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寒くなってきたので押し入れからこたつを出して、スイッチを入れた。しばらくすると、なんとも言えない匂いが天板の下から立ちのぼってくる——毎年この季節に必ず出てくる悩みですよね。
こたつの臭いは、じつは4つの系統にきれいに分かれます。ヒーターにたまったホコリが焦げる匂い、新品の塗料や樹脂が熱であぶられる匂い、こたつ布団に残った湿気とカビの匂い、そして足元から上がってくる皮脂と汗の匂い。原因が違えば、当然やることも違います。
そしてもうひとつ大事なことがあります。この4つのうち1つは、放置してはいけない種類のものです。どれがそれなのかを最初にはっきりさせておきたいので、まず見分け方から始めます。
臭いの4系統を見分ける——嗅ぐ場所を変えるだけです
判別のコツは、ヒーターの匂いと布団の匂いを分けて確かめることです。天板の下に頭を入れると全部が混ざってしまうので、順番にいきます。
- 電源を入れる前に、こたつ布団だけを嗅ぐ。ここでカビ臭さや生乾きの匂いがすれば、系統3か4です。ヒーターは無関係なので、掃除しても変わりません
- 布団をどけて、天板だけの状態で電源を入れる。温まってから匂いが出るなら系統1か2。ここで初めてヒーター側の問題だと分かります
- その匂いが「焦げた紙のような匂い」なら系統1、「シンナーや新品家電のようなツンとした匂い」なら系統2です
この2ステップだけで、犯人はほぼ確定します。あとは系統ごとの手当てに進むだけです。
系統1:使い始めのホコリ焦げ臭——ここが最優先です
押し入れや納戸に半年しまっていたこたつのヒーターには、必ずホコリがたまっています。そこへ久しぶりに電気を通すと、ヒーターの熱でホコリがあぶられて、焦げた匂いを出します。シーズン最初の日にこたつが臭うのは、たいていこれです。
無印良品も、長期保管後のこたつの臭いについてヒーター周辺のホコリを挙げ、掃除機などで取り除くよう案内しています。つまり想定内の現象ではあるのですが、同時に注意も必要です。ホコリは燃える素材で、そこに熱源があるという状態そのものが、発火や故障のきっかけになり得るからです。だから、「臭いを消すため」というより「安全のため」に、シーズン最初に一度は掃除しておきたいところです。
掃除の手順
- 電源プラグをコンセントから抜く。スイッチを切っただけでは足りません
- ヒーターが完全に冷めるまで待つ。使った直後は高温です
- こたつをそっと横に倒すか、天板を外してヒーターが上を向くようにする
- 掃除機のブラシノズルで、ヒーターの吹き出し口と金網まわりのホコリを吸う。網を押し込まない程度の力で
- 細かいところは、柔らかい歯ブラシや使い捨ての化粧用ブラシでかき出してから吸う
- ファンの羽根が見えるタイプは、羽根に積もったホコリも払っておく
- 枠のまわりや配線の通り道も乾いた布で拭く
安全メモ:ヒーターユニットのネジを外して分解するのは、自己判断でやらないでください。電気ヒーターは配線と安全装置が組み込まれていて、組み直しを誤ると発熱や漏電につながります。掃除機とブラシで届く範囲だけにとどめて、それでも改善しない時はメーカーか購入店に相談するほうが確実です。また、掃除中に濡れた布で網の内側を拭いたり、水を吹きかけたりしないこと。
季節家電をしまう前と出す時に掃除する、という習慣そのものは扇風機とまったく同じです。分解の範囲や順番の考え方は扇風機の掃除としまい方の記事と共通するので、季節の変わり目にまとめて確認しておくと楽になります。
系統2:新品のプラスチック臭・塗料臭は「抜けるのを待つ」もの
買ったばかりのこたつからツンとした匂いがする場合、これは汚れではありません。天板や枠に使われている塗料・接着剤、ヒーター周辺の樹脂部品から、熱によって成分が揮発している状態です。無印良品も使い始めの臭いについて「塗料や接着剤のにおいがすることがありますが、使用するうちに、においは出なくなります」と説明しています。
ですから、対処は「消す」ではなく「抜く」方向になります。
- 最初の数日は、こまめに換気しながら使う。閉め切った部屋では匂いがこもります
- 布団をかけずに、弱めの設定で数時間つけておく——熱で揮発を進ませ、部屋の空気ごと入れ替えます
- 梱包材が残っていないか確認する。発泡スチロールの破片がヒーター周辺に張り付いたまま加熱されると、それ自体が匂いのもとになります。無印良品の案内でも、この点を確認して掃除機で取り除くよう書かれています
- こたつ布団も新品なら、先に外で干しておくと落ち着きます
目安として、数日から1週間ほどで気にならない程度まで薄れるのが一般的です。ただし、2週間経っても最初と変わらないほど強い、あるいは目や喉に刺激を感じるほどなら、それは通常の揮発とは別の話になるので、購入店に相談してください。
系統3:こたつ布団の湿気とカビの匂い
ヒーターは無臭なのに、布団をかけると匂う。この場合、原因は布団側です。前のシーズンの終わりに湿ったまましまったことが、ほぼすべての原因になります。
こたつ布団は、ひと冬のあいだ足元の汗と、飲みこぼしと、部屋の湿気を吸い続けています。それを圧縮袋や押し入れに詰めて半年——カビにとっては理想的な環境です。開けた瞬間の「押し入れの匂い」の正体は、たいていこれです。
まず干す、そのうえで洗う
- よく晴れた日に、2〜3時間ほど天日に干す。物干し竿を2本使い、布団をM字にかけると風が通って乾きが早くなります
- 取り込む前に軽くたたいて、表面のホコリを落とす(強くたたくと中綿が傷みます)
- 干しても匂いが残るなら、洗濯表示を確認する。洗濯機マークや手洗いマークがあれば家庭で洗えます。水洗い不可やドライのみの表示なら、クリーニング店へ
- 家庭で洗う場合は、縦に三つ折りにしてから丸めて洗濯ネットへ。水量が多くおだやかに洗えるコースを選びます
- 洗ったあとは、中まで完全に乾かすこと。生乾きは、洗う前より匂います
洗濯機に入りきらない大きさなら、コインランドリーの大型機か、浴槽での踏み洗いという手もあります。いずれにしても乾かすほうが本番で、厚手のこたつ布団は生地が乾いても中綿が湿っていることが珍しくありません。触って冷たく感じる場所があれば、まだ乾いていません。
ゆきこ( ゚Д゚)『押し入れの匂いって、押し入れのせいじゃなかったのね…』
この「しまう時の湿気が翌シーズンの匂いになる」という構図は、衣類でもまったく同じです。しまい方の考え方は衣替えをしないとどうなるかの記事で詳しく書いているので、押し入れごと見直したい時にどうぞ。
系統4:足元の皮脂と汗の匂い
シーズンが進んでから出てくるのがこれです。こたつの中は温度が高く、湿度もこもります。足の裏は汗をかきやすい場所で、そこに常在菌が働くと、あの酸っぱい匂いのもとができます。温められることで匂いが立ちのぼりやすくなるので、こたつは条件がそろってしまっているわけです。
対策は、布団本体より足が直接触れるものを回すほうが効率的です。
- 上掛けカバーをかける。洗える薄手のカバーを1枚かぶせておけば、洗うのはカバーだけで済みます
- 下に敷くラグやマットをこまめに洗う。実は足元の匂いの多くはここに蓄積しています
- こたつに入る前に、靴下を替える。地味ですが、いちばん効きます
- 使わない時間は布団をめくって、こもった空気を逃がす。朝出かける前にひと手間かけると、帰宅時の匂いが違います
- 気になる時は、布団を干す前に重曹を薄くふって30分ほど置き、掃除機で吸うという方法もあります。酸性の匂いに対して弱アルカリの重曹が働きます
焦げ臭さが続く時は、すぐに使用をやめてください
ここが、冒頭で「1つだけ放置してはいけない」と書いた項目です。
ホコリを掃除したあとも焦げ臭さが消えない、あるいは使っているうちに焦げ臭くなるという場合は、直ちに使用を中止して電源プラグを抜いてください。掃除で取り切れなかったホコリが内部で加熱され続けている可能性のほか、ヒーターや配線そのものの劣化が疑われます。こたつによる火災は毎年報告されており、初期のサインとして焦げ臭さが現れることがあります。
次のいずれかに当てはまるものは、使用をやめてメーカーまたは購入店に点検を依頼してください。
| サイン | 意味するところ | 対応 |
|---|---|---|
| 掃除後も焦げ臭さが続く | 内部での過熱・部品の劣化の疑い | 使用中止・プラグを抜く・点検 |
| 煙が出る・何かが溶けた匂い | 樹脂や被覆が熱で傷んでいる | 直ちに使用中止・点検 |
| コードが熱い・被覆にひび・芯が見える | 断線や短絡の危険 | 直ちに使用中止・修理か買い替え |
| プラグの根元がぐらつく・変色 | 接触不良による発熱 | 直ちに使用中止・点検 |
| ヒーター枠や網が焦げて変色 | すでに過熱が起きた痕跡 | 使用中止・点検 |
| 電源が勝手に切れる・つかない | 安全装置の作動または故障 | 使用中止・点検 |
加えて、日々の使い方でも守っておきたいことがあります。こたつ布団や座布団、洗濯物をヒーターに近づけないこと。ヒーターの真下や吹き出し口を、物でふさがないこと。布が触れた状態で加熱されると、そこが局所的に高温になります。こたつの中で寝てしまうのが心地よいのは分かるのですが、布団を巻き込んだまま長時間というのは避けたい使い方です。
しまい方で、来年の一日目が変わります
ここまでの4系統のうち、系統1(ホコリ)と系統3(布団の湿気)は、春のしまい方でほとんど防げます。せっかくなので、シーズン終わりの手順もまとめておきます。
- プラグを抜き、冷めてからヒーターのホコリを掃除機で吸う。出す時ではなく、しまう時にやっておくと来年が楽です
- こたつ布団は、よく晴れた日に干してから、または洗ってから完全に乾かす。ここを飛ばすと、来年カビ臭くなります
- 圧縮袋に入れるなら、乾ききってから。湿ったまま圧縮すると、半年間その湿気が閉じ込められます
- 天板や枠は乾いた布で拭き、飲みこぼしの跡を残さない。糖分は匂いとカビのもとです
- しまう場所は、床に直接置かず、風の通る高い位置へ。押し入れの下段は湿気がたまりやすい場所です
- コードは強く折り曲げず、ゆるく束ねる。折り目のついた場所は断線しやすくなります
まとめ:嗅ぐ場所を分ければ、原因はすぐ決まります
- 布団だけ/ヒーターだけ、と分けて嗅ぐと、4系統のどれかがすぐ分かる
- 焦げ臭はヒーターのホコリ。プラグを抜き、冷めてから掃除機とブラシで取り除く
- 新品のツンとした匂いは塗料や樹脂の揮発で、換気しながら使えば数日から1週間ほどで薄れる
- カビ臭・生乾き臭は布団側。まず干す、それでも残るなら洗濯表示を見て洗う
- 足元の匂いは、上掛けカバーと下のラグを回すほうが布団本体を洗うより早い
- 掃除しても焦げ臭さが続く、煙が出る、コードが熱い——この場合は直ちに使用を中止し、プラグを抜いて点検を依頼する
- しまう時にホコリを取り、乾かしてから収納する。それだけで来年の一日目が変わる
保存版:この記事の早見表
4系統の見分けと対処、そして使用をやめる判断の線を1枚の画像にまとめました。こたつを出す日にスマホで確認できるようにしておくと便利です。



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