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せいろを手に入れて、さあ蒸そう——と鍋にのせたら、すとんと中に落ちそうになる。あるいは縁に引っかかりはするけれど、ぐらぐらして怖い。せいろと鍋の間をつなぐ「受け台(蒸し板)」、専用品を買うほどのものなのか迷いますよね。
結論からいうと、受け台の仕事は「鍋とせいろの直径の橋渡し」と「蒸気の通り道の確保」の2つだけ。この2つさえ満たせば、台所にあるもので代用できます。そして鍋とせいろの直径の組み合わせによっては、そもそも受け台がいらないことも多いんです。この記事では、代用できるもの・できないものを可否表で整理して、安全に蒸すための注意点までまとめます。
受け台の役目は2つ——直径の橋渡しと、蒸気の通り道
市販の受け台(蒸し板)は、真ん中に大きな穴のあいた金属の板です。鍋の上にのせて、その上にせいろを置く。役目を分解すると、こうなります。
- 直径の橋渡し——鍋の口よりせいろが小さくても、落ちずに安定して置ける
- 蒸気の通り道——中央の穴から蒸気がせいろの底に届き、板の部分で炎や熱気がせいろの木の縁に直接当たるのを防ぐ
つまり「せいろが落ちない」「蒸気が通る」「木が焦げない」の3条件を満たす台であれば、専用品である必要はありません。逆にいうと、この3つのどれかを欠く代用——蒸気を全部ふさいでしまう板や、ぐらつく組み合わせ——は、どんなに手軽でも選んではいけないということです。
家にあるもので代用する——可否早見表
台所を見回して候補になりそうなものを、可否つきで整理します。判断の基準は先ほどの3条件です。
| 候補 | 可否 | 理由・使い方 |
|---|---|---|
| 口径の合うフライパン・鍋に直接 | ◎ | 受け台そのものが不要になる最善手。次の章で詳しく |
| ケーキクーラー(金属製) | ◎ | 鍋の口に渡してその上にせいろ。網目から蒸気が通る |
| 魚焼きグリルの網・焼き網 | ◎ | 同上。鍋の口径より大きく、平らなものを選ぶ |
| ステンレスの落とし蓋(穴あき) | △ | 穴から蒸気は通るが、鍋の内側に落ちるサイズだと使えない。鍋の口に安定して渡せる場合のみ |
| 耐熱皿を鍋の中に伏せて置く | △ | 深めのフライパンで湯面から出る高さがあれば台になる。急加熱で割れることがある耐熱ガラスは避ける |
| 菜箸を2〜4本渡す | × | 転がって不安定。熱湯の上でせいろが傾く危険が大きい |
| プラスチック製のざる・すのこ | × | 蒸気と鍋の熱で変形・溶けるおそれ。絶対に使わない |
◎のものに共通するのは、金属製で、平らで、鍋の口より大きいこと。この3語で台所を探すと、意外な戦力が見つかります。オーブントースターの網や、揚げ物用バットの網なども同じ理屈で使えます。
鍋とせいろの直径の関係で、正解は自動的に決まる
実は「何で代用するか」より先に確認したいのが、手持ちの鍋とせいろの直径です。組み合わせによっては、代用品すらいりません。
- せいろの直径>鍋の口径——せいろが鍋の縁にのるので、そのまま置けます。受け台不要。ただし縁が薄い鍋だと接地が細くてずれやすいので、火にかける前に軽く揺すって安定を確かめてください
- せいろの直径<鍋の口径——中に落ちるので、網や板の橋渡しが必要。上の表の出番です
- ほぼ同径——のることはのるけれど一番ずれやすい組み合わせ。網を1枚はさむと安心です
手持ちの道具で一番つぶしがきくのは、直径26cm前後のフライパンです。家庭用せいろの主流は15〜21cmなので、フライパンに2〜3cm湯を張れば、たいていのせいろがそのまま安定してのります。底が広いぶん湯もたっぷり張れて、空焚きになりにくいのも利点です。15cmの小さいせいろの使い勝手については15cmせいろは使いにくい?の記事で詳しく書いています。
ゆきこ( ゚Д゚)『受け台を買う前に、フライパンにのせてみればよかったのか…』
フライパン方式の注意点
湯の量だけは見張ってください。フライパンは浅いぶん湯が減るのが早く、空焚きになるとせいろの底が焦げます。目安として10分を超える蒸し物では、途中で一度湯量を確認し、減っていたら熱湯を足します。差し湯は必ず熱湯で。水を足すと庫内の温度が下がって蒸しムラの原因になります。
せいろ自体がない時は——フライパン+金属ざるで蒸せる
「せいろの代わりになるもの」を探してこの記事にたどり着いた方もいると思うので、せいろ自体の代用にも触れておきます。フライパンに湯を張り、金属ざるを伏せるか脚つきの網を置き、その上に皿をのせて、ドーム型の蓋をする——これで蒸し器の骨格は完成です。蒸気を対流させて食材に当てるという機構は、せいろと同じですから。
クッキングシートや蒸し布を敷けば、肉まんや野菜はこれで十分蒸せます。蓋の内側の水滴が食材に落ちるのが気になる場合は、蓋を布巾で包むとポタ落ちを防げます。詳しい組み合わせは蒸し器の代用の記事にまとめています。
やってはいけない代用——不安定・プラスチック・急加熱
手軽さに流されると危ない組み合わせを、はっきり書いておきます。熱湯と蒸気の上に食材ごと台を組む作業だという前提で読んでください。
- 菜箸・割り箸を渡すのは絶対にやめる。丸い箸は転がり、せいろの重みで傾く。傾いたせいろを反射的に素手で押さえて、蒸気で手を焼くのが典型的な事故の形
- プラスチック製のざる・すのこは使わない。耐熱温度を超えて変形・溶解するおそれがある。溶けた樹脂が食材につけば、その料理は食べられない
- 耐熱表示のないガラス皿・陶器を急加熱しない。沸騰した湯への投入や空焚き状態からの加熱で割れることがある
- ぐらつく状態のまま火にかけない。火にかける前に必ず手で軽く揺すって確認する。少しでも傾くなら組み直す
蒸気は100℃の熱を一気に肌へ運びます。せいろの蓋を開ける時も、手前ではなく奥側から開けて、立ちのぼる蒸気を顔と手から逃がす癖をつけておくと安全です。
在庫メモ
フライパン方式で間に合うとはいえ、鍋を選ばず使える蒸し板が1枚あると、深鍋のたっぷりの湯で長時間蒸せて差し湯の手間が減ります。せいろを週1以上使うようになったら検討する、くらいの位置づけでどうぞ。
まとめ:直径を測ってから、金属・平ら・口より大きいで探す
- 受け台の仕事は「直径の橋渡し」と「蒸気の通り道」の2つ。この条件を満たせば代用できる
- せいろが鍋の口より大きければ受け台不要。26cm前後のフライパンが一番つぶしがきく
- 橋渡しが必要ならケーキクーラー・焼き網など「金属製・平ら・鍋の口より大きい」ものを渡す
- 菜箸・プラスチック製は絶対に使わない。火にかける前に揺すって安定確認、蓋は奥側から開けて蒸気やけどを防ぐ
- 湯の減りには注意。差し湯は熱湯で
なお、久しぶりに出したせいろに白い点々を見つけたら、蒸す前にせいろがカビたらの記事で見分け方を確認してください。
保存版:この記事の早見表
代用の可否と直径の考え方を1枚の画像にまとめました。スマホに保存しておけば、台所で鍋とせいろを並べながらすぐ確認できます。



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