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浴室のドアのゴム、床のタイルの目地、天井のすみ。こすってもこすっても黒いものが残っていると、「もう機械の力で一気に吹き飛ばしたい」と思いますよね。高圧洗浄機が外壁の黒ずみを落としている動画を見ると、なおさらです。
ただ、先に正直にお伝えしておきます。高圧洗浄機は「汚れの層を剥がす」のはとても得意ですが、「カビの根を殺す」ことはできません。だから、その日はきれいに見えても、単独ではまた同じ場所から黒くなってきます。買ってから「思ったのと違った」となる前に、何が落ちて何が落ちないのか、そして使うならどう組み合わせるのかを、順番に見ていきましょう。
まず、何が落ちて何が落ちないのか
カビは、目に見えている黒い部分だけの生き物ではありません。ゴムパッキンやコーキング、タイルの目地のようなやわらかくて細かい穴のある素材の内側に、根のようなものを伸ばしています。水の勢いで飛ぶのは表面の部分だけなんです。
- 落ちるもの:表面にたまった皮脂、石けんカス、水あか、ぬめりの層。これらが黒カビのエサになっているので、剥がすこと自体には意味があります
- 落ちるもの:排水口まわりや床の細かい溝に入り込んだ髪の毛やごみ
- 落ちないもの:ゴムパッキンや目地に染み込んだ黒い色そのもの。ここは水の勢いでは抜けません
- 落ちないもの:素材の内側に残った菌。だから数週間でまた黒くなります
つまり「落ちなかった」のではなく、そもそも高圧洗浄機の担当ではないということなんですよね。ここが分かると、次の順番が生きてきます。
効かせる順番は「剥がす→乾かす→薬剤→流す→乾かす」
もし高圧洗浄機を浴室で使うなら、この順番にしてください。逆にすると、どちらの力も半分になります。
- 高圧で表面の層を落とす。石けんカスや水あかの膜が乗ったままだと、カビ取り剤が下まで届きません。ここで剥がしておくのが、機械の一番の仕事です
- しっかり乾かす。びしょ濡れのままカビ取り剤をかけると、水で薄まって効きが落ちます。換気扇を回して、水気を拭き取ってから
- カビ取り剤を、決められた時間だけ置く。パッケージに書かれた放置時間を守ります。長く置けば効くわけではありません。垂れる場所にはジェルタイプが便利です
- しっかり流す。薬剤が残ると素材を傷めます。ここは高圧ではなく、普通のシャワーで十分
- 換気して乾かす。ここまでやって、はじめて「再発しにくい状態」になります
この順番でやっても、色が完全に抜けないことはあります。長年放置したパッキンは、素材そのものが変色してしまっていることがあるからです。その場合はパッキンやコーキングの打ち替えになるので、無理にこすり続けず、リフォーム店や管理会社に相談したほうが早いです。
浴室で使う時の注意——ここがいちばん大事です
高圧洗浄機はもともと屋外の道具です。水びたしの狭い部屋で電気の機械を回すというのは、屋外とは条件がまるで違います。使うなら、ここは飛ばさないでください。
- 電源は浴室の外から取る。浴室内のコンセントや、水がかかる場所での接続はしないこと。延長コードの接続部分も、水がかからない場所に置きます
- アースと漏電遮断器を確認する。アース付きのコンセントから取り、分電盤に漏電遮断器があるかを確かめておく。分からない時は電気工事店や管理会社に聞いてください
- 濡れた手でプラグを触らない。抜き差しの前に必ず手を拭く。これは本当に守ってほしいです
- 人やペットに水を向けない。高圧の水は皮膚を傷つけます。子どもを浴室に入れないでください
- 保護めがねをする。浴室は壁が近いので、跳ね返りがまっすぐ顔に戻ってきます。汚れや薬剤の残りが目に入ると危険です
- 目地・コーキング・パネルの継ぎ目に近づけすぎない。ここを削ってしまうと、そこから水が入って、壁の内側で腐りやカビの原因になります。離れた所から、いちばん弱い設定で始めて、目立たない場所で試してから。近づけるほど強くなるので、距離で加減してください
- 換気扇や照明、鏡、ドアのパッキンに直接当てない。電気の部品に水が入りますし、鏡は縁から水が入ると裏の膜が傷みます
- 脚立や浴槽のふちに乗って使わない。噴射の反動でバランスを崩します。天井は届く範囲だけにして、届かない所は柄の長いワイパーに任せてください
- 長時間の連続運転をしない。機械が熱を持ちます。休ませながら
★これだけは絶対にやらないでください
- カビ取り剤や洗剤を機械に入れて噴射する。細かい霧になった薬剤が浴室いっぱいに広がり、それを吸い込むことになります。狭い浴室では本当に危険です。機械の内部の部品も傷めます。洗剤は、その機械が「使える」と明記しているものだけ、書かれた方法で
- 塩素系のカビ取り剤と、酸性の洗剤(クエン酸・酢・水あか用のもの)を混ぜる。有毒なガスが出ます。続けて同じ場所に使うのも同じことになるので、必ず水でよく流してから。使用中は換気扇を回し、窓があれば開けて
- 換気せずに使う。薬剤を使うなら換気は必須です。気分が悪くなったらすぐに浴室から出て、外の空気を吸ってください。咳が止まらない、息が苦しい、目の痛みが続くときは、無理をせず医療機関へ
- 分解して直そうとする。水と電気の両方が通る機械です。不調は販売店かメーカーへ
正直な話——浴室なら、シャワーとカビ取り剤とブラシで足りることが多いです
ここまで書いてきて言うのもなんですが、浴室のカビ取りだけのために高圧洗浄機を買うのは、あまりおすすめしません。理由はシンプルで、いちばん手強い「パッキンと目地の黒」に対して、高圧洗浄機ができることが少ないからです。
- ジェルタイプのカビ取り剤を黒い所に乗せて、書かれた時間置いて流す。垂れないので、縦のパッキンやドアの下でも効きます
- 床の溝は、目の細かいブラシで方向をそろえてこする。ここは手のほうが確実です
- 仕上げに50度くらいのお湯を全体にかけて、水で冷やしてから換気。熱いお湯は火傷の危険があるので、温度に気をつけて、素材が耐えられるかも確認してください
- 最後に水気を切る。スクイジーで壁の水を落として、換気扇を数時間回す。これが再発をいちばん遅らせます
それでも買うなら、考えておきたい3点
- 本当の用途はどこか。外壁、玄関、ベランダ、車、網戸、エアコンの室外機まわり。屋外の広い面がある家なら生きる道具です。「浴室だけ」なら、たぶん使わなくなります
- 保管場所があるか。本体・ホース・ノズル・電源コードと、意外とかさばります。しまう場所を先に決めてから
- 音。ここが見落とされがちです。集合住宅や住宅密集地では、音と水はねの両方が気になります。高圧洗浄機がうるさい時の対策でくわしく書いたので、買う前に読んでみてください
ゆきこ( ゚Д゚)『浴室のドアの下のパッキンの黒ずみを、休みの日に1時間こすって腕がぱんぱん、それでも色は変わらず。そのあとジェルを乗せて30分放置したらふっと消えた、という話はよく聞きます。カビ相手は「力より時間」。うちでも合言葉にしたいくらいです』
浴室の黒カビは、道具を増やすより置き時間を守れる薬剤を1本持っておくほうが、結局はラクだったりします。垂れやすい場所にはジェルタイプ、広い床には泡タイプ、と使い分けると効率がいいですよ。使う時は必ず換気と手袋を、そして子どもの手の届かない所に保管してくださいね。
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高圧洗浄機そのものを買うか迷っている方は高圧洗浄機を買って後悔した理由をどうぞ。使う時の音と近所への気づかいは高圧洗浄機がうるさい時の対策に。浴室のカビつながりではシャワーカーテンの洗い方も参考になると思います。
まとめ:層は剥がせる、根は殺せない。だから組み合わせる
- 高圧洗浄機は表面の層を剥がす道具。カビの根は殺せません
- 順番は剥がす→乾かす→薬剤→流す→乾かす。濡れたままだと効きません
- 浴室では電源を外から・アースと漏電遮断器・濡れた手で触らない
- 薬剤を機械に入れない。塩素系と酸性を混ぜない。必ず換気
- 目地とパネルは離れて弱い設定から。浴槽のふちに乗らない
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手順を1枚にまとめました。



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