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底は真っ黒に焦げているのに、割ってみたら中はまだ生。皮はふやけてべちゃべちゃ。せっかく子どもと囲んだ食卓で、これはがっかりしますよね。たこ焼き器でシュウマイを作ると、この2つの失敗がほぼ必ず起きます。
でも安心してください。理由ははっきりしています。シュウマイは「蒸す」料理で、たこ焼き器は「焼く」機械だからです。加熱のしかたが違うものを無理に合わせているので、そのままでは合わないんですね。裏を返せば、足りない要素を足してやれば、ちゃんと成立します。
今日は「何が足りていないのか」を先に見てから、足し方を順番にお話しします。
なぜ失敗するのか——「焼く機械」で「蒸し料理」を作っているから
蒸し器は、100度の水蒸気で全体を包み込みます。上からも横からも同じ温度がかかるので、皮も具も同時に火が通ります。
たこ焼き器は違います。熱が来るのは、プレートに接している底だけ。上はぱっくり開いていて、常温の空気にさらされています。
| 蒸し器 | たこ焼き器(そのまま) | |
|---|---|---|
| 熱の伝わり方 | 水蒸気で全方向から | 底の接している面だけ |
| 上の面の温度 | 約100度 | 室温に近い |
| 結果 | 均一に火が通る | 底は焦げ、上は生 |
「全然火が通らない」の正体は、これです。だから火力を上げても解決しません。底の焦げが早まるだけなんです。必要なのは火力ではなく、蒸気と、それを閉じ込める蓋。ここを取り違えたまま「強」にし続けるのが、いちばんよくある失敗です。
ゆきこ( ゚Д゚)『火が通らないなら火力を上げればいい——最初はみんなそう考えますよね。でも底が黒くなるだけだった、という失敗談がとても多いんです。足りないのは強さじゃなくて、蒸気と蓋なんですよね』
うまく作る方法——補うのは3つだけ
① 蒸気をつくる(水を入れる)
穴のいくつかに水を入れて、蒸気のもとにします。全部の穴にシュウマイを詰めず、何か所かを水用に空けておくのが基本の形です。
- 量の目安……穴の半分くらいまで。なみなみ入れると、沸いた時にあふれます
- 置く場所……中央だけでなく四隅にも。端は温度が下がりやすく、蒸気が届きにくいためです
- 継ぎ足し……途中で蒸発したら足します。空焚きにしないでください
② 蒸気を閉じ込める(蓋をする)
水を入れても、蓋がなければ蒸気はそのまま逃げていきます。ここが最大の分かれ目です。専用の蓋が付いていない機種のほうが多いので、代用のしかたは次の章にまとめました。
③ 底が直接触れないようにする
プレートに直に置くと、その一点だけが焦げます。あいだに1枚はさむだけで、底の焦げが止まり、火の通りも均一になります。
- クッキングシートを穴の大きさに切って敷く
- レタスやキャベツの葉を小さくちぎって敷く。そのまま食べられて、後片づけも楽です
- 薄く油を塗る……最低限これだけでも、張り付きはかなり減ります
たこ焼き器の蓋がない時の代用
付属の蓋がなくても、家にあるもので足りることが多いです。ただし「耐熱かどうか」だけは必ず見てください。
| 代用するもの | 使い方 | 注意 |
|---|---|---|
| アルミホイル | ふんわりかぶせ、ふちを軽く折る | いちばん手軽。密閉しすぎず、蒸気が少し抜ける程度でよい |
| 大きめのボウル(金属・耐熱ガラス) | 逆さにしてかぶせる | 樹脂のものは使わない。変形します |
| フライパンの蓋 | サイズが合えばそのまま | 熱いプレートに直接触れさせない |
| 耐熱の皿 | 浅いものをかぶせる | 取る時とても熱いので、必ずミトンを使う |
ラップは使わないでください。熱源に近く、溶けます。それから、蓋を開ける時は顔を近づけないこと。中にたまった蒸気が一気に上がってきて、思っている以上に熱いです。手前から向こう側へ、自分の顔から逃がす向きに開けてください。
蓋をしたら5〜8分ほど蒸らします。途中で何度も開けると、そのたびに蒸気が逃げて、かえって時間が延びます。
蒸し器の代わりを探している場面はほかにもあるので、考え方は蒸し器の代用はフライパンとアルミホイルで足りるにまとめてあります。台の作り方と火加減はそちらが詳しいです。
焼く時の温度はどれくらいか
「強」で一気に、はうまくいきません。段階で変えるのがコツです。
| 段階 | 設定 | ねらい |
|---|---|---|
| 予熱 | 強 | 水を早く沸かして、蒸気を立てる |
| 蒸らし中 | 中〜弱 | 蒸気を保ちながら、底を焦がさない |
| 仕上げ | 中 | 底に軽く焼き目をつけたい時だけ |
温度調節の付いていない機種なら、途中でプラグを抜いて、余熱で蒸らすという手もあります。蓋をしたままなら、しばらく蒸気は保たれます。抜いたプラグは、うっかり足を引っかけないよう、テーブルの上にまとめておいてください。
中まで火が通ったかの確認は、必ずしてください
ここは強く書きます。シュウマイの具は、多くが豚のひき肉です。生焼けのまま食べると食中毒の原因になります。「たぶん大丈夫」で出さないでください。
- 竹串を中心まで刺して、出てくる肉汁を見る。透明ならよい合図です。赤みやにごりがあるなら、まだ足りません
- 1個割ってみる。中心にピンク色が残っていないかを目で確かめます。もったいながらず、必ず1個は割ってください
- 迷ったら、もう2〜3分蒸らす。蒸らし不足のまま食卓に出さない。数分待つほうがずっと安全です
- ひとつ通っていても、全部が通っているとは限りません。たこ焼き器は端の温度が下がりやすいので、いちばん外側の穴のものを確認するのが確実です
とくに気をつけたいのが冷凍のシュウマイです。中心が凍っているため、表面の見た目ではまったく判断できません。表面が熱くなっていても中は冷たいまま、ということが起こります。時間は長めに取り、パッケージの加熱時間を目安にしたうえで、必ず上の確認をしてください。
小さなお子さんに出す時は、大人が先に1個割って確かめてから取り分けてくださいね。子どもの前だと急いでしまいがちなので、確認する係を最初に決めておくのがおすすめです。
べちゃべちゃになるのはなぜか
火が通らないのとは、逆向きの失敗です。原因は水分の入れすぎで、3つに分かれます。
| 原因 | 何が起きているか | 対処 |
|---|---|---|
| 水を入れすぎ | 沸いた時にあふれて、シュウマイが煮えている | 穴の半分まで。あふれたら拭く |
| 蓋の裏の結露 | たまった水滴が上から落ちて、皮がふやける | 蓋の裏に布巾を1枚かませる/アルミホイルなら少し隙間を作る |
| 蒸らしすぎ | 皮が水分を吸い続けている | 火が通ったらすぐ蓋を取る。そのまま置かない |
「蓋の裏に布巾」は、蒸し料理では昔からの定番の対処です。落ちてくる水滴を布が吸ってくれるので、皮の表面が守られます。布巾の端が熱いところに垂れないよう、上でしっかりまとめておいてください。
「たこ焼き器」と「たこ焼き機」はどちらが正しいの?
検索していると両方の表記が出てきて迷いますよね。指しているものは同じです。厳密な使い分けの決まりはありません。
- たこ焼き器……家庭用の小さめのものに使われることが多い表記
- たこ焼き機……業務用の大きなものに使われる傾向のある表記
製品を探す時は両方の表記で調べると、取りこぼしがありません。メーカーによって商品名の表記が分かれているためです。
これから買うなら、蓋が付いている機種を選ぶと、この記事の悩みがまるごと消えます。温度調節が付いているかどうかも、蒸し料理をするなら効いてくるところです。毎回アルミホイルをかぶせるのが面倒になってきたら、そこが買い替えどきかもしれません。
シュウマイ以外にも同じ考え方が使えます
ここまでの「水を入れる・蓋をする・底に1枚はさむ」は、蒸す系の料理すべてに応用できます。
- 小籠包・肉まん……同じ手順で。皮が薄いぶん、蒸らしすぎに気をつけて
- ミニ茶碗蒸し……穴に直接卵液を流すのではなく、耐熱の小さい容器ごと置きます。仕上がりのコツは茶碗蒸しの蒸し方が参考になります
- アヒージョ・チーズフォンデュ……こちらは蒸さない料理。蓋も水も要りません
本来のたこ焼きがうまく焼けない、という方はたこ焼きをうまく焼くコツへどうぞ。同じ機械でも、焼くと蒸すではやることが正反対になります。
まとめ:足すのは火力ではなく、蒸気と蓋です
- 失敗の原因は「焼く機械」で「蒸し料理」を作っているずれにあります
- 補うのは①水で蒸気 ②蓋で閉じ込める ③底に1枚はさむの3つだけ
- 蓋はアルミホイルや耐熱の器で代用できます。ラップは溶けるので不可
- 温度は予熱だけ強、蒸らしは中〜弱。火力を上げても中は通りません
- 豚ひき肉なので、中心まで火が通ったか必ず確認してから食べる
※機種によって出力・穴の大きさ・温度調節の有無が異なります。蓋の代わりに使うものは、必ず耐熱性を確認してください。加熱時間はお使いの機種と食材の状態に合わせて調整し、中心まで火が通ったことを確認してからお召し上がりください。
保存版:この記事の早見表
手順と確認の順番を1枚にまとめました。



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