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生地をこねて、オーブンを予熱して、さあ天板に敷こう——というところでクッキングシートの芯だけ。あの瞬間の「あー!」という声、月に一度は出る家も多いんじゃないでしょうか。子どもとクッキーを焼く約束をした日にかぎって切らしているんですよね。
そこで手が伸びるのがアルミホイル。結論から言うと、使える場面と、絶対に使ってはいけない場面がはっきり分かれます。同じ「シートの代わり」でも、オーブンで焼くのか、フライパンで蒸し焼きにするのか、電子レンジであたためるのかで答えが変わるんです。
ひとつだけ先に。電子レンジにアルミホイルは入れないでください。ここは代用の話のいちばん危ない落とし穴なので、あとで詳しく書きます。まずは場面ごとに見ていきましょう。
まず「どの場面で使いたいのか」を分けます
クッキングシートは、実はいくつも違う仕事をしています。だから「代用できますか」の答えも、場面ごとにばらばらになるんです。よくあるのはこの5つ。
- オーブンで焼く——天板に敷いて、くっつきと焦げを防ぐ
- フライパンで蒸し焼き・包み焼き——魚やきのこを包んで、汁を逃がさず火を通す
- 電子レンジであたためる——皿に敷く、包む、ラップ代わりにかぶせる
- 落としぶた——煮物の上にのせて、少ない煮汁を回す
- お菓子の型に敷く——ケーキ型やパウンド型の内側に沿わせる
自分がやりたいのがどれかを決めてから、次の表を見てくださいね。
用途別の代用早見表
| 使いたい場面 | 代用になるもの | 気をつけること |
|---|---|---|
| オーブンで焼く | アルミホイル(油を薄く塗る)/型に油とうすい粉/シリコン製の焼き型 | ホイルはそのままだと生地がくっつきます。必ず油を |
| フライパンで蒸し焼き | アルミホイル/ふた付きで水少々/フライパン用のホイル | 直火が当たる位置に垂らさない |
| 電子レンジ | ホイルは不可。ラップ/耐熱皿/耐熱のふた/深めの耐熱容器 | 火花が出て危険。金属は入れない |
| 落としぶた | アルミホイル(真ん中に穴を数か所)/同じ大きさの皿/木のふた | ホイルは酸の強い煮物に長時間は向きません |
| お菓子の型敷き | バターや油を塗って粉をはたく/型に合わせたホイル | 底が抜けない型は、取り出しにくくなります |
表の中でいちばん大事な行は、真ん中の電子レンジです。ここだけは「代わりがある」ではなく「絶対にやらない」と覚えてください。
★電子レンジにアルミホイルは入れない——火花と発火のもとです
電子レンジは、電波で食品の中の水分を振動させて熱を作る仕組みです。ところが金属は電波をはね返すため、ホイルのふちや、しわの寄った尖った部分に電気が集中して、バチッと火花が飛びます。この火花が、庫内の紙やラップ、食品に燃え移ることがあるんです。
- ホイルで包んだまま、あたためない。冷凍おにぎりやパンをホイルごと入れてしまう事故がとても多い場面です
- ホイルを敷く・かぶせる・帽子のようにかぶせる、すべてしない。「一部だけなら大丈夫」という話もときどき見かけますが、機種によって庫内の形も出力も違います。家庭で線引きできるものではないので、やらないでください
- 金属の器、金や銀の縁取りがある食器、金属のクリップ、留め具付きの袋も同じ理由でだめです
- オーブン機能が付いた機種で「オーブンとして使う時ならホイルが使える」ことはありますが、必ず取扱説明書のとおりに。同じ庫内でも、電子レンジのモードなら不可です
- もし火花が出てしまったら、すぐに運転を止めて、扉は開けずに様子を見る。煙が出ている時は電源プラグを抜いて、燃え広がるようなら消防へ。あわてて扉を開けて空気を入れないのがこつです
電子レンジで敷きものが欲しいだけなら、耐熱皿を1枚下に置くのがいちばん簡単です。ふたが欲しいならラップか、レンジ対応と書かれたシリコンのふたを。実はクッキングシートは電子レンジでは使わないほうが多い道具なので、ここは代用に悩まなくて大丈夫なんです。
アルミホイルでオーブンに敷く時——くっつかせないコツ
ここからは、実際に代用する時の話です。ホイルはそのまま敷くと、生地や皮がべったりくっつきます。焼き上がったクッキーの裏に銀色が張りついて、はがすとぼろぼろ、というあの悲しい失敗を防ぐために。
- 油を薄く塗る。溶かしバター、サラダ油、油を吹きつけるタイプのもの。刷毛かキッチンペーパーで、全面に薄く伸ばします。塗りすぎると生地の底が揚がったようになるので、あくまで薄く
- しわを伸ばして密着させる。しわの山の部分に生地が乗ると、そこだけ焼き色が変わります。天板の形に沿わせて、指でならしてから
- つや消し面とつるつる面は、こだわらなくて大丈夫。あの2つの面は製造の都合でできるもので、くっつきやすさに大きな差はありません。どちらの面でも、油を塗るかどうかのほうがずっと効きます
- くっつかない加工がされたホイルが家にあるなら、それがいちばん近い代用です。加工面を上にして使います
- 水分の多い生地、砂糖の多いお菓子はどうしてもくっつきやすいです。メレンゲやマカロンのような繊細なものは、ホイルでの代用はあきらめて別の日にしたほうが、気持ちが平和です
取り出す時、天板もホイルも高温になっています。必ず乾いた厚手の鍋つかみで、子どもを近づけないように。焼き上がりを覗きにくる年ごろの子がいる家は、声をかけてから開けると安心です。
トースターで使う時の注意
トースターは、庫内が狭くてヒーターが近い分だけ、ホイルの扱いに気をつけたい場所です。
- ホイルがヒーター(赤く光る棒)に触れないようにする。触れると火花や発火のもとになります。ふわっと立ち上がったホイルの端が、上のヒーターに届いていないか、扉を閉める前に確かめてください
- 庫内いっぱいに敷きつめない。熱が逃げられずこもって、思わぬ高温になります。受け皿のサイズより小さく切って
- 食品からはみ出した部分は折り込む。長く垂れたところが風で動くのを防げます
- グリルやトースターの使い方はトースターとグリルの代用の話にもまとめているので、そちらも参考にどうぞ
それから、意外と知られていないのがクッキングシート自身にも使えない場所があるということ。直火とグリルは基本的に不可で、耐熱温度も製品ごとに決まっています。焦げる仕組みはクッキングシートが焦げる時の話に書きました。箱に書かれた表示に従うのが、いちばん確かです。
酸や塩分の強いものを、ホイルで長く包まない
梅干し、レモン、酢の物、味噌、塩を強くきかせたもの。これらをアルミホイルで長時間包むと、触れた部分が黒く変色して、ホイルがぼろぼろに薄くなることがあります。お弁当に梅干しのおにぎりをホイルで包んで、開けたら真っ黒だった——という話もよく聞きます。
- 短時間の加熱なら大きな問題にはなりませんが、そのまま数時間持ち歩くのは避けるのがおすすめです
- お弁当の仕切りや包みには、ラップかシリコンのカップを
- 味噌を使った包み焼きは、食べる直前に作って、すぐ食べきる形に
- 黒くなった部分がぽろぽろ落ちている時は、もったいなくても食べずに
ゆきこ( ゚Д゚)『子どもとクッキーを焼く日にシートを切らして、ホイルにそのまま並べて焼いたら裏が全部銀色、という失敗はよく聞きます。半泣きではがしながら「油を塗る」を体で覚えるやつですね。箱の裏に「残り1本になったら買う」と貼っておくのは、地味に効くと思います』
代用が向かない場面と、買い置きの目安
正直に書きますが、ホイルでは無理をしないほうがいい場面もあります。
- クッキーやスポンジをたくさん焼く天板。底の焼き色が変わりやすく、はがす時に割れます
- 蒸し器の底。ホイルだと蒸気が通らないので、蒸し上がりが変わります。シートに穴を開けて使うのが本来の形です
- 生地をこねる台の代わり。ホイルは破れます。ラップを広げるか、台に粉をふって
- アイロンを当てる下敷き。手芸で使いたい時は、耐熱のシートを使ってください。似た話はアイロンビーズのシートの代用にまとめています
買い置きの目安は、お菓子を月に何度か焼く家庭なら、1本を切らす前に次を1本。切らして困る道具の代表格なので、幅の広いものと細いものを1本ずつ置いておくと安心です。業務用の長いものは、値段の割に長く使えて、しかも切らす回数が減るので気持ちが楽になります。
あわせて読みたい
シートそのものが焦げてしまった時の理由と対策はクッキングシートが焦げる時に。トースターとグリルの使い分けで迷ったらトースターとグリルの代用、熱い皿や天板を置く場所に困ったら鍋敷きの代用と作り方もあわせてどうぞ。
まとめ:場面で分ければ、代用は怖くない
- 電子レンジにアルミホイルは入れない。火花と発火のもとです
- オーブンとフライパンならホイルに油を薄く塗れば代用できます
- トースターはヒーターに触れさせない・敷きつめない
- 梅・レモン・味噌を長時間包むと黒くなるので短時間で
- シートも直火とグリルは不可。耐熱温度は箱の表示に従う
保存版:この記事の早見表
手順を1枚にまとめました。



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