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ダウンコートを脱いでふと見たら、襟の内側が黒ずんでいる。袖口も薄茶色。しかも襟の折り返しにファンデーションの色がうっすら付いていて、これ、クリーニングに出さないとだめ?と気が重くなりますよね。丈の長いコートは家で丸洗いするのも大ごとですし、このまま来年まで置くのも気持ちが悪い。
先に結論をひとつ。襟や袖口の黒ずみは、汚れの正体が「油分」なので、薄めた洗剤で部分洗いすれば落ちることが多いです。丸洗いしなくても、襟だけ、袖口だけを洗う方法があります。ただし、順番と力加減を間違えると、黒ずみが広がったり、羽毛が偏ったりします。ファンデーションは皮脂と落とし方が違うので、そこも分けて見ていきましょう。
ケース別に読む:汚れの正体を知りたい人|襟・袖口を部分洗いしたい人|ファンデーションが付いた人|やってはいけないことを知りたい人|丸洗いかクリーニングか迷う人|戻したくない人
襟の黒ずみの正体——皮脂とファンデの「油分」にホコリが乗ったもの
襟の内側が黒くなるのは、首すじの皮脂が生地にしみ込んで、そこに空気中のホコリや排気の汚れがくっつくからです。袖口も同じで、手首の皮脂と、机やカバンとこすれた汚れが重なっています。つまり土台になっているのは油分。水だけで拭いても薄くならないのは、油が水をはじいているからなんです。
| 汚れの見た目 | 正体 | 落とし方の方向 |
|---|---|---|
| 襟の内側の黒ずみ | 皮脂+ホコリ | 薄めた洗剤で油分をゆるめて拭き取る |
| 袖口の薄茶色 | 皮脂+こすれ汚れ | 襟と同じ。汚れが広いので少しずつ |
| 襟の折り返しの肌色 | ファンデーションの油分と粉 | 先に油分を浮かせてから洗剤 |
| 全体のくすみ | ホコリ・汗 | 部分洗いでは無理。丸洗いかクリーニング |
油分が相手なので、使うのは油を落とせる洗剤。家にある食器用の中性洗剤か、おしゃれ着用の洗剤を薄めて使います。逆に、漂白剤や強いアルカリの洗剤は、色が抜けたり生地の撥水加工を傷めたりするので、襟の黒ずみには向きません。
部分洗いの手順3コマ——薄めた洗剤・歯ブラシ・濡れタオルで拭き取る
用意するのは、ぬるま湯、中性洗剤かおしゃれ着用洗剤、使い古しの歯ブラシ、タオル2枚。所要時間は襟だけなら10分ほどです。洗剤は表示どおりに薄めて、窓を開けて、手荒れしやすい人は手袋を。それから、コートの全体を濡らさないことが最大のコツです。
- ぬるま湯に洗剤を少し溶かして、歯ブラシに含ませる。目安は洗面器のぬるま湯に数滴。泡立つほど入れると、あとで拭き取るのが大変になります。コートの襟の下に乾いたタオルを一枚敷いておくと、中の羽毛まで濡れにくいです
- 汚れの上を、歯ブラシで軽くなでる。生地の目に沿って、力を入れずに数回。こするのではなく「たたく・なでる」の感覚です。黒ずみが浮いて歯ブラシの先が黒くなってきたら効いています。落ちにくい所は、洗剤を含ませて1〜2分置いてからもう一度
- 固く絞った濡れタオルで、洗剤ごと拭き取る。何度かタオルの面を変えて、泡やぬめりが残らないまで。最後に乾いたタオルで水気を吸い取り、ハンガーに掛けて風通しのいい所で乾かし切ります
袖口も同じ手順ですが、面積が広いので、一度に全部ではなく、手のひらくらいの範囲ずつ進めると輪じみになりにくいです。乾いたときに「洗った所と洗っていない所の境目」が出るのが心配なら、拭き取りの時に境目をぼかすように広めに拭いておくと目立ちません。
ファンデーションが付いた時——「油分を先に」が順番の決め手
襟の折り返しや前立てに付いたファンデーションは、皮脂とは少し違います。粉と油分が混ざっているので、いきなり水や洗剤で触ると、粉が生地の奥に広がってしまうことがあるんです。順番はこうです。
- まず乾いた状態で、粉をはらう。ティッシュや乾いた歯ブラシで、表面に乗っている粉だけを軽く落とします。ここで濡らさないのがポイント
- 油分を浮かせる。メイク落とし(クレンジング)には油分を溶かす力があるので、コットンに少し取って、汚れの上に軽く置くように当てます。ただし製品によって生地に合わないものがあるので、表示を見て、裾の裏など目立たない所で色落ちしないか試してから。試すのは1〜2分置いて、タオルで押さえて色が移らないかを見る程度で十分です
- そのあと第2章の部分洗いへ。浮いた油分と洗剤を、濡れタオルで拭き取ります。クレンジングが残ると逆に汚れを寄せるので、拭き取りはいつもより丁寧に
クレンジングが手元にないなら、薄めた中性洗剤だけでも、時間を置けばかなり落ちます。薄い色が残るくらいなら無理にこすらず、クリーニングに出す時に「襟にファンデーション」と伝えるほうが、生地には優しいです。
やってはいけない4つ——強くこする・漂白剤・ドライヤー近距離・混ぜる
部分洗いで失敗する型は、だいたい決まっています。次の図の右側に当てはまることをしなければ、大きな事故にはなりません。
- 強くこすらない。ダウンの表地は薄いナイロンやポリエステルが多く、こすると毛羽立って白っぽくなります。黒ずみが取れても、そこだけ質感が変わってしまうのがいちばん悲しい失敗です
- 漂白剤を使わない、混ぜない。色柄物のダウンに漂白剤は色抜けのもと。それに、塩素系の漂白剤と酸性のもの(クエン酸やお酢など)を同じ場所で使うと有害なガスが出ます。襟の汚れに漂白剤は必要ありませんし、洗剤を何種類も重ねるのもやめておきましょう
- ドライヤーを近づけない。表地は熱で縮んだり、テカったりします。乾かすのは風通しのいい所に吊るして自然乾燥が基本。急ぐならドライヤーは冷風で、生地から離して
- 半乾きでしまわない。ダウンは中の羽毛まで湿ると、乾いたように見えても内側が湿ったまま。においやカビ、羽毛の偏りのもとになります。襟だけ洗った日でも、一晩は吊るしておいてください
丸洗いするかクリーニングに出すかは、洗濯表示で決める
「襟だけじゃなくて全体もくすんでいる」「部分洗いしたけど境目が気になる」なら、丸洗いかクリーニングの出番です。ここで見るのは洗濯表示だけ。桶のマークに×が付いていれば家では洗えませんし、手洗いのマークがあれば家で洗えます。
- 家で洗える表示なら、ネットに入れて弱水流、短い脱水、完全に乾かすまでが一連の流れ。手順とぺたんこになった時の戻し方はダウンジャケットの皮脂汚れの落とし方に詳しく書いています。コートは丈が長いぶん乾きにくいので、時間を多めに見てください
- 家で洗えない表示、革やファーの飾りがある、高価なものは、クリーニングへ。そのまま出して「襟と袖口の黒ずみ」と伝えれば大丈夫です。出す時期の考え方はコートをクリーニングに出す時期にまとめています
迷ったら、「シーズン中は襟と袖口の部分洗い、しまう前にクリーニングか丸洗い」という組み合わせが、いちばん手間と仕上がりのバランスがいいと思います。
戻さないコツ——着る前にスカーフ、帰宅後にブラシ
せっかく落としても、また首すじが当たれば黒ずみは戻ります。予防はとても単純で、肌と襟を直接触れさせないこと、その日の汚れをその日に落とすことの2つです。
- 着る前:襟の内側にスカーフやマフラーを一枚はさむ。首に直接当たる生地が変わるだけで、皮脂の付き方がまったく違います。ファンデーションは、コートを着てからメイク直しをしない、着る時に襟を立てて顔を通す、というだけでも付きにくくなります
- 帰宅後:洋服ブラシで襟と袖口をさっとなでて、ホコリを落とす。皮脂の上にホコリが乗って初めて「黒ずみ」になるので、ホコリを毎日払うだけで黒くなる速さが遅れます
- 週に一度:固く絞ったタオルで襟の内側を軽く拭く。洗剤なしでも、たまった皮脂が薄いうちなら取れます
汗の匂いや新品の獣臭のような匂いが気になる時は、汚れとは別の対処になります。ダウンコートのにおいとりで、風を通す・部分洗い・洗濯機で失敗した時の戻し方をまとめています。
ゆきこ( ゚Д゚)『正直、襟の黒ずみは「気づいた時にすぐ、軽く」が全部だと思っています。冬の終わりにまとめて落とそうとするから、力が入ってこすってしまうんですよね』
💡 この困りごとへの提案
洗剤は、家の中性洗剤でも十分ですが、ダウンやおしゃれ着に使える表示のある洗剤を一本持っておくと、襟の部分洗いも丸洗いも同じもので済んで気が楽です。
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全体を家で洗いたい人はダウンジャケットの皮脂汚れの落とし方で丸洗いの手順とぺたんこの戻し方を。クリーニングに出すタイミングで迷う人はコートをクリーニングに出す時期、汚れではなく匂いが気になる人はダウンコートのにおいとりへどうぞ。
まとめ:油分をゆるめて、なでて、拭き取る。こすらず、漂白剤を使わず、乾かし切る
- 黒ずみの正体は皮脂とファンデの油分。水では落ちず、薄めた洗剤でゆるめる
- 部分洗いは3コマ。含ませる・歯ブラシでなでる・濡れタオルで拭き取る
- ファンデは油分を先に。粉をはらい、クレンジングは目立たない所で試してから
- こすらない・漂白剤NG・ドライヤーを近づけない。洗剤は混ぜない
- 丸洗いかクリーニングかは洗濯表示。戻さないのは襟にスカーフと帰宅後のブラシ
保存版:この記事の早見表
手順を1枚にまとめました。



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