はちみつの代用——切らした時に何で代わる?「甘さ・とろみ・しっとり」の3つの役割で選ぶ置き換え、砂糖やメープルシロップの換算、料理とお菓子で変わるコツ

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レシピを開いて「はちみつ大さじ1」。戸棚から瓶を出したら、底にうっすら残っているだけ——という夕方、ありますよね。子どもが「今日は甘いから揚げがいい」と言う日に限って切れている、というのもよくある話ですよね。

先に結論をひとつ。はちみつは、家にある砂糖に水を少し足すだけでだいたい代わります。ただ、いちばん近い代用品は料理によって変わります。はちみつはひとつの調味料なのに3つの違う仕事をしているからなんです。そこを分けて考えると、戸棚の中のもので迷わず置き換えられますよ。

先に大事なこと:1歳未満の赤ちゃんにはちみつを与えない

1歳未満の赤ちゃんには、はちみつを与えてはいけません。乳児ボツリヌス症という、赤ちゃんだけに起こる食中毒があるためです。「はちみつを何かで代える」場面と「離乳食に甘みを足したい」場面は台所ではすぐ隣にあるので、代用の話より先に置きました。

  • はちみつには、ボツリヌス菌の芽胞(がほう)というごく小さな種のようなものが混じっていることがあります。大人や幼児の腸では増えずに通り過ぎますが、腸内の細菌がまだ育ちきっていない1歳未満の赤ちゃんの腸では、これが増えて毒素を出すことがあるんです
  • 加熱しても防げません。芽胞は熱にとても強く、家庭の煮る・焼く・電子レンジでは壊せません。「火を通したから大丈夫」は、はちみつには通用しないと覚えておいてください
  • 少量でもだめです。ひとなめ、パンに塗った分、スプーンの先。量の問題ではありません
  • 純粋なはちみつだけでなく、「はちみつ入り」と書かれた加工品も同じです。お菓子、飲みもの、のど飴、パン。原材料の表示を見るくせをつけると安心です
  • 離乳食に甘みが欲しい時は、この記事の砂糖やメープルシロップなどに置き換えてください
  • もし口にしてしまい、便秘が数日続く、母乳やミルクの飲みが悪い、泣き声が弱い、首のすわりが頼りなくなったように見える、といった様子があれば、様子を見ずに小児科へ

1歳の誕生日を過ぎれば普通に食べられます。赤ちゃんがいる家では本当にヒヤッとする話なので、しつこく書きました。下の子が小さいうちは、瓶を子どもの手が届かない棚に置いておくと安心です。

はちみつの3つの役割——「甘さ・とろみ・しっとり」を分けて考える

代用がうまくいかない時って、たいてい「甘ければいいと思って砂糖に替えたら、たれがさらさらになってしまった」という役割のずれが原因なんですよね。はちみつの仕事は、大きく3つあります。

  • 甘さ。同じ量なら砂糖より甘く、後味はすっきり。花の香りもいっしょに入ります
  • とろみと照り。粘りがあるので、たれが具材にからみます。焼いた時のつやも粘りのおかげ
  • しっとりさせる保水。水分を抱えこむので、焼き菓子やパンに入れると翌日もぱさつきません

あわせて、はちみつには焦げやすいという個性もあります。砂糖より低い温度で色がつくので、同じ時間焼くと予定より濃い焼き色になるんです。

役割別の代用早見表——戸棚にあるもので選ぶ

代用品 近い役割 向いている場面とひとこと
砂糖+水 甘さ 煮物・お菓子。いちばん手堅い
メープルシロップ 甘さ・とろみ・しっとり ほぼ全部。同量でそのまま入れ替えられる
水あめ とろみ・照り・しっとり 照り焼き・和菓子。とろみだけ欲しい時に
みりん とろみ・照り 和食全般。煮詰めて使う
ジャム 甘さ・とろみ 肉のたれ・トースト。粒は裏ごしを
黒糖・きび砂糖 甘さ 煮物・焼き菓子。こくが出て色は濃くなる
オリゴ糖シロップ 甘さ・とろみ 飲みもの・ヨーグルト。甘みは弱め
練乳 甘さ・しっとり パンに塗る用。料理には不向き

いちばん失敗しにくいのがメープルシロップ。とろみも保水もあるので、量を変えずに入れ替えられます。逆に香りをそっくり真似できるものはないので、そこは割り切りましょう。

「甘さ・とろみ・しっとり」どれが欲しいかで選ぶ甘さが欲しい砂糖+水(基本)黒糖・きび砂糖メープルシロップジャム→ 煮物・お菓子・和えものとろみ・照りが欲しい水あめみりんを煮詰める砂糖+水を煮詰めるジャムを裏ごし→ 照り焼き・たれ・煮物しっとりさせたいメープルシロップ水あめ練乳オリゴ糖シロップ→ 焼き菓子・パン生地換算:はちみつ大さじ1=砂糖大さじ1と少し+水小さじ1(重さなら砂糖8対水2)メープルシロップは同量でそのまま/みりんは大さじ3を煮詰める/水あめは同量★1歳未満の赤ちゃんにはちみつを与えない(乳児ボツリヌス症)加熱しても防げない/少量でもだめ/「はちみつ入り」の加工品も同じ

換算の目安——大さじ1をどう置き換える?

「砂糖なら何グラム?」がいちばん知りたいところですよね。次の3つだけ頭に入れておくと台所で困りません。

  • はちみつ大さじ1(約21g)= 砂糖大さじ1と少し(15〜18g)+ 水小さじ1/2〜1。はちみつは2割ほどが水分なので、水を足すと口当たりまで近づきます
  • 重さで合わせるならはちみつ100g = 砂糖80g + 水20g。この「8対2」を覚えておくと量が増えても計算できます
  • 甘みははちみつのほうが1.2〜1.3倍ほど強いので、砂糖は控えめから始めて味を見て足すのが失敗しません

ほかのものの目安も並べておきますね。

  • メープルシロップ:同量。物足りなければ1割ほど増やす
  • 水あめ:同量。甘みが弱いぶん、砂糖を少し足すと近づきます
  • みりんはちみつ大さじ1=みりん大さじ3が目安。水分が一気に増えるので、たれなら煮詰めてから使ってください。みりんも切らしている時はみりんの代用は酒と砂糖でほぼ足りるという話
  • ジャムは同量〜1.5倍、オリゴ糖シロップは1.5〜2倍。どちらも甘みが弱めなので、味を見ながら足してください

料理での代用——照り焼き・煮物・ドレッシング

料理では、はちみつは「甘さ」よりも「とろみと照り」のために入っていることが多いんです。砂糖だけに替えると、たれがさらさらで具材にからまない、という残念な結果になります。

  • 照り焼き・肉のたれ:砂糖なら、しょうゆやみりんと合わせて少し煮詰めてとろみを出す。水あめがあれば同量でそのまま入れるのがいちばん近いです
  • 煮物:砂糖+水でほぼ問題なし。こくが欲しい日は黒糖に。仕上げのつやは、火を止める直前にみりんを回しかけて少し煮立たせます
  • ドレッシング:砂糖は冷たい液体に溶けにくいので、先に酢と混ぜて溶かしてから油を足します
  • 豚の角煮:肉をやわらかくする働きもあるので、砂糖+少量の酢か、玉ねぎのすりおろしを足します

ひとつ注意を。砂糖や水あめを煮詰めたものはとても高温になります。はねると熱いので、子どもがそばにいる時はコンロの前に立たせないでくださいね。

お菓子での代用——焼き色とふくらみが変わります

焼き菓子でのはちみつは、しっとりさせる役と焼き色をつける役を兼ねています。砂糖に替えるとふくらみと焼き色と日持ちが同時に変わるので、少しだけコツが要ります。

  • 砂糖に替える時は、減った水分を足す。はちみつ大さじ1につき水小さじ1/2〜1。これをしないと焼き上がりがぼそぼそします
  • 焼き色は薄くなります。時間で判断せず、竹串を刺して中の生地がつかないかで見てください
  • 翌日のしっとり感は落ちます。粗熱が取れたらすぐ袋に入れて密閉を
  • メープルシロップなら、ほぼそのまま。パウンドケーキやマフィンでは差が分かりにくいくらいです
  • ふくらむお菓子(シフォンなど)は要注意。初めて作るレシピで代用を試すのは避けたほうが無難です

パンに塗る・ヨーグルトにかける——ここは素直に別のものを

そのまま味わう使い方は、代用というより「別のものを楽しむ」と考えたほうが気持ちが楽です。あの香りは置き換えられませんから。

  • トーストなら、メープルシロップ、ジャム、練乳、バターと砂糖を混ぜたもの。練乳がない時は練乳の代わりになるものは冷蔵庫にあるという話もどうぞ
  • ヨーグルトなら、ジャム、きび砂糖、すりおろしたりんご。紅茶やホットミルクなら、きび砂糖か黒糖で十分です
  • のどが痛い日に、と思っている方へ。痛みが何日も続く時は食べものに頼らず受診してくださいね

逆に「砂糖の代わりにはちみつ」を使う時の注意

今度は反対のパターン。はちみつはあるけれど砂糖がない、という場合です。こちらにもコツがあります。

  • 量は砂糖の8割から。甘みが強いので、同じ量だと甘くなりすぎます
  • 水分が増えるぶん、粉を足すか液体を減らす。はちみつ大さじ1につき小麦粉を小さじ1足すか、牛乳を小さじ1減らします
  • 焦げやすいので、焼き温度を10度ほど下げるか、途中でアルミ箔をかぶせる。表面だけ黒くて中が生焼け、が起きやすいんです
  • 白く仕上げたいお菓子には向きません。メレンゲやアイシングは砂糖のままで
  • そして繰り返しになりますが、1歳未満の子が食べるものには使わない。おやつを取り分ける家では、これがいちばん大事です

ゆきこ( ゚Д゚)『照り焼きの日にはちみつを切らして砂糖だけで作ったら、たれがしゃばしゃばで子どもに「これスープ?」と言われた、という話はよく聞きます。うちで備えるなら、水あめを1本常備しておくのがいちばん安上がりだと思います』

とはいえ、はちみつそのものを使いたい場面はやっぱりあります。買い足すなら、原材料が「はちみつ」だけの純粋なものだと料理にもトーストにも使い回せます。口コミを読んでいても値段より「かたさ」で好みが分かれるようなので、私ならとろりと流れるタイプかを先に見ます。


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役割から逆算する考え方はみりんの代用は酒と砂糖でほぼ足りるという話でも同じです。甘みの置き換えなら練乳の代わりになるものは冷蔵庫にあるも便利ですよ。買ったはちみつが雑巾のようなにおいで食べられない、という方ははちみつが雑巾みたいに臭い時の見分け方をどうぞ。

まとめ:3つの役割のどれが欲しいかで、代用品は決まります

  1. 1歳未満の赤ちゃんにはちみつは与えない。加熱しても防げません
  2. はちみつの仕事は甘さ・とろみ・しっとりの3つ。欲しい役から選ぶ
  3. 基本は砂糖8+水2。大さじ1なら砂糖大さじ1と少しに水小さじ1
  4. メープルシロップは同量でそのまま。いちばん失敗が少ない万能選手
  5. 料理はとろみ重視で煮詰める、お菓子は水分と焼き色に気をつける

保存版:この記事の早見表

手順を1枚にまとめました。

はちみつの代用の早見表:はちみつの役割は甘さ・とろみと照り・しっとりさせる保水の3つで、欲しい役割から代用品を選ぶ。甘さなら砂糖に水を足す、黒糖やきび砂糖、ジャム。とろみと照りなら水あめ、みりんを煮詰める、砂糖と水を煮詰める。しっとりさせたいならメープルシロップ、水あめ、練乳、オリゴ糖シロップ。換算ははちみつ大さじ1が砂糖大さじ1と少しに水小さじ1、重さなら砂糖8対水2、メープルシロップは同量でそのまま、みりんは大さじ3で煮詰める。料理はとろみ重視、お菓子は水分を足して焼き色は竹串で確認。そして1歳未満の赤ちゃんにはちみつは与えない、加熱しても防げず少量でもだめ、はちみつ入りの加工品も同じ

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