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槽洗浄をしても匂いが戻る。洗濯物に黒いカスがつく。乾燥に前より時間がかかる。そんな時に「ドラムの裏側はどうなっているんだろう」と気になって、分解掃除を調べ始めた方は多いと思います。動画を見ると、前のパネルを外してドラムを引き出して、裏側の真っ黒なカビを洗っている。あれを見ると、うちのもきっとこうなっている、とぞっとしますよね。
先に、この記事の立ち位置をはっきりさせておきます。ドラム式洗濯機を自分で分解するのは、おすすめしません。この記事に分解の手順は書いていません。その代わり、なぜやらないほうがいいのか、分解しなくても自分で届く掃除はどこまでか、業者の分解洗浄では何をしてもらえるのか、いつ頼めばいいのか、を順番に見ていきましょう。「分解しない」と決めても、やれることはちゃんとあります。
ケース別に読む:自分で分解しようか迷う人|分解なしで掃除したい人|業者の作業内容を知りたい人|頼む時期を知りたい人|放っておくとどうなるか知りたい人|業者を選ぶ人
最初に線を引く——自分では分解しない。理由は電装・防水・重さ・保証・元に戻せないの5つ
- 電装が奥まで入っている。ドラム式は前面のパネルのすぐ裏に操作の基板、ドアロック、センサーの配線が通っています。電源プラグを抜いても、内部の部品に電気が残っていることがあり、濡れた手で触れる場面が多い作業です
- 防水が設計でできている。ドアのパッキン、ドラムと本体をつなぐ蛇腹、ホースの締め付けは、工場で決められた順番と力で組まれています。一度外して戻すと、見た目は同じでも、次の洗濯で水漏れすることがある。そしてその水は、床下や階下に行きます
- 重い。ドラム式の本体は、大人2人でも動かすのに気を使う重さです。ドラムを引き出す作業は、腰と指と床を同時に傷める可能性があります
- 保証が切れる。メーカーの保証も、延長保証も、多くは「分解した時点で対象外」です。分解して直らなかった時に、修理も受けてもらえない、という二重の損になります
- 元に戻せない。外したネジの長さの違い、はめ込みの向き、配線の通し方。動画では数分に編集されていますが、戻す作業は外す作業より難しいんです
「私は手先が器用だから」という方も、ここは器用さの問題ではなく、水と電気と重さが同時にある場所だと思ってください。エアコンの内部洗浄と同じで、自分でやる範囲と、プロに任せる範囲がはっきり分かれている家電です。
分解なしで自分でできる掃除の範囲——排水フィルター・乾燥フィルター・パッキン・洗剤ケース・槽洗浄コース
ここに挙げるのは、説明書に「お手入れ」として載っている範囲で、工具もいりません。これを月1回きちんとやっている家は、分解洗浄に頼む間隔がぐっと伸びます。
- 排水フィルター。糸くずと皮脂と洗剤カスがヘドロになる場所で、ドブ臭の元です。電源を切って、受け皿かバスタオルを敷いてから外す(残り水が出ます)。網目は歯ブラシか専用の細いブラシでこすると、奥まで落ちます。週1回が目安
- 乾燥フィルター。乾燥を使うたびにほこりを取ります。フィルターの奥の吸い込み口も、掃除機の細いノズルで。ここのほこりが乾燥時間の伸びと焦げ臭の原因
- ドアパッキン。ゴムのひだをめくって、かたく絞った布で拭く。黒い点々は、説明書で使える洗剤を確かめてから、薄めた酸素系漂白剤を布に含ませて当てる。拭いたら乾かす
- 洗剤ケース・自動投入のタンク。引き出して水洗い。柔軟剤のぬめりが残りやすい所です
- 槽洗浄コース。ドラム式用の洗濯槽クリーナーで、説明書どおりに。塩素系を使う時は換気をして、酸性のもの(クエン酸・お酢)と同じ日に使わない。槽洗浄中に子どもがドアを開けないよう、チャイルドロックを
匂いの種類ごとに、どこを掃除すればいいかはドラム式洗濯機の匂いが取れない時の出どころ5つで細かく書いています。「分解しないと届かない」と思っていた匂いが、実はフィルターで止まることは本当に多いんです。
業者の分解洗浄って、何をしてくれるの?
「分解洗浄」「分解清掃」と呼ばれる作業で、メーカーの修理部門や、洗濯機の分解洗浄を専門にしている業者が行います。内容は業者と機種で違いますが、一般的にはこんな流れです。
- 前面のパネルやドアまわりを外して、ドラムを本体から取り出す。自分ではまずできないのが、この「ドラムを外す」作業です
- ドラムの裏側と、外側の槽の内側を洗う。黒いカビと洗剤カスが固まる所で、洗濯物につく黒いカスの出どころです
- 乾燥ダクトとヒーター周りのほこりを取る。乾燥フィルターで取りきれなかったほこりが、奥の通り道に積もっています。乾燥に時間がかかる、焦げ臭い、の元です
- パッキンと蛇腹の裏側、排水まわり。自分で拭ける表側とは反対の、水がたまる側を洗います
- 組み直して、実際に水を流して動作確認。水漏れがないか、ドアロックが働くか、脱水まで回るか。ここまでが作業のうちです
「洗濯槽クリーナーで槽洗浄」と「業者の分解洗浄」は、届く場所が違うんです。クリーナーは水が触れる所までしか届きません。乾燥ダクトのほこりや、外槽の上のほうにこびりついたカビは、水につからないので、外して洗うしかない。だから槽洗浄をしても戻る匂いや黒いカスが、分解洗浄で消える、ということが起きます。
どのくらいの頻度で?——年数ではなく「サイン」で決める
「何年に1回」という決まりはありません。使い方でまったく違うからです。乾燥を毎日使う家や1日2回回す家は早く汚れますし、週に数回で乾燥なしなら、ずっともちます。目安にするなら、次のサインです。
- フィルター掃除も槽洗浄もしたのに、匂いが数日で戻る
- 洗濯物に黒いカス・茶色いかけらがつき続ける
- 乾燥に前より時間がかかる。乾燥フィルターを掃除しても変わらない
- 乾燥のあとに焦げ臭い、または本体が前より熱い
- ドアのパッキンをめくると、拭いても落ちない黒ずみが奥に見える
2つ以上当てはまったら、見積もりを取ってみる時期です。逆に、サインがないのに「念のため」で頼む必要はあまりありません。
やらないとどうなる?——「壊れる」より先に「効かなくなる」
分解洗浄をしないからといって、すぐに壊れるわけではありません。先に起きるのは、こういうことです。
- 洗い上がりの匂いが取れず、洗剤や柔軟剤を増やして、さらに汚れが溜まる(悪循環)
- 乾燥の風の通り道がほこりでふさがれて、乾燥時間が伸びる
- ほこりが熱を持ちやすくなる。乾燥フィルターの奥に積もったほこりは、焦げ臭の原因になります
- 黒いカスがつくたびに洗い直し。タオルや白い服がくすむ
- 排水まわりのヘドロで、脱水前の排水が遅くなり、脱水で止まりやすくなる。脱水の不調はドラム式洗濯機が脱水できない時の切り分けにまとめています
日々のフィルター掃除でその時期をなるべく遠ざけて、サインが出たら業者に、というのが現実的なやり方です。
費用の見方と、業者選びで確かめること
金額はここでは書きません。機種、地域、乾燥機能の有無、汚れの程度で幅が大きいからです。代わりに、見積もりで「何が含まれているか」を見てください。
- 対応機種かどうか。ドラム式は機種ごとに構造が違い、対応していない業者もあります。型番を伝えて、作業したことがあるかを聞く
- どこまで外して洗うのか。ドラムを外すのか、外さずに見える所だけなのか。乾燥ダクトも含むのか
- 作業後の保証。組み直したあとに水漏れやエラーが出た時、どこまで対応してくれるのか。期間はどのくらいか
- 動作確認まで作業に含まれるか。水を流して脱水まで回して帰ってくれるか
- 追加料金の条件。出張費、汚れがひどい時、部品の交換が必要になった時。事前に聞いておく
- メーカーの保証が残っている場合は、先にメーカーに相談。保証期間中に他社が分解すると、以後の保証が受けられなくなることがあります
「業者に頼む掃除」の考え方は、エアコンとよく似ています。エアコンクリーニングで後悔した理由には、頼んでから「聞いておけばよかった」と思ったことが集まっているので、洗濯機の見積もりを取る前にも役に立つと思います。
ゆきこ( ゚Д゚)『動画を見て「私にもできそう」と思って、前のパネルのネジを外したところで配線が見えてそっと戻した、という話はよく聞きます。正直、そこで手が震える感覚は正しい反応だと思う。うちなら最初から「フィルターは自分、裏側はプロ」で分けます。』
分解洗浄までの間隔を伸ばすいちばんの近道は、地味ですが排水フィルターと乾燥フィルターの掃除です。網目の奥まで届く細いブラシが1本あると、歯ブラシより早く終わるので、週1の習慣が続きやすいですよ。
あわせて読みたい
分解洗浄を考えるきっかけは、たいてい匂いか脱水の不調ですよね。ドラム式洗濯機の匂いが取れない時の出どころ5つでは、匂いの種類から掃除する場所を絞る方法を。ドラム式洗濯機が脱水できない時の切り分けもあわせてどうぞ。年数がたっていて、修理や分解洗浄の見積もりを見て迷ったら、ドラム式洗濯機で後悔した理由で、次の1台を選ぶ時に見ておきたい所も整理しています。
まとめ:自分は分解なしの範囲まで、裏側はプロに
- 自分で分解しない。電装・防水・重さ・保証・元に戻せない、の5つが理由
- 分解なしで届くのはフィルター・パッキン・洗剤ケース・槽洗浄コースまで
- 業者の分解洗浄はドラムを外して裏側とダクトを洗う。クリーナーでは届かない所
- 頼む目安は年数ではなく匂いが戻る・黒いカス・乾燥が遅いのサイン
- 見積もりは対応機種・保証・動作確認・追加料金を確かめる。金額より中身
保存版:この記事の早見表
手順を1枚にまとめました。



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