蒸し器の代用はザルでできる——底上げのしかたと鍋の選び方、金属のザルだけを使う理由、フライパン・電子レンジ・炊飯器で代わりにする方法、蒸すものごとの向き不向き

キッチン

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冷凍の肉まんの袋を開けてから、「うちに蒸し器なかった」と気づく。あるいは、シュウマイを作ったのに蒸す道具がなくて、フライパンの前で固まる。専用の道具って、必要になった日に限って持っていないんですよね。

先に結論をひとつ。蒸し器は、家にある金属のザルと鍋で代用できます。ただし、置き方にひとつだけ守ってほしい条件があって、そこを外すと焦げたり、器が割れたりします。

逆に言えば、その条件さえ分かっていれば、ザルでもフライパンでも炊飯器でも代わりになります。まずは蒸すという調理から、順番に見ていきましょう。

この記事はザルを使う代用にしぼってまとめています。フライパンとアルミホイル玉で作る基本の形は蒸し器の代用はフライパンとアルミホイルで足りるのほうが詳しいので、道具の在庫に合わせて読み分けてみてください。

蒸し器の仕組み——「お湯に触れさせず、蒸気で加熱する」だけ

蒸し器がやっていることは、実はとても単純です。鍋の底でお湯を沸かし、立ち上る蒸気の中に食材を置いて、お湯には触れさせずに加熱する。これだけなんです。

つまり代用に必要なのは、次の3つだけということになります。

  • お湯を沸かせる鍋と、湯気を閉じ込めるふた
  • 食材をお湯の面より上に持ち上げる台(ここがザルの役目)
  • 湯気が食材のまわりを回れるすき間

この3つがそろっていれば、道具の名前は何でもいいんです。そう考えると、代用の選択肢が一気に増えますよ。

ザルで代用する手順——鍋底に触れさせないのが全部です

  1. 金属(ステンレスなど)のザルを用意します。取っ手も含めて金属のものを選んでください。ザルの直径が鍋の内径より少し小さく、ふちが鍋の口に引っかかる大きさだと、いちばん安定します
  2. 鍋に水を入れます。ザルの底が水に届かない高さまで。深さ2〜3cmが目安です。ザルを一度入れてみて、底が濡れないかを確かめてから食材を乗せると確実です
  3. ザルの底が鍋底に触れないようにします。ふちが鍋の口に引っかかるならそのままで大丈夫。落ちてしまう場合は、耐熱の小皿を伏せて置き、その上にザルを乗せるか、丸めたアルミホイルを3つ作って足にします
  4. ザルにクッキングシートかキャベツの葉を敷いて、食材を並べます。くっつき防止と、湯気の通り道の確保が目的なので、底面全部をふさがないよう、周りにすき間を残してください
  5. 先に水を沸騰させてから、ザルを入れてふたをします。冷たい状態から温めると、蒸し時間が読みにくくなります
  6. 火加減は中火から弱めの中火。ぐらぐら沸かし続ける必要はありません。湯気がしっかり上がっていれば十分です

プラスチックや樹脂のザルは絶対に使わないでください。蒸気の中は100度近くになりますし、鍋底に触れればもっと高くなります。溶けて食材に付く、変形して落ちる、においが移るなど、いいことが何ひとつありません。金属のザルでも、取っ手だけが樹脂やゴムのものは避けてください。取っ手が鍋のふちや火に近づいて溶けることがあります。木の落としぶたを台に使うのも、焦げるのでやめておきましょう。

湯に触れさせず、蒸気を回す。底上げできれば代用できるザルで代用する手順①金属のザルを選ぶ②水は深さ2〜3cm ザルの底に届かせない③ふちを鍋に引っかける or 小皿を伏せて底上げ④紙を敷きすき間を残す⑤沸騰させてから入れるザル以外の代用深めのフライパン +皿を伏せる電子レンジ+耐熱皿炊飯器の保温・炊飯厚手の鍋+紙を敷く茶碗蒸し・プリンは弱火でゆっくりやってはいけないプラスチックのザル樹脂やゴムの取っ手木の落としぶたを台に耐熱表示のない器空焚き(水切れ)減ったら熱い湯を足すふたに布巾を巻くと水滴が落ちない。皮がべちゃっとならない開ける時はふたの手前を上げ、蒸気を奥へ逃がしてから顔を近づける蒸気はお湯よりやけどしやすい。調理中は子どもを台所に近づけない

ザル以外の代用4つ——家にあるもので回せます

  • 深めのフライパン+耐熱の皿を伏せる。ザルがない時の定番です。フライパンに水を2cmほど入れ、耐熱の小皿を裏返して置き、その上に食材を乗せた皿を重ねます。ふたが必要なので、フライパン用のふたか、大きめの皿でふたをします。フライパンは口が広い分、湯気が均等に回りやすいのが利点です
  • 電子レンジ+耐熱皿とラップ。いちばん早いのはこれ。肉まんなら霧吹きで軽く水をかけ、ぬらしたキッチンペーパーで包んでラップをふんわりかけて温めます。加熱しすぎると固くなるので、短めに区切って様子を見るのがコツ。耐熱と書かれた器を使い、ラップは食材に密着させずふんわりと
  • 炊飯器。内釜に水を1cmほど入れ、耐熱の器や金属のザルで底上げして食材を置き、炊飯か保温で加熱します。ただし機種によってはこの使い方を想定していないので、取扱説明書を確認してから
  • 厚手の鍋+クッキングシート。ホーローや土鍋のような厚い鍋なら、底にクッキングシートを敷き、水を少しだけ入れて弱火にすると、蒸し焼きに近い状態になります。野菜やきのこはこれで十分おいしくなります。紙の耐熱の話はクッキングシートが焦げる時の話にまとめてあります

何を蒸すかで向き不向きがあります

蒸すもの 向いている代用 気をつけること
肉まん・あんまん ザル、フライパン、電子レンジ 紙を敷かないと皮が張り付いて破れます
シュウマイ・餃子 ザル、フライパン 間隔を空けて並べる。くっつくと皮が裂けます
野菜・きのこ・魚 ザル、厚手の鍋、電子レンジ 火が通りやすいので短めに。根菜は薄く切って
茶碗蒸し フライパン、厚手の鍋 弱火でゆっくり。強火だと穴だらけになります
プリン フライパン、厚手の鍋 器の耐熱表示を必ず確認。急な温度変化で割れます

茶碗蒸しとプリンだけは、ザルよりも「器ごと置ける平らな代用」のほうが向いています。ザルは網目なので器が傾きやすく、中身がこぼれやすいんです。器を直接置くなら、フライパンに小皿を伏せて台にするのがおすすめですよ。せいろを持っている人の受け台の作り方はせいろの受け台を代用する方法にまとめています。

水の量と時間の目安、ふたに布巾を巻く理由

  • 水の深さは2〜3cm。多すぎると沸騰した時に食材まで届き、少なすぎるとすぐ空になります
  • 時間の目安は、冷凍の肉まんで10〜15分、シュウマイで8〜10分、葉物野菜で3〜5分、根菜の薄切りで7〜10分ほど。器に入れた茶碗蒸しは弱火で12〜15分くらいから様子を見ます。竹串を刺して澄んだ汁が出れば火が通っています
  • 途中で水が減ったら、必ず足してください。足すのは熱いお湯です。冷たい水を足すと温度が下がって蒸し時間が伸びますし、熱い鍋に冷水をかけると傷みます
  • ふたに乾いた布巾を巻いておくと、ふたの裏についた水滴が食材に落ちません。肉まんの皮がべちゃっとなるのは、この水滴が原因です。布巾は必ずふたの上でしっかり結び、火に垂れないようにしてくださいね

ふたを開ける時は、手前をほんの少し上げて、蒸気を奥(自分と反対側)へ逃がしてから開けてください。蒸気は同じ温度のお湯よりやけどしやすいので、顔を近づけたまま一気に開けるのは危険です。調理中は子どもを台所に近づけないでください。のぞき込んだ拍子に顔に蒸気が当たると、あっという間に赤くなります。

やってはいけないこと

  • 空焚き。これがいちばん危ない失敗です。水がなくなると鍋底とザルが直接焼けて、変色や変形、鍋のコーティングの傷みにつながります。長めに蒸すものはタイマーをかけて途中で水を確認する習慣を。焦がしてしまった鍋の手当ては中華鍋の焦げ付きの手入れが参考になります
  • 耐熱表示のない器を入れる。ガラスや陶器は、急な温度差で割れます。冷蔵庫から出したての器をいきなり熱い蒸気に入れるのも避けてください
  • プラスチックのザル、樹脂の取っ手、木の落としぶた。溶ける、焦げる、においが移る。金属だけで組みましょう
  • ぎゅうぎゅうに詰める。湯気が回らない場所は生のまま残ります。1段に並べきれないなら2回に分けたほうが早いです
  • ザルを素手で取り出す。金属のザルは全体が熱くなっています。必ず鍋つかみかトングで

蒸したあとの片付けと、焦げ付いてしまった時

蒸し調理は油を使わないので、片付けはわりと簡単です。ただ、ザルの網目に食材のかすが残ると、においとぬめりのもとになります。熱いうちにお湯で流して、目に沿ってブラシをかけると落ちやすいですよ。

鍋の底に薄い茶色の膜ができていたら、それは水の中の成分が焼き付いたものです。金属たわしでこすらず、水を張って少し温めてからスポンジで。鍋の焦げは冷めてから、が基本になります。オーブンや魚焼きグリルの代わりの話はトースターで魚焼きグリルの代わりにする話にも書きました。

ゆきこ( ゚Д゚)『冷凍の肉まんを買った日に蒸し器がないと気づいて、ザルを鍋に落として底を焦がした、という失敗はよく聞きます。ふちが引っかかるサイズかどうか、買う前に鍋に当ててみるのがいちばん確実です。布巾を巻くと肉まんがべちゃっとしにくくなるのも、地味ですが効きますよ』

月に何度も蒸すなら、鍋としても使えるステンレスの蒸し器がひとつあると、底上げの工夫を毎回考えなくてよくなります。自分なら、手持ちの鍋のふたが合う直径か、目皿が外せて洗いやすいか、取っ手まで金属かの3つを見て選びます。口コミを読んでいて、サイズが手持ちの鍋と合わなかったという声がいちばん多い印象でした。


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台所の「道具がない」問題は、代用の考え方を知っておくとぐっと楽になります。せいろの受け台を代用する方法は、まさに底上げの話。焦がしてしまった鍋は中華鍋の焦げ付きの手入れへ。焼き物の代用はトースターで魚焼きグリルの代わりにする話、紙の耐熱が気になる時はクッキングシートが焦げる時の話もどうぞ。

まとめ:金属のザルで底上げして、湯に触れさせない

  1. 蒸すとは湯に触れさせず蒸気で加熱すること。底上げできれば代用できます
  2. ザルは金属のものだけ。プラスチックと樹脂の取っ手は使わないでください
  3. 水は深さ2〜3cm。減ったら熱い湯を足し、空焚きだけは避けましょう
  4. 茶碗蒸しとプリンはフライパンに小皿を伏せるほうが安定します
  5. ふたは布巾を巻き、開ける時は手前を上げて蒸気を奥へ。子どもは近づけない

保存版:この記事の早見表

手順を1枚にまとめました。

蒸し器の代用の早見表:蒸すとは湯に触れさせず蒸気で加熱すること。ザルで代用する手順は金属のザルを選び、水は深さ2から3cmでザルの底が届かない高さにし、ふちを鍋の口に引っかけるか耐熱の小皿を伏せて底上げし、クッキングシートを敷いてすき間を残し、沸騰させてから入れてふたをする。ザル以外の代用は深めのフライパンに皿を伏せる、電子レンジと耐熱皿、炊飯器、厚手の鍋にクッキングシート。肉まんとシュウマイはザルやフライパン、茶碗蒸しとプリンはフライパンに小皿を伏せて弱火で。やってはいけないのはプラスチックのザル、樹脂の取っ手、木の落としぶた、耐熱表示のない器、そして空焚き。水が減ったら熱い湯を足す。ふたに布巾を巻くと水滴が落ちない。開ける時は手前を上げて蒸気を奥へ逃がし、子どもを台所に近づけない

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