オーブンレンジのスチームはいらない?——スチームは2種類あって過熱水蒸気は別物。効く場面と使わなくなる理由、買う前に見る4点

キッチン

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売り場で並んでいるオーブンレンジを見ていると、同じような大きさなのに値段がずいぶん違って驚きますよね。差がどこにあるのかと説明を読むと、たいてい出てくるのが「スチーム」。あると便利そうだけれど、うちで使うだろうか——と、そこで手が止まる。この気持ち、すごく分かります。

先に整理をひとつ。「スチーム」と呼ばれているものには2種類あって、さらに「過熱水蒸気」はまた別の仕組みです。この3つがごちゃまぜのまま比べるから、値段の差が分からなくなるんです。まずはそこをほどいてから、いる・いらないを考えていきましょう。

まず整理:スチームには2種類、過熱水蒸気は別物です

言葉が似ているだけで、中でやっていることがまったく違います。

  • ①給水タンク式のスチーム。本体に水を入れるタンクが付いていて、そこから蒸気を庫内に送り込むタイプ。蒸し料理や、パンの温め直しに使われます。上位の機種に多い仕組みです
  • ②角皿に水を張る簡易式。専用の角皿やカップに水を入れて庫内に置き、加熱でその水を蒸発させて蒸気にするタイプ。タンクの掃除がいらないぶん気楽ですが、蒸気の量や時間の調節はあまりできません
  • ③過熱水蒸気。これは①②とは別物です。蒸気をさらに高い温度まで加熱して、その熱で焼く・炒める・揚げ直すという仕組み。目的が「しっとりさせる」ではなく「焼く」なので、比べる土俵が違います

売り場やページで「スチーム機能付き」と書かれていても、①なのか②なのかは書き方でしか分かりません。給水タンクの写真があるかどうかが、いちばん手っ取り早い見分け方です。値段の差が大きいのは①と③のほうで、②は比較的手が届きやすい価格帯に付いていることが多いですね。

スチームが効く場面——「乾かしたくない時」に強い

スチームが得意なのは、食べ物の水分を逃がしたくない場面です。具体的にはこのあたり。

  • パンの温め直し。前日のバゲットやクロワッサンを、外は温かく中はぱさつかせずに戻したい時。ここがいちばん「あってよかった」と言われる場面だと思います
  • 蒸し野菜。かぼちゃ、ブロッコリー、じゃがいも。鍋と蒸し器を出さずに済むのは、洗い物の面で助かります
  • 茶碗蒸し・プリン。蒸し器の代わりとして使う方が多い場面です
  • 買ってきたお惣菜の温め。揚げ物の衣がべたっとしにくい、という声はよく見かけます
  • ごはんの温め直し。冷凍ごはんがかたくなりやすい家庭では、違いを感じやすいところ

逆にいうと、この5つに心当たりがない方は、スチームの出番はかなり少ないということでもあります。自分の台所で1週間に何回この場面があるか、思い出してみてください。

スチームは2種類・過熱水蒸気は別物。まずここを分ける3つの仕組み①給水タンク式 蒸気を送り込む②角皿に水を張る簡易式 手入れは気楽③過熱水蒸気は別物タンクの有無で見分ける効く場面は5つパンの温め直し蒸し野菜茶碗蒸し・プリン買ってきた惣菜ごはんの温め直し週に何回あるか数える使わなくなる理由毎回の給水が面倒タンクと庫内の手入れ加熱に時間がかかる結局レンジで済ませる説明書を開かなくなる使わない機能は消える買う前に見る4点:庫内の広さと角皿/扉の向き/手入れのしやすさ/普段作るもの価格差は「機能の数」ではなく「毎日使う機能が快適か」で考える庫内の掃除は冷めてから/吹き出し口は高温/電気代は自分で計算する

買ったのに使わなくなる——よくある理由

「スチーム付きを買ったのに、結局ふつうの温めしか押していない」。これもよく聞く話です。理由はだいたい決まっています。

  • 給水が面倒。使うたびにタンクを外して水を入れて戻す。忙しい夕方に、この3手間が越えられません
  • 手入れが増える。タンクの水を残したままにすると、においやぬめりのもとになります。使い切って乾かす、という管理が必要
  • 時間がかかる。蒸気を出すまでの準備と加熱で、ふつうの温めより待つことになります。「先にレンジで温めればよかった」となりがち
  • 設定の呼び出し方を覚えられない。メニュー番号を説明書で探すタイプだと、その時点で気持ちが折れます
  • そもそも代わりが効く。パンなら霧吹きで水を吹いてからトースターで焼く、蒸し野菜なら耐熱容器に少量の水とラップ。これで足りてしまう家庭は多いです

機能は、使われなければ無いのと同じです。「あったら便利」ではなく「今の暮らしで週に何回押すか」で考えると、判断がぶれません。

いらないと判断していい人/あったほうがいい人

ここは正直に、両方書きますね。

いらないと判断していい人

  • レンジの使い道が「温め」と「解凍」でほぼ完結している
  • お菓子やパンを自分で焼くことはあまりない
  • 蒸し器や鍋を出すことに抵抗がない(そのほうが早いと感じる)
  • 台所に置ける場所が小さく、給水タンクの分の奥行きが厳しい
  • 手入れの手間を増やしたくない。掃除する場所は少ないほうがいい

あったほうがいい人

  • パンをよく買う、まとめ買いして冷凍する習慣がある
  • 離乳食や介護食など、やわらかく仕上げたい料理を日常的に作る
  • 蒸し野菜を常備菜にしていて、鍋を出す回数を減らしたい
  • お惣菜を買って帰る日が多い
  • 台所のコンロが少なく、加熱の場所をもう一つ増やしたい

どちらにも半分ずつ当てはまるなら、②の角皿に水を張る簡易式が付いた機種、という中間の選び方もあります。値段の上がり方がゆるやかなので、「試してみる」には向いていると思います。

買う前に見ておきたい4点

スチームの有無より先に、こちらのほうが毎日の使い心地に効きます。

  1. 庫内の広さと、角皿の大きさ。お弁当箱が入るか、グラタン皿が入るか、パンが何個並ぶか。数字だけでなく、自分がよく使う器で考えると失敗しません
  2. 扉の向き。横開きは手前に大きく開くので、置き場所の前に立つ余裕が要ります。縦開きは前に引くスペースが少なくて済むいっぽう、開けた扉が熱い板になるので、その上に物を置かないよう気をつけたいところ。台所の動線で決まる部分です
  3. 庫内の手入れのしやすさ。天井がフラットか、角皿が取り出しやすいか、拭ける素材か。焼き魚や揚げ物のにおいは庫内にたまります(においが取れない時の話はオーブンレンジの焼き魚のにおいにまとめました)
  4. 自分が普段作るもの。週に3回パンを焼くのか、温めしかしないのか。ここが全部の判断のもとになります

壊れにくさで選びたい、という方も多いと思います。オーブンレンジの壊れにくさをどう見るかのほうで、メーカー名より先に見たい構造と保証の話を書いているので、そちらもあわせてどうぞ。

価格差の考え方と、電気代の計算

値段の差は、多くの場合「機能の数」に付いています。でも実際の満足度を決めるのは、毎日押すボタンが快適かどうかのほうです。

  • 温めの操作が簡単か。ダイヤル式かボタン式か、よく使う設定にすぐ届くか
  • 庫内が明るいか、中が見えるか。焼き加減を確かめられないのは地味にストレスです
  • 音が気にならないか。終了音の大きさや、調節できるかどうか
  • 置き場所に収まるか。上と後ろにどれだけ隙間が必要かは、機種ごとに指定があります

電気代については、金額を言い切ることができません。ただ自分で計算はできます。本体の表示にある消費電力(ワット)を1000で割って、1回に使う時間(時間単位)と、契約している電力の単価を掛ける。これで1回あたりのおよその金額が出ます。候補が2台あるときの比べ方としては、これで十分だと思います。

手ごろな価格帯で探している方に向けては、コンフィーのオーブンレンジの評判コンフィーのオーブンレンジを詳しく見た話で、価格帯ごとに何が省かれているのかを整理しています。スチームの有無で迷っている方は、そちらの比較も参考になると思います。

使うときと掃除のときの、安全のこと

  • スチームの吹き出し口と、扉を開けた直後の蒸気は高温です。顔を近づけて中をのぞきこまないでください。子どもが扉の前に立っている時は、開ける前に離してもらう
  • 庫内の掃除は、必ず冷めてから。温かいうちに濡れた布を入れると、蒸気でやけどをします
  • 給水タンクの水は使い切って、乾かしてから戻す。入れっぱなしはにおいのもとです
  • 庫内に食品カスや油が残ったまま高温で加熱しない。焦げつきや発煙の原因になります
  • 置き場所の上と後ろの隙間は、必ず説明書の指定どおりに。熱の逃げ道です

ゆきこ( ゚Д゚)『「温め」と「解凍」しか押されていないレンジ、けっこう多いと思います。子どものお弁当とパンの温めで仕事の9割、という家は珍しくないですよね。売り場で高い機種を見ると心が揺れますが、家に帰ると結局あのボタン2つ、というのが正直なところだと思います』

買い替えを考えているなら、まずは置き場所の寸法をメジャーで測って、よく使う器を1つ持っていくのがおすすめです。口コミを読んでいて思ったのは、「思ったより奥行きがあって置けなかった」「角皿が小さくて2枚焼けなかった」という声が意外と多いこと。機能表よりも、この2つのほうが後悔につながりやすい印象でした。


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あわせて読みたい

手ごろな価格帯で探しているならコンフィーのオーブンレンジの評判コンフィーのオーブンレンジを詳しく見た話をどうぞ。壊れにくさで選びたい方はオーブンレンジの壊れにくさをどう見るか、庫内のにおいが気になるなら焼き魚のにおいもあわせて。

まとめ:スチームの前に、置き場所と普段作るものを見てください

  1. スチームは給水タンク式と簡易式の2種類。過熱水蒸気は別物です
  2. 効くのはパン・蒸し野菜・茶碗蒸し・惣菜・ごはんの温め直し
  3. 使わなくなる理由は給水と手入れの手間、そして時間
  4. 買う前に見るのは庫内の広さ・扉の向き・手入れ・普段作るもの
  5. 掃除は冷めてから、吹き出し口は高温。電気代は自分で計算を

保存版:この記事の早見表

手順を1枚にまとめました。

オーブンレンジのスチームはいらないかの早見表:スチームには給水タンクから蒸気を送るタンク式と、角皿に水を張る簡易式の2種類があり、過熱水蒸気は蒸気をさらに加熱して焼く別の仕組み。給水タンクの有無で見分ける。スチームが効くのはパンの温め直し、蒸し野菜、茶碗蒸しやプリン、買ってきた惣菜、ごはんの温め直しの5つの場面で、週に何回あるかを数えて判断する。使わなくなる理由は毎回の給水が面倒、タンクと庫内の手入れが増える、加熱に時間がかかる、結局ふつうの温めで済ませる、設定の呼び出し方を覚えられない。買う前に見る4点は庫内の広さと角皿の大きさ、扉の向きが横開きか縦開きか、庫内の手入れのしやすさ、自分が普段作るもの。価格差は機能の数ではなく毎日使う機能が快適かで考える。電気代は消費電力を1000で割り使う時間と単価を掛けて自分で計算する。庫内の掃除は必ず冷めてから、スチームの吹き出し口と扉を開けた直後の蒸気は高温なのでのぞきこまない。給水タンクの水は使い切って乾かす

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