リコーダーの洗い方は素材で決まる——丸洗いの手順から、臭い・外れないジョイント・グリスの代用まで

子供・育児・子育て

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学期末や夏休み、子どもがリコーダーを持って帰ってくると、ちょっと気になりますよね。吹き口がうっすら白い、中をのぞくと何か見える、そしてなにより……近づけると臭う。毎日口をつけるものなのに、考えてみたら一度も洗った記憶がない、という声はとても多いんです。

結論からいうと、学校で使うプラスチック(樹脂)製のリコーダーは、台所用の中性洗剤で丸洗いできます。これはヤマハの公式案内にも明記されている、メーカーお墨付きの方法です。ただし「木製はダメ」「熱湯はダメ」など、素材と温度にいくつか大事な境界線があります。この記事では、丸洗いの手順から掃除棒とガーゼの使い方、臭いが取れない時の考え方、外れなくなったジョイントの対処、グリスの代用の可否まで、リコーダーの手入れをまとめて整理します。

リコーダーのあらい方 きほんの流れ ①プラスチックせいは丸あらいOK ぬるま湯+中性せんざいに つけおき ②よくすすいで水気をきる そうじ棒にガーゼをまいて中をふく ③日かげで完全にかわかす 直しゃ日光・ドライヤーはさける ※ねっとうはNG!ゆがんで音がかわる ※木せいリコーダーは水あらいできない

まず素材の確認:プラスチックは丸洗いOK、木製はNG

リコーダーの洗い方は、素材でまったく変わります。小学校・中学校で使うソプラノやアルトのリコーダーは、ほとんどがABS樹脂というプラスチック製。樹脂製なら、台所用の中性洗剤での丸洗いがメーカー公認です。水に強く、洗って傷むような素材ではありません。

いっぽう木製リコーダーは水洗いできません。木は水を吸って膨らみ、乾く時に縮むので、丸洗いすると割れやひびの原因になります。木製の手入れはスワブ(内側を拭く布)とオイルが基本で、世界がまるごと別物。この記事の丸洗い手順は、樹脂製だけの話だと思ってください。見分けに迷ったら、学校用の白と茶色のリコーダーはまず樹脂製です。木製は楽器店で数万円からする、木目の見えるものを指します。

もうひとつだけ例外があります。低音の大きなリコーダーなどに付いている金属のキイ(ボタンのようなパーツ)は濡らさないのがメーカーの案内です。小学生のソプラノリコーダーにはまず付いていないので、多くの家庭では気にしなくて大丈夫です。

基本の洗い方:つけ置き→すすぎ→乾燥

手順はシンプルです。ゴシゴシこする工程はほぼなくて、主役はつけ置き。汚れの正体が唾液由来のタンパク質や糖分なので、洗剤を溶かした水に浸けてゆるませるのがいちばん確実なんです。

  1. 3つのパーツに分解する——頭部管(吹き口側)・中部管・足部管に、ゆっくり回しながら抜きます
  2. ぬるま湯+台所用中性洗剤につけ置き——洗面器にお風呂くらいの温度(40℃以下が目安)のぬるま湯を張り、食器用洗剤を数滴。20〜30分ほど浸けます
  3. 中をゆすいで、流水ですすぐ——水の中で振り洗いし、洗剤が残らないようによくすすぎます。ヌルつきがなくなるまでが目安です
  4. 水気を切って、内側を拭く——軽く振って水を切り、掃除棒にガーゼを巻いて管の中の水分を拭き取ります
  5. 風通しのよい日かげで完全に乾かす——組み立てるのは中まで乾いてから。半日〜1日置くと安心です

お湯の温度だけは守ってください。熱湯は絶対にNGです。ABS樹脂は熱に弱く、熱湯や煮沸消毒では管が変形します。リコーダーは管の内径と穴の位置で音程が決まっている楽器なので、目に見えないわずかな歪みでも音が狂います。除菌のつもりの熱湯が、楽器としてはとどめの一撃になってしまうんです。同じ理由で食洗機・乾燥機・直射日光下の天日干しも避けてください。

掃除棒とガーゼの使い方——ない時の代用も

リコーダーを買った時にケースに入っている細い棒、あれが掃除棒です。先端に穴が開いていて、ここにガーゼを通して棒にくるくると巻きつけ、管の中に差し込んで水分と汚れを拭き取ります。ガーゼは薄手のものを20cm角くらいに切ると扱いやすいです。厚く巻きすぎると管の中で詰まるので、「するっと通るけれど内壁には触れる」くらいの太さに調整してください。

気をつけたいのは頭部管です。吹き口の近くにある四角い窓(音の出るエッジ部分)は、リコーダーの心臓部で、とても繊細。ここに棒を突っ込んだり、エッジを布でこすったりするのは避けてください。欠けたり傷ついたりすると音が出なくなります。頭部管の内側は、窓の手前まででそっと止めるのがコツです。窓のまわりの汚れは、水気を絞った綿棒で軽く触れる程度にしておきましょう。

掃除棒をなくしてしまった家庭も多いと思います(ケースの中で一番いなくなるのはあの棒です)。その場合は、菜箸や割り箸にガーゼを輪ゴムで留めて代用できます。ガーゼがない時は、着古したTシャツを切ったやわらかい布でも十分。ただし途中で布が外れると管の中に残ってしまうので、しっかり留めてから使ってください。掃除棒とガーゼは単品でも数百円で買えるので、学期の持ち帰りが続くこの時期にひとつ用意しておくとラクです。楽天市場で見るAmazonで見る

臭いが取れない時——臭いの正体は唾液の雑菌

リコーダーの臭いの正体は、吹くたびに管の中に入る息の水分と唾液を栄養にして増えた雑菌です。唾液には糖分やタンパク質が含まれていて、湿ったまま暗いケースにしまわれる——雑菌にとってこれ以上ない環境が、学期中ずっと続いているわけです。だから臭いだけ消そうとしても、元の菌と汚れが残っていればすぐ戻ります。

対策の一番手は、ここまでの中性洗剤でのつけ置き丸洗い。臭いの発生源そのものを洗い流すので、たいていはこれで解決します。一度で取れない時は、つけ置き時間を長め(1時間程度)にして2回繰り返してみてください。

それでも残る頑固な臭いに漂白剤を考える場合は、扱いに注意が必要です。使うなら酸素系漂白剤(過炭酸ナトリウム)を、製品の規定濃度・規定時間で。塩素系漂白剤は使わないでください。塩素系は樹脂の変色や劣化を招きやすいうえ、口をつけるものにすすぎ残りがあると危険だからです。酸素系を使った後も、いつも以上に念入りにすすぎましょう。

ゆきこ( ゚Д゚)『6年間で一度も洗わない子が多いって聞いて、あの吹き口を思い出しました…今夜洗います…』

そして洗った後の習慣がひとつ。吹き終わったら中の水分をガーゼで拭いてからしまう。これだけで雑菌の増えるスピードがまるで違います。新学期の「持ち帰ったら臭い」問題は上履きも同じ構造なので、気になる方は上履きの臭いの落とし方もどうぞ。臭いの発生源を断つ、という考え方は共通です。

ジョイントが外れない・回らない時

「分解しようとしたら固くて外れない」もよくある相談です。原因はだいたい2つで、接続部の汚れの固着か、グリス切れによる樹脂どうしの張り付き。どちらの場合もまずやってはいけないのが、力まかせにひねることです。とくに頭部管の窓のあたりを握ってひねると、破損の原因になります。

  • 持つ場所を選ぶ——窓や穴の少ない、管の丈夫な部分を布ごしに握ります
  • まっすぐ、小さく左右に回しながら引く——一気にねじらず、少しずつ緩めるイメージで
  • 動かなければ、ぬるま湯で接続部を温める——樹脂がわずかに緩んで動きやすくなります。熱湯は変形するので厳禁です

外れたら、接続部の古い汚れを拭き取ってから、次で説明するグリスを薄く塗っておくと再発しません。逆にゆるゆるで抜けやすくなっている場合もグリス切れのサインで、対処は同じです。

グリスの正しい使い方と、代用はアリか

リコーダーのジョイントには、専用の「リコーダークリーム(ジョイントグリス)」を塗ります。ヤマハの手入れ案内でも、プラスチック製はジョイント部のクリームを絶やさないように、とされています。樹脂どうしが直接こすれて削れるのを防ぎ、抜き差しをなめらかにするためです。

塗り方にはコツがあって、量は米粒より少ないくらいをごく薄く。差し込み側の外周に指で薄くのばし、数回抜き差しして馴染ませたら、はみ出した分はティッシュで拭き取ります。たっぷり塗るとホコリを呼んで逆に汚れるので、「塗ったかどうかわからないくらい」で十分です。頻度は毎回ではなく、抜き差しが固くなってきた時だけで足ります。

さて、検索でも多い「ワセリンやリップクリームで代用できる?」問題。ヤマハの公式案内は、代用品について何も触れていません。公式が認めているのは専用クリームだけです。ハンドクリームや食用油などの油分は、樹脂を傷めたり酸化してベタつきや臭いの原因になったりする可能性が指摘されていて、毎日子どもが口をつける楽器に成分の合わない油を塗るのは、避けたいところです。専用品は数百円で何年ももつので、ここは代用で節約する場面ではない、というのが正直な結論です。

ソプラノとアルト、ジャーマン式とバロック式で洗い方は変わる?

結論、樹脂製である限り、洗い方はぜんぶ同じです。小学校のソプラノリコーダーも、中学校で加わるアルトリコーダーも、分解してつけ置き→すすぎ→乾燥の流れは変わりません。アルトは管が太く長いぶん、ガーゼを巻く量を少し増やすくらいです。

「ジャーマン式」「バロック式」という表記は、穴の並びと運指(指づかい)の違いで、素材や構造の違いではありません。だから手入れにも関係なし。買い替えや買い足しの時に学校指定と合わせる必要がある、という場面でだけ思い出せば大丈夫です。唯一の例外は先ほども触れた金属キイ付きの機種で、キイまわりを濡らさないようにだけ気をつけてください。

やってはいけないこと一覧

丸洗いOKと聞くと「じゃあ除菌も徹底的に」といきたくなりますが、リコーダーは楽器。強い手段ほど音を壊します。ダメな理由とセットで覚えておくと迷いません。

やりがちなこと 可否 理由
台所用中性洗剤で丸洗い(樹脂製) OK メーカー公認の方法
熱湯消毒・煮沸 NG 樹脂が変形し音程が狂う
食洗機・食器乾燥機 NG 高温で変形する
アルコールで拭く NG 樹脂の白濁・ひび割れの原因
塩素系漂白剤 NG 変色・劣化、すすぎ残りが危険
酸素系漂白剤 規定濃度・時間なら可。すすぎ念入りに
直射日光で乾かす NG 高温で反り・変形の原因
木製リコーダーの水洗い NG 割れ・ひびの原因。専用の手入れを

もうひとつ、家庭ならではの注意を。掃除棒の先端キャップやグリスの小さなフタ、切ったガーゼの切れ端は、乳幼児の誤飲につながります。下のお子さんがいる家庭では、手入れ用品は必ず手の届かない場所で使い、保管してください。

ちなみに、リコーダーと一緒に持ち帰ってくる鍵盤ハーモニカ(ピアニカ)は、事情がまったく逆で「本体は洗えない」楽器です。中に金属のリードが入っているからなのですが、詳しくは鍵盤ハーモニカの洗い方にまとめました。持ち帰りシーズンにセットでどうぞ。

まとめ:丸洗いは怖くない。怖いのは熱と力まかせ

  1. 学校の樹脂(プラスチック)製リコーダーは、台所用中性洗剤で丸洗いOK。木製は水洗いNG
  2. 手順は分解→ぬるま湯につけ置き→すすぎ→掃除棒とガーゼで拭く→日かげで完全乾燥
  3. 熱湯・食洗機・アルコール・塩素系漂白剤・直射日光はNG。樹脂の変形と劣化は音の狂いに直結する
  4. 臭いの正体は唾液の雑菌。丸洗い+吹いたら拭く習慣で断てる
  5. ジョイントは力まかせにひねらない。グリスは専用品を米粒以下、ワセリン等の代用はおすすめしない

保存版:この記事の早見表

洗い方の流れとNG行為を1枚の画像にまとめました。スマホに保存しておくと、学期末にリコーダーが帰ってきた時、洗面所ですぐ見返せます。

リコーダーの洗い方カード:プラスチック製は中性洗剤のぬるま湯につけ置きで丸洗いOK、すすいで掃除棒とガーゼで拭き日かげで完全乾燥。熱湯・食洗機・アルコール・塩素系漂白剤はNG、木製は水洗い不可、グリスは専用品を米粒以下

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