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届いた椅子に、大きめのクッションが2つ付いてきた。腰に当てると押し出される感じがして落ち着かないし、頭のほうは首の後ろに当たって前かがみになる。結局どちらも外してしまって、ベルトだけが背もたれにぶら下がっている——そんな椅子、けっこう多いと思います。
先に結論を言ってしまうと、外していいです。体に合わないものを我慢して使う理由はどこにもありません。ただ、「合わないから外す」のと「合わせ方を知らないまま外す」のは、けっこう違うんですよね。外す前に5分だけ試してほしい調整があるので、その話から始めさせてください。
そもそも、あの2つは何のために付いているのか
役割が分かると、自分に要るか要らないかの判断がつきやすくなります。
- 腰のクッション(ランバーサポート):背中の腰のあたりのくぼみを後ろから埋めて、骨盤が後ろに倒れにくいようにするためのもの。背もたれに深く座った時に、腰と背もたれの間にできるすき間を埋める役目です
- 頭のクッション(ヘッドレスト):背もたれを倒してもたれた時に、後頭部から首を支えるためのもの。前提が「もたれている姿勢」なので、背筋を立てて作業している時は、そもそも出番がない部品なんです
- 座面のクッション:座る位置を少し上げたり、座面のへたりを補ったり。あとから足すタイプは、机との高さの差を埋める役目もあります
ここで気づいてほしいのが、ヘッドレストは「もたれる時の道具」だということ。机に向かって前傾ぎみで作業する人にとっては、首の後ろを押してくる邪魔者にしかなりません。「いらない」と感じるのは自然なことなんです。
外す前に試したい調整——合わない原因は位置かもしれません
腰当てが「押し出される感じがする」時、多くは大きさではなく位置が合っていません。5分でできる調整を順番に。
- まず深く座り直す。お尻を背もたれの根元までしっかり入れます。浅く座ったまま腰当てを当てると、腰ではなく背中の真ん中を押されることになって、当然つらいです
- 腰当ての高さを合わせる。ベルトを緩めて上下に動かし、ベルトの位置ではなく、いちばん厚い所が自分の腰のくぼみに来るようにします。目安はベルトのバックルのある高さ、ではなく自分の体。手を腰の後ろに入れて、いちばんへこんでいる所を探してから合わせると早いです
- ベルトの締め具合を緩める。きつく締めるほど押し出されます。もたれた時にクッションが少し逃げるくらいのゆるさが、多くの人には楽です
- 座面の奥行きを見る。座面が深すぎると、深く座った時に膝の裏が圧迫され、自然と浅く座ってしまいます。そうなると腰当ては永遠に合いません。奥行きを変えられる椅子なら、背もたれに背中を付けた状態で、膝の裏と座面の前のふちの間に指2〜3本入るくらいを目安に
- 肘掛けと机の高さをそろえる。肘掛けが机より高くて椅子を引き切れないと、体が机から遠くなって前かがみになります。この状態だと、どんなクッションを足しても落ち着きません
- ヘッドレストは下げてみる。首ではなく後頭部の下のほうに当たる位置まで下げると、当たり方がまったく変わります。それでも当たるなら、その椅子の設計が自分の身長に合っていないということ
この6つを試して、それでもしっくり来ないなら——そこで外してください。試したうえで外すなら、もう迷わなくて済みますよね。
外していい人の条件
次のどれかに当てはまるなら、外して問題ありません。むしろ外したほうが座りやすくなる方が多いです。
- 身長が低めで、腰当てが背中の真ん中に来てしまう。ベルトをいちばん下まで下げても位置が合わないなら、その椅子はもっと背の高い人向けに作られています
- 身長が高めで、ヘッドレストが首の付け根に来る。首を前に押し出される形になるので、外したほうが楽です
- もたれずに前傾ぎみで作業する。集中している時ほど前に出る方は、背中側の部品がぜんぶ邪魔になります
- すでに自分に合う腰当てを別に持っている。二重に当てる必要はありません
- 背中に何も当たらないほうが落ち着く。感覚の好みも立派な理由です
ひとつだけお願いがあります。外した部品は捨てずに取っておいてください。売る時や譲る時に付いていないと価値が下がりますし、季節や体調で「やっぱり当てたい」と思う日が来ることもあります。ベルトごと箱にしまって、押し入れの隅に置いておけば十分です。
外したあとに整える3か所——ここを飛ばすと結局つらい
クッションを外すと背もたれが平らになるので、「座り位置」を支えるものが減ります。そのぶん、椅子と机の関係を整えておきたいんです。順番に見ていきましょう。
- 座面の奥行き。深く座った時に、膝の裏が座面のふちに当たらないこと。当たると自然に浅く座るようになり、背もたれに背中が届かなくなります。奥行きが調整できない椅子なら、背中側に薄いクッションを1枚入れて、座る位置を前に出すという手もあります
- 机と肘掛けの高さ。肘が90度くらいで、肩が上がらない高さが目安。机が高すぎると肩がすくみ、低すぎると背中が丸まります。椅子で調整しきれない時は、机側を変えるか、キーボードの位置を見直すほうが早いことも
- 足がしっかり床に着くか。ここが意外と見落とされます。椅子を上げて肘の高さを合わせると、今度は足が浮く。浮いた足は太ももの裏で体重を支えることになって、じわじわつらくなります。足が浮くなら足台を。分厚い本を数冊重ねるだけでも変わります
この3つがそろっていると、腰当てが無くても座り位置が安定します。逆にここが崩れていると、どんな高価なクッションを足しても落ち着かないんですよね。
腰当てを買い直すなら、どこを見るか
付属品が合わなかっただけで、腰当てそのものが要らないとは限りません。別売りのものに替えて落ち着く方もいます。私なら、こんな所を見ます。
- 厚みが自分の腰のすき間に合うか。壁に背中を付けて立ち、腰と壁のすき間に手を入れてみると、自分にどれくらいの厚みが要るか見当がつきます
- 高さを変えられるか。ベルトの長さが足りないと、そもそも背もたれに固定できません
- 硬さ。低反発は体になじみ、高反発はしっかり押し返します。好みが割れる所なので、返品の条件を確認してから買うと安心
- カバーが洗えるか。背中が当たる所なので、夏場は汗を吸います
ゆきこ( ゚Д゚)『家では、椅子の調整より先に「立つ回数」を数えたほうが早いと思っています。洗濯物をたたむために立って、麦茶を注ぐために立って、気づけば30分に1回は席を外している。家事をしながら座る人は、たいていそうなりますよね。あれが結果的にいちばん体に優しいのかもしれません』
痛みがある時は、道具より先に
ここは、整体の仕事をしてきた立場からきちんとお伝えしておきたい所です。
クッションを付けても外しても、特定の道具や姿勢が症状を治すとは言えません。「これを使えば腰痛が良くなる」という言い方は、私はしないようにしています。人の体は一人ひとり違って、同じ椅子でも合う方と合わない方がいるからです。
- 腰や首の痛みが続いている、しびれがある、力が入りにくい——こういう時は、椅子やクッションを買い替える前に医療機関で診てもらってください。原因が別のところにあることもあります
- 1時間に1回は立つ。同じ姿勢を続けないことが、道具より先に来る話だと思っています
- 立ったついでに、肩を回す、深呼吸をする、遠くを見る。それだけでも夕方の張り方が変わってきます
座り方が変わらないまま椅子だけ替えても、しっくり来ないことが多いんです。道具は助けにはなりますが、主役ではない——そう考えておくと、買い物でも失敗が減ります。腰当ては通販でも手に入りますが、自分の体に当ててみて選べるほうが失敗が少ないので、可能なら実物を触れる場所で。
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まとめ:外していい、ただし位置を合わせてから決める
- 合わないクッションは外して構いません。我慢して使う理由はありません
- 外す前に深く座り直して、腰当ての高さとベルトを調整してみる
- ヘッドレストはもたれる時の道具。前傾で作業するなら不要です
- 外したら奥行き・机の高さ・足が床に着くかの3か所を整える
- 痛みやしびれが続く時は、道具より先に医療機関へ相談を
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