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朝、弁当箱のふたを開けたら、パッキンの溝がうっすら黒い。昨日ちゃんと洗ったはずなのに、と思いながら、時間がないからそのまま詰めてしまう。夜になってもう一度見て、やっぱり気になる——この繰り返しを何年も続けている人は多いと思います。
先に結論をひとつ。パッキンの汚れには「洗えば落ちるもの」と「もう落ちないもの」があって、落ちないほうは交換するのが正解です。落ちない黒い点をこすり続けるのは、時間の面でも衛生の面でも損なんですよね。まずは見分けから、落とし方、においや色移りの戻し方、そして替えパッキンの買い方まで、順番に見ていきましょう。
まず見分ける——落ちる汚れと、落ちない黒い点
同じ「黒い」でも、原因が違うと結果が変わります。洗う前に、明るい所で溝を見てみてください。
| 見え方 | 正体 | どうなるか |
|---|---|---|
| 溝の中が茶色くくもっている・触るとぬるっとする | 油と食べかす、そこに増えたぬめり | 洗えば落ちる |
| うすい灰色っぽい汚れが線のように入っている | 洗い残しが乾いて固まったもの | 歯ブラシとつけ置きで落ちる |
| 小さな黒い点が、洗っても同じ位置に残る | ゴムの内部まで入り込んだもの | 落ちない。交換 |
| ゴムが硬い・伸びてふたが閉まりにくい | 素材そのものの劣化 | 汚れとは別に交換 |
見分けのコツは「洗ったあとに、同じ位置に残るか」。洗ってからもそこにある点は、ゴムの中にあると考えてください。口に入るものを入れる容器なので、ここは粘らずに割り切っていいところです。
溝の汚れの落とし方——外して、歯ブラシ、つけ置き、乾かす
手順は4つだけ。特別な道具はいりません。
- パッキンを外す。ここが最初にして最大のポイントです。溝にはまったままではどうやっても洗えません。爪でひっかけると切れることがあるので、指の腹で押し出すか、つまようじの背でそっと持ち上げます
- 使い終わった歯ブラシで溝をこする。パッキン側の溝と、ふた側の溝の両方を。中性洗剤を少しつけて、ゴムの筋に沿って動かします。強くこすらないのが長持ちのコツで、力を入れると細かい傷ができて、そこに汚れが入るようになります
- 酸素系の漂白剤でつけ置き。40度くらいのぬるま湯に表示どおりの量を溶かして、30分から1時間。ぬめりも、うすい黒ずみも、においも、ここでかなり落ちます。何時間もつける必要はありません
- よくすすいで、完全に乾かす。すすぎ残しがあると次の日ににおいます。そして水気が残ったままふたに戻すと、また同じ場所が黒くなるので、パッキンは外したまま、立てるか広げて乾かしてから組み立ててください
この「外したまま乾かす」がいちばん効きます。水切りかごの端に置き場を作って、朝に組み立てるようにすると、黒ずみがぐっと出にくくなります。ふきんで拭いて戻すより確実です(ふきん自体のにおいが気になる時はふきんを洗濯機で洗う話もどうぞ)。
重曹でどこまで落ちる?——期待していい範囲と、届かない所
「弁当箱のパッキンのカビは重曹で落ちますか」は、本当によく聞かれます。正直にお答えすると、落ちる汚れと、落ちない汚れがはっきり分かれます。
- 落ちるもの:油汚れ、ぬめり、うすい茶色のくもり、においの一部。重曹はアルカリ性なので、酸性の油やたんぱく質の汚れをゆるめてくれます。ぬるま湯に溶かしてつけ置きすると、溝の中まで行き届きます
- 落ちにくいもの:はっきりした黒い点。重曹は汚れをゆるめる働きで、色を抜いたり菌をやっつけたりする力はほとんどありません。だからゴムの中に入った点には届かないんです
- 粉のままこするのは避ける。研磨の力で表面に細かい傷ができて、次の汚れが入りやすくなります。使うなら溶かして、つけ置きで
まとめると、ふだんの手入れは重曹、色が残る時は酸素系。この使い分けで迷わなくなります。酸素系は除菌と漂白の両方をしてくれるので、パッキンにはこちらのほうが向いています。
塩素系を使いたくなった時に、確かめてほしいこと
台所用の塩素系漂白剤は確かに強力ですが、弁当箱に使うなら次の3つを守ってください。
- 食品用途に使えると表示のあるものを選ぶ。同じ塩素系でも、浴室のカビ取り剤は用途が違います。ボトルの表示に「食器・弁当箱に使える」旨の記載があるかを必ず確かめて、薄め方と時間も表示どおりに
- 絶対に、酸性のものと混ぜない。クエン酸、酢、酸性タイプの洗剤と一緒にすると有害な気体が出ます。同じシンクで前後して使うのも避けて、換気をしながら、子どもの手が届かない所で作業してくださいね
- すすぎは念入りに。においが残っているうちは、まだすすぎ足りない合図です
そして大前提として、塩素系を使っても消えない黒い点は、それ以上どうにもなりません。何度も漂白を繰り返すとゴムが硬くなって、ふたが閉まらなくなります。そこまで来たら交換のサインです。
プラスチックのにおいが取れない時
洗ったのに、ふたを開けると前の日のおかずのにおいがする。プラスチックは油とにおいを吸う素材なので、これはよくあることなんです。順に試してみてください。
- 熱いうちに洗う。実はこれがいちばん効きます。冷えて固まった油は、においを抱え込んだまま残ってしまうので
- 米のとぎ汁につける。とぎ汁を弁当箱に入れて30分ほど。昔ながらの方法ですが、においがやわらぐことが多いです
- 重曹水につける。ぬるま湯に重曹を溶かして、1時間ほど。においのもとが油なら、これで軽くなります
- 日光に当てる。よく洗って乾かしたあと、ふたを開けた状態で半日ほど。においにも色移りにも効きます。長く当てすぎると樹脂が傷むので、半日から1日までにしておいてください
それでも取れないにおいは、樹脂そのものに染みてしまった状態です。ここまで来たら、においの強いおかず専用にするか、買い替えるか。においが移ることでいえば、保冷バッグのほうが先に限界が来ることも多いので、保冷バッグが臭い時の直し方もあわせて見てみてください。
カレーやミートソースの色移りは、日光でどこまで戻る?
カレーの黄色、ミートソースの赤。あれは色素が樹脂の表面に入り込んだもので、洗剤ではほとんど落ちません。でも日光にはかなり弱いので、あきらめる前に一度試してみてください。
- よく洗って乾かしてから、ふたを開けて日の当たる所に半日。それだけで、かなりうすくなります
- それでも残るなら、酸素系のつけ置きをしてから、もう一度日光へ。この順番だと落ちやすいです
- 完全に元の白さには戻らないことも多いです。色がついても、においがなくてゴムが元気なら使えます。そこは気楽に
- そもそも色移りを防ぐなら、色の濃いおかずは紙のカップやシートを敷いて入れると、容器に直接触れません
鍋についたカレーのにおいで困っている方は、鍋のカレー臭の取り方も同じ考え方で書いています。
交換の目安と、替えパッキンの買い方
パッキンは消耗品です。「壊れたら替える」ではなく、へたってきたら替えるもの、と考えると気が楽になります。
- 交換の目安は半年から1年。毎日使って毎日洗うなら、だいたいこのくらいで硬くなってきます
- 次のどれかが出たら交換:洗っても黒い点が同じ位置に残る/ゴムが硬い、白っぽくひび割れている/伸びてしまって溝から浮く/ふたを閉めても汁がもれる
- 買い方は、まず本体の型番から。底やふたの裏に品番が刻印されていることが多く、その番号で部品を探すのがいちばん確実です。同じ見た目でも太さが違うと漏れます
- 買う時は2つ以上。次に硬くなった時、その場ですぐ替えられます
- 部品が売られていない古い弁当箱は、本体ごとの買い替えどき。汁もれしたまま使うよりずっと楽です
ゆきこ( ゚Д゚)『パッキンの黒い点を1年こすり続けていた、という話はよく聞きます。ふと替えを調べたら数百円で、新品をはめた瞬間に「なんで早くやらなかったんだろう」となるのが定番なんですよね。こすった時間を返してほしい、という気持ちはよく分かります。うちなら替えを常に1組ストックしておきます』
替えのパッキンは、本体の型番が合うものを2つ以上まとめて持っておくと安心です。硬くなってきたなと思った日にすぐ交換できるので、汁もれの心配をしながらお弁当を持たせる朝がなくなりますよ。
食洗機と電子レンジの可否は、必ず表示を見る
最後に、毎日のことなので確かめておきたいのがこの2つ。本体とふたとパッキンで、それぞれ可否が違うことがあります。
- 食洗機:本体は使えてもふたは不可、という組み合わせがよくあります。表示がなければ避けたほうが無難で、熱で変形すると閉まらなくなります
- 電子レンジ:ふたを外して本体だけ、というものが多数派。ふたを閉めたまま加熱すると、中の空気がふくらんで開かなくなることがあります(保存容器がレンジで開かなくなった時に、開け方をまとめています)
- 熱湯:煮沸できるパッキンとできないパッキンがあります。表示のないものは、ぬるま湯でのつけ置きにとどめてください
- 子どもに持たせる前に:加熱したあとは温度を確かめてから。ふたのふちが熱くなっていることがあります
あわせて読みたい
においの話は、道具ごとに効く方法が違います。鍋のカレー臭の取り方と保冷バッグが臭い時の直し方は、弁当まわりでいちばん相談が多いところ。ふたが開かない時は保存容器がレンジで開かない時の開け方、ふきんを洗濯機で洗う方法もどうぞ。
まとめ:外して洗って乾かす、残る黒い点は替えどき
- 洗っても同じ位置に残る黒い点は落ちない。ゴムの中にある
- 手順は外す・歯ブラシ・酸素系に30分・完全に乾かすの4つ
- 重曹は油と軽い汚れまで。色が残る時は酸素系に切り替える
- 塩素系は食品用途の表示を確かめて。酸性のものと混ぜない
- 交換は半年から1年。型番で替えを2つ買っておくと楽
保存版:この記事の早見表
手順を1枚にまとめました。



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