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郵便受けの蓋が、ある日からぱたんと閉まらなくなった。押せば閉まるけれど手を離すとだらんと開きっぱなし、風が吹くとカタカタ鳴って、雨の日はハガキが濡れる。うちの実家のポストがまさにこれで、母から「蓋がぶらぶらしてるんだけど」と電話がかかってきたのが最初でした。
先に結論をひとつ。蓋が閉まらない原因の多くは、蓋の軸に入っている「キックバネ」が切れたか外れたかで、外付けのポストなら部品代数百円で自分で直せます。ただし、バネにはサイズと向きがあって、ここを外すと「買ったのに閉まらない」になりがちなんです。サイズの測り方、付ける向き、作業中にバネが飛ばないための注意まで、順番に見ていきましょう。
キックバネって何?——蓋の軸に入っている「ねじりバネ」
キックバネは、ポストの蓋の付け根、軸のピンに通してある小さなバネです。中央がくるくる巻いてあって、両端から腕が2本伸びている形。片方の腕をポスト本体に、もう片方を蓋に引っかけることで、手を離した蓋を「ぱたん」と閉める力を出しています。ねじりバネ、トーションバネと呼ばれることもありますよ。
壊れ方はだいたい次の3つです。
- 切れる。金属疲労で巻きの部分や腕の付け根がぽきっと折れる。蓋が急にだらんとなったら、まずこれ
- 外れる。バネ自体は無事なのに、腕がどこにも掛かっていない状態。強く開けた拍子や、蓋を持って引っ張った時に外れる。バネが軸に残っていれば、掛け直すだけで直ることも
- さびて弱る。切れてはいないけれど、さびて力が抜けて、閉まりきらない。蓋が最後まで戻らず、少し口が開いたままになる
蓋の付け根をのぞいて、バネが見えるか、見えるなら腕が掛かっているか、さびていないかを確かめるのが最初の一歩です。
自分で直せる?——外付けのポストなら大丈夫、集合ポストは管理会社へ
- 一戸建ての壁掛け・ポール型のポスト:蓋の軸が外から見えて、ピンを抜けるなら自分で交換できます。この記事の対象はここ
- 門柱に埋め込まれたポスト:蓋の構造が同じなら直せますが、軸に手が届かない形もあります。無理に外そうとせず、メーカー名と型番を控えて補修部品を問い合わせるのが近道
- マンションやアパートの集合ポスト:共用部分なので、自分で分解せず管理会社や大家さんに連絡を。勝手に直して他の部屋と部品が違ってしまうと、あとで困ることがあります。「蓋のバネが切れて閉まらない」と伝えれば、たいてい対応してもらえますよ
サイズの測り方——古いバネを持ってホームセンターへ、が一番確実
キックバネは太さも巻き数も腕の長さもいろいろで、見た目が似ていても入らない・弱すぎるということがよくあります。いちばん確実なのは、外した古いバネをそのまま持って行って、同じものを探すこと。切れたバネでも、破片を合わせれば寸法は分かります。
メモしておくと選びやすいのは、この5つです。
- 線径:バネの針金の太さ。1mm前後のものが多い。太いほど閉まる力が強い
- 内径(軸の太さ):巻きの穴の直径。蓋の軸ピンがここを通るので、軸の太さに合っていないと入らない、またはガタガタになる
- 巻き数:くるくるの数。多いほど柔らかく、少ないほど固い
- 腕の長さ:両端の真っすぐな部分。短すぎると蓋や本体に届かない
- 巻き方向:正面から見て右巻きか左巻きか。ここが一番見落としやすくて、逆だと蓋が開く方向に力がかかるので、古いバネと同じ方向を選んでください
ポストのメーカーと型番が分かれば、純正の補修部品として蓋用のバネを出しているところもあります。ホームセンターのバネ売り場で見つからない時は、そちらも見てみてくださいね。ネットで買う時は「キックバネ ポスト」で探すと、郵便受け用として線径と内径が書かれたものが出てきます。
交換手順——軸ピンを抜く、バネを通す、腕を掛ける、ピンを戻す
作業は10分ほどですが、バネが飛ぶ・指を挟むという小さな危険がある作業です。子どもが横で見ている時はやらず、顔をバネに近づけないようにしてください。あると安心なのは、軍手、細いマイナスドライバーかピンポンチ、ラジオペンチ、外した部品を入れる小皿。保護メガネがあればなおいいです。
- 蓋を全開にして、軸のピンを確かめる。蓋の付け根を左右から通っている細い棒が軸です。片側が抜け止めになっていたり、割りピンやリングで留まっていたりします。どちらから抜けるか、まず観察
- ピンを抜く。抜け止め側と反対からドライバーで押し、出てきた先をペンチでつかんで抜きます。この瞬間、残っているバネの力が抜けて蓋が落ちるので、蓋をもう片方の手で支えて。指を軸と本体の間に入れないこと
- 古いバネを外し、新しいバネを蓋の軸穴の位置に合わせる。巻きの穴が軸の通り道に来るように置く。古いバネがどう入っていたか、外す前に写真を撮っておくと迷いません
- ピンを途中まで戻し、バネの巻きに通す。蓋の穴→バネ→蓋の反対の穴、の順にピンを進める。ここで一度、腕の向きが正しいか確かめる
- 腕を掛ける。片方の腕を本体側の受け(穴や出っ張り)に、もう片方を蓋の裏に。バネをねじりながら掛けるので、ここが一番飛びやすいところ。ラジオペンチで腕をつかんで、顔を離して、ゆっくり
- ピンを最後まで押し込み、抜け止めを戻す。蓋を数回開け閉めして、ぱたんと閉まれば完成です
向きを間違えると閉まらない——「腕を掛ける前」に確かめるコツ
新しいバネを入れたのに蓋が閉まらない、むしろ開いたままになる。この原因はほぼ向きです。キックバネは、腕を掛けてねじった時に「元に戻ろうとする力」で蓋を閉めています。だから、逆向きに入れると戻る力が開く方向にかかってしまうんですよね。
- ピンを通す前に、バネを軸の位置に置いて、腕を軽く指で寄せてみる。寄せた腕が「蓋を閉める方向」に戻ろうとしていれば正解
- 左右で対になっているポスト(バネが2つ入っているもの)は、右用と左用で巻き方向が逆。1つだけ替える時も、外した側と同じ方向を
- 掛けてみて閉まらなければ、無理に押さえ込まず、いったんピンを抜いてバネを裏返す。力で押さえると腕が曲がって使えなくなります
バネが届くまでの応急処置——マグネットとゴムで一時しのぎ
「今日は雨、バネは取り寄せで数日かかる」という時のつなぎです。あくまで一時的なもので、投函口を完全にふさがないようにしてください。配達員さんが入れられなくなってしまいます。
- マグネット:蓋と本体が鉄なら、蓋の裏の当たる位置に小さな磁石を貼ると、手を離しても閉まった状態を保てます。配達員さんは軽く押せば開けられる程度の磁力で
- 太めの輪ゴムやヘアゴム:蓋の取っ手と本体のどこかに引っかけて、閉まる方向に軽く引く。強すぎると開けにくいので、ゆるめに
- 中に防水の袋を置く:蓋が閉まらない間は、雨が入る前提で、中にジップ付きの袋やトレーを敷いておくと郵便物は守れます。ポストの雨対策はポストの雨対策を100均でする方法にまとめています
ゆきこ( ゚Д゚)『実家のポストのバネを替えた時、腕を掛ける瞬間に手が滑って、バネが庭の砂利の中へ消えました。探すこと20分。あの日から、バネの作業は「小皿・軍手・顔を離す」がわが家の合言葉です。2個入りを買っておいて本当によかった』
ホームセンターで見つからなかったり、線径や内径が分からなかったりする時は、郵便受け用として寸法が書かれているキックバネを選ぶと失敗が少ないです。予備をもう1つ持っておくと、飛ばした時にも落ち着いていられますよ。
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小さなバネの話は、身の回りにけっこうあります。ボールペンのバネをなくした時の代用は、バネの向きと太さの考え方が同じなので、合わせて読むと腑に落ちるかもしれません。「金具が壊れて開け閉めができない」つながりではファスナーのスライダーが折れた時の交換、ガタつきの直し方では自転車のスタンドがゆるい時の直し方もどうぞ。
まとめ:古いバネを持って買いに行き、向きを確かめてから腕を掛ける
- 閉まらない原因の多くはキックバネの切れ・外れ・さび。付け根をのぞいて確かめる
- 古いバネを持ってホームセンターへ。線径・内径・巻き数・腕の長さ・巻き方向
- 手順はピンを抜く→バネを通す→腕を掛ける→ピンを戻す。蓋を支えながら
- 向きが逆だと閉まらない。ピンを通す前に腕を寄せて戻る方向を確かめる
- バネは飛ぶ・指を挟む。顔を離して軍手。集合ポストは管理会社へ
保存版:この記事の早見表
手順を1枚にまとめました。



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