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押し入れから出してきたファンヒーターの背中を見たら、フィルターが灰色のほこりでふさがっていた。においも去年より強い気がする。掃除したほうがいいのは分かるけれど、どこまで自分でやっていいのかが分からなくて手が止まる——これ、本当によく分かります。最初の年は、ふたを開ける勇気が出ない。そういうものだと思います。
先に結論をひとつ。石油ファンヒーターの掃除には、はっきりした境目があります。外から手の届くところ(フィルター・吸排気口・外装・油受け皿の周り)は自分でやってよくて、内部の分解はやってはいけない。この線を最初に引いてしまえば、あとの手順はとても簡単です。順番に見ていきましょう。
まず境目を引きます——やっていい範囲と、やってはいけない範囲
掃除の記事なのに最初にこの話をするのは、ここを間違えると火事につながるからです。ここだけは柔らかく書けないので、はっきり書かせてくださいね。
- 自分でやっていい範囲:背面のエアフィルター/吸気口・排気口/温風の吹き出し口/本体の外側(外装)/灯油タンクと油受け皿のまわり/本体を置いていた床
- やってはいけない範囲:芯・バーナー・気化器など、ふたやネジを外した先にある内部すべて。ここは燃焼に直接かかわる部分で、素人が触ると火災や不完全燃焼の原因になります
検索すると「分解清掃」という言葉が出てきますが、あれは業者かメーカーの仕事です。中の汚れが原因だと思われる時は、自分で開けずに、メーカーのお客様窓口か買ったお店に相談してください。有料でも、手を出して壊すより結果的に安く済みます。保証も残ります。
始める前の3つの約束
- 電源プラグをコンセントから抜く。スイッチを切っただけでは足りません。掃除機を当てた拍子に運転が始まると危険です
- 完全に冷ます。消した直後の本体は、外から触れても中はまだ熱を持っています。1時間以上あけて、できれば前の日の夜に消して翌朝やると安心です
- 窓を開けて換気しながら。ほこりが舞いますし、灯油のにおいも出ます。マスクと、細かいほこりが気になる方は手袋も
あと、掃除の場所は本体を持ち出せるなら屋外かベランダが楽です。部屋の中でやると、吸いきれなかったほこりがそのまま部屋に散ります。持てる重さかどうかは機種によるので、無理はしないでくださいね。
手順——上から順にやれば、やり直しが出ません
- 背面のエアフィルターを外す。多くの機種は手前に引くか、上に持ち上げると外れます。取扱説明書に外し方の図が必ずあるので、初回はそれを見ながら。ほこりの層になっているときは、まず掃除機で吸ってから外すと部屋に飛び散りません
- フィルターを掃除機と歯ブラシで。目の詰まった部分は使い古しの歯ブラシで軽くかき出します。水洗いできるかどうかは機種によって違うので、説明書の指示に従ってください。洗った場合は完全に乾くまで戻さないのが鉄則です
- 本体の外側のほこりを落とす。上面、側面、背面。かたく絞った布で拭いて、そのあと乾いた布で水気を取ります
- 吸気口と排気口を掃除機で。ここは細いすき間なので、掃除機の細いノズルがあると一気に楽になります。奥に指や棒を突っ込まないこと
- 温風の吹き出し口。ルーバー(羽根)の間にほこりがたまります。掃除機で吸ってから、乾いた綿棒か細い布でなぞる程度に。羽根は無理に動かすと折れます
- 灯油タンクと油受け皿のまわり。受け皿に灯油がたまっていたら、キッチンペーパーやウエスで吸い取ります。タンクの口についた灯油もここで拭いておくと、においがずいぶん減ります
- 本体を置いていた床。意外に見落としがちで、床にしみた灯油が部屋のにおいの元になっていることがあります
においが取れないときの切り分けは石油ファンヒーターが臭い時の見方に、掃除で音が静かになる話は石油ファンヒーターの音がうるさい時の見方にまとめてあります。
やってはいけないこと5つ
- 内部を分解する。芯・バーナー・気化器には手を出さない。ここが最重要です
- 掃除機で灯油を吸う。こぼれた灯油を掃除機で吸うのは絶対にやめてください。掃除機のモーターの火花で引火するおそれがあります。灯油はキッチンペーパーやウエスで吸い取って、乾かしてから自治体の指示に従って処分を
- 水拭きしたまま通電する。拭いたあとは必ず乾いた布で水気を取り、完全に乾いてからプラグを挿します
- 洗剤やスプレーを本体にかける。特に内部に入ると故障の元。汚れが落ちにくいときも、かたく絞った布どまりにしてください。可燃性のスプレーは論外です
- フィルターを外したまま運転する。ほこりが直接中に入って、かえって燃え方が乱れます
すき間や羽根の間のほこりは、細いノズルがあるかないかで作業時間がぜんぜん違います。手持ちの掃除機に付いていないなら、汎用のすき間ノズルを1本持っておくと、ヒーターだけでなく網戸のレールやエアコンにも使えて便利ですよ。
シーズン終わりにやること——来年の一日目が変わります
春に「もう使わないな」と思ったとき、そのまま押し入れに入れてしまうと、翌シーズンにおいと不調が返ってきます。少し手間ですが、ここをやっておくと本当に楽です。
- 灯油を使い切る。タンクに残さない。残った分をポリタンクに戻すより、使い切ってしまうほうが安全で確実です
- タンクと油受け皿を空にして拭く。受け皿にたまった灯油もウエスで吸い取ります
- カラ焼き運転をする(機種にある場合)。残った灯油を燃やし切るための運転です。ある機種とない機種があるので、説明書で確認してください。やる時は必ず換気しながら
- フィルターと外装を掃除して、完全に乾かす。湿ったまま箱に入れるとにおいとサビの元です
- 乾いた場所に、ほこりよけをかけて保管。ポリ袋で密閉するより、通気のある布や元の箱のほうが安心です
そして残った灯油ですが、翌シーズンに持ち越すのはおすすめしません。変質してにおいや燃え方に影響します。判断のしかたは持ち越した灯油は使えるのかにくわしく書きました。
シーズン初めの一手
- 出したらまず背面フィルターと外装のほこりを払う。夏の間にしっかりたまっています
- 最初の点火は窓を開けて。たまったほこりが焼けるにおいが出やすいタイミングです
- タンク・受け皿に古い灯油が残っていないか確認。残っていたら使わずに処分を
- コードやプラグに傷や焦げ跡がないか見る。傷んでいたら使わずに相談へ
- いつから使い始めるか迷ったら、石油ストーブはいつから使う?の考え方が参考になると思います
掃除しても直らない時と、換気の話
フィルターをきれいにしても、においが強い・すすが出る・炎の色がおかしい・エラー表示が消えないという時は、掃除で解決する範囲を越えています。使い続けずに、メーカーか販売店へ相談してください。「もう少し様子を見よう」で使い続けるのがいちばん危ないところです。
それから、掃除の話とは別に、必ず守っていただきたいことを。石油ファンヒーターを使っている間は、1時間に1〜2回、数分の換気を必ず。締め切った部屋で燃やし続けると、酸素が減って不完全燃焼が起きます。
そして頭痛・吐き気・めまいは一酸化炭素中毒のサインです。一酸化炭素は色もにおいもないので、鼻では気づけません。症状が出たらすぐにヒーターを消し、窓とドアを開けて換気して、屋外へ出てください。改善しなければ受診を。「休めば治るかも」と部屋にとどまらないこと。ここだけは、掃除より何倍も大事です。
ゆきこ( ゚Д゚)『背面のフィルターがほこりで真っ白なのに気づかず1か月使っていた、という話はよくある失敗ですよね。掃除機を当てたら一瞬でごっそり取れて、その日から音もにおいも軽くなった、という声も多いです。開けるのが怖くて放置しているだけ、ということが本当に多い。フィルターは、開けても怒られない場所です』
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掃除しても気になることが残るときは、症状別にどうぞ。石油ファンヒーターが臭い時の見方では点火直後と消火直後と運転中の3つに分けた切り分けを、石油ファンヒーターの音がうるさい時の見方では掃除で静かになる音とそうでない音の違いを書いています。灯油の持ち越しについては持ち越した灯油は使えるのかもあわせて。
まとめ:外は自分で、中は業者へ
- やっていいのはフィルター・吸排気口・吹き出し口・外装・受け皿まで
- 芯やバーナーなど内部の分解はしない。火災と不完全燃焼の原因になります
- 始める前にプラグを抜く・完全に冷ます・換気するの3つを必ず
- 掃除機で灯油を吸わない。濡れたまま通電しない。洗剤を内部にかけない
- シーズン終わりは使い切って空にして乾かす。異常はメーカーか販売店へ
保存版:この記事の早見表
手順を1枚にまとめました。



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