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いただきものの本わさびが冷蔵庫にある。せっかくだからおろして食べたいけれど、家にあるのは大根用のおろし金だけ。これでいいのかな、と手が止まっていませんか。初めて生のわさびをもらった時は、たいていここで固まりますよね。
先に結論をひとつ。わさびは道具の「目の細かさ」で味がはっきり変わります。大根用の粗い目でもおろせますが、辛みも香りも本来の半分くらいしか出てきません。逆に言えば、細かい目の道具さえあれば、おろし方のちょっとしたコツで見違えるほど辛く、香りよくなるんです。道具の違いから、辛くするおろし方、残った分の保存まで、順番に見ていきましょう。
わさび用のおろし金は「目が細かい」——それだけの違いで味が変わる理由
わさびの辛みは、最初からわさびの中にあるわけではありません。すりおろして細胞がつぶれた時に、中の成分どうしが出会って初めて辛み成分が生まれます。だから、つぶれる細胞の数が多いほど辛くなる。目が細かい道具ほど辛くなるのは、この仕組みのおかげなんです。
- 鮫皮(さめがわ)のおろし:昔から使われてきた道具。細かい突起がびっしり並んでいて、細胞を切らずにつぶすように削れるので、きめが細かくふんわりした仕上がりになります。使い終わったら水でよく流して、風通しのよい所でしっかり乾かすのが手入れの基本
- 目の細かい金属のおろし金:手入れが楽で丈夫。同じ金属でも、大根用の粗い目とはまったく別物です
- 陶器のおろし皿:小さな突起が並んだ小皿タイプ。金気(かなけ)が出にくく、そのまま食卓に出せるのが便利。突起の細かいものを選ぶのがポイント
- 大根用の粗いおろし金:おろせますが、繊維が残って水っぽく、辛みが立ちにくい。どうしても手元にこれしかない時は、後で書くおろし方でカバーします
おろし金そのものがない時にどうするかは、おろし金の代用になるもののほうにまとめました。ただしわさびに関しては、代用がいちばん効きにくい食材だとお伝えしておきますね。
おろし金に「わさび」と書いてある面は何?——目の細かさの目印です
両面使えるおろし金や、面がいくつかに分かれている道具に、「わさび」「だいこん」「しょうが」と表示や刻印があるものがありますよね。あれは特別な仕掛けではなくて、その食材に合う目の細かさの面ですよ、という案内です。
- 「わさび」の面:いちばん目が細かい。突起が小さく、間隔も狭い。わさびのほか、しょうがやにんにくを少量おろす時にも向きます
- 「しょうが」「薬味」の面:中くらいの細かさ。繊維の残りやすいしょうがをふんわりおろせます
- 「だいこん」の面:いちばん目が大きい。水分の多い大根をたっぷりおろすため
- 表示のない道具でも、指で触ってざらつきが細かいほうがわさび向きと覚えておけば迷いません
買う時に迷ったら、「わさび」と表示のある面があるかどうかを見るのがいちばん早い選び方です。1枚で薬味も大根もまかなえるので、台所の引き出しも助かりますよ。
いちばん辛くなるおろし方——「円を描くように、ゆっくり」の理由
道具が決まったら、おろし方です。難しいことはひとつもなくて、覚えるのは「ゆっくり」と「円」だけ。
- 茎(葉のついていた側)から使う。わさびは茎側のほうが辛みが強く、根の先へいくほど穏やかになると言われます。使う分だけ茎側から、というのが基本
- 皮を薄くこそげる。むくのではなく、包丁の背やスプーンの先で表面のでこぼこをなでる程度に。皮のすぐ下に香りがあるので、厚くむくともったいないんです。黒くなった部分やくぼみの汚れだけ落とせば十分
- おろし金に軽く当てて、円を描くようにゆっくり回す。前後にゴシゴシ動かすと、細胞が「切れて」しまって辛みが立ちません。丸を描くように、力を抜いて、数を重ねる。時間にして30秒から1分くらい、じっくり
- おろしたら、包丁の背や小さなへらで軽くたたいて練る。空気を含ませると辛みと香りがまとまります。やりすぎると水っぽくなるので、10回ほどで十分
- 小さな山にまとめて、2〜5分置く。おろした直後より、少し置いたほうが辛みがしっかり立ちます
大根用の粗いおろし金しかない時は、おろしたあとに包丁で細かくたたくと、少しだけ近づきます。細胞をつぶす作業を包丁で足してあげるイメージですね。すり鉢を使って軽くする方法もあります。すり鉢がない場合の代わりはすり鉢の代わりになるものにまとめました。
ひとつだけ気をつけたいのが手元です。目が細かい道具でも、指をこすれば普通にけがをします。わさびは小さいので、最後のほうは指がおろし金に近づきがち。小さくなったら無理に削らず、残りは包丁で細かく刻むほうが安全です。それと、おろしている時に顔を近づけすぎると、立ちのぼる成分で目や鼻がツンとして涙が出ます。手元を見たい気持ちは分かるのですが、少し離れて作業してくださいね。
おろしたあとの時間——数分置く、そして15分で香りは飛びます
- おろして2〜5分:辛みがいちばん立つころ。食卓に出すならこのタイミング
- 15分ほど過ぎると:辛みも香りも目に見えて弱くなっていきます。だから「食べる直前におろす」が鉄則
- しょうゆに溶かさない:溶かすと香りが飛んで、辛みも散ってしまいます。刺身の上に直接のせて、しょうゆは魚のほうにつけるのが、いちばんおいしい食べ方
- 温かい料理には後のせ:熱を加えると香りが飛ぶので、お茶づけや汁物には食べる直前に
- 小皿に取り分けたら、ラップをふわりと:食卓に出しっぱなしにするより、香りが少し長持ちします
本わさびが手に入らない時——粉わさび・チューブ・西洋わさび
生の本わさびは、いつでも買えるものではないですよね。手に入らない時の選び方も知っておくと、献立が組みやすくなります。
- 粉わさび:同量の水で練って、器を伏せて数分置くと辛みが立ちます。練ってすぐより、少し待つのがコツ。ここでも「置く時間」が効くんです
- チューブのもの:手軽さは一番。開封後は冷蔵で、キャップの口をきれいにしてから閉めると風味が保ちやすいです
- 西洋わさび(ホースラディッシュ):辛みが強くて香りの立ち方が違います。おろす道具は同じでよく、肉料理に合わせやすい
残ったわさびの保存——乾燥させないことがすべて
生の本わさびは、切り口から乾いていきます。乾かさない、それだけを守れば意外と長持ちします。
- 使う分だけおろし、残りはラップでぴったり包む。空気に触れる面をなくすのが第一
- 湿らせたキッチンペーパーで包んでから、袋か容器に入れて冷蔵庫の野菜室へ。ペーパーが乾いたら取り替えます
- 次に使う時は、切り口を薄く1枚落としてから。乾いた面を取り除くと香りが戻ります
- 長く置くなら冷凍。丸ごとラップで包んで冷凍するか、おろしたものを小分けにしてラップで包み、まとめて袋へ。使う時は凍ったまますりおろすか、必要な分だけ取り出します
- 色が黒ずんできた、ぬめりが出た、においが変わった、という時は食べずに処分を。もったいなくても、口に入れるものは迷った時点でやめておくのが安心です
魚と一緒に買ってきた日は、魚のほうの保存も気になりますよね。青魚の扱いはさばの保存の仕方にまとめてあります。
チューブのわさびをどれくらい置いておけるか、開封してからの日持ちは、わさびの保存方法をまとめた記事に早見表つきで書いてあります。冷凍できるかどうかもそちらに。
おろし金の洗い方——目に詰まったわさびの落とし方
細かい目の道具は、洗いにくいのが唯一の弱点です。詰まったまま乾くと、次に使う時に色もにおいも移ってしまいます。
- 使ったらすぐ、乾く前に流水で流す。これがいちばん効きます。乾いてからでは倍以上手間がかかります
- 裏側から水を当てる。目の向きと逆から流すと、詰まったものが押し出されます
- やわらかい歯ブラシで、目の並びに沿って軽くこする。ゴシゴシせず、方向を合わせるのがコツ
- 鮫皮のものは洗剤を控えめに、よく乾かす。湿ったまましまうとにおいやカビのもとになります。風通しのよい所で完全に乾かしてから収納を
- 金属たわしや硬いブラシは使わない。突起がつぶれて、せっかくの目の細かさが台無しになります
ゆきこ( ゚Д゚)『わさびの辛さって、子どもには本当に痛みなんですよね。回転寿司で「大人になる」と言って一口いって、そのあと5分くらい涙を流していた、という話はよく聞きます。無理に食べさせるものじゃないな、と思います。うちなら大人の分だけ別皿にします』
年に何度かしか使わないから、と大根用のおろし金で済ませている家は多いと思いますが、目の細かい面がある道具にするだけで、しょうがもにんにくもふんわりおろせるようになります。「わさび」と表示のある細かい面があるか、受け皿がついて安定するか、そして洗いやすい形か。この3つで選ぶと、選び直しになりにくいですよ。
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そもそもおろす道具が家にない、という日はおろし金の代用になるものをどうぞ。大根やとろろの代わりの作り方と、やってはいけない代用をまとめています。すりつぶす道具が必要な時はすり鉢の代わりになるもの、お刺身を買った日の保存はさばの保存の仕方も参考になると思います。
まとめ:目の細かさで辛さが決まる、円を描いてゆっくり、置いてから食べる
- わさび用のおろし金は目がとても細かい。つぶれた細胞の数だけ辛くなります
- 「わさび」の表示は目の細かい面という目印。触ってざらつきの細かいほうを使う
- おろし方は円を描くようにゆっくり。力より回数、そのあと軽くたたく
- 2〜5分置くと辛みが立ち、15分で飛びます。しょうゆには溶かさない
- 残りはラップで密着させて冷蔵か冷凍。指はこすらない、無理に食べさせない
保存版:この記事の早見表
手順を1枚にまとめました。



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