけの口をつけた容器を戻さない。使い切れないと分かっているなら、製氷皿や小分け容器で冷凍してしまうのがいちばんです。冷凍なら1か月ほど持ちますし、料理に使うぶんだけ取り出せて便利。小分け冷凍の考え方はおもちの冷凍保存の仕方と同じで、空気に触れさせないのがポイントになります。
ゆきこ( ゚Д゚)『初めて甘酒で肉じゃがを作った日、砂糖と同じ感覚で大さじ1だけ入れて「味がしない」と言われた、という話はよく聞きます。大さじ3にして水を減らしたら「今日のじゃがいも甘い」に変わった、という声も。分量って大事です。うちなら製氷皿で凍らせて、1個ずつ鍋に落とす形にします』
料理に使うなら、飲む用の甘い仕上がりのものより、米と米麹だけで作られた砂糖不使用のもののほうが味を調整しやすいです。私も口コミを読んでいると「料理用は原材料がシンプルなほうが使いやすい」という声が多くて、なるほどと思いました。
あわせて読みたい
麹つながりで、塩麹の保存の仕方もどうぞ。家で発酵させてみたい方はヨーグルトメーカーの温度と時間の目安が参考になります。小分け冷凍の考え方はおもちの冷凍保存の仕方にまとめました。
まとめ:米麹の甘酒で、大さじ3。水分を減らして弱火で
- 砂糖の代わりに使うのは米麹の甘酒。酒粕のものとは別ものです
- 目安は砂糖大さじ1=甘酒大さじ3。その分だけ水分を減らす
- 焦げやすいので弱火で、仕上げに加えると失敗しません
- 切らした日はみりん、砂糖+塩麹で近づけられます
- においや味が明らかに違えば食べない。ピンクが出たら容器ごと処分
保存版:この記事の早見表
手順を1枚にまとめました。



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