【図解】除湿機のタンクにカビが生えた|こすらず落とす方法と、生やさない運用

除湿機タンクのピンクぬめり・黒カビ・パッキンのカビの落とし方の違い 家事

除湿機のタンクは、カビにとってこれ以上ない環境です。常に濡れていて、暗く、部屋の空気から集めたホコリと雑菌が一緒に入り、しかも室温。生えないほうが不思議なくらいです。

そして厄介なのは、タンクの形が洗いにくいこと。手が入らない角、細い注ぎ口、フロート(水位センサーの浮き)のまわり。ここが落ちません。

だから、こすって落とすのをやめます。浸け置きで落とします。

まず、生えているものが何かを見る

見た目 正体 使うもの
ピンク・赤っぽいぬめり ロドトルラという酵母菌。カビの前段階 中性洗剤でこするだけで落ちる
黒い点々 黒カビ。根を張っている 塩素系漂白剤
白いザラつき・輪じみ 結露水に含まれる成分とホコリ クエン酸
透明〜白のぬめり 細菌の膜(バイオフィルム) 中性洗剤+塩素系

ピンクなら簡単です。洗えば落ちます。問題は黒い点々で、これは表面をこすっても色が薄くなるだけで、根が残るため数日で戻ります。

塩素系漂白剤とクエン酸(酸性のもの)は絶対に混ぜないでください。有毒なガスが発生します。両方使う場合は、必ず日を分けるか、間に十分なすすぎを入れてください。

黒カビは浸け置きで落とす
▲ こすらない。傷が付くと次はもっと早く生える

黒カビの落とし方(浸け置き)

手順

  1. 電源を切り、プラグを抜いてからタンクを外す
  2. 中の水を捨て、外せる部品(ふた、フロート、フィルター状の部品)をすべて外す
  3. タンクに水を張り、塩素系漂白剤を規定の希釈で入れる(製品表示に従ってください)
  4. 30分〜1時間、そのまま置く。こすりません
  5. 外した部品も、同じ液に一緒に浸ける
  6. 液を捨て、水で3回以上すすぐ。においが残らなくなるまで
  7. 柔らかいスポンジで、浮いた汚れを軽くなでる(この時点で落ちます)
  8. 完全に乾かしてから戻す

ここが要点

  • 4番の「置く」が本体です。こすらないでください。プラスチックに細かい傷が付くと、そこにカビが定着して、次はもっと早く生えます
  • 6番のすすぎを省かない。塩素が残ったまま除湿運転をすると、においが部屋に出ます
  • 浸け置き中は換気してください

手が届かない場所の対処

注ぎ口や細い部分は、浸け置きでは液が届かないことがあります。タンクに液を張ったあと、タンクを傾けて、角や注ぎ口にも液が回るように何度か向きを変えてください。

それでも残る場合の道具は次のとおりです。

  • ペットボトル用のブラシ … 柄が長くしなるので、角に届きます
  • 哺乳瓶用の細いブラシ … 注ぎ口に
  • 綿棒 … フロートのまわりの細かい溝
  • タンクに液と小さなスポンジを入れてふたを閉め、振る … 届かない部分に物理的な力を届かせる方法です

フロート(浮き)は絶対に壊さないでください。これが動かなくなると、満水を検知できず、水があふれます。無理に力をかけないこと。

ゴムパッキンの黒カビが、どうしても取れないとき

タンクのふたや、本体との接合部にあるゴムパッキン。ここだけは浸け置きでも落ちきらないことがあります。ゴムは表面が微細に粗く、カビが内部まで根を伸ばすためです。

順に強くしていきます。

  1. まず、塩素系を「湿布」する … キッチンペーパーを細く裂いてパッキンに巻き、そこへ塩素系漂白剤を含ませます。液体が流れ落ちないので、浸け置きより濃度と時間を保てます
  2. その上からラップで覆う … 乾燥を防ぎ、密着させます。この一手間で落ち方が変わります
  3. 10〜30分置く。それ以上は伸ばさないでください。長時間の塩素はゴムを劣化させ、硬化やひび割れを招きます
  4. ペーパーを外し、流水で十分にすすぐ
  5. 完全に乾かす

これで落ちなければ、そこはもう色素沈着です。カビ自体は死んでいて、黒い色だけが残っている状態のことがあります。この段階でこすったり、塩素の時間を延ばしたりするのは逆効果です。ゴムを傷めて、次のカビが定着しやすくなるだけです。

パッキンが硬くなっている・変形している・ちぎれている場合は、交換を検討してください。パッキンは消耗品として単品購入できる機種があります。パッキンが劣化すると、タンクから水が漏れる原因にもなります。

タンクを洗ってもにおうとき
▲ 汚れているのはタンクではない

タンクだけ洗っても、におうときの原因

タンクをきれいにしたのに数日でにおいが戻る場合、汚れているのはタンクではありません。次の3か所を確認してください。

① 空気の吸込口フィルター

ここがいちばん多い原因です。除湿機は部屋の空気を吸うので、フィルターにホコリが積もります。そこに湿気が加わると、カビとにおいの発生源になります。

多くの機種でフィルターは取り外して水洗いできます。掃除機でホコリを吸ってから、ぬるま湯で洗い、完全に乾かしてから戻してください。2週間に1回が目安とされる機種が多くあります。

② 内部の熱交換器(フィン)

空気から水を取り出す部分で、常に結露しています。ここにホコリが付くと、内部でカビが育ちます。手は届きませんが、対処法があります。

使い終わりに、送風運転を30分〜1時間することです。内部を乾かすためのモードを持つ機種もあります。これが内部のカビ対策として、実質的にいちばん効きます。

③ タンクの受け皿・ドレン部(本体側)

タンクを外した奥、水が落ちてくる部分にもぬめりが付きます。タンクを外したついでに、届く範囲を布や綿棒で拭いてください。本体は水洗いできません。

生やさないための運用(ここが本題)

◎ 使うたびに水を捨てる

これが最強です。カビは「水がたまったまま放置される時間」に育ちます。満水になってから捨てるのではなく、その日の運転が終わったら捨てる。これだけで、生える速度が段違いに変わります。

◎ 捨てたあと、タンクを乾かす

水を捨てても、タンクの内側が濡れていれば同じことです。捨てたあと、ふきんで一拭きするか、ふたを開けて置いておくだけで違います。

◎ 使い終わりに送風運転

前述のとおり、内部の乾燥です。タンクだけきれいにしても、内部が湿ったままだと、においは消えません。

○ 週1回、タンクを洗う

生えてから落とすより、週1回、中性洗剤で洗ってすすぐほうがはるかに楽です。所要2分です。

○ 長期間使わないときは、完全に乾かしてからしまう

シーズンオフの保管前が、いちばんカビを作る場面です。タンクの水を捨て、洗い、タンクを外した状態で数日置いて完全に乾かしてからしまってください。ふたを閉めて密閉するのは最悪の保管方法です。

△ 除菌剤・タンク用の錠剤

市販の「タンク用除菌剤」がありますが、メーカーが使用を認めていない場合があります。取扱説明書を確認してから使ってください。

やってはいけないこと

  • 塩素系とクエン酸・酸性洗剤を混ぜる有毒ガスが発生します
  • 硬いブラシ・メラミンスポンジ・クレンザーでこする … 傷にカビが定着します
  • 熱湯を入れる … タンクは耐熱ではない樹脂のことが多く、変形します。変形すると水漏れします
  • フロートを分解する・強く押す … 満水検知ができなくなります
  • 本体を水洗いする、丸ごと浸ける
  • 濡れたまま戻して運転する
  • タンクの水を再利用する … 除湿機の水は雑菌を含むため、洗濯や植物への使用は避けてください

まとめ

  • ピンクのぬめりは洗えば落ちる。黒い点々は根があるので浸け置き
  • 黒カビは塩素系を規定希釈で30分〜1時間、こすらず浸ける→3回以上すすぐ→完全乾燥
  • こすらない。傷が付くと次はもっと早く生える
  • 塩素系とクエン酸は絶対に混ぜない
  • 届かない場所はタンクを傾けて液を回す/ペットボトルブラシ/液とスポンジを入れて振る
  • ゴムパッキンは塩素系を湿布してラップで覆い、10〜30分。それ以上延ばさない
  • 洗ってもにおうときは吸込口フィルター・内部の熱交換器・タンクの受け皿を疑う
  • いちばん効くのは使うたびに水を捨てて、タンクを乾かすこと
  • 使い終わりの送風運転が内部のカビを止める
  • 保管前は完全に乾かしてから。ふたを閉めて密閉しない

※お手入れ方法・使用できる洗剤は機種によって異なります。塩素系漂白剤の使用可否を含め、必ずお手持ちの機種の取扱説明書をご確認ください。塩素系漂白剤を使用する際は換気し、酸性のものと混ぜないでください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました