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売り場で並んでいるオーブンレンジを見ていると、同じような大きさなのに値段がずいぶん違って驚きますよね。差がどこにあるのかと説明を読むと、たいてい出てくるのが「スチーム」。あると便利そうだけれど、うちで使うだろうか——と、そこで手が止まる。この気持ち、すごく分かります。
先に整理をひとつ。「スチーム」と呼ばれているものには2種類あって、さらに「過熱水蒸気」はまた別の仕組みです。この3つがごちゃまぜのまま比べるから、値段の差が分からなくなるんです。まずはそこをほどいてから、いる・いらないを考えていきましょう。
まず整理:スチームには2種類、過熱水蒸気は別物です
言葉が似ているだけで、中でやっていることがまったく違います。
- ①給水タンク式のスチーム。本体に水を入れるタンクが付いていて、そこから蒸気を庫内に送り込むタイプ。蒸し料理や、パンの温め直しに使われます。上位の機種に多い仕組みです
- ②角皿に水を張る簡易式。専用の角皿やカップに水を入れて庫内に置き、加熱でその水を蒸発させて蒸気にするタイプ。タンクの掃除がいらないぶん気楽ですが、蒸気の量や時間の調節はあまりできません
- ③過熱水蒸気。これは①②とは別物です。蒸気をさらに高い温度まで加熱して、その熱で焼く・炒める・揚げ直すという仕組み。目的が「しっとりさせる」ではなく「焼く」なので、比べる土俵が違います
売り場やページで「スチーム機能付き」と書かれていても、①なのか②なのかは書き方でしか分かりません。給水タンクの写真があるかどうかが、いちばん手っ取り早い見分け方です。値段の差が大きいのは①と③のほうで、②は比較的手が届きやすい価格帯に付いていることが多いですね。
スチームが効く場面——「乾かしたくない時」に強い
スチームが得意なのは、食べ物の水分を逃がしたくない場面です。具体的にはこのあたり。
- パンの温め直し。前日のバゲットやクロワッサンを、外は温かく中はぱさつかせずに戻したい時。ここがいちばん「あってよかった」と言われる場面だと思います
- 蒸し野菜。かぼちゃ、ブロッコリー、じゃがいも。鍋と蒸し器を出さずに済むのは、洗い物の面で助かります
- 茶碗蒸し・プリン。蒸し器の代わりとして使う方が多い場面です
- 買ってきたお惣菜の温め。揚げ物の衣がべたっとしにくい、という声はよく見かけます
- ごはんの温め直し。冷凍ごはんがかたくなりやすい家庭では、違いを感じやすいところ
逆にいうと、この5つに心当たりがない方は、スチームの出番はかなり少ないということでもあります。自分の台所で1週間に何回この場面があるか、思い出してみてください。
買ったのに使わなくなる——よくある理由
「スチーム付きを買ったのに、結局ふつうの温めしか押していない」。これもよく聞く話です。理由はだいたい決まっています。
- 給水が面倒。使うたびにタンクを外して水を入れて戻す。忙しい夕方に、この3手間が越えられません
- 手入れが増える。タンクの水を残したままにすると、においやぬめりのもとになります。使い切って乾かす、という管理が必要
- 時間がかかる。蒸気を出すまでの準備と加熱で、ふつうの温めより待つことになります。「先にレンジで温めればよかった」となりがち
- 設定の呼び出し方を覚えられない。メニュー番号を説明書で探すタイプだと、その時点で気持ちが折れます
- そもそも代わりが効く。パンなら霧吹きで水を吹いてからトースターで焼く、蒸し野菜なら耐熱容器に少量の水とラップ。これで足りてしまう家庭は多いです
機能は、使われなければ無いのと同じです。「あったら便利」ではなく「今の暮らしで週に何回押すか」で考えると、判断がぶれません。
いらないと判断していい人/あったほうがいい人
ここは正直に、両方書きますね。
いらないと判断していい人
- レンジの使い道が「温め」と「解凍」でほぼ完結している
- お菓子やパンを自分で焼くことはあまりない
- 蒸し器や鍋を出すことに抵抗がない(そのほうが早いと感じる)
- 台所に置ける場所が小さく、給水タンクの分の奥行きが厳しい
- 手入れの手間を増やしたくない。掃除する場所は少ないほうがいい
あったほうがいい人
- パンをよく買う、まとめ買いして冷凍する習慣がある
- 離乳食や介護食など、やわらかく仕上げたい料理を日常的に作る
- 蒸し野菜を常備菜にしていて、鍋を出す回数を減らしたい
- お惣菜を買って帰る日が多い
- 台所のコンロが少なく、加熱の場所をもう一つ増やしたい
どちらにも半分ずつ当てはまるなら、②の角皿に水を張る簡易式が付いた機種、という中間の選び方もあります。値段の上がり方がゆるやかなので、「試してみる」には向いていると思います。
買う前に見ておきたい4点
スチームの有無より先に、こちらのほうが毎日の使い心地に効きます。
- 庫内の広さと、角皿の大きさ。お弁当箱が入るか、グラタン皿が入るか、パンが何個並ぶか。数字だけでなく、自分がよく使う器で考えると失敗しません
- 扉の向き。横開きは手前に大きく開くので、置き場所の前に立つ余裕が要ります。縦開きは前に引くスペースが少なくて済むいっぽう、開けた扉が熱い板になるので、その上に物を置かないよう気をつけたいところ。台所の動線で決まる部分です
- 庫内の手入れのしやすさ。天井がフラットか、角皿が取り出しやすいか、拭ける素材か。焼き魚や揚げ物のにおいは庫内にたまります(においが取れない時の話はオーブンレンジの焼き魚のにおいにまとめました)
- 自分が普段作るもの。週に3回パンを焼くのか、温めしかしないのか。ここが全部の判断のもとになります
壊れにくさで選びたい、という方も多いと思います。オーブンレンジの壊れにくさをどう見るかのほうで、メーカー名より先に見たい構造と保証の話を書いているので、そちらもあわせてどうぞ。
価格差の考え方と、電気代の計算
値段の差は、多くの場合「機能の数」に付いています。でも実際の満足度を決めるのは、毎日押すボタンが快適かどうかのほうです。
- 温めの操作が簡単か。ダイヤル式かボタン式か、よく使う設定にすぐ届くか
- 庫内が明るいか、中が見えるか。焼き加減を確かめられないのは地味にストレスです
- 音が気にならないか。終了音の大きさや、調節できるかどうか
- 置き場所に収まるか。上と後ろにどれだけ隙間が必要かは、機種ごとに指定があります
電気代については、金額を言い切ることができません。ただ自分で計算はできます。本体の表示にある消費電力(ワット)を1000で割って、1回に使う時間(時間単位)と、契約している電力の単価を掛ける。これで1回あたりのおよその金額が出ます。候補が2台あるときの比べ方としては、これで十分だと思います。
手ごろな価格帯で探している方に向けては、コンフィーのオーブンレンジの評判とコンフィーのオーブンレンジを詳しく見た話で、価格帯ごとに何が省かれているのかを整理しています。スチームの有無で迷っている方は、そちらの比較も参考になると思います。
使うときと掃除のときの、安全のこと
- スチームの吹き出し口と、扉を開けた直後の蒸気は高温です。顔を近づけて中をのぞきこまないでください。子どもが扉の前に立っている時は、開ける前に離してもらう
- 庫内の掃除は、必ず冷めてから。温かいうちに濡れた布を入れると、蒸気でやけどをします
- 給水タンクの水は使い切って、乾かしてから戻す。入れっぱなしはにおいのもとです
- 庫内に食品カスや油が残ったまま高温で加熱しない。焦げつきや発煙の原因になります
- 置き場所の上と後ろの隙間は、必ず説明書の指定どおりに。熱の逃げ道です
ゆきこ( ゚Д゚)『「温め」と「解凍」しか押されていないレンジ、けっこう多いと思います。子どものお弁当とパンの温めで仕事の9割、という家は珍しくないですよね。売り場で高い機種を見ると心が揺れますが、家に帰ると結局あのボタン2つ、というのが正直なところだと思います』
買い替えを考えているなら、まずは置き場所の寸法をメジャーで測って、よく使う器を1つ持っていくのがおすすめです。口コミを読んでいて思ったのは、「思ったより奥行きがあって置けなかった」「角皿が小さくて2枚焼けなかった」という声が意外と多いこと。機能表よりも、この2つのほうが後悔につながりやすい印象でした。
あわせて読みたい
手ごろな価格帯で探しているならコンフィーのオーブンレンジの評判とコンフィーのオーブンレンジを詳しく見た話をどうぞ。壊れにくさで選びたい方はオーブンレンジの壊れにくさをどう見るか、庫内のにおいが気になるなら焼き魚のにおいもあわせて。
まとめ:スチームの前に、置き場所と普段作るものを見てください
- スチームは給水タンク式と簡易式の2種類。過熱水蒸気は別物です
- 効くのはパン・蒸し野菜・茶碗蒸し・惣菜・ごはんの温め直し
- 使わなくなる理由は給水と手入れの手間、そして時間
- 買う前に見るのは庫内の広さ・扉の向き・手入れ・普段作るもの
- 掃除は冷めてから、吹き出し口は高温。電気代は自分で計算を
保存版:この記事の早見表
手順を1枚にまとめました。



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