ハザードマップは色で「水がどこまで来るか」を示しています。ただし色の意味を知らないと、自宅が危ないのかどうか判断できません。色と浸水の深さの対応、自宅に印をつける手順、避難のタイミングをまとめました。10分で確認できます。
色(浸水深)別の早見表
| 色(浸水深) | どのくらいか | とる行動 |
|---|---|---|
| 0.5m未満 | 大人のひざ下 | 徒歩の避難は可能。ただし用水路が見えず危険 |
| 0.5〜3m | 1階の天井近くまで | 2階以上へ上がる(垂直避難) |
| 3〜5m | 2階が水没 | 3階以上か、浸水しない場所へ移動 |
| 5〜10m | 3階まで達する | 早い段階で別の場所へ(水平避難) |
| 土砂災害警戒区域 | 色分けが別 | 雨が強まる前に離れる |
色は「水の深さ」を表している
洪水のハザードマップで塗られている色は、その場所に来る水の深さです。薄い青から濃い青、紫へと濃くなるほど深くなります。
数字だけ見てもぴんと来ないので、身長と建物の階で置き換えてみます。
- 0.5m…大人のひざ下。歩けますが、水の中は側溝やマンホールが見えず危険です
- 1m…大人の腰。流れがあると立っていられません。車のドアは開きません
- 3m…1階の天井。1階にいると逃げられません
- 5m…2階の床より上。2階への垂直避難では足りません
- 10m…3階まで達します
自宅が3m以上の区域なら、2階へ上がるだけでは足りません。早い段階で家を出て、浸水しない場所へ移る(水平避難)判断が必要です。この「自分の家は垂直避難で足りるのか」を先に知っておくことが、ハザードマップを見る最大の目的です。
見るサイトは1つで足りる
国土地理院の「重ねるハザードマップ」で、洪水・土砂災害・津波・高潮をまとめて見られます。住所を入れるだけです。
- 検索窓に自宅の住所を入れる
- 表示したい災害の種類を選ぶ(洪水・土砂・津波など)
- 自宅の場所の色を確認する
- 色をクリックすると浸水の深さが出る
- 避難所の場所も同じ地図に表示できる
お住まいの市区町村が配っている紙のハザードマップも内容は同じです。紙のほうが家族で共有しやすいので、役所でもらってきて冷蔵庫に貼っておくのも有効です。
注意したいのは、色が塗られていない場所も安全とは限らないことです。ハザードマップは想定した雨量での計算なので、それを超える雨が降れば想定外のことが起きます。「色がないから大丈夫」ではなく「想定ではここまで」と読んでください。
洪水以外の色分けも見ておく
| 種類 | 見るところ | 注意点 |
|---|---|---|
| 洪水(河川氾濫) | 浸水深と、水が引くまでの日数 | 長く水が残る地域は在宅避難が難しい |
| 内水氾濫 | 下水が流れず道路が浸かる範囲 | 川から離れていても起きます |
| 土砂災害 | 急傾斜地・土石流の警戒区域 | 雨が強まる前に離れる。夜間は特に危険 |
| 津波 | 浸水域と到達時間 | 高台までの距離と時間を測っておく |
| 高潮 | 台風時の海面上昇の範囲 | 河口付近は洪水と重なります |
川から遠いから安心とは言えません。内水氾濫は、下水の処理能力を超える雨が降って道路や低い土地が浸かる現象です。都市部ではこちらのほうが起きやすく、地下室や半地下の駐車場が水没します。
土砂災害の警戒区域に入っている場合は、浸水と違って「上に逃げる」が使えません。雨が強くなる前に、区域の外へ出ておく必要があります。
避難のタイミングを先に決めておく
警戒レベルは5段階で発表されます。どのレベルで動くかを、家族で先に決めておくのが要点です。
| 警戒レベル | 発表される情報 | とる行動 |
|---|---|---|
| レベル1 | 早期注意情報 | 心構えを高める。天気予報を見る |
| レベル2 | 注意報 | 避難先と経路を確認する |
| レベル3 | 高齢者等避難 | 高齢者・子ども連れ・ペットのいる家は避難開始 |
| レベル4 | 避難指示 | 全員が危険な場所から避難 |
| レベル5 | 緊急安全確保 | すでに災害発生。命を守る最善の行動 |
レベル5では、すでに安全な移動が難しくなっています。レベル4までに避難を終えるのが前提で、高齢の方や小さい子どもがいる家庭はレベル3で動き始めます。
夜間に雨が強まる予報のときは、明るいうちに動いておくのが安全です。暗い中の移動は、冠水した道路のふたが外れていても見えません。
経路は2つ、実際に歩いてみる
地図上で決めた道が、実際には歩きにくいことがあります。一度晴れた日に歩いてみてください。
- 避けたい道…川沿い、アンダーパス(線路や道路の下をくぐる道)、用水路のそば、擁壁の下、崖の近く
- 選びたい道…高い土地を通る道、幅の広い道、街灯のある道
- 2つ決める…1つが通れないことがあります
- 所要時間を測る…子どもや高齢の方と歩くと、地図の時間の1.5倍かかります
- 途中の目印を覚える…暗いときに迷わないため
アンダーパスは、少しの雨でも一気に水がたまります。車で通ると水没して閉じ込められる恐れがあるので、避難経路からは外してください。
避難所は指定されたところ以外に、親戚の家やホテルという選択もあります。ペットがいる場合、避難所が受け入れるかを事前に確認しておくと当日迷いません。
4コマ漫画でおさらい
詳しい手順や例外は、この上の各見出しにまとめてあります。まずは漫画の流れだけ覚えておけば大丈夫です。
よくある質問
Q. 色が塗られていない場所は安全ですか?
想定した雨量では浸水しないという意味で、絶対に安全という意味ではありません。想定を超える雨では色のない場所でも浸水します。「想定ではここまで」と読んでください。
Q. マンションの高層階なら避難しなくていいですか?
浸水そのものは避けられますが、停電でエレベーターと水道が止まり、水が引くまで数日孤立することがあります。在宅避難する場合は水・食料・簡易トイレを備えてください。
Q. ハザードマップはどこでもらえますか?
市区町村の役所の防災担当課で配っています。自治体のサイトからPDFで見られることも多く、国土地理院の「重ねるハザードマップ」なら住所を入れるだけです。
Q. 賃貸を借りるときも見るべきですか?
見たほうがよいです。とくに1階や半地下の物件、川沿いの物件は浸水深を確認してから決めると安心です。
Q. 土砂災害警戒区域に住んでいます
浸水と違って「上に逃げる」が使えません。雨が強まる前に区域の外へ出る前提で計画してください。夜間の移動は危険なので、明るいうちに動きます。
Q. 避難所が遠くて行けません
指定避難所以外の選択肢を先に確保してください。浸水しない地域の親戚の家、ホテル、勤務先などが候補になります。家族で「うちはここに行く」と決めておくのが大事です。
Q. ペットがいる場合はどうしますか?
避難所がペットを受け入れるかは自治体で違います。事前に確認し、受け入れ不可なら別の場所を決めてください。ケージ・フード・水・トイレ用品を一緒に備えます。
Q. 車で避難してもいいですか?
冠水した道路に入ると水没して閉じ込められる恐れがあります。原則は徒歩で、車で動くなら浸水前の早い段階に限ります。アンダーパスは絶対に通らないでください。
Q. 家族がばらばらの時間に帰ってきます
集合場所を2つ決めておくのが有効です。1つは自宅、もう1つは避難所か浸水しない場所。携帯がつながらない前提で、「〇時までに来なければ〇へ移動する」まで決めておきます。
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まとめ
ハザードマップの色は水の深さです。0.5mでひざ下、3mで1階の天井、5mで2階が水没します。自宅が3m以上なら2階へ上がるだけでは足りません。「重ねるハザードマップ」で住所を入れて色を確認し、避難所までの道を2つ決めて歩いてみてください。高齢の方や子ども連れは警戒レベル3で動き始めます。


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