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スイッチを入れて、いつもならぷくっとふくらむはずのマットが、今日はへなへなのまま。よく見たら小さな穴が開いていて、そこから風が「シュー」と抜けている。あるいは、ふくらむには膨らむけれど途中で力尽きて、布団の片側だけがぬるく温まって終わる。ふくらむタイプのマットを使っている方が、ある日ふいに出会う場面です。
「布団乾燥機 エアマット 代用」で調べてみると、出てくるのは通販ページばかりで、肝心の「今ある穴をどうしたらいいのか」を書いたものが、なかなか見当たりません。それで補修テープを買ってきて塞いでみたのに、一回使ったらまた剥がれてきた——という話も、けっこうあるようです。
これには理由があって、エアマットの破れは「どこが破れたか」で結果がまるっきり変わります。同じ大きさの穴でも、直せる場所と、何を貼っても持たない場所があるのです。この記事では、その線をどこで引くのかをまず見て、そのうえで補修をあきらめた場合にどうやってしのぐか、という順で見ていきます。
先に置いておきます——ポリ袋やレジャーシートを代わりにすることはできません
補修の話に入る前に、どうしてもここから書かせてください。マットが破れて使えなくなった時、いちばんやってしまいそうなのが「大きなポリ袋で似たようなものを作ればいいのでは」という発想だからです。
ポリ袋、ゴミ袋、レジャーシート、ブルーシート、布団の圧縮袋、使い捨てのレインコート、食品用ラップ。これらをエアマットの代わりに使うことはできません。短時間なら、弱い運転なら、という例外もありません。
理由は素材そのものにあります。ポリ袋やゴミ袋に使われるポリエチレンは、種類による差はあるもののおおむね100℃前後でやわらかくなり、110〜130℃ほどで溶けはじめます。いっぽう布団乾燥機は布団の内側を温めるための機械で、ダニ対策の運転では布団の中を50〜60℃に保つように設計されているものが多く、吹出口のすぐそばはそれよりずっと高温になります。薄いフィルムを風の出口にあてがえば、変形するのに十分な条件がそろってしまいます。
そして厄介なのは、やわらかくなった樹脂の行き先です。ふにゃりとしたフィルムは風に引かれて吹出口やヒーターの周りに吸い寄せられ、そのまま貼り付いて固まります。焼き付いた樹脂は家庭ではまず取り除けませんし、風の通り道がふさがれれば機械の内部に熱がこもって、故障や発火の原因になります。加熱された樹脂のにおいも布団に移ります。気をつけていれば避けられる、という種類の話ではないので、やらないでください。
あわせて、これも守っていただきたいところです。運転中は本体の吹出口と吸込口を絶対にふさがないでください。吸える空気がなくなると、内部に熱がたまります。電気毛布・電気あんかを敷いたまま、湯たんぽを入れたままの運転もできません。発熱体の過熱や低温やけどにつながります。そして布団乾燥機は目の届く範囲で使うもので、就寝中や外出中の運転は避けてください。
フィルム状の樹脂ではなく布であれば話は変わってくるのですが、そちらは布団乾燥機の袋(マット)がない時の代用のほうに、使える布と使えない素材を素材別の早見表でまとめてあります。「マットが手元にない・なくした」という状況全般ならそちらが本筋です。この記事は、ふくらむタイプのマットが手元にはあるけれど壊れている、という一点に絞って続けます。
そもそもエアマットは、なぜあの形なのでしょう
補修できるかどうかを判断するには、あのマットが何をしている部品なのかが分かっていると、迷いがぐっと減ります。
エアマットは、送り込まれた温風で風船のようにふくらむことで、掛け布団を下から持ち上げます。持ち上がったぶんだけ布団とのあいだにすき間ができ、そこを温かい風が流れて、湿気を含んだ空気が外へ押し出されていく。ぺたんと平たいマットに比べて、上下から挟むように温められるのが持ち味です。
ここで大事なのが、マットの中には常に空気の圧力がかかっているという点です。ただ風が通り抜けているのではなく、内側からぱんぱんに押されながら、そのうえ布団の重みを支えています。平たいマット式なら小さな穴があっても風はとりあえず先まで届きますが、ふくらむタイプは穴が開いた時点で「ふくらむ」という仕事そのものができなくなるのです。同じ大きさの穴でも、ふくらむタイプのほうが影響が大きいのは、そういう事情です。
そしてもうひとつ。マットの素材は、熱に耐えるように作られた不織布やナイロン系の生地であることが多く、その表面は温風が当たる前提で選ばれています。つまり、汎用の補修テープを貼るには相性のよくない、つるつるした・熱を持つ面ということになります。ここが、後の話につながってきます。
補修テープで直せる穴と、直しても持たない穴
結論からいえば、メーカーは基本的に、破れたマットを補修して使い続けることを推奨していません。まずそれが大前提です。そのうえで、実際問題として「純正マットが届くまでの数日だけでもしのぎたい」という場面はあるので、どこまでが望みのある補修なのかを見ていきます。
いちばんうまくいかないのが、温風が直接当たる面です。ホースの差し込み口のまわりや、そこから風がまっすぐぶつかる位置。ここは運転のあいだじゅう熱にさらされ続けます。市販の補修テープの粘着剤は、多くが熱でやわらかくなる性質を持っているので、温風が当たり続ける場所ではまず持ちません。貼った当日は塞がったように見えても、二回目、三回目の運転で端からめくれてくることが多いようです。しかも、剥がれたテープが風に乗って動き、吹出口や送風の経路をふさぐ側に回ることもあります。ここは補修をあきらめる場所と考えたほうが、結果的に安全です。
次に難しいのが、縫い目・角・ふちの部分。ここは、ふくらんだ時にいちばん力が集まるところです。空気の圧力は逃げ場を探すので、いったん裂けた縫い目は、テープで押さえてもその隣から順に裂けが伸びていくことが多くなります。しかも縫い目は表面に段差があるため、テープが密着してくれません。ここも、補修というよりは寿命のサインとして受け取るほうが素直かもしれません。
のぞみがあるのは、吹出口から離れた、外側の平らな面にできた小さな穴です。ひと続きの生地の真ん中で、爪でひっかけたような一センチ程度の穴。ここなら、表と裏の両側から挟むように、穴のまわりに余裕をもたせて貼ることで、しばらく持ってくれることがあります。角は丸く切っておくとめくれにくくなりますし、貼る前に生地の表面をから拭きしてほこりや皮脂を落としておくと、密着がだいぶ変わります。
使うテープは、熱に強いもの——テント・寝袋の補修用や、ナイロン生地用として売られているものが向いています。ただし、それでも「延命」であって「修理」ではありません。純正マットが手に入るまでのつなぎ、と割り切っておくと、あとでがっかりしないですみます。
そして、貼ったあとは最初の一回を必ずそばで見ていてください。においがしないか、テープがめくれていないか、いつもと違う音がしていないか。少しでもおかしければ止めて、その場でコンセントを抜く。ここだけは固くお願いしたいところです。
破れた場所で見る早見表
迷った時に上から順に当てはめられるよう、まとめておきます。判断の軸は「熱が当たるか」と「圧力が集まるか」の二つだけです。
| 破れた場所 | 補修できるか | どうするか |
|---|---|---|
| ホースの差し込み口のまわり | できません | 熱で粘着が負けます。剥がれたテープが吹出口をふさぐ危険もあるので使用中止を |
| 温風が直接ぶつかる面 | できません | 同上。貼っても数回で剥がれることが多く、持ちません |
| 縫い目・端のふち | ほぼできません | 空気圧が集まる場所。塞いでも隣から裂けが伸びます |
| 角・折り目の交差する部分 | ほぼできません | ふくらむたびに屈曲する場所。テープが追従しません |
| 外側の平らな面の小さな穴 | 延命できることが | 熱に強い補修テープを表裏から。角は丸く切り、貼る前にから拭きを |
| ファスナー・接続部の金具まわり | できません | 部品としての破損。分解せずメーカーの相談窓口へ |
| マット全体が硬化・変色している | できません | 素材の劣化。触ると粉が出るようなら寿命です |
| ポリ袋・シートで作り直す | やめてください | 約100℃前後で軟化し、吹出口に貼り付いて故障・発火の原因になります |
表の下のほうにいくほど、道具や気合いの問題ではなく、部品としての交換時期にさしかかっているものが並びます。
マットが使えない日、その布団乾燥機はこう使えます
補修をあきらめた、あるいは純正マットの到着待ち。そのあいだ、本体をただ眠らせておく必要はありません。エアマットの仕事は「掛け布団を持ち上げてすき間を作ること」だったので、そのすき間を手で作ってしまえば、ある程度は代わりになります。
やり方としては、次のあたりが現実的です。
- 敷き布団を二つ折りにして、その内側にホースの先を差し込む——折り目の内側が自然なトンネルになって、風が面で広がります。マットなしの時はこれがいちばん効きます
- 掛け布団を、座布団やクッションで持ち上げておく——中央あたりに一つ置くだけで、ぺたんと密着した状態が解消されます。テント状になった空間を風が回ります
- ノズルは布団の中ほどまで入れる——手前で止めると入口だけが熱くなり、奥まで押し込むと風が行き止まりになります。ちょうど真ん中あたりが無難です
- 途中で一度止めて、布団の上下を入れ替える——マットありの時ほど均一には温まらないので、向きを変えるひと手間で温度のむらがかなり減ります
- 時間は少し長めに見ておく——同じ運転時間ではマットありの時ほど温度が上がらないことがあります
ここで、繰り返しになりますが外せない一点があります。布団をかぶせる時に、本体の吹出口と吸込口だけはふさがないでください。マットなしで使う時にいちばん起こりやすいのが、布団の裾が本体に垂れてきて吸込口を覆ってしまう、という状態です。本体は布団から少し離した平らな床に置き、まわりに空間を残しておくと安心です。
それから、期待の持ち方について正直に書いておきます。ダニ対策の運転は、布団の内部を一定の温度に一定時間保つことが前提の機能なので、マットなしの状態ではその温度帯に届かないことがあります。「たぶん大丈夫だろう」と思って済ませてしまうのがいちばんもったいないので、ダニ対策を目的にしている場合は、マットが直るか届くまで待つほうが確実です。湿気を飛ばして布団をふかふかにする、足元を温めておく、という用途なら、マットなしでも十分に働いてくれます。
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純正のエアマットは、型番で取り寄せられることが多いです
案外知られていないのですが、布団乾燥機のマットは「補修用部品」として単品で買えることがよくあります。破れた・なくしたというのはメーカーにとってもよくある相談なので、部品として在庫を持っていることが多いのです。本体を丸ごと買い替えるより、ずっと軽い出費で元通りになります。
探す時に必要なのは本体の型番です。多くは本体の裏か底面のラベルに、アルファベットと数字の組み合わせで書かれています。取扱説明書の表紙や保証書にも同じものが載っているはずです。型番さえ分かれば、メーカーの部品受付窓口、家電量販店の部品取り寄せカウンター、通販サイトの検索窓、どこからでもたどり着けます。
気をつけたいのは、エアマットは形も接続口の大きさも機種ごとに違うということです。同じメーカーでも世代が変わると互換性がないことがあるので、「似ているから合うだろう」で選ぶと、届いてから差し込めないという事態になりかねません。型番で指定して買うのが、遠回りに見えていちばん近道です。なお、発売から年数が経っている機種は部品の供給が終わっていることもあるので、その場合は次の章の話になります。
いっそマットなし式(ホース式)へ、という選び方
マットが破れたのを機に、そもそもマットの要らないタイプへ移る、という考え方もあります。ホースの先のノズルを布団のあいだに差し込むだけで、広げるものも、ふくらませるものも、しまうものもないタイプです。
この選択が向いているのは、こんな場合でしょうか。
- マットを広げたり畳んだりが面倒で、だんだん使わなくなっていた——準備が一手で済むと、使う回数が本当に変わります
- 本体が古く、純正マットの供給が終わっていた——部品が出ないなら、本体ごと世代を進めるほうが早いことがあります
- 収納場所を減らしたい——マットは畳んでもそれなりにかさばります
- 靴の乾燥や衣類の乾燥にも使いたい——ノズルを差し込む方式のほうが、こうした使い回しに向いた機種が多くなっています
いっぽうで、布団のすみずみまで均一に温める力では、マット式に分があるとされます。マットは風を面に広げて熱を閉じ込める装置なので、そこは構造の差です。ダニ対策をしっかりやりたいならマット式、毎日の手軽さを取るならマットなし式、というのがおおまかな考え方になります。
買い替えを考える時は、ノズルの形(平たく広がるものは風が回りやすくなります)、ホースの長さ、そして布団以外に使いたい用途があるかを見ておくと、選びやすくなると思います。
マットを直しても、まだ温まらない時に見るところ
穴を塞いだのに、あるいは新しいマットが届いたのに、思ったほど温かくならない。そういう時は、マット以外に原因があることも少なくありません。
- 吸込口のフィルターにほこりが詰まっていないか——空気を吸えないと、送り出せる熱の量が落ちます。ここは掃除で戻ります
- ホースが途中でつぶれていないか——布団の重みで折れ曲がると、風がマットまで届きません
- マットの差し込みが浅くないか——接続がゆるいと、そこから風が漏れてふくらみません。穴を探す前に、まずここを確かめると空振りが減ります
- マットの表裏や向きを間違えていないか——ふくらむタイプは上下が決まっているものがあります
- 部屋そのものが冷え切っていないか——外気温が低い日は、同じ運転時間でも温度が上がりにくくなります
ひととおり見ても変わらないなら、マットではなく本体側のヒーターや送風の不調が疑われます。無理に分解せず、メーカーの相談窓口にあたるのが早道です。また、ここまで書いてきた補修や使い方の可否は機種によって前提が変わるので、お手元の取扱説明書での確認をお願いします。マットの取り付け方や禁止事項は、そこにいちばん正確に書かれています。
もうひとつだけ。ここまでは「本体はあるけれどマットが壊れている」という前提の話でした。そもそも布団乾燥機そのものを持っていない、旅先で布団を乾かしたい、というお話なら、道具も注意点もまったく別のものになります。その場合は布団乾燥機がない時にドライヤーで代用できるのかのほうに、できることとできないこと、そして温度の限界をまとめてあります。
まとめ:穴の場所を見れば、やることが決まります
- ポリ袋・ゴミ袋・圧縮袋・レジャーシート・ラップでマットの代わりは作れません。約100℃前後で軟化して吹出口に貼り付き、故障や発火の原因になります。例外はありません
- 温風が直接当たる面と縫い目の破れは、補修テープでは持ちません。熱で粘着が負け、空気圧が裂けを広げるためです。メーカーも補修を推奨していません
- 望みがあるのは、吹出口から離れた平らな面の小さな穴だけ。熱に強いテープを表裏から挟むように貼れば、純正マットが届くまでのつなぎにはなることがあります
- マットなしでも使えます。敷き布団を二つ折りにする、クッションで掛け布団を持ち上げる。ただしダニ対策の温度には届かないことがあります
- 吹出口と吸込口はふさがないでください。就寝中・外出中の運転、電気毛布や湯たんぽを入れたままの運転も避けてください
- 純正マットは型番指定で取り寄せられることが多いので、まずは本体の裏のラベルを見てみてください。部品が出ないなら、マットなし式への買い替えも選択肢になります
保存版:この記事の早見表
破れた場所ごとの判断を1枚の画像にまとめました。スマホに入れておくと、マットを広げて穴を探している最中にすぐ確かめられます。



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