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10円玉が黒ずむのは、表面の銅が空気と結びついて酸化銅という膜になっているからです。この膜は酸で溶けるので、台所にある液体で試すとはっきり差が出ます。準備が5分、待ち時間が10分の手軽な実験で、まとめ方まで含めて半日で終わります。
液別・光り方の早見表
| つける液 | 光り方 | 入っているもの |
|---|---|---|
| 酢 | よく光る | 酢酸 |
| レモン汁 | よく光る | クエン酸 |
| ウスターソース | よく光る | 酢+果実の酸 |
| しょうゆ | 少し光る | 塩と少しの酸 |
| 食塩水 | ほとんど変わらない | 塩 |
| 水 | 変わらない | — |
用意するもの
- 黒ずんだ10円玉を液の数だけ(6枚あれば十分)
- 小皿かプリンの容器を液の数だけ
- 酢・レモン汁・ソース・しょうゆ・食塩・水
- 綿棒とやわらかい布
- 記録用のカメラかスマホ
10円玉は同じくらい黒ずんだものを選ぶのが大事です。元の状態が違うと、液の差なのか元の差なのか分からなくなります。家族に頼んで財布から集め、明るいところで見比べて選びます。
実験の前に、必ず全部の10円玉を並べて写真を撮っておきます。「前」の写真がないと、まとめのときに差を見せられません。
やり方は10分待つだけ
- 小皿を液の数だけ並べて、どの液かメモを貼る
- それぞれに10円玉を1枚ずつ入れる
- 10円玉が完全にかぶるまで液を注ぐ
- 10分待つ(時計で計る)
- 取り出して水で流し、布で拭く
- 6枚を並べて「後」の写真を撮る
液の量と待ち時間はそろえます。片方だけ長く浸けると、比べた意味がなくなります。台所のタイマーを使うと確実です。
拭くときに軽くこすると、さらに光ります。ただし全部同じ強さでこすらないと条件がそろわないので、「こする回数も10回ずつ」と決めておきます。
なぜ酸で光るのか
10円玉は銅でできています。銅は空気中の酸素と結びついて、表面に酸化銅という黒っぽい膜を作ります。この膜が黒ずみの正体です。
酸化銅は酸に溶けます。だから酢やレモン汁につけると膜だけが溶けて、下にあった銅のきれいな色が現れます。銅そのものを削っているのではありません。
食塩水でも少し変わることがあります。塩は膜を溶かす働きを助けるためで、ソースやしょうゆが効くのは「酸+塩」の組み合わせだからです。この関係に気づけると、考察がぐっと面白くなります。
まとめでは「予想は酢がいちばんだと思った。実際はソースも同じくらい光った。ソースには酢と塩の両方が入っていたからだと考えた」のように、予想と結果を必ず結びつけて書きます。
発展させたいときの3つの切り口
- 時間を変える…1分・5分・10分・30分でどう変わるかを調べる
- 他の金属で試す…1円(アルミ)、5円(真ちゅう)、100円(白銅)で比べる
- 元に戻るか調べる…きれいにした10円玉を1週間放置して、また黒くなるか記録する
「元に戻るか」はとくにおすすめです。きれいにしても数日で再び黒ずむことが分かると、酸化が続いていることを実感できます。2週間ほど記録すれば、それだけで観察日記の形にもなります。
安全のために守ること
- 酸の液に顔を近づけない。目に入ると痛みます
- 終わったら手を石けんでよく洗う
- 液は流しに流し、たっぷり水を流す
- 使った皿は食器と別に洗う
- 小さい弟や妹がいる家では手の届かない場所でやる
硬貨は法律で溶かしたり傷つけたりすることが禁じられています。この実験は表面の膜を落とすだけなので問題ありませんが、紙やすりで削る、金属みがきで磨き込むといったことはしないでください。あくまで「洗う」範囲でとどめます。
そのまま使えるまとめの書き方(例文つき)
この実験は結果が数字ではなく見た目なので、言葉で差を表すのがこつです。「よく光った」だけでなく、段階をつけて書きます。
| 光り方の段階 | 書き方の例 |
|---|---|
| とてもよく光った | 新品のように赤茶色に戻り、鏡のように光が反射した |
| よく光った | 黒ずみがほとんど落ちて、赤茶色がはっきり出た |
| 少し光った | 部分的に黒ずみが残ったが、元より明るくなった |
| 変わらない | つける前と見分けがつかなかった |
そのうえで、予想と結果を結びつけた一文を必ず入れます。たとえば次のように書けます。
「酢がいちばん光ると予想した。実際は酢とレモン汁がとてもよく光り、ソースも同じくらい光った。ソースの原材料を見ると酢と食塩の両方が入っていた。食塩水だけでも少し変化したことから、酸と塩が組み合わさるとより落ちやすくなるのではないかと考えた。」
ここまで書ければ十分です。調べた事実と、自分で考えたことがはっきり分かれていることが大事で、結論が正しいかどうかは問われません。
4コマ漫画でおさらい
詳しい手順や例外は、この上の各見出しにまとめてあります。まずは漫画の流れだけ覚えておけば大丈夫です。
よくある質問
Q. 10円玉が汚れたままです。時間を延ばせばいいですか?
まずは液の量を確認してください。10円玉が完全にかぶっていないと、出ている部分は変わりません。かぶっていて変化がない場合は、30分まで延ばして様子を見ます。
Q. ピカピカにしすぎると価値が下がりますか?
ふつうに流通している10円玉なら気にしなくて大丈夫です。ただし古銭やギザ十など収集価値のあるものは、磨くと価値が落ちることがあるので使わないでください。
Q. 酢のにおいが気になります
換気をしながらやってください。においが苦手な場合はレモン汁でも同じ結果になります。実験後は皿をすぐ洗い、10円玉も水で流しておくとにおいは残りません。
Q. 洗剤や漂白剤を使ってもいいですか?
塩素系の漂白剤は使わないでください。酸と混ざると有毒なガスが出ます。台所の食品だけで十分に結果が出る実験なので、洗剤類は不要です。
Q. 1日でまとめまで終わりますか?
終わります。準備5分、実験10分、写真を撮って30分、まとめに3時間ほどが目安です。午前に実験して午後にまとめる進め方がちょうどよいです。
Q. 条件をそろえるのが難しいです
そろえるのは「液の量」「時間」「拭き方」の3つだけで十分です。そろえられなかった点は正直に書いておくと、かえって丁寧な研究として読まれます。
Q. 写真がうまく撮れません
白い紙の上に並べ、窓のそばの明るい場所で撮ると差が出ます。蛍光灯の下だと色が転びやすいので、日中の自然光がおすすめです。前と後の写真は同じ場所・同じ向きで撮ります。
Q. テーマとして地味ではないですか?
差がはっきり出るので、見せ方によってとても伝わります。「酸の強さの順に並べる」「時間ごとの変化を並べる」など、結果の並べ方を工夫すれば十分に読ませる研究になります。
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まとめ
黒ずみは酸化銅の膜で、酸で溶けます。酢・レモン汁・ソースがよく効き、水はほとんど変わりません。液の量と時間をそろえる/前と後の写真を撮る/予想と結果を結びつけて書くの3つを守れば、半日でまとめまで仕上がります。


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