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電子ピアノの本体は思い切って買ったけれど、専用スタンドの値段を見て「え、台だけでこんなに?」と手が止まる。本体はもらいもので、台をどうするかで1週間くらい悩んだ、という話はよく聞きます。家にある机やテーブルで代用できないかな、と思いますよね。
先に結論をひとつ。代用はできます。ただし「載る」と「弾ける」は別で、高さ・奥行き・耐荷重・ぐらつきの4つがそろった台だけが代用になります。この4つを外すと、弾きにくいだけでなく、子どもが寄りかかった時に本体ごと倒れる、という一番避けたい事故につながります。何を見て決めればいいか、順番に見ていきましょう。
ケース別に読む:条件を確かめたい人|代用の候補を知りたい人|使えない台を確かめたい人|倒れないか心配な人|弾きにくい人|買うか迷っている人
代用の前に決めること——高さ・奥行き・耐荷重・ぐらつきの4つ
- 高さ。目安としてよく言われるのは、鍵盤の表面が床から70cm前後。ただしこれは一般的な目安で、本体の厚みは機種で違うので、取扱説明書の寸法図か、メーカーが出している専用スタンド使用時の高さを見て、それに近づけるのがいちばん確実です。台の高さ+本体の厚み=鍵盤の高さ、で計算します
- 奥行きと幅。本体の奥行きより台が浅いと、鍵盤側か背面側がはみ出します。はみ出した状態は、それだけで前に倒れやすい。幅も、本体の脚(ゴム足)が4つとも台に乗る幅が必要です
- 耐荷重。電子ピアノの本体は、軽いもので10kg前後、鍵盤が本物に近い機種だと15kgを超えるものもあります。自分の機種の重さを説明書で確かめて、台の耐荷重がそれを余裕で上回るかを見ます。「載った」と「耐えている」は別です
- ぐらつき。演奏は思った以上に台を揺らします。手で台の端を押して、前後左右に動かない、脚が浮かない、が最低条件。そして子どもが体重をかけても倒れないこと。これは下の見出しでもう一度書きます
この4つを見て「うちの机、いけそう」なら代用に進んで大丈夫。ひとつでも外れるなら、代用より買ったほうが安心です。
代用できるもの3つ——机・キーボードスタンド・カラーボックス+天板
- 頑丈な机・テーブル。学習机、無垢材のダイニングテーブル、脚がしっかりした事務机。奥行きがあって、ぐらつかず、耐荷重が十分なら、いちばん自然な代用です。高さが合わない時は、椅子の高さで調整(下の見出し)。使い終わった学習机を転用する家も多くて、この場合は学習机の分解と処分の話で書いたように、処分する前に「ピアノ台にできるか」を一度考えてみてください。ただし机の天板が薄い、引き出しが前に出っ張って膝が入らない、という時は向きません
- キーボードスタンド(X型・Z型)。専用スタンドより手頃で、高さを変えられるのが強み。X型は軽い本体向き、Z型はどっしりしていて重い本体向き、と覚えておくと選びやすいです。X型に重い電子ピアノを載せると、ぐらつきと沈み込みが出ます。耐荷重の表示を必ず見て、本体の重さより余裕のあるものを。二段のX型(ダブルX)はひと段のものよりぐらつきが少ないです
- カラーボックス2つ+天板。左右にカラーボックスを置いて、上に厚い板を渡す案。条件付きで、板は厚み2cm以上のしっかりしたもの、カラーボックスと板を金具で固定する、カラーボックスの耐荷重も確認する、の3つを守れる人だけに向きます。板を「置いただけ」は、子どもが寄りかかった時に板ごと前に滑ります。固定できないなら、この案はやめてください
どれを選んでも、本体のゴム足の下に滑り止めシートを1枚はさむと、演奏の振動でじわじわ動くのを止められます。100円で買えるもので十分です。
向かない代用——折りたたみテーブル・軽い棚・段ボール
「置けそう」に見えて、実際は危ないものを先にはっきりさせておきますね。
- 折りたたみテーブル。脚の付け根に遊びがあって、演奏の振動で少しずつ開きます。何かの拍子に脚が畳まれると、本体ごと落ちます。会議用の長机も同じ理由で向きません
- 軽いスチールラック・カラーボックス1つ・本棚の上。耐荷重はあっても、幅か奥行きが足りずにはみ出す、あるいは背が高くて重心が上がり、寄りかかると倒れます
- 段ボール・衣装ケース・発泡スチロール。数日は持っても、本体の重さで少しずつつぶれて、ある日傾きます。「とりあえず」で使いがちですが、やめてください
- ベッドやソファの上。やわらかい面は本体が沈んで鍵盤が傾き、下の面に熱がこもります。床に直接置いて座って弾く、のほうがまだ安全です
- 脚に固定できない台に載せて、上から本体だけを固定するのも意味がありません。倒れる時は台ごとです
ぐらつきと転倒を防ぐ置き方——子どもが寄りかかっても倒れない、が基準
ここが、代用でいちばん大事なところです。専用スタンドは本体をネジで固定して、脚の幅も倒れにくいように設計されています。代用の台には、それがありません。
- 壁に寄せて置く。背面を壁につけると、後ろへの転倒がなくなります。左右も、片側を壁か家具につけると安定します
- 台の脚の下に滑り止め、本体のゴム足の下にも滑り止め。振動でじわじわ動くのを止めます
- 台の上に本体以外を載せない。楽譜スタンドや小物で重心が高くなるほど倒れやすい
- 下の子がつかまり立ちや、よじ登る年齢のうちは、代用をやめて専用スタンドにするか、弾かない時は本体を床に下ろす。台の縁に体重をかける、台の下にもぐる、が一番怖い場面です
- 週に一度でいいので、台の脚のネジや金具のゆるみを手で確かめる。演奏の振動は思ったよりネジをゆるめます
「うちの子は大丈夫」と思っていても、友達が遊びに来た日に起きるのが、この手の事故です。置き方の段階で、寄りかかられる前提にしておいてくださいね。
ペダルの置き場と椅子の高さ——代用で弾きやすさが変わるのはここ
- ペダルは床に直接置いて、下に滑り止めを。単体のペダルは踏むたびに前へ逃げていくので、滑り止めがないと「ペダルを追いかけながら弾く」ことになります。壁際に置けるなら、ペダルの先を壁に当てると逃げません。コードは踏まない位置に
- 椅子の高さは、座って腕を下ろし、肘を曲げた時に肘から手首がだいたい床と平行になって、鍵盤の高さと同じくらい、が一般的な目安です。台の高さが合わない分は、椅子で調整すると考えると気が楽になります。高さを変えられる椅子が1つあると、子どもの成長にも合わせられます
- 足が床につかない子は、足台か厚い本を。足がぶらぶらすると体が安定しません
- 姿勢については、教室の先生の言うことを優先してください。ここに書いた高さはあくまで「弾きにくくない」ための目安で、正しい姿勢や上達を保証するものではありません
専用スタンドが向く人——「結局買った」になりやすいのはこういう家
- 本体が重い(目安として12kgを超える)機種。代用の台に載せると、ぐらつきと沈み込みが出やすい
- 小さい子がいて、寄りかかる・よじ登る時期が続く
- 3本ペダルで弾きたい。専用スタンドとペダルユニットがセットの機種は、代用だとペダルが宙ぶらりんになります
- 置き場所が決まっていて、見た目も家具としてそろえたい
- 引っ越しや模様替えで動かす予定がある。専用スタンドは分けて運べるように作られています。この話は電子ピアノを分解して移動する時の段取りで書いています
逆に、本体が軽くて、しっかりした机がすでにあって、子どもも大きい、という家なら、代用のまま何年も困らないと思います。後悔しやすいのはどちらかというと機種選びのほうで、電子ピアノで後悔した理由と選び方にまとめています。
ゆきこ( ゚Д゚)『最初はリビングのテーブルの端に載せて、夕飯のたびにどかすのが面倒になる、という話はよく聞きます。子どもがテーブルに登って鍵盤の上に座った、なんて声も。うちで置くなら、X型のスタンドを壁に寄せて滑り止めを敷く、まで先に決めます。ぐらつきも夕飯のどかし作業も消えるので、悩む時間がもったいないです』
代用の机が見つからない、でも専用スタンドはまだ迷う、という時は、耐荷重に余裕のあるキーボードスタンドが間をとる選択肢になります。本体の重さを確かめてから、X型かZ型かを選んでみてください。
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買った後の「こんなはずでは」を減らしたい人は、電子ピアノで後悔した理由と選び方を。台と一緒に、置き場所と動かし方まで考えておきたい人は電子ピアノの分解と移動の段取りをどうぞ。使わなくなった学習机をピアノ台にするか処分するかで迷ったら、学習机の分解と処分の考え方も参考になると思います。
まとめ:4つの条件がそろう台だけ代用に。倒れない置き方が最優先
- 代用の条件は高さ・奥行き・耐荷重・ぐらつきの4つ。ひとつでも外れたら買う
- 高さは鍵盤面が床から70cm前後が目安。メーカーの推奨値と本体の重さは説明書で
- 代用は頑丈な机・キーボードスタンド・固定したカラーボックス+天板の3つ
- 折りたたみテーブル・軽い棚・段ボール・ベッドの上は不可。倒れる・沈む・滑る
- 壁に寄せて滑り止め。子どもが寄りかかっても倒れないを基準に。椅子で高さ調整
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手順を1枚にまとめました。



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