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冬のはじめにウールコートを出したら、袖口や脇のあたりがけばけばになっていた。毛が立ってふわふわしているところ、毛足がつぶれてテカっているところ、小さな玉になっているところ。同じ「傷んだ」でも、見た目がいろいろで、どう手を付けたらいいのか迷いますよね。年に一度の衣替えのタイミングだと、お手入れ方法も忘れがちです。
先に結論をひとつ。ウールコートの毛羽立ちは、「毛が立っている」「つぶれている」「玉になっている」のどれかで、使う道具が変わります。毛が立っているなら洋服ブラシ、つぶれているならスチームを浮かせて当てる、玉なら毛玉取り器を軽く。そして、どの場合も洗濯表示を見ることが最優先です。症状別の使い分けと、やってはいけないことを順番に見ていきましょう。
ケース別に読む:毛羽立ちと毛玉の違いを知りたい人|道具の使い分けを知りたい人|ブラシのかけ方を知りたい人|スチームや毛玉取りを使う人|やってはいけないことと予防を知りたい人
ウールコートの毛羽立ちとは?——毛玉との違いと、毛羽立ちやすい所
ウールは、細い繊維が絡み合ってできている素材です。着ているうちに、袖口、脇、バッグが当たる肩、座る時にこすれるお尻のあたりなど、こすれる所の繊維がほぐれて、表面に浮き上がってくることがあります。これが毛羽立ちです。
毛羽立ちが進んで、浮いた繊維どうしが絡まって丸くなったものが毛玉です。つまり、毛羽立ちは毛玉の前の段階とも言えます。見た目の違いを整理すると、次のようになります。
- 毛羽立ち:繊維が表面に立って、ふわふわ、ざらざらして見える。玉にはなっていない
- つぶれ(へたり):毛足が寝てしまい、そこだけ平たくテカって見える。座る場所や袖口に出やすい
- 毛玉:繊維が絡まって、小さな玉になっている。引っぱると取れるものも、根元がしっかり残るものもある
こすれる場所を覚えておくと、着る前にそこだけ気にしておけます。毛玉ができやすいのは、お手入れ不足というより、素材の性質と着る時の摩擦によるところが大きいです。セーターの毛玉についてはセーターの毛玉の取り方にくわしく書いているので、コートの場合との違いも見比べてみてください。
症状と道具の使い分け——早見表
まず、洗濯表示のタグを確認してください。コートの内側や脇の縫い目に付いています。水洗いやアイロンの扱い(スチームを使ってよいか)はここに書かれています。表示がない・読めない場合や、カシミヤ混・高価なコートの場合は、自分でやらずに、クリーニング店に相談した方が安心です。
| 見た目 | 使う道具 | やり方のポイント | 気をつけること |
|---|---|---|---|
| 毛が立ってふわふわ | 洋服ブラシ | 毛並みに沿って、上から下へ軽く | 強くこすらない。湿った状態でかけない |
| 毛足がつぶれて寝ている | スチーム | 生地から少し浮かせて蒸気を当て、乾いてからブラシ | 生地に押し付けない。縮みとやけどに注意 |
| 小さな玉になっている | 毛玉取り器、はさみ | 軽く当てる。はさみは玉の根元を少しずつ切る | 生地を引っぱらない。穴を開けない |
| 全体がくたびれてテカっている | クリーニング店に相談 | 自分でやりすぎない | 無理に直そうとして悪化させない |
順番としては、まずブラシ、それで足りなければスチーム、玉が残ればそこだけ毛玉取りが基本です。いきなり毛玉取り器を全体に当てると、まだ直せた毛羽立ちまで削ってしまうことがあるので、軽い方法から試すと失敗しにくいです。
洋服ブラシのかけ方——毛並みに沿って、上から下へ
- コートが乾いていることを確かめる。雨や雪で湿っている時は、先にハンガーにかけて乾かします。濡れたままブラシをかけると、繊維を傷めやすくなります
- ハンガーにかけるか、平らな所に広げる。ハンガーは肩の形に合った厚みのものが向いています。コートの肩の崩れを防ぐハンガーの選び方はコートのハンガーのかけ方にまとめています
- 毛並みに沿って、上から下へ、軽くかける。毛並みは、生地を指でなでて、すっと流れる方向です。逆なでしないでください。ブラシの重みだけで動かすつもりで、力は入れません
- 袖口、脇、ポケットのまわりなど、こすれる所は少しゆっくり。同じ方向に数回、軽くかけるのが基本です
- 最後に、全体を整えて、風を通す。湿気をためないよう、すぐ袋に入れず、少しの間ハンガーに下げておきます
洋服ブラシは、動物の毛(天然毛)のものが、ウールのやわらかい繊維を傷つけにくくて向いています。ブラシ目が硬いものや、毛がすぐ抜けるものは、生地を傷める原因になるので、選ぶ時は手のひらで毛先を触ってみてください。着て帰ったらブラシをかける習慣があると、毛羽立ちの進み方がゆるやかになります。
💡 この困りごとへの提案
「これがないとできない」わけではありませんが、毛並みを整えるブラシが一本あると、衣替えのたびに毛羽立ちを見つけた時、すぐ手が出せます。
つぶれたらスチーム、玉になったら毛玉取り——やさしい順に
ブラシでふわふわが落ち着いても、つぶれて平たくなった所は、ブラシだけでは戻りにくいことがあります。そんな時は、スチームの出番です。
- スチームを使ってよいか、洗濯表示を確認する。アイロンの記号が×の場合は、スチームも当てません
- 生地から少し浮かせて、蒸気だけを当てる。アイロンの底を生地に押し付けません。押し付けると、テカりが強くなったり、縮んだりします
- やけどに注意する。蒸気は高温です。生地を持つ手は、蒸気が当たらない側に。小さい子どもが近くにいない時にします
- 蒸気を当てたら、生地が冷めて乾くまで待つ。それから、毛並みに沿ってブラシをかけると、毛足が起きやすくなります
毛玉は、玉の部分だけを取ります。毛玉取り器は、軽く動かすのが基本で、一か所に長くとどめないでください。生地を引っぱらないよう、片手で生地を張って、玉の部分に軽く当てます。はさみを使う時は、先の細いものを選び、玉の根元を少しずつ切ります。生地を一緒に切らないよう、玉を持ち上げて、生地との間にすき間を作ってから切ります。
カミソリで毛玉をそる方法を見かけることがありますが、生地を傷めやすく、素材によっては向きません。使う前の確認は毛玉取りをカミソリでする方法と注意で見られます。コートに使う時は、特に慎重に判断してください。
やってはいけないことと、予防——クリーニングに頼む目安
やってはいけないことは、上の図のとおりです。特に、洗濯表示を見ずに水洗いすることは、ウールにとって大きなリスクです。ウールは水と摩擦で縮みやすく、家庭で洗うと元に戻らなくなることがあります。表示で水洗いが不可の物は、洗いません。
予防としては、次のようなことが役に立ちます。
- 着たらブラシをかけて、一日休ませる。同じコートを毎日着続けるより、繊維が休まります
- 肩にかけるバッグの位置を、時々変える。同じ所がこすれ続けないようにします
- 肩に合ったハンガーで、風通しのいい所に。形崩れと湿気を防ぎます
- 衣替えの前に、クリーニングに出すか判断する。出す時期の目安はコートをクリーニングに出す時期は?に書いています
次のような時は、自分で手を加えず、クリーニング店に相談してください。カシミヤ混や高価なコート、全体がテカって戻らない、生地が薄くなって穴が開きそう、洗濯表示がなくて素材がわからない、といった場合です。無理に直そうとして悪化させるより、早めに相談した方が、結果的に長く着られます。
よくある質問
毛羽立ちは、一度直したらもう出ませんか?着ればこすれる以上、また出てきます。着たらブラシ、の習慣で進み方を遅らせるイメージです。
毛玉取り器を、コート全体に当ててもいいですか?玉のできた所だけにしてください。全体に当てると、生地が薄くなることがあります。
スチームがない時は?無理に代わりを探さなくて大丈夫です。まずはブラシだけで整えて、つぶれが気になる時は、表示と素材を確かめたうえで、お店に聞いてください。
ゆきこ( ゚Д゚)『正直、毛羽立ちは「着ている証拠」でもあると思っています。ブラシで整えて、必要な所だけ手を入れる、くらいの距離感がちょうどいいですよね』
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セーターの毛玉の取り方はセーターの毛玉の取り方、カミソリでそる前の確認は毛玉取りをカミソリでする方法と注意へどうぞ。クリーニングに出す時期はコートをクリーニングに出す時期は?、ハンガーの選び方はコートのハンガーのかけ方で見られます。
まとめ:表示を見て、やさしい順に。ブラシ→スチーム→毛玉取り
- 洗濯表示を最優先で確認する。高価なコートやカシミヤ混はお店に相談
- 毛が立っているなら洋服ブラシ。乾いた状態で毛並みに沿って軽く
- つぶれたらスチームを浮かせて当てる。押し付けず、やけどと縮みに注意
- 玉は毛玉取り器を軽く、またははさみで根元を。カミソリや強いこすりは避ける
- 着たらブラシをかけて休ませる。肩に合うハンガーで風を通す
保存版:この記事の早見表
手順を1枚にまとめています。



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