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ダストカップを外して、フィルターも洗って、それでも吸いが戻らない。においも取れない。中をのぞくと奥のほうにほこりが見えていて、「この小さいネジ、外せば全部洗えるのでは」という考えが頭をよぎる。車の掃除用のハンディクリーナーが弱ってきて、ドライバーを手に本体を見つめてしまう、という話はよく聞きます。
先に結論をお伝えします。取扱説明書の「お手入れ」の項目に書いてある範囲——ダストカップ、フィルター、ブラシ——までが掃除で、そこから先のネジを開けるのは分解です。そして分解には、感電・電池の発火・保証外という3つのリスクがあります。この記事では開け方は書きません。かわりに、開けたくなる理由をひとつずつ、開けずに解決する方法でつぶしていきましょう。たいていの困りごとは、それで足ります。
「掃除」と「分解」の境目はどこ?
境目はとてもはっきりしています。工具が要るかどうかです。
- 掃除(やっていい)……手で外れるもの。ダストカップ、フィルター、ノズル、ブラシ、着脱式のバッテリーパック。ボタンを押す、回す、引き抜く、という動作で外れるように作られている部分です
- 分解(やらないほうがいい)……ドライバーが要るもの。本体を留めているネジ、内部のカバー、モーターやスイッチの入っている側。ここから先は、使う人が開ける前提で設計されていません
自分の機種がどこまで外せるのかは、取扱説明書の「お手入れのしかた」を見るのがいちばん確実です。紙が見つからなくても、メーカーのサイトに型番で入れると出てくることが多いですよ。型番は本体の裏か底のシールに書いてあります。
開けてはいけない3つの理由
- 感電の危険。充電台に置くタイプでも、本体の中には充電を制御する基板と、電気をためている部品が入っています。コンセントを抜いても部品に電気が残っていることがあり、金属のドライバーが当たれば、そこがそのまま通り道になります
- 電池の発火。これがいちばん怖いところです。コードレスのハンディクリーナーは、ほとんどがリチウムイオン電池を積んでいます。この電池は、傷が付いたり、押されたり、金属で両極がつながったりすると、発熱して燃えることがあります。しかも一度始まると水では消えません
- 保証が受けられなくなる。ネジを開けた跡があると、保証期間内でも修理を断られるのが一般的です。「自分で開けてから、直らないのでメーカーへ」は、いちばん損をする順番なんです
開けないほうがいい家電のレーンとしては、モバイルバッテリーを分解してはいけない理由とまったく同じ話です。中身が同じ電池なので、危なさも同じだと思ってください。
それでも開けたくなる理由①「吸わない」——順番に見れば開けずに直ります
吸いが弱いときは、空気の通り道のどこかが詰まっているか、電池が弱っているかのどちらかです。上から順に見ていくと、たいていどこかで見つかります。作業の前に、必ず電源を切って、充電台から外してから。
- ダストカップが満杯。「まだ半分」に見えても、目の細かいごみが詰まっていると風が通りません。まず空にする
- フィルターの目詰まり。ここが原因のことが本当に多いです。細かいほこりが膜になって、光に透かすと向こうが見えない状態になっています
- ノズルや吸い込み口の詰まり。靴下の毛玉、紙の切れ端、輪ゴム。細長い棒でそっと押し出します
- ブラシに髪が巻きついている。回転ブラシ付きの機種なら、まずここ
- 電池の残量。フル充電のはずなのに数分で弱るなら、電池の寿命が近いサインです
- ここまで全部やって戻らないなら、モーターの側。ここは開けても直せません
フィルターは洗える機種と洗えない機種があります。洗える場合も完全に乾いてから戻すのが鉄則。生乾きで戻すと、においとカビのもとになりますし、湿ったほこりが目に詰まって余計に吸わなくなります。もっとくわしい切り分けはコードレス掃除機が吸わない時に見るところにまとめました。
それでも開けたくなる理由②「においが取れない」
においのもとは、たいてい湿ったほこりです。中で何かが腐っているわけではないので、開けなくても手はあります。
- ダストカップとフィルターを洗って、1日以上完全に乾かす。急いで戻すのが最大の失敗です。予備があると乾かす間も使えます
- 吸い込んだものを見直す。濡れた床、こぼした飲み物、線香の灰。水気のあるものを吸うと内部にへばりついてにおいます
- 使ったらすぐ捨てる。ごみを入れっぱなしにして次の週まで置く、というのがにおいの最大の原因です。捨て方のコツはハンディクリーナーのごみの捨て方にまとめてあります
- 本体の内部に水や消臭剤を吹き込まない。乾かないうえに、電気の部分に届くと故障します。ここだけは我慢してください
それでも開けたくなる理由③「髪が絡んで取れない」——ここは開けずに直せます
回転ブラシに髪の毛がぐるぐる巻きついて、指では引っ張れない。髪の長い人や子どもがいる家だと、定期的に起きますよね。でもこれは分解しなくてもきれいに取れます。
- 電源を切り、充電台から外す。回転ブラシは、はずみで動くと危ないので必ず
- ブラシを外す。多くの機種は、ヘッドの横のつまみを回すか、ボタンを押すと手で外せます。外せない機種なら、付けたままで次に進みます
- はさみを軸と平行に入れて、巻きついた髪を切る。軸に対してまっすぐ、線を引くように1本切ると、そこから全部ほどけます。軸に対して直角に当てるとブラシの毛やベルトを切ってしまうので、向きだけ気をつけてください
- 切った髪をピンセットや指でつまんで抜く。軸の両端の、軸受けのあたりに残りがたまりやすいです
- 刃物を使うので、手元をしっかり見て、指をブラシの下に入れないこと。安全のために、先の丸いはさみや、掃除機用のクリーナーツールを使うのもいいと思います。お子さんが近くにいない時間にやってください
★リチウム電池の入った機種は、絶対に開けないでください
ここだけは、太字を重ねてでもお伝えしたいところです。
- 膨らんでいる電池には触らない。本体のカバーが浮いている、電池パックがふっくらしている、押すと弾力がある。これは電池の中でガスが出ているサインで、いちばん危ない状態です。開けるどころか、押すのも、刺すのも、水につけるのも危険です
- 異常があったらすぐ使うのをやめる。充電中にとても熱くなる、変なにおいがする、充電できなくなった、本体がゆがんできた。ひとつでも当たったら、充電をやめて、燃えるものから離れた場所に置いてください。ベランダや土間など、燃え広がらない場所が安心です
- そのうえで、メーカーか販売店、自治体の窓口に相談を。「膨らんだ電池が入っている」と伝えると、出し方を教えてもらえます
- 着脱式の電池パックの機種でも、パックそのものを開けるのはやめてください。外して交換するところまでが、使う人のできる範囲です
捨てるとき——小型家電回収へ
- ハンディクリーナーは小型家電の回収対象になっていることが多いです。市役所や公民館、スーパー、家電量販店に置いてある回収ボックスや、自治体の宅配回収を使えます
- 電池が外せる機種は外して、電池は電池で、決められた回収へ。外れない機種は、無理に外そうとせず、電池が内蔵されていることを伝えてそのまま出します
- ダストカップの中身は捨てて、水気を切ってから出すと受け取ってもらいやすいです
- 回収のしかたは自治体で違うので、「小型家電 回収」と市区町村名で調べるか、ごみ分別表を見るのが確実です
- コードのある機種を処分するときの、コードの扱いは電源コードの捨て方にまとめてあります
それでも直らないなら——メーカーか買い替えか
フィルターもブラシもきれいにして、電池も充電し直して、それでも吸わない。そのときの選択肢は3つです。
- 保証期間内ならメーカーへ。開けていなければ、ここがいちばん有利です。購入日が分かるものを用意して連絡を
- 保証が切れていても、修理を受け付けている機種はある。費用は機種と症状でまったく違うので、ここでは金額を書けません。見積もりを取って買い替えの値段と並べて決めてください
- 電池だけの問題なら、交換用のバッテリーが出ている機種も。型番で調べてみてください。ただし、対応が確かめられない電池を無理に付けるのは、発火のもとなのでやめておきましょう
ゆきこ( ゚Д゚)『「フィルターを丸1日干して戻したら、それだけで元気に吸うようになった」という話、本当によく聞きます。ドライバーを置いて乾かす時間をとるほうが、結局いちばん早いことが多いんですよね。人間も掃除機も、乾かす時間が足りていないだけのことって多いんだなと思います』
買い替えると決めたら、古いほうは家の中に置きっぱなしにせず、回収に出すところまで一気にやってしまうのがおすすめです。宅配で回収してくれる仕組みなら、箱に詰めて渡すだけで済みますよ。
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吸いが弱いときの切り分けはコードレス掃除機が吸わない時に見るところに、においとごみの片づけ方はハンディクリーナーのごみの捨て方にまとめています。同じ「開けないほうがいい家電」としてモバイルバッテリーを分解してはいけない理由も、あわせて読んでいただけたらうれしいです。
まとめ:外せる所までが掃除、ネジからは分解
- 手で外れる所までが掃除。工具が要る所からは分解だと覚えておく
- 開けない理由は感電・電池の発火・保証外の3つ
- 吸わないはカップ→フィルター→ノズル→ブラシ→電池の順に見る
- 髪は電源を切ってブラシを外し、はさみを軸と平行に入れて切る
- 膨らんだ電池には触らない。処分は小型家電回収へ出す
保存版:この記事の早見表
手順を1枚にまとめました。



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