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アシックスの長距離トラック用シューズ、METASPEED LD(メタスピードLD)。調べ始めると「LD」「LD LE」「LD 2」と似た型番が次々に出てきて、どれが何なのか分からなくなりがちです。メタスピードシリーズの中でも、いちばん型番が入り組んでいるのがこのLD系だと思います。
ややこしさの正体は、実はシンプルです。LDとLD LEは「同じ世代の設計違い」、LD 2は「規定の変更を受けて登場した次の世代」。この3つの関係と、背景にあるトラックシューズのソール厚さ規定の変更まで押さえると、一気に見通しがよくなります。
この記事では、公式情報と規定の変更経緯をもとに、LD・LD LE・LD 2の違いと「今から選ぶならどう考えるか」を順番に整理します。
まず30秒で整理:LD・LD LE・LD 2の関係
3つの型番の関係は、こう並べると分かりやすくなります。
- METASPEED LD——スパイクピンを持たない「ピンレス」の長距離トラックシューズとして登場した初代。厚めのソールで反発をもらう、当時としてはかなり実験的な設計
- METASPEED LD LE——LDをベースに、樹脂プレートとスパイクピンを組み合わせた別バージョン。ピンで路面を捉えたい人向けの「もうひとつの答え」
- METASPEED LD 2——トラック種目のソール厚さ規定が変わったことを受けて登場した現行世代。カーボンプレート+スパイクピンの構成で、対象は5000m〜10000mの長距離種目(公称)
つまり「LDとLD LEの違い」は同世代内の設計の分岐、「LDとLD 2の違い」は規定をまたいだ世代交代。この2つの違いは軸がまったく別なんです。順番に中身を見ていきます。
METASPEED LD——ピンを捨てた初代の発想
初代METASPEED LDのいちばんの特徴は、長距離トラック用なのにスパイクピンがないことでした。ピンが路面に刺さって抜ける動きは、実はエネルギーのロスでもある——そこで、ピンをなくす代わりに高反発フォーム材「FF BLAST TURBO」を厚めに積み、フォームの反発で前へ進む設計に振り切ったモデルです(公称の機構)。
この「厚め」が成立していた背景には、当時の規定があります。詳しくは後の章でまとめますが、かつてのルールでは800m以上のトラック種目は今より厚いソールが認められていたため、その上限を活かした設計だったわけです。接地感は硬質でダイレクト、フォームの弾みで大きく進む——ロードの厚底レースシューズの思想をトラックに持ち込んだ一足といえます。
METASPEED LD LE——樹脂プレート+ピンという「もうひとつの答え」
METASPEED LD LEは、そのLDをベースにした兄弟モデルです。違いの核は足元の構成で、プレートはカーボンではなく樹脂、そしてスパイクピンを備えるという組み合わせ(販売店・レビュー情報ではピンは4本構成とされます)。対象は5000m〜10000mの長距離トラック種目という位置づけです。
樹脂プレートはカーボンに比べてしなやかにたわむ性質があるとされ、レビューでも「LDよりクッションが効いて柔らかい接地」という評価が見られます。ピンがあるぶん路面をつかむ感覚も従来のスパイクに近く、「ピンレスの弾む感覚」より「ピンで捉える安心感」を取りたいランナー向けの選択肢だったと整理できます。
どちらが優れているという話ではなく、同じ世代の中で「ピンなし・カーボン・ダイレクト」のLDと、「ピンあり・樹脂・マイルド」のLD LEに好みで分かれる——そういう二本立てでした。
ここが重要:ソール厚さ規定の変更
LD系を語るうえで避けて通れないのが、トラックシューズの厚さ規定です。ここは事実関係を正確に押さえておきたいところです。
ワールドアスレティックス(世界陸連)の規定では、かつて800m以上のトラック種目はソール厚25mm以下、それ未満の種目は20mm以下とされていましたが、2024年11月以降はトラック種目のソール厚が一律20mm以下に統一されました。日本陸連の競技用靴に関する規程もこれに準拠しています。
初代LDの厚めのソールは旧規定の上限を前提にした設計だったため、この変更が世代交代の直接のきっかけになりました。ここで実務上大事な注意を2つ。
- 規定の適用範囲は大会によって異なる。どのレベルの大会にどう適用されるかは年度・主催者で変わるため、出場する大会の要項と最新の規程を必ず確認すること
- 記録が公認される競技会でレースに出るなら、ワールドアスレティックスの適合シューズリストや大会要項で、使う予定のシューズが使用可能かを事前に確認すること
「持っているスパイクが急に使えなくなるの?」という不安はもっともですが、規定に関わらない練習やタイムトライアルでの使用まで妨げるものではありません。要は「公式のレースで履けるか」は要項で確認、それ以外の場面では走力アップの道具として現役、という切り分けです。
現行の答えがMETASPEED LD 2
そして、新しい規定のもとで登場した現行世代がMETASPEED LD 2です。構成は初代から大きく変わり、カーボンプレートに6本のスパイクピンを組み合わせ、高反発フォームで蹴り出しを支える設計(公称)。対象は5000m〜10000mの長距離トラック種目で、現行規定に対応する世代としてアシックス公式で展開されています。
ピンレスだった初代からピンありへ、LD LEの樹脂プレートからカーボンへ——2つの前任機のいいところを規定の枠内で統合したような立ち位置です。実際の履き心地や口コミが気になる場合は、METASPEED LD 2の口コミまとめ記事で使用者の声を整理しているので、あわせてどうぞ。
公称スペックの比較表
3モデルの違いを表にまとめます。仕様は執筆時点の公称値・販売店公表情報で、価格や在庫は変動します。購入前に公式ページで最新情報を確認してください。
| 項目 | METASPEED LD | METASPEED LD LE | METASPEED LD 2(現行) |
|---|---|---|---|
| スパイクピン | なし(ピンレス) | あり(販売情報では4本) | あり(6本・公称) |
| プレート | カーボン系 | 樹脂 | カーボン |
| 対象種目 | 長距離トラック | 5000m〜10000m | 5000m〜10000m |
| 設計前提の規定 | 旧規定(厚めソール) | 旧規定世代 | 現行規定に対応 |
| 接地の傾向 | ダイレクトに弾む | 比較的マイルド | 現行の主力設計 |
ゆきこ( ゚Д゚)『LEって「限定版」かと思ってたら、ピンありの別バージョンだったのね…』
結局どれを選ぶ?——場面別の考え方
優劣ではなく場面で分けると、判断はシンプルになります。
- 公認の記録会・大会で5000mや10000mを走る——現行規定に対応した世代(LD 2)を軸に検討し、大会要項と適合リストで最終確認。ここは迷う余地が少ない場面です
- 規定が関わらない練習・部内のタイムトライアル用——型落ちのLDやLD LEが手に入るなら、フォームの反発を体感する練習用として選択肢になります。ただし旧世代は在庫限りの流通が中心で、サイズが揃わないことも多め
- 駅伝などロードのレース——そもそもトラック用のLD系ではなく、ロードレース用のメタスピード(スカイ/エッジ)の担当領域です。ロードとトラックでは規定の枠組みも別物なので、混ぜて考えないのが安全です
ロード用の選び分けはエッジとスカイの違いの記事で、短距離・中距離のトラックスパイクはSPとMDの違いの記事でそれぞれ整理しています。レース特化のメタスピードまで必要か迷っている段階なら、マジックスピードとの違いの記事から入るのも手です。
在庫メモ
まとめ:型番の迷路は「世代」と「設計違い」の2軸でほどける
- LDとLD LEは同世代の設計違い。LDはピンなし+カーボン系でダイレクト、LD LEはピンあり+樹脂プレートでマイルド
- LD 2は規定変更を受けた現行世代。カーボンプレート+6本ピン(公称)で5000m〜10000mに対応
- 2024年11月以降、トラック種目のソール厚は一律20mm以下。適用範囲は大会によるため、出場大会の要項と適合シューズリストは必ず確認する
- 公認レースは現行世代を軸に、規定外の練習用途なら旧世代も選択肢。駅伝などロードはスカイ/エッジの担当で、LD系とは別物
保存版:この記事の早見表
LD・LD LE・LD 2の関係を1枚の画像にまとめました。スマホに保存しておくと、通販で型番を見比べるときに迷子にならずに済みます。



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