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足を乗せた瞬間にすっと水が引く、あの気持ちよさで買った珪藻土バスマット。でも半年も経つと表面が黒っぽくなって、足あとの形に跡が残る。というか、そもそもこれどうやって洗うの?——布のマットみたいに洗濯機へ放り込むわけにもいかず、見て見ぬふりをしている方、多いと思います。その気持ち、正直よく分かります。
先に結論をひとつ。珪藻土マットは「洗う」道具ではなく、「乾かす」道具です。汚れが気になったら水でさっと流すことはできますが、洗剤で洗うのはむしろ逆効果。そして本当のお手入れは、水を吸わなくなった時に表面を薄く削ることなんです。順番に見ていきましょう。
まず知っておきたい仕組み——表面の小さな穴が働いています
珪藻土は、大昔の藻の殻が積もってできた土を焼き固めたものです。表面には目に見えないくらい小さな穴がびっしり空いていて、その穴が水を吸い込み、吸った水は空気中へ蒸発していきます。だから乾かす時間さえ確保できれば、ずっと使えるんですよね。
つまり、この穴がふさがると仕事をしなくなるということ。皮脂、石けんカス、髪の毛、ほこりが穴に詰まると、水を吸わなくなり、乾かなくなり、においや黒ずみが出てきます。
そう考えると、「洗剤で洗う」がなぜだめなのか見えてきますよね。洗剤そのものが穴に入って詰まるんです。汚れを落とすつもりが、いちばん詰まりやすいものを塗り込んでいることになる。ここが布のマットと決定的に違うところです。
水洗いしていい範囲——さっと流して、すぐ立てて乾かす
「絶対に濡らしてはいけない」というわけではありません。もともと水を吸う道具ですから、水そのものは平気です。ただし、やり方に条件があります。
- 髪の毛やほこりは、乾いたブラシか掃除機で先に取る。濡らしてからだと張りついて取りにくくなります
- ぬるま湯か水で、表面をさっと流す。シャワーで数十秒。ごしごしこすらず、流すだけです
- 乾いたタオルで表面の水気を押さえる。拭き取るというより、水たまりを吸わせるイメージで
- 風通しのいい場所に立てて、日陰でゆっくり乾かす。丸1日かかると思っておいてください
頻度は月1回くらいで十分です。ふだんのお手入れは「毎日立てて乾かす」だけで、水洗いはたまのリセットくらいの位置づけ。布のバスマットを何日おきに洗うかで悩んでいる方はバスマットを洗う頻度は素材と人数で決まるという話もどうぞ。
やってはいけない6つ——ここを守れば長持ちします
珪藻土マットの手入れは、するべきことより「しないこと」のほうが大事です。ひとつずつ理由もつけますね。
- 洗剤で洗わない。先ほど書いたとおり、洗剤の成分が穴に入って詰まります。中性洗剤も食器用も同じです
- 漂白剤を使わない。黒ずみを消したくて手が伸びがちですが、これも成分が残ります。しかも塩素系の漂白剤と、クエン酸や酸性のカビ取り剤などを一緒に使うと有害なガスが出て危険です。塩素系と酸性のものは、絶対に混ぜない・続けて使わない。珪藻土マットにはどちらも使わないのがいちばん安全です
- 洗濯機に入れない。硬い板なので、洗濯槽を傷つけますし、マット自体も割れます。これは想像がつくと思いますが、念のため
- 乾燥機・ドライヤー・ヒーターで急に乾かさない。内部と表面で乾き方に差が出て、ひびが入ります
- 真夏の直射日光に長時間当てない。陰干しが基本です。急激な温度差がひび割れの原因になります
- 重いものを乗せない・浴室に立てかけたまま忘れない。浴室の壁に立てかけっぱなしにすると、壁に触れている面が乾かず、そこからカビが出ます。脱衣所など風通しのいい所に立てるのが正解です
もうひとつ。珪藻土マットは落とすと割れます。立てる時は倒れてもいいように壁際の低い位置へ。割れた破片は角が鋭いので、片づける時は素手ではなく軍手で。
水を吸わなくなった時——紙やすりで表面を薄く削る
足を乗せても水が引かない、表面に水たまりが残る。こうなったら削りどきです。買い替えではなく、削れば戻ります。詰まった表面をほんの少し削り取って、下の新しい穴を出してあげるイメージですね。
ただし、ここは粉が出る作業です。安全のところだけ先に。
- 屋外かベランダでやってください。浴室や洗面所でやると、細かい粉が舞って残ります
- マスクをつけて、粉を吸わないように。細かい粉じんは、どんな素材のものでも吸い込んでいいものではありません
- 軍手をして、割れた破片で手を切らないように。縁は思ったより鋭いです
- 削る前に、その製品が回収対象でないか確認を。珪藻土マットは過去に一部の製品で基準を超えるアスベストの混入が見つかり、販売元による自主回収が行われたことがあります。買った時期が古いものや、販売元が分からないものは、削ったり割ったりする前に、裏面の型番と販売元の表示を見て、その会社の案内を確認してください。回収対象なら削らず割らず、案内どおりに返送するのが正しい扱いです。捨て方で迷った時は珪藻土バスマットの捨て方は自治体で違うという話にまとめています
確認が済んだら、削っていきましょう。
- 紙やすりを用意する。番手は400〜600番あたり。付属品があればそれを。粗い100〜200番は削れすぎるので、初めてなら細かいほうから
- マットが完全に乾いた状態で始める。湿っていると目詰まりして削れません
- 力を入れず、一方向に軽く5往復くらい。円を描くように削るとむらが出て表面が波打ちます。端から端まで同じ強さで
- 全体を均一に。足あとの部分だけ削ると、そこだけへこみます
- 削りかすは掃除機で吸うか、外ではたいて落とす。排水口に流すと詰まるので流さないでください
- 水を数滴たらして、すっと吸えば成功。まだ弾くようなら、もう少しだけ削ります
- 削ったあとは、丸1日しっかり乾かしてから使う。
削れる回数には限りがあります。厚みが半分近くまで減ったら、そろそろ寿命だと考えてください。
黒ずみ・カビ・ピンクのぬめりが出た時
汚れの種類によって、正体も手当ても違います。見分け方から。
- うっすら灰色・足あとの形の黒ずみ:皮脂と石けんカスです。表面にとどまっていることが多いので、紙やすりで削れば消えます
- ピンクのぬめり:浴室の隅にできるあれと同じで、水あかと菌が混ざったもの。乾かす時間が足りていないサインです。水で流してよく乾かし、それでも出るなら削る。そして毎日立てて乾かす習慣に戻してください
- 白い粉が浮く:水道水のミネラル分です。汚れではないので、乾いた布で払うか軽く削れば取れます
- 点々とした黒い斑点:カビが奥まで入っている可能性があります。削って消えれば大丈夫、削っても薄く残るなら内部まで到達しているので買い替えどきです
- においが出た:削っても戻らないにおいは、内部で菌が増えているサイン。珪藻土マットが臭い時に洗剤を使うと悪化するという話で、においだけを扱った記事も書いています
どれにも共通するのは、「洗剤や漂白剤で消そうとしないこと」。削って乾かす、この2つでだいたい片づきます。
毎日の使い方——立てて乾かすだけで、寿命がまったく違います
- 最後の人がお風呂から上がったら、マットを立てる。壁にぴったりつけず、少し斜めに立てて裏側にも空気を通す
- 置く場所は浴室の外。脱衣所の風通しのいい所へ。浴室内は湿気が抜けないので、どんなに立ててもカビが出ます
- 週に1回、乾いた状態で裏返して置いてみる。裏面も乾かせます
- 髪の毛やほこりは、乾いているうちにブラシか粘着ローラーで取る
- 続けて何人も入る家は1日で乾ききらないことがあります。2枚を交代で使うか、布のマットと併用するのが現実的です
寿命のサインと買い替えの目安
- 削っても水を吸わない。表面ではなく内部まで詰まっています
- 削っても黒ずみやにおいが戻らない
- ひびが入った・欠けた。割れると角で足を切る危険があります
- 厚みが目に見えて減った。削り代がもうありません
- 毎日立てて乾かして2〜3年が目安、と考えておくと計画が立てやすいと思います
ゆきこ( ゚Д゚)『3年目に紙やすりを買ってベランダで削ったら、粉が思った以上に舞って、洗濯物を先に取り込まなかったことを後悔した、という話はよく聞きます。それでも削ったあとの吸い方は新品同然で、あの「すっ」が戻ってくるのはちょっと感動するみたいですね。うちでやるなら、洗濯物を先に取り込んでから始めます』
買い替えるなら、私なら厚み・裏面の型番表示・紙やすりが付いているかの3点を先に見ます。厚いものは削れる回数が多く、紙やすりが付く製品は「削って使うもの」と割り切って作られているので案内も分かりやすいようです。
あわせて読みたい
においだけが気になる方は珪藻土マットが臭い時に洗剤を使うと悪化するという話へ。寿命がきたら珪藻土バスマットの捨て方は自治体で違うという話で、削らず割らずに確認する手順をまとめています。布のマットと併用する方はバスマットを洗う頻度は素材と人数で決まるもどうぞ。
まとめ:洗剤で洗わない、水で流して乾かす、吸わなくなったら削る
- 珪藻土マットは洗う道具ではなく乾かす道具。ふだんは立てるだけ
- 水洗いは月1回、さっと流して日陰で丸1日。ごしごしこすらない
- 洗剤・漂白剤・洗濯機・乾燥機・直射日光はどれもだめ
- 吸わなくなったら400〜600番の紙やすりで薄く削る。屋外でマスク
- 削る前に型番と販売元を確認。削っても戻らなければ買い替えどき
保存版:この記事の早見表
手順を1枚にまとめました。



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