飯盒の焦げ落とし——アルミには重曹を使わない理由、水を張って煮る・木べら・酢やクエン酸・クレンザーの順番、金たわしを使っていい線引き、外側のススの洗い方と保管、次から焦がさない水加減と火加減と蒸らし

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キャンプから帰って飯盒を開けたら、底に黒い焦げがべったり。ごはんは食べられたけれど、この焦げをどう落とせばいいのか。金たわしでごしごしやっていいのか、重曹で煮ればいいのか。検索すると答えがばらばらで、迷いますよね。

先に結論をひとつ。飯盒の焦げは「まず水を張って煮て、浮かせてから落とす」が基本で、素材がアルミなら重曹は使いません。アルミは重曹のようなアルカリに弱く、黒ずみや白い粉の原因になるからです。素材の見分け方、落とし方の順番、金たわしを使っていい線引き、外側のススの洗い方、次から焦がさないための水加減と火加減まで、順番に見ていきましょう。

あなたはどれ? 状況から自分の章へ底に黒い焦げがある水を張って煮て、木べらでこそげる→第2章金たわしでこすっていい?アルミはNG。素材で線引きがある→第3章黒くなった・白い粉が出たアルカリの反応。酢水で薄くする→第1章外側のススが落ちない中とは別に洗う。全部落とさない→第4章次から焦がしたくない水加減・火加減・蒸らしで決まる→第5章

ケース別に読む:素材と黒ずみが気になる人今ある焦げを落としたい人金たわしと重曹の線引きを知りたい人外側のススと保管に困っている人次から焦がしたくない人

素材で落とし方が変わる——アルミは重曹を使わない、ステンレスは使える

飯盒は、昔ながらの兵式も丸型も、多くがアルミ製です。軽くて熱の回りが早い反面、アルカリと強い酸に弱いという性質があります。ステンレス製もありますが、丈夫で薬剤に強い代わりに重いです。まず手元の飯盒がどちらか、刻印や説明書、重さで確かめてください。見分けがつかない時は、アルミだと思って扱う方が安全です。

素材 重曹・強アルカリ 酢・クエン酸 金たわし クレンザー
アルミ(無加工) 使わない。黒ずみ・腐食 薄めて短時間。すぐすすぐ 使わない。傷と黒ずみ 中性のクリーム状を布で軽く
アルミ(内側に色付きの皮膜加工) 使わない 薄めて短時間 使わない。皮膜がはがれる なるべく使わない
ステンレス 使える 使える 目立たない所で試す。傷は残る 使える

「重曹で煮たら真っ黒になった」「白い粉が浮いてきた」という声をよく見ますが、これがアルカリの反応です。黒ずみは重曹や食洗機用の洗剤、強アルカリの油汚れ用洗剤などで表面が変色した跡。白い粉はアルミの表面にできる酸化の皮膜で、体への害はないとされていますが、見た目は気になりますよね。薄めた酢やクエン酸の水を数分軽く煮てすぐすすぐと薄くなることがありますが、完全には戻らないことも多いです。酢も長く浸けるとアルミを傷めるので、短時間で。

落とし方の順番——水を張って煮る→木べら→酢やクエン酸→クレンザー

焦げを落とすコツは、こすることではなく「ふやかすこと」です。ふやければ、大半は木べらでこそげるだけで取れます。順番に見ていきましょう。

「煮る→木べら→酢かクレンザー」の順番1水を張って煮る焦げがかぶる量の水弱火で10分ほど空焚きしない→ 焦げがふやける2冷まして木べら熱いまま触らない角のない木や竹でこそげる。こすらない→ 大半はここで落ちる3残りは酢かクレンザー酢水を軽く煮てすすぐクリームクレンザーを布で重曹はアルミに使わない→ 少し残ってもよい
  1. 水を張って煮る。焦げがしっかりかぶる量の水を入れ、弱火で10分ほど。ぐつぐつ強く沸かす必要はありません。目を離して水がなくなると空焚きになり、アルミは変形したり穴があいたりするので、そばにいてください。焚き火から下ろした直後の飯盒は本体も取っ手も熱いので、冷めてから水を入れて火にかけ直す方が安全です
  2. 冷まして木べらでこそげる。火を止めて、触れる温度まで冷まします。熱いまま手を入れると湯気でやけどをします。角のない木べらや竹べらで、焦げの端から持ち上げるようにこそげると、ふやけた焦げがぺろっと剥がれます。力を入れてこするのではなく、浮かせて剥がすイメージです
  3. 残った薄い焦げは酢かクレンザーで。水で薄めた酢かクエン酸の水を張り、数分軽く煮てから、スポンジでなでてすすぎます。それでも残る所は、中性のクリームクレンザーを布に少し取って、円を描くように軽く。ここまでやって残る薄い跡は、無理に落とさなくても使えます

1回で落ちない厚い焦げは、1〜3を2回繰り返す方が、強くこするより飯盒を傷めませんし、結局早いんです。

金たわしと重曹の線引き——アルミには両方使わない

「金たわしでごしごし」「重曹で煮る」は、ステンレスの鍋では定番の方法です。だからこそ、飯盒でも同じようにやってしまう人が多いんですよね。ただ、アルミの飯盒には両方とも向きません。

飯盒の焦げ落としのOKとNGOK水を張って煮て浮かせる木べら・竹べらでこそげる酢・クエン酸は短時間クリームクレンザーを軽く薄い跡は残してもいいNGアルミに重曹を使う食洗機用など強アルカリ金たわしでごしごし熱いうちにこする空焚きで炭にする
  • 金たわし。アルミは柔らかい金属なので、金たわしで細かい傷がたくさん入ります。傷にごはんの粒が入り込んで、次はもっと焦げやすくなる。さらに、傷の部分は黒ずみやすくなります。ステンレスの飯盒なら、目立たない所で試して、傷が残ることを承知の上でなら使えます。ただし、それでも「煮て浮かせてから」が先です
  • 重曹。ステンレスには使えますが、アルミには黒ずみと腐食の原因です。同じ理由で、食洗機用の洗剤、強アルカリの油汚れ用洗剤、粉末の漂白剤なども避けてください
  • 空焚きで炭にする。「焦げを焼き切る」という方法を見かけますが、アルミは熱で変形し、最悪は穴があきます。飯盒を空のまま火にかけないでください

線引きを一言で言うと、「アルミなら、煮る・木べら・酢・クリームクレンザーの4つだけ」。ステンレスなら重曹と金たわしまで広がります。迷ったらアルミの扱いに寄せておけば、どちらの飯盒も傷めません。

洗い方と保管——外側のススは別に洗う、乾かしてしまう、ススを吸わない

焚き火にかけた飯盒は、外側が真っ黒になります。この外側のススは、内側の焦げとは別物なので、洗い方も分けて考えましょう。

  • 外側のススは、濡らしてから洗う。乾いたススを払うと細かい粉が舞って、吸い込みやすくなります。先に水で濡らし、中性洗剤とスポンジ(内側用とは別の物)でなでるように洗います。屋外で洗う時は、風下に立たないようにしてください
  • 全部落とさなくていい。ススは繰り返し使うと定着して、簡単には落ちません。落ちなくても害はないので、「手に付かない程度」で十分です。気になる人は、次から外側に薄く食器用洗剤を塗ってから火にかけると、ススが落ちやすくなります
  • キャンプ場の炊事場では、焦げを流さない。こそげた焦げやごはんの粒は、袋に入れてゴミへ。排水を詰まらせます
  • 洗ったら、拭いて、風通しの良い所で乾かす。アルミは湿ったまましまうと、白い粉やにおいが出やすくなります。蓋と本体を分けて、完全に乾いてから重ねます
  • 保管は蓋をずらすか、間に紙を1枚。密閉すると湿気がこもります。新聞紙やキッチンペーパーを1枚挟んで、風通しの良い棚に

焚き火から下ろした直後の飯盒は、本体も取っ手も蓋も、見た目より長く熱いままです。厚手の手袋か、冷めてから触るようにしてください。子どもが飯盒に手を伸ばしやすいのも、この片づけの時間帯です。

次から焦がさない——水加減・火加減・蒸らし・置き方

焦げを落とすより、焦がさない方がずっと楽ですよね。飯盒の焦げは、ほとんどが「水が足りない」「火が強すぎる」「火から下ろすのが遅い」のどれかです。

場面 目安 焦げにつながる失敗
浸水 研いだ米を30分ほど水に浸ける 乾いた米に急に火を入れると、芯が残って底が焦げる
水加減 米の1.2倍前後。中蓋や内側の線を目安に 屋外は蒸発が早い。少なめは焦げ、多めはべちゃつく程度で済む
火加減 沸くまで中火、吹いたら弱火で10〜15分 強火のまま放置。炎が底の一点に当たる
下ろす合図 パチパチ音・湯気が減る・香ばしいにおい 「焦げ臭い」まで待つと遅い
蒸らし 火から下ろして10分。蓋を開けない 逆さにして底を叩くのは、へこみの元。叩かなくても蒸れます
置き方 五徳や吊るしで炎から距離を取る 炭に直置きすると底の一点だけ過熱する

水加減は、米の種類や外の気温、火の強さで変わるので、「1.2倍」はあくまで出発点です。1回目で少し焦げたなら、次は水を気持ち多めに、火を弱めに。水を多めに失敗した方が、後始末が楽ですよ。

飯盒と並んでよく使う道具の焦げや不具合は、それぞれ別の記事にまとめています。メスティンの蓋が開かなくなった時はメスティンが開かない時、家の鉄フライパンの焦げは鉄フライパンの焦げを復活させる方法へ。鉄は油をなじませる手順があるので、飯盒と混同しないでください。

ゆきこ( ゚Д゚)『正直、飯盒の焦げは「多少残ってもいい」くらいの気持ちが、いちばん傷めないと思います。ぴかぴかにしたくなるんですけどね』

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アルミにも使える中性のクリームクレンザーが1本あると、飯盒だけでなく家の鍋の焦げにも使い回せます。表示に「アルミ可」とあるかを見てから選んでください。


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まとめ:煮て浮かせて木べら。アルミに重曹と金たわしは使わない。焦げは水と火加減で防ぐ

  1. まず素材を確かめる。飯盒の多くはアルミ。迷ったらアルミとして扱う
  2. 落とす順番は、水を張って煮る→冷まして木べら→酢かクレンザー。空焚きしない
  3. アルミに重曹・強アルカリ・金たわしは使わない。黒ずみと傷で、次はもっと焦げる
  4. 外側のススは濡らして別に洗い、全部落とさなくていい。乾かしてからしまう
  5. 次からは浸水30分・水は1.2倍前後・吹いたら弱火・蒸らし10分。直後の飯盒は熱い

保存版:この記事の早見表

手順を1枚にまとめました。

飯盒の焦げ落としの早見表:まず素材を確かめ、飯盒の多くはアルミなので重曹・食洗機用洗剤などの強アルカリ・金たわしは使わない、ステンレスなら重曹と金たわしも目立たない所で試せる。落とす順番は、焦げがかぶる量の水を張って弱火で10分ほど煮る(空焚きしない・焚き火直後の熱い飯盒に触らない)、冷ましてから角のない木べらでこそげる、残りは薄めた酢かクエン酸の水で数分煮てすすぐか、中性のクリームクレンザーを布で軽く。厚い焦げは強くこすらず2回繰り返す、薄い跡は残してよい。黒ずみや白い粉はアルカリの反応で、酢水で薄くなることがあるが完全には戻らない。外側のススは濡らしてから別のスポンジで洗い、乾いたススを吸わない、全部落とさなくてよい、焦げは炊事場に流さない。洗ったら拭いて風通しの良い所で完全に乾かし、蓋をずらすか紙を挟んで保管。次から焦がさないには浸水30分、水は米の1.2倍前後、吹いたら弱火10〜15分、パチパチ音で下ろして10分蒸らす、炭に直置きせず五徳や吊るしで距離を取る

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