※本記事にはプロモーション(アフィリエイト広告)が含まれています。
搾乳機をセットして、スイッチを入れて、待って。それなのに、ボトルの底に数滴。「え、これだけ?」と目盛りを見つめたまま固まってしまい、そこから「やっぱり母乳が足りてないのかな」と不安が広がっていく。搾乳機で取れない時のつらさは、量そのものより、この不安のほうが大きいんですよね。
先にお伝えしたいのは、「搾乳機で取れない」と「母乳が少ない」は、別の話だということです。搾乳機は、赤ちゃんが飲む時と同じようには働きません。カップのサイズ、吸引の強さ、タイミング、体のこわばりや疲れといった、道具と状況の側に理由があることも多いんです。見直す要因、やってみること、手搾りとの併用、そして相談したほうがいい目安まで、順番に見ていきましょう。
ケース別に読む:不安で固まっている人|使い方を見直したい人|何かを試したい人|手搾りと併用したい人|それでも出ない・痛い人
まず落ち着いて——「搾乳機で取れない」は「母乳が少ない」ではない
最初に、いちばん大事なことを。搾乳機で取れる量は、赤ちゃんが飲んでいる量の目安にはなりません。赤ちゃんは、吸う力だけでなく、舌や口の動き、体温、匂い、声といった、機械には真似できない働きで母乳を引き出しています。搾乳機は吸引だけなので、赤ちゃんが飲めていても、機械では少ししか取れない、ということはよくあります。
また、母乳が出る仕組みには「射乳反射」と呼ばれる、体がリラックスした時に母乳が流れ出す反応が関わっていると言われています。緊張している、痛い、寝不足、「取れなかったらどうしよう」と身構えている。こういう状態だと、この反応が起きにくく、搾乳機でいくら吸引しても出てこない、ということが起こります。つまり、「取れない」の理由には、体の側より道具と状況の側にあるものが多い、ということです。
だから、ボトルの目盛りを見て「足りていない」と決めつけないでください。赤ちゃんの様子(おしっこの回数、機嫌、体重の増え方)は、健診や助産師さんが見てくれる指標です。母乳の量や体質はここで断定できることではなく、気になるなら「量が心配です」と助産師さんに相談するのが、いちばん早くて確かな道です。
見直す要因の早見表——カップのサイズ・吸引の強さ・タイミング・緊張・疲れ
「使い方が悪いのかな」と思ったら、責める前に、道具と状況を1つずつ点検してみてください。取れない時に見直す要因は、だいたいこの表の中にあります。
| 要因 | こうなっていないか | 見直すこと |
|---|---|---|
| カップのサイズ | 乳首が筒の壁に擦れる・根元まで引き込まれる・すき間から空気が漏れる | サイズを変える(複数サイズがある機種も)。合わないと痛くて出にくい |
| 吸引の強さ | 強くすれば取れると思って段階を上げている | いちばん弱い段階から。痛くない範囲で少しずつ。強すぎると体がこわばる |
| タイミング | 授乳直後・張っていない時・急いでいる時に搾っている | 授乳の合間や、張りを感じる時間帯に。焦っている時はやめる |
| 緊張・こわばり | 肩に力が入っている・ボトルをずっと見ている | 目盛りを見ない。温かい飲み物・音楽・赤ちゃんの写真や匂いで気持ちをゆるめる |
| 疲れ・水分不足 | 寝不足・食事や水分が足りていない | できる範囲で水分と休息を。搾乳の前に一口飲む |
| 道具の状態 | 弁や膜が古い・裂けている・組み立てがゆるい | 吸いつきが弱いなら弁と膜を交換。接続部を締め直す |
道具の状態は見落とされがちで、弁や膜が劣化していると吸引がかからず、いくら頑張っても取れない、ということがあります。組み立てのゆるみやカップの密着不足も同じです。「最近急に取れなくなった」なら、体より先にここを疑ってみてください。劣化のサインの見分け方は搾乳機の洗い方に書いています。
やってみること3つ——温める・体をゆるめる・時間帯を変える
要因を点検したら、次は「出やすい状況を作る」ことを試してみましょう。どれも一般的な方法で、効果を約束するものではありませんが、やってみて損のないことばかりです。
- 温める。搾る前に、温かいタオルを胸に当てる、シャワーのあとに搾る、温かい飲み物を一口飲む。体が温まると流れやすいと言われています。熱すぎるタオルは皮膚を傷めるので、気持ちいい温度で
- 体をゆるめる。ボトルの目盛りを見ないように布をかける、肩の力を抜いて背もたれに寄りかかる、赤ちゃんの写真や声、匂いのついた肌着をそばに置く。「出るかな」と身構えるほど出にくいので、気持ちをそらすことが案外効きます。痛いなら吸引を弱に
- 時間帯を変える。張りを感じる時間帯や授乳の合間、家族がいて気持ちに余裕がある時に。取れない時に長く粘っても皮膚への負担が増えるだけなので、短く区切って、別の時間にもう一度、のほうが続きます
マッサージについても聞かれますが、乳房を強く押したり、しこりをつぶそうとしたりするのは避けてください。一般的には、搾る前に軽くさするくらいにとどめ、やり方は助産師さんに直接教えてもらうのがいちばん確かです。乳房のケアは人によって合うやり方が違うので、記事で手順を言い切れる話ではありません。
手搾りとの併用——道具と手のいいとこ取り
「搾乳機だと取れないのに、手で搾ると出る」という声は珍しくありません。手は、圧のかけ方や場所を細かく変えられるので、機械の吸引とは違う働きをします。搾乳機と手搾りを組み合わせるのは、一般的な方法です。
- 最初は手で少し出してから、搾乳機に切り替える。流れ始めてから機械をつけると、吸引だけで待つより取れやすい、という考え方です
- 搾乳機のあとに手で仕上げる。機械では取りきれなかった分を、手で少し足す。無理に絞り出すのではなく、出てくる分だけ
- 手搾りのやり方は、助産師さんに一度見てもらう。指の置き方や力の入れ方は文章だけでは分かりにくく、自己流で強く押すと痛みや傷のもとになります
- 搾った母乳を入れる容器は清潔に。手搾りで直接受ける時は、洗って乾かした容器や哺乳瓶に。哺乳瓶の扱いは哺乳瓶の洗い方と同じです
もうひとつ。搾乳機が合わないからといって、ペットボトルや注射器などで吸引の道具を自作するのは、傷とけがのもとなので絶対にやめてください。機械が合わないなら、カップのサイズを変える、手動と電動を替えてみる、手搾りに切り替える、のどれかです。手動と電動の違いや、そもそも自分に搾乳機が合うのかは、搾乳機のデメリットと、いらない人・助かる人にまとめています。
それでも出ない時——助産師・母乳外来へ。相談と受診の目安
ここまでやってみても取れない、あるいは体に気になることがある。そういう時は、ひとりで抱えず、助産師さん・産科・母乳外来に相談してください。「これくらいで相談していいのかな」と迷う人が多いのですが、搾乳の量や方法の相談は、助産師さんが日常的に受けている内容です。遠慮はいりません。
- 相談していいサイン:何度やっても取れない、赤ちゃんが飲めているか不安、手搾りを教わりたい、量が心配で気持ちがつらい、サイズが合っているか分からない。産院の母乳外来、地域の助産師さん、自治体の産後ケアや保健師さんの訪問など、窓口はいくつもあります
- 早めに受診するサイン:乳房に赤み・しこり・熱っぽさがある、寒気や発熱がある、乳首に傷や出血がある、痛みが強い・続く、赤ちゃんの元気やおしっこの回数が減った。これは使い方の話ではなく、体を診てもらう場面です。夜間や休日なら産院の連絡先や自治体の相談窓口へ
相談に行く時は、「いつ・どのくらいの時間搾って・どのくらい取れたか」を数回分メモして、搾乳機のカップを持って行くと話が早いです。「取れない」の答えは記事の中ではなく、あなたの体と赤ちゃんを実際に見てくれる人のところにあります。
ゆきこ( ゚Д゚)『正直、ボトルの目盛りほど気持ちを削るものはないと思っています。あれは母乳の量の通知表ではないので、見えないように布をかけてしまっていいんですよ』
💡 この困りごとへの提案
電動で取れにくい人が、握る力で細かく調整できる手動に替えたら合った、という声もあります。逆もあるのでどちらが正解とは言えませんが、手動は軽くて試しやすいのは確かです。
あわせて読みたい
弁や膜の劣化で吸引がかからないことがあるので、搾乳機の洗い方で部品の状態の見方を確かめてみてください。手動と電動のどちらが自分に合うか、そもそも搾乳機が要るのか迷っている人は搾乳機のデメリットと、いらない人・助かる人へ。搾った母乳を飲ませる哺乳瓶の扱いは哺乳瓶の洗い方、夜中の調乳を楽にする道具で失敗しやすい点は調乳ポットで後悔した理由にまとめています。
まとめ:取れない=少ないではない。サイズ・強さ・タイミングを見直し、温めてゆるめて、それでもなら助産師へ
- 搾乳機で取れる量は母乳の量ではない。赤ちゃんの様子は健診と助産師さんが見る指標で
- まず道具と状況を点検。カップのサイズ・吸引は弱から・タイミング・弁や膜の劣化
- 温める・体をゆるめる・時間帯を変える。目盛りを見ない。長く粘らない
- 手搾りとの併用は一般的。やり方は助産師さんに。自作の吸引器具は使わない
- 赤み・しこり・熱・傷・強い痛みは受診。量の相談も遠慮なく助産師・母乳外来へ
保存版:この記事の早見表
手順を1枚にまとめました。



コメント