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ソファに顔を近づけると、なんとなく汗っぽい。カーペットは子どもが飲み物をこぼした跡が、乾いてもほのかに匂う。洗えない大きな布ものの匂いって、消臭スプレーをしてもその場しのぎで戻ってくるんですよね。そこで「スチームクリーナーなら熱で何とかなるのでは」と考える方、多いと思います。
先に結論をひとつ。スチームで軽くなる匂いと、戻ってくる匂いがあります。高温の蒸気は汚れを緩めて浮かせるのは得意ですが、匂いのもとが奥にしみ込んでいると、表面だけ整えても数日で戻ります。この記事では、どの匂いなら試す価値があるか、ソファに当てる前に必ず見る素材のこと、窓枠のカビに使う時の限界と「塩素系と一緒に使わない」理由を、順番に見ていきましょう。
ケース別に読む:効くか知りたい人|ソファに使いたい人|窓枠のカビが気になる人|カビ取り剤も使いたい人|安全に使いたい人|スチームで戻る匂いの人
そもそもスチームで匂いは取れるのか——「緩めて拭き取る」までが仕事
スチームクリーナーがやっているのは、高温の蒸気で汚れを柔らかくして、布やパッドで拭き取ることです。熱で雑菌が減る、と言われることもありますが、家庭で当てる短い時間でどこまで減るかは物と当て方でまったく違うので、ここは断定しないでおきます。大事なのは、匂いは「汚れが残っているから出る」ということ。汚れを取り切れば匂いも軽くなるし、取り切れなければ戻る。とても素直な話なんです。
- 試す価値がある匂い:表面についた食べこぼし・飲みこぼしの跡、ペットが座る場所の皮脂、キッチンまわりの布についた油のにおい、しばらく使っていなかった布の「こもった」におい
- 戻りやすい匂い:クッションの中までしみた汗や尿、長年の皮脂、たばこのにおい、カビのにおい。表面をどれだけ整えても、中に残ったものが乾くとまた上がってきます
- やらないほうがいい匂い:カビ臭で、実際に黒い点が見えている布。蒸気の水分でかえって湿らせてしまうことがあります
目安として、「拭いた布が汚れているうちは匂いのもとが取れている」と考えると分かりやすいです。何度当てても布が汚れず、それでも匂うなら、それは中からの匂い。スチームの出番ではなく、クリーニングやカバーの交換を考える段階です。
ソファに使う前に——素材で「使える・使えない」が決まる
ソファは張り地の素材を先に確かめてください。ここを飛ばすと、匂いどころか色落ちや縮み、革のひび割れという取り返しのつかないことになります。
- 革・合皮:使わない。革は熱と水分で硬くなり、ひび割れや変色の原因になります。合皮は表面の樹脂が熱でふやけて、はがれの入り口になります。革のソファの匂いは、革用のクリーナーと乾拭きの範囲で
- ポリエステルなどの化繊の布:比較的向いています。ただし起毛したベロア調やマイクロファイバーは、蒸気で毛が寝て風合いが変わることがあるので、必ず目立たない所で試す
- 綿・麻:熱には強いけれど、色が濃いものは色落ちしやすい。座面の裏や背もたれの下など、見えない所で試してから
- ウール混:縮みやフェルト化の心配があるので、あまりおすすめしません
- 張り地の下にウレタンがある座面:どの素材でも、蒸気を長く当てて中まで湿らせない。ウレタンが湿ると乾きにくく、それ自体が新しい匂いの原因になります
試す時の手順はこんな感じです。①目立たない所で数秒当てて、色移り・毛並みの変化・縮みがないか見る。②大丈夫なら、ノズルを布から少し離して、一か所に留めず動かしながら当てる。③すぐに乾いた布で拭き取る。④窓を開けて、扇風機やサーキュレーターでその日のうちに乾かす。生乾きのまま座ると、乾かなかった水分が匂いのもとになります。
ソファに顔を近づけると匂う、というレベルなら、スチームより先にカバーを外して洗える構造かを確かめるほうが早いことも多いです。買い替えを考えているなら、スチームクリーナーで後悔した理由に「布ものに使いたい人が見るところ」を書いています。
窓枠のカビに使う時——落ちるのは「表面の黒ずみ」まで
窓枠やサッシの溝の黒ずみに、蒸気を当ててこすると、見た目はかなりきれいになります。ただ、ここは正直に言っておきたいところで、落ちているのは表面の黒ずみで、木や樹脂の中に入り込んだ根までは届きません。だから同じ場所は、結露が続く限りまた黒くなります。「一度で終わらせる道具」ではなく、「表面を整える道具」と考えておくと、がっかりしません。
- 向いている場所:アルミサッシの溝、樹脂の枠、タイルの目地。硬くて熱に強い素材
- 気をつける場所:木の窓枠(熱と水分で塗装がはがれたり反ったりする)、ガラスの端のシール材、壁紙との境目(のりが緩む)
- やり方:溝のごみを先に掃除機で吸う→蒸気を当てて黒ずみを緩める→古い歯ブラシでこする→乾いた布で拭き取る→窓を開けて乾かす
- ガラスに近い所で使う時:冬の冷えたガラスに高温の蒸気を当てると、温度差で割れる心配があります。ガラス面には向けず、枠と溝だけに
窓枠の黒ずみを本当に減らしたいなら、毎朝の結露を拭くことのほうがよほど効きます。スチームは、たまった黒ずみをリセットする時の道具、と分けて考えてみてください。ゴムのパッキンに入り込んだカビは、また別の話になるので、スチームクリーナーのパッキンのカビで詳しく書いています。
塩素系のカビ取り剤と一緒に使わない——これは必ず守ってほしいこと
「スチームで緩めてから、カビ取り剤で仕上げれば完璧では」と考えたくなりますが、これはやらないでください。理由は2つあります。
- 蒸気で薬剤が舞う。塩素系のカビ取り剤を吹きつけた場所に高温の蒸気を当てると、薬剤が空気中に飛んで、それを吸い込みます。狭い窓辺で顔を近づけて作業するので、目や喉を痛める危険が大きいんです
- 残った薬剤と混ざる。塩素系の薬剤は、酸性のものと混ざると有害なガスが出ます。スチームクリーナーのタンクに残った洗浄剤やクエン酸、以前に使ったお酢の成分が、蒸気と一緒に出てくると、思わぬ組み合わせになります。「混ぜるな危険」は、直接混ぜなくても同じ場所で続けて使えば起きます
どうしても両方使いたい時は、日を分けて。カビ取り剤を使った日はしっかり水拭きして乾かし、後日、薬剤が残っていない状態でスチームを使います。逆の順番も同じです。カビ取り剤を使う時は換気と手袋、そして小さな子どもがいる家では子どもが寝てからにしてくださいね。
使う時の安全——高温の蒸気は「熱湯をまいている」のと同じ
スチームクリーナーの蒸気は100度前後。熱湯をノズルからまいていると思ったほうが、使い方を間違えません。
- 人やペットに絶対に向けない。試しに手をかざす、もしないでください
- 子どもを部屋に入れない。作業中はもちろん、使い終わって置いてある本体もしばらく熱い。ノズルの先も熱い。ホースを引っ張られると本体が倒れます
- コンセントや電気製品、スイッチまわりに当てない。蒸気は水です
- ワックスをかけた床、無垢の木、熱に弱い樹脂、貼り物の壁紙には当てない。フローリングの失敗はこのブログでも別に書いています
- 使用中にキャップを開けない。中は圧力がかかっています。冷めてから。開かない・詰まった時の話はスチームクリーナーのキャップが開かない・詰まるに
- 換気をしながら。蒸気で部屋の湿度が一気に上がります。終わったら窓を開けて乾かすまでが作業
- 使い終わったら冷めてから水を捨てて、乾かしてしまう。水を残すと本体側にカビが出ます
スチームでは届かない匂いはどうする?——分けて考える
- カバーが外せるソファ・クッション:洗濯表示を見て洗う。これがいちばん確実
- カバーが外せないソファ:中性洗剤を薄めた液で部分洗い→固く絞った布で水拭き→乾かす。それでも戻るなら布製品のクリーニングに相談
- カーペット・ラグ:洗えるものは洗う。洗えないものは重曹を振って数時間置いてから掃除機、という方法もあります(湿ったカーペットには使わない)
- たばこ・ペットのしみ込んだ匂い:張り地の交換や買い替えを含めて考える時期かもしれません
ゆきこ( ゚Д゚)『子どもがソファでジュースを倒した跡の甘い匂いは、スチームで当てたら布が茶色くなるほど汚れが出て匂いもすっと消えた、という話をよく読みます。一方で、毎日ごろごろする背もたれの汗っぽさは、当てた日はいいのに1週間で戻る、という声も多い。「表面と中は別」って、こういう違いなんですよね』
スチームクリーナーを布ものに使うなら、タンクの水は精製水にしておくと、水道水のミネラルがノズルにたまって蒸気が弱くなるのを防げて、布に白い跡が残りにくくなりますよ。
あわせて読みたい
キッチンまわりの油の匂いにスチームを使うなら、スチームクリーナーで油汚れが落ちない時で当て方のコツを書いています。ゴムパッキンの黒い点はスチームクリーナーのパッキンのカビへ。そもそも自分の家で活躍するのかを考えたい方は、スチームクリーナーで後悔した理由もあわせてどうぞ。
まとめ:表面の匂いは効く、中の匂いは戻る、素材と薬剤を先に確かめる
- スチームは汚れを緩めて拭き取る道具。匂いのもとが表面にあれば軽くなる
- 中までしみた汗・尿・たばこ・カビ臭は戻りやすい。洗濯やクリーニングへ
- ソファは革・合皮には使わない。布でも目立たない所で試し、その日に乾かす
- 窓枠のカビは表面の黒ずみまで。根は残るので結露拭きが本命
- 塩素系のカビ取り剤と併用しない。日を分けて、換気と手袋、子どもを近づけない
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手順を1枚にまとめました。



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