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洗い物を減らしたくて買ったシリコンスチーマー。なのに、パスタをゆでるたびに白い泡がふたのすき間から噴き出して、庫内がびしょびしょ。結局レンジの中を拭くはめになって、「これ、鍋のほうが早いのでは」とため息をついたこと、ありませんか。子どものお昼にパスタを作るたび、庫内の天井から泡が垂れる、という話はよく聞きます。
先に結論をひとつ。吹きこぼれは、泡がふたに届いてしまうから起きています。ということは、直す所は「容器が小さい」「水が多い」「出力が高い」の3つしかありません。どれかをひとつ変えるだけで、かなりの確率で止まります。ワット数を下げるだけで解決した、という声も多いです。
そしてもうひとつ。鍋の吹きこぼれ対策としてよく聞く「菜箸を渡す」という方法。あれはコンロの鍋の話であって、電子レンジでは絶対にやりません。ここは混ざりやすい所なので、あとで一節を使ってきちんと分けてお話ししますね。
吹きこぼれる仕組み——泡がふたに届くだけのこと
パスタやお米をゆでると、でんぷんが溶け出して水にとろみが出ます。このとろみのある水は泡が割れにくくて、加熱するとむくむくとかさが増えていくんです。泡の層がふたまで届いた瞬間に、行き場をなくした泡がすき間から出ていく。これが吹きこぼれの正体でした。
- 容器が小さい:泡がふくらむ空間がないので、すぐ天井にぶつかります。ふたまでの高さが足りないだけ、ということが多いです
- 水が多い:スタート地点が高いほど、泡は早くふたに届きます。鍋と同じ感覚でたっぷりお湯を入れると必ずあふれます
- 出力が高い:一気に沸かすほど泡は激しくなります。電子レンジは中の水を直接あたためるので、コンロより急に沸くと思っておくと安心です
この3つのどれが自分の原因かを見てから直すと、遠回りしません。中身を減らしても直らないならワット数、ワット数を下げても直らないなら容器のサイズ、というふうに順番に見ていきましょう。
水の量とワット数——「中身は容量の半分まで」が目安
いちばん効くのは、実はとても地味な調整です。ふたまでの高さを、泡がふくらむ余白として残しておくこと。
- 中身(食材と水を合わせて)は、容器の容量の半分まで。多くても3分の2で止めます。ここを守るだけで、吹きこぼれの半分くらいは消えます
- 水は「かぶる程度」で十分。電子レンジは食材の中の水分もあたためるので、鍋のようにたっぷりのお湯はいりません
- ワット数は下げて、時間を延ばす。600ワットで5分より、500ワットで7分のほうが静かに火が通ります。急がば回れが、そのまま当てはまります
- 途中で一度混ぜる。泡の層をいったん崩せますし、加熱のむらも減ります。ただし取り出す時は必ずミトンか厚手の布で。ふちがしっかり熱くなっています
- 加熱時間は短めに設定して、足す。3分足りなければ30秒ずつ足すほうが、あふれるより早く終わります
パスタとご飯を吹きこぼさないコツ
この2つは、でんぷんが多いぶん吹きこぼれの二大巨頭ですよね。少しだけやり方が違います。
パスタの場合。麺が水から出ていると生煮えになるので、水は減らしにくいところです。そこで、
- 麺を半分に折るか、放射状に広げて寝かせ、水は麺がひたる程度まで。立てて入れると水位が上がります
- ふたを完全に閉めない。蒸気の抜け穴があるタイプならそこを開ける、なければふたを少しずらして乗せる。閉じ込めるほど泡は行き場をなくします
- 油を1滴たらすと泡が割れやすくなります。オリーブ油でもサラダ油でも。入れすぎるとソースがからまなくなるので、本当に1滴
- 表示のゆで時間に2〜3分足すのが目安。途中で一度混ぜて、麺どうしがくっつくのを防ぎます
ご飯・お米の場合。こちらはとろみが強いので、水位より余白が命です。
- お米1合に対して、容器は1.5リットル以上のものを。小さい容器で炊こうとするのが、いちばんよくある失敗です
- 洗ったお米を30分浸水させてから加熱すると、加熱時間が短くなって吹きこぼれにくくなります
- 高い出力で数分、そのあと低い出力で長くの2段階が定番です。沸いたら弱火、を電子レンジでやるイメージですね
- 加熱が終わったら、ふたをしたまま10分ほど蒸らします。ここで開けると芯が残ります
今すぐできる4つ——ふたをずらす、受け皿を敷く
- ふたを少しずらして乗せる。蒸気の抜け穴があるタイプは、その穴を開けた状態で。密閉するタイプでも、完全に閉めなければ泡は静かになります。ただし、ずらしたぶんだけ蒸気が逃げるので、加熱時間は少し長めに見てください
- 下に平らな耐熱皿を敷く。これは防ぐというより「あふれても庫内を汚さない」ための保険です。拭く手間が段違いに減るので、私はもう毎回敷いています
- 途中で一度、取り出して混ぜる。泡の層を崩すのがいちばん確実。取り出す時は必ずミトンで、容器のふちを持ちます
- ひと回り大きい容器に替える。ここまでやっても毎回あふれるなら、容量が足りていません。作る量に対して、ふたまでの余白がある物を選ぶと悩みが消えます
ちなみに、加熱後にふたが張りついて開かなくなることがありますよね。あれは中の空気が冷えて縮むために起きます。保存容器のふたがレンジ加熱後に開かない時と同じ理屈なので、そちらも参考になると思います。
「菜箸を渡す」は鍋の話です。電子レンジでは絶対にしません
ここが今日いちばんお伝えしたい所です。検索すると「鍋に菜箸を渡すと吹きこぼれない」という話がたくさん出てきます。これはコンロにかけた鍋の話で、電子レンジには一切当てはまりません。
電子レンジの中には、金属を入れません。火花が出て、庫内や容器が焦げたり、火事につながることがあります。菜箸の中には先や持ち手に金属の飾りや口金が付いた物がありますし、見た目では分からないこともあります。木や竹の箸なら平気、とも言い切れません。乾いた木は加熱で焦げることがありますし、そもそも電子レンジの中で吹きこぼれを止める効果はありません。レンジ加熱中の容器に箸を渡す、という発想はここで手放してしまいましょう。電子レンジで泡を抑えたいなら、ワット数を下げる、量を減らす、ふたをずらす。この3つです。
いっぽうコンロの鍋では、木の菜箸を渡す方法に一定の意味があります。上がってきた泡が箸に触れて割れる、箸が蒸気の逃げ道を作る、といった説明がされています。ただ、これも万能ではありません。
- 強い火のままだと、箸があっても平気で吹きこぼれます。いちばん確実なのは火を弱めることです
- 箸が熱くなって転がり落ちることがあります。近くを離れないこと、子どもが手を伸ばさない位置に鍋を置くことも大事です
- ふたを少しずらす、鍋を大きくする、というほうが結局は効きます
菜箸が足りない日に何で代えるかは、菜箸の代用になるものにまとめました。こちらも、レンジに入れていい物とそうでない物を分けて書いています。
魚や玉ねぎのにおいが取れない——シリコンは油とにおいを吸う素材です
洗ったのに、次に開けたら魚のにおい。玉ねぎを蒸した翌日にお菓子を作ろうとしたら、また玉ねぎ。これ、洗い方が甘いわけではありません。シリコンは、油となじみやすく、においの成分を素材の中に取り込みやすいんです。まずそこを知っておくと、対処がしやすくなります。
- 熱いうちに洗う。油が冷えて固まる前のほうが、圧倒的に落ちます。使い終わったらすぐ、が最大のにおい対策でした
- 洗剤とスポンジで、ふたのふちと溝まで。においは平らな面より、溝やパッキン部分に残ります。使い古しの歯ブラシがあると楽です
- 重曹を溶かした水を入れて、あたためて置く。水500ミリリットルに重曹を大さじ1ほど溶かし、容器に入れて数分あたためてから、冷めるまでそのまま置きます。そのあとよくすすぎます。においの多くはここで薄くなります
- 日に当てて乾かす。しっかり乾かすのと、日の光に当てるのを両方。半日ほど外に出しておくと、残り香がずいぶん抜けます
- お米のとぎ汁に浸けるという昔ながらの方法も、魚のにおいには相性がいいです
火にかけて煮沸したくなりますが、直火にかけられるかどうかは製品によって違います。表示にない使い方はしないでください。同じ理由で、オーブンやグリルも、対応と書かれていなければ入れません。
それでもにおいが残る物は、素材の中に入ってしまっています。がっかりしますが、ここは割り切って用途を分けるのが正解。魚とカレー用、野菜とお菓子用、というふうに2つ持つと、毎回においで悩まずにすみます。色移りも同じで、落ちない色は落ちません。ちなみに、においが取れないのはパッキンのある容器も同じで、弁当箱のパッキンのカビと汚れでは「黒い点が取れないパッキンは交換」という線引きの話を書いています。
やけどを防ぐ——加熱直後と、子どもに出す前
ここは省略しないでほしい所です。電子レンジで加熱した直後の容器の中は、熱い蒸気でいっぱいになっています。
- ふたを開ける時は、顔を近づけない。手前ではなく向こう側から、ゆっくり持ち上げて、蒸気を逃がしてから覗きます。一気に開けると蒸気が顔に来ます
- 容器は必ずミトンか厚手の布で持つ。シリコンは熱が伝わりにくいので、ふちが冷たく感じても中身は沸いています
- 1分ほど庫内で待つ。取り出す前にひと呼吸置くだけで、あふれる勢いも蒸気も落ち着きます
- 耐熱温度と対応するワット数を守る。製品ごとに違いますし、上限を超えると変形やにおいの原因になります
- 子どもに出す前に、必ず自分で温度を確かめる。電子レンジは加熱にむらが出やすく、表面がぬるいのに中心が熱いことがあります。ひと混ぜしてから、少し取って自分の口で確かめてください
- 紙やシートを一緒に入れる時は、焦げに注意を。クッキングシートが焦げる時の使い方にまとめています
ゆきこ( ゚Д゚)『パスタを600ワットでどんとかけて、庫内の天井から泡が垂れてきた、という話はよく聞きます。あわてて開けて蒸気が顔に来るのも定番の失敗ですよね。500ワットで長めに、下に平らなお皿を敷いて、ふたはずらす。この3つで拭き掃除から解放される家は多いと思います。魚を蒸す用の容器は、思い切って別にするのがおすすめです』
買い足すなら、ふたまでの高さに余裕がある、少し大きめの容器を選んでおくと吹きこぼれで悩みません。1つを大きめ、1つを小さめの2個持ちにして、においの付きやすい料理は片方に寄せると、毎日がぐっと楽になりますよ。
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電子レンジまわりの困りごとは、保存容器のふたが加熱後に開かない時とクッキングシートが焦げる時の使い方もどうぞ。においが取れない容器の線引きは弁当箱のパッキンのカビと汚れに、菜箸が足りない日の話は菜箸の代用にまとめました。
まとめ:泡がふたに届かないようにするだけ
- 吹きこぼれの原因は容器が小さい・水が多い・出力が高いの3つだけです
- 中身は容量の半分まで、水はかぶる程度。ふたまでの余白を残します
- ワット数を下げて時間を延ばす。途中で一度混ぜ、ふたは少しずらして
- 電子レンジに金属は入れません。菜箸を渡すのは鍋の話です
- においは熱いうちに洗う。残るなら用途を分けるのがいちばん楽です
保存版:この記事の早見表
手順を1枚にまとめました。



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