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煮込み終わった鍋をテーブルに運ぼうとして、「あ、鍋敷きがない」。とりあえず近くにあった新聞紙やチラシを敷いてしまったこと、ありませんか。私は引っ越したての頃、雑誌の上に土鍋を置いて、表紙がぺろんと溶けて鍋の底にくっついたことがあります。
先に結論をひとつ。直火から下ろしたばかりの鍋の底は200度を超えることがあって、紙やビニールはその温度に耐えられません。代用するなら「木の厚いまな板」「乾いた厚手のタオルを4つ折り」「コルクのコースターを並べる」の順で安全です。そのうえで、家にあるもので作れる簡単な鍋敷き、テーブルに跡がついた時の応急処置、100均で買うならどれかまで、順番に見ていきましょう。
鍋敷きがない時に何を敷く?——安全な順に4つ
「今すぐ何か敷きたい」時のために、安全な順に並べました。上にあるものほど、熱にも安定感にも余裕があります。
- 木の厚いまな板(厚み2cm前後)。熱に強くて面積も広いので、土鍋や大きな鍋でも安定します。乾いているものを使ってください。洗ったばかりで濡れていると、蒸気が上がってテーブルに湿気の跡がつきます。薄いプラスチックのまな板は反ったり溶けたりするのでNGです
- 乾いた厚手のタオルを4つ折り。綿100%の乾いたバスタオルやフェイスタオルを、4つ折りか8つ折りにして厚みを出します。濡らさないのが大事で、濡れたタオルは蒸気が出て置いた瞬間に手をやけどしたり、テーブルに白い輪ジミを残したりします。フリースやマイクロファイバーは化繊なので溶けることがあり、使わないでください
- コルクのコースターを並べる。3〜4枚を鍋の底より広くなるように並べます。コルクは熱に強く、コースターは家にあることが多いので、いちばん現実的な代用かもしれません
- 木のトレーや木製のカッティングボード。厚みがあれば、まな板と同じ感覚で使えます。ニスや塗装が厚いものは、熱で白く曇ることがあるので目立たない所で一度確かめて
反対に、敷いてはいけないものもはっきりさせておきます。
- 厚手の雑誌・カタログ・チラシ。表紙のつるつるしたコーティングが溶けて、鍋の底やテーブルにくっつきます
- 新聞紙・段ボール・紙袋。すぐ燃えるわけではありませんが、焦げて変色し、インクが鍋やテーブルに移ります。土鍋やフライパンのように高温になるものだと発火の心配もゼロではありません
- レジ袋・ラップ・プラスチックのトレー・保冷剤。100度前後で溶け始めます。においも出るので、絶対に敷かないでください
新聞紙や布は燃えない?——「燃えなくても、溶ける・焦げる」が答え
「一瞬なら新聞紙でもいいのでは」と思いますよね。答えは「燃えないことが多いけれど、溶けたり焦げたりする」です。鍋の底の温度を知ると、その理由が分かります。
- 炒めものをしたフライパン、空焼きに近い土鍋の底は200〜300度になることも。ここが「200度を超える」と言った理由です
- 紙が自然に燃え出す温度はおよそ290度と言われますが、その手前で焦げて茶色く変色し、こげ臭いにおいが出ます。インクも移ります
- レジ袋やラップの材料は100度台で柔らかくなって溶けます。溶けたものは鍋の底にくっついて、次に火にかけた時にまた燃えます
- 綿の布は熱に強いほうですが、濡れていると蒸気が出て、化繊だと溶けます。「乾いた綿のタオル」だけが条件つきで使える理由です
もうひとつ見落としがちなのが、鍋は置いてから何分も熱いままということ。「置いた瞬間は大丈夫」でも、食事の間じゅう熱が伝わり続けるので、紙やビニールは途中で溶けてきます。熱い鍋の下には紙やビニールを敷かない、と覚えておいてくださいね。
簡単な鍋敷きの作り方4つ——麻ひも・はぎれ・牛乳パック・ワインコルク
「代用でしのぐより、いっそ作ってしまいたい」という人へ。どれも特別な道具はいらず、30分から1時間で形になります。接着剤やグルーガンを使う時は窓を開けて換気し、グルーガンの先とはみ出した接着剤はやけどのもとなので、子どもの手の届かない所で作業してくださいね。
- 麻ひもをぐるぐる巻いて貼る。用意するのは麻ひも(ジュートのひも)と木工用ボンドかグルーガン。ひもの端を小さく折って中心を作り、渦巻き状にきつく巻きながら、外側の一周ごとに接着していきます。直径15cmで5mくらいのひもを使います。巻き終わりの端は裏側に折り込んで接着。ボンドの場合は一晩乾かしてから使ってください
- はぎれとキルト芯で四角に縫う。20cm角の綿の布を2枚と、キルト芯を2〜3枚。布を中表に合わせてキルト芯を重ね、返し口を残して周りを縫い、表に返して返し口を閉じます。四隅と真ん中を数針とめて、芯がずれないようにすれば完成。手縫いでもミシンでも。布も芯も綿100%を選んでください。化繊の芯は熱で縮んだり溶けたりすることがあります
- 牛乳パックを重ねて布で包む。洗って乾かした牛乳パックを開いて、15cm角に切ったものを4〜5枚重ねてボンドで貼り合わせ、綿の布で包んで裏で貼ります。厚紙の芯なので軽くて手軽ですが、パックの表面は薄いポリエチレンで加工されているため、必ず布で二重に包んで、パックが鍋に直接触れないように。煮物の鍋や炊飯器の内釜くらいまでにして、土鍋や熱したフライパンには使わないでください
- ワインコルクを束ねる。同じ長さのコルクを7個(中心1個+周り6個)か19個。輪ゴムで仮止めしてから、コルク同士の側面をボンドで接着し、乾いたら輪ゴムを外します。コルクは天然コルクのものを。合成コルク(樹脂製)は熱で柔らかくなることがあります
テーブルに輪ジミ・焦げがついた時の応急処置——まず「目立たない所で試す」
すでにテーブルに跡がついてしまった人へ。木のテーブルの跡は、大きく2種類に分かれます。
- 白い輪ジミ(白く曇った跡)。熱と湿気で、塗装の中に水分が入り込んだ状態です。軽いものなら、乾いた布で拭いて、ドライヤーの温風を20cmほど離して短く当てながら様子を見ると、薄くなることがあります。当てすぎると塗装を傷めるので、少しずつ
- 茶色・黒の焦げ跡。表面が熱で変色した状態です。ごく浅いものなら、細かい紙やすり(400番以上)で軽くなでてから家具用のオイルやワックスをなじませる方法がありますが、塗装ごと削ることになるので、深い焦げや広い焦げは家具店や補修の業者に相談するほうが結果的にきれいです
ネットでよく見かける「マヨネーズを塗る」「歯磨き粉でこする」は、油分やつやで一時的に目立たなくなることはあっても、塗装によっては逆にシミになる俗説だと思っておいてください。どの方法を試すにしても、天板の裏や脚の目立たない所で先に試すのが鉄則です。賃貸の備え付け家具なら管理会社に相談してからのほうが安心です。
ガラスや大理石の天板は、熱い鍋を直接置くと急な温度差で割れることがあります。こちらは応急処置がきかないので、必ず鍋敷きを。
100均で買える鍋敷きの種類——シリコン・コルク・マグネット式
100均で買うなら、種類ごとの向き不向きだけ押さえておくと買い直しがありません。
- シリコン。折りたためて、洗えて、滑りません。耐熱温度は200度前後のものが多く、普段の鍋やフライパンなら安心。ふきんの代わりに鍋つかみとしても使えるので、1枚あるといちばん出番が多いです
- コルク。軽くて熱に強く、見た目もやさしい。水に弱いので、濡れたまま置くとカビや反りの原因に。洗ったら乾かして
- マグネット式。鍋の底に磁石でくっつけて、鍋ごと持って運べるタイプ。片手がふさがっている時に便利です。ただし磁石がつかない鍋(アルミ・銅・一部のステンレス)には使えないので、家の鍋で確かめてから
選ぶ時は、いちばんよく使う鍋の底より一回り大きいものを。小さいと鍋がぐらついて危ないです。そして使い終わった熱い鍋と鍋敷きは、子どもの手の届く所に置きっぱなしにしないでくださいね。テーブルの端に置いた鍋を、小さい子が引っ張ることがあります。
ゆきこ( ゚Д゚)『雑誌の表紙を溶かした日から、わが家の鍋敷きはシリコンとコルクの2枚体制です。麻ひもの鍋敷きは長男が夏休みの工作で作って、今も鍋の下で現役。「ぼくが作ったやつ使って」と言われるので、本人がいる時はそっちを敷きます。作った鍋敷きって、代用品にはない愛着がありますね』
とりあえず1枚、というならシリコンの鍋敷きが洗えて滑らなくて扱いやすいですよ。
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「専用の道具がない時にどうする?」の話は、ほかにも書いています。台所まわりならワッフルメーカーの代用、工作や手芸をする人にはカッターマットの代用を。車のタイヤ交換で困った時のジャッキパッドの代用も、「敷くものを間違えると危ない」という点で鍋敷きと似ています。
まとめ:紙とビニールは敷かない。厚い木か乾いた綿、作るなら麻ひも
- 代用は木の厚いまな板・乾いた綿タオル4つ折り・コルクのコースターの順で安全
- 雑誌・新聞紙・レジ袋・ラップ・濡れタオルは敷かない。鍋の底は200度以上
- 作るなら麻ひもの渦巻き・はぎれとキルト芯・牛乳パック・ワインコルク
- 接着剤は換気・やけど注意・子どもの手の届かない所で
- 輪ジミや焦げは目立たない所で試す。深いものは補修業者へ。100均はシリコンが万能
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手順を1枚にまとめました。



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