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去年しまったダウンジャケットを出したら、襟の内側と袖口だけが妙に黒い。手で触るとちょっとぬるっとしていて、においも少し。全体はきれいなのに、そこだけくすんで見えるから、着ようとして手が止まりますよね。家族のダウンの襟がそうで、冬になってようやく向き合った、という話はよく聞きます。
先に結論をひとつ。襟と袖口の黒ずみは皮脂汚れなので、洗濯表示さえ確かめれば、部分洗いだけでもかなり落ちます。全部を洗わないといけないと思い込んで、こわくて手が出せない人がいちばん多いところなんです。表示の見方から、部分洗い、全体洗い、そしていちばん失敗しやすい乾かし方まで、順番に見ていきましょう。
まず洗濯表示を見る——ここで道が分かれます
ダウンは中身が羽毛でも、外側の生地や装飾で扱いが変わります。だから最初にやることは洗剤選びではなく、内側の縫い目に付いているタグを読むこと。ここを飛ばすと、縮んだり型崩れしたりして、取り返しがつかなくなります。
- おけのマークに数字(水温)が入っている→ 家庭で水洗いできます。数字はお湯の上限なので、それより低い温度で
- おけのマークの下に線がある→ 洗濯機なら弱い水流で、という意味。おしゃれ着コースやドライコースにあたります
- おけに手が入っているマーク→ 手洗いのみ。洗濯機は使えません
- おけに大きなバツ→ 家庭では洗えません。迷わずクリーニングへ
- 丸の中に文字があるマーク→ 専門店のドライ処理の指定。これも家では洗わない前提で
表示を無視して洗うと、縮み・型崩れ・中の羽毛の片寄りが一度に起きます。タグが読めないほど薄れている古いダウンは、家で洗わずに相談するほうが安全です。もうひとつ、羽毛でくしゃみや目のかゆみが出る方は、洗っている間ずっと羽毛の粉に触れることになるので、無理に自宅で洗わずお店に任せてくださいね。
襟と袖口だけなら、部分洗いで十分です
黒ずみの正体は、皮脂と汗、そこに付いたほこりや化粧品。油の汚れなので、水だけではほぼ動きません。中性のおしゃれ着洗剤を使うと、驚くほどするっとゆるみます。
- 洗面器にぬるま湯(30度くらい)を張り、おしゃれ着洗剤を表示より薄めに溶かす。原液を直接付けると、洗剤が残って輪じみになります
- 汚れた部分の下に、乾いたタオルを当てる。汚れを下のタオルに移していくイメージです
- 柔らかい布かスポンジに溶液を含ませ、上から軽くたたく。歯ブラシでこするのは避けてください。表面の生地の織り目が毛羽立って、そこがまた汚れを抱えます
- たたく→タオルの位置をずらすを数回くり返す。少しずつタオルが黒くなっていけば、ちゃんと移っています
- きれいな水を含ませた布で、洗剤が残らないように押さえ拭き。ここが雑だと乾いた時に白い跡が出ます
- タオルで水分を押さえてから、風通しのよい日陰でしっかり乾かす
1回で全部落ちなくても大丈夫。強くこすって一度で落とすより、弱くたたいて2回に分けるほうがきれいに仕上がります。生地を傷めないぶん、来年もまた同じことができますしね。
全体を洗う手順——ネット・弱水流・短い脱水
汚れが全体に回っている、においが気になる、というときは丸ごと洗います。表示で水洗いができることを確かめたうえで、次の順番で。
- ポケットを空にして、ファスナーとボタンを全部閉める。開いたままだと、金具が生地を引っかけます
- 取り外せるファーやフードは外す。ファーはほとんどの場合、水洗いできません
- 襟と袖口だけ、先に部分洗いをしておく。全体洗いだけでは、こびりついた皮脂は落ちきらないことが多いです
- 袖を内側に折って小さく畳み、洗濯ネットに入れる。ネットは目の細かいものを。手持ちがなければ洗濯ネットの代用になるものも参考にしてください
- おしゃれ着コース(ドライコース)で、中性のおしゃれ着洗剤を規定量。柔軟剤は入れるとしても少なめに。入れすぎると羽毛が水を吸いやすくなって、ふくらみが戻りにくくなります
- 脱水は30秒〜1分で止める。長く回すと羽毛が片寄って、乾いた時にでこぼこになります
手洗いの場合は、浴槽か大きめのたらいにぬるま湯を張り、洗剤を溶かして押して沈める・持ち上げるをくり返すだけ。もみ洗いはしません。すすぎは水を替えて2〜3回、最後はタオルにはさんで水気を取ります。
乾かし方でほぼ決まります——完全に乾かさないとにおいとカビ
ここが本当にいちばん大事なところ。ダウンは表面が乾いても、中の羽毛はまだ湿っています。そのまましまうと、数日でにおいが出て、最悪カビになります。せっかく洗ったのに逆に着られなくなるのは、ほぼこの乾燥不足が原因なんです。
- 風通しのよい日陰で、平干しから始める。ぬれて重いうちに吊るすと、羽毛が下にたまって型崩れします
- 途中で何度も手でほぐす。パンパンと軽くたたいて、かたまった羽毛をばらばらに戻す。この作業をするかしないかで、仕上がりのふくらみが全然違います
- 水気が抜けて軽くなったら、厚みのあるハンガーに掛けて陰干し。1〜2日はみておいてください
- 扇風機やサーキュレーターの風を当てると早い。生乾きのにおいが出てしまった時は生乾きのにおいの取り方もあわせてどうぞ
- 乾燥機を使うなら必ず低温で、短い時間を何回か。高温は表面の生地を傷めますし、熱で縮むこともあります
目安は、両手ではさんで押してみて、ひんやりしないこと。少しでも冷たさが残っていたら、まだ中に水分があります。急いでいる日でも、ここだけは待ってあげてください。
やってはいけない5つ
- 漂白剤を使う。黒ずみに効きそうに見えますが、色柄が抜けたり、生地の防水加工が落ちたりします
- 長時間のつけ置き。羽毛が水を含みすぎて、乾きにくくなるだけ。落ちた汚れが生地に戻ることもあります
- 柔軟剤をたっぷり入れる。羽毛の油分が変わって、ふくらみが戻りにくくなります
- 乾燥機の高温で一気に乾かす。表面がてかったり、縮んだり。低温で短く、が原則です
- 生乾きのまま収納袋に入れる。においとカビが出ます。圧縮袋も同じで、乾ききってから
ぺたんこになってしまった時の戻し方
洗ったあとにふくらみが戻らない、というのはよくあります。羽毛どうしがくっついているだけで、たいていは戻せます。
- まず完全に乾いているか確認。湿っているうちは何をしても戻りません
- ハンガーに掛けて、両手で全体を軽くたたく。上から下へ、羽毛をほぐす気持ちで
- それでも戻らないところは、低温の乾燥機に10分ほど。テニスボールを一緒に入れると、たたく役をしてくれます
- 乾燥機がなければ、ドライヤーの冷風を当てながら手でほぐす。温風は生地に近づきすぎると傷めるので、冷風か低温で
それでも一部だけへこんでいる場合は、そこの生地に小さな穴が開いて羽毛が抜けていることも。心当たりがあればダウンジャケットの穴あき補修のほうを先にどうぞ。
クリーニングに出す判断と、しまう前の一手
無理をしないほうがいい場合もあります。次のどれかに当てはまるなら、迷わずお店に相談してください。
- 洗濯表示が家庭洗濯不可、またはタグが読めない
- ファー・革・スエードの切り替え、刺しゅうやビーズなどの装飾がある
- 買った時の値段が高くて、失敗したら悲しいもの
- 全体的に黄ばんでいる、においがしみついている、しばらく着ていなかった
- 羽毛でくしゃみや目のかゆみが出る方
そして、洗っても洗わなくても、しまう前に一日だけ陰干しして、湿気を抜いてから収納するのを習慣にすると、来年出したときのにおいが本当に違います。ビニールの袋ではなく、通気性のある不織布のカバーで。
ゆきこ( ゚Д゚)『ダウンの襟を初めて部分洗いした時、当てたタオルが茶色くなっていくのを見て真顔になった、という声を読んで、なるほどと思いました。年に2回、シーズンの前と後に襟と袖口だけたたく。全部洗うより10分で終わるので、これなら続くと思うんですよね』
道具でひとつだけ足すなら、中性のおしゃれ着洗剤。部分洗いにも全体洗いにも同じものが使えて、セーターやコートにも回せるので、1本あると冬の洗濯がずいぶん気楽になります。
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洗っているうちに小さな穴を見つけたら、ダウンジャケットの穴あき補修で先に塞いでおくと羽毛が飛びません。ネットが足りない日は洗濯ネットの代用になるものを、乾かしている途中でにおいが出たら生乾きのにおいの取り方をどうぞ。冬の首元まわりで迷ったらダウンにマフラーはいらない?という話もあります。
まとめ:表示を見て、たたいて落として、完全に乾かす
- まず洗濯表示。バツや手洗いマークを無視すると縮みと型崩れが起きます
- 襟と袖口の黒ずみは中性のおしゃれ着洗剤でたたけば落ちる。こすらない
- 全体洗いは畳んでネット・弱水流・脱水は1分以内が基本です
- 完全に乾かさないとにおいとカビ。平干しして途中で何度もほぐす
- 装飾つき・表示が不可・羽毛が合わない方は迷わずクリーニングへ
保存版:この記事の早見表
手順を1枚にまとめました。



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