鍋の外側の焦げの落とし方——茶色い焦げは重曹の湿布で落ちる。素材別の可否(ステンレス・ホーロー・アルミ・フッ素)、内側の焦げ付き、クエン酸との使い分け、吹きこぼれで焦がさないコツ

キッチン

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鍋を洗い終えて、ふと裏返したら底のふちが茶色くカリカリ。スポンジでこすっても、台所用洗剤を足しても、指の爪で引っかいても、うんともすんとも言わない。うちのカレー鍋がまさにそれで、外側だけ年季の入った色になっていて、来客の前に慌てて隠したことがあります。

先に結論をひとつ。鍋の外側の茶色い焦げは、洗剤ではなく重曹の出番です。ただし「重曹をふりかけてこする」だけでは落ちにくくて、ちょっとしたコツと、鍋の素材による向き不向きがあるんです。外側の焦げの落とし方から、内側の焦げ付き、よく混同されるクエン酸との使い分け、そもそも焦がさないための吹きこぼれ対策まで、順番に見ていきましょう。

鍋の外側・底の茶色い焦げは何で落ちる?——正体は「油と煮汁の炭化」、担当は重曹

外側の焦げの正体は、調理中にはねた油や吹きこぼれた煮汁が、火であぶられて炭になったものです。油やタンパク質は酸性寄りの汚れなので、反対のアルカリ性である重曹がよく効きます。逆に、水道水のミネラルが固まった白い膜や水垢はアルカリ性の汚れで、こちらは酸のクエン酸の担当。ここを取り違えると「重曹を使ったのに落ちない」となりがちなので、茶色い焦げは重曹、白い膜はクエン酸、と覚えておくと迷いません。

  • 台所用洗剤で落ちないのは、洗剤が油を浮かせる道具であって、炭化した焦げを分解する力はないから
  • 重曹は弱いアルカリで、焦げの油分をゆるめつつ、細かい粒が研磨剤の役目もする
  • 重曹より強いセスキ炭酸ソーダや過炭酸ナトリウム(酸素系漂白剤)もアルカリなので、頑固な焦げには段階を上げる手もある

重曹ペーストの湿布のやり方——「乾かさない」のがいちばんのコツ

外側の焦げは内側と違って水に浸しておけないので、ペーストにして貼りつけ、ラップで乾かないようにしておくのがポイントです。

  1. 鍋を完全に冷ます。熱いうちに水をかけると、急な温度差で鍋がゆがんだり、ホーローのガラス質が割れたりすることがあります。使ったあとの鍋は、必ず冷めてから
  2. 重曹ペーストを作る。重曹3に対して水1くらい。ぽってりして、垂れないくらいの固さがちょうどいいです
  3. 焦げの上に厚めにのせる。スプーンの背で2〜3mmの厚みに。焦げのふちまでしっかり覆います
  4. ラップをぴったりかぶせて30分〜1時間。ラップがないとすぐ乾いて効かなくなるので、ここは省かないでくださいね。頑固な焦げなら一晩でも
  5. ゆるんだところをこする。まずはスポンジの硬い面で。落ちない部分は、アルミホイルを丸めたものメラミンスポンジで軽くこすると、炭がぽろぽろ取れていきます
  6. 水でよく流して、から拭き。重曹が残ると白く粉を吹くので、すすぎは念入りに

アルミホイルや金属たわしを使う時は、ゴム手袋をはめて。ホイルの切れ端や、鍋のふちで指を切りやすいんです。私も一度、夢中でこすっていて親指の腹をすっと切ったことがあって、それからは手袋が習慣になりました。

素材別の可否——ステンレス○・ホーロー△・アルミ×・フッ素×

ここがいちばん大事なところで、重曹がどの鍋にも使えるわけではありません。鍋の底や取扱説明書で素材を確かめてから始めてください。

  • ステンレス:○。重曹も、ホイルでのこすり洗いも大丈夫。もっとも気楽に落とせる素材です。磨いたあとは、ステンレス用クリーナーで仕上げるとくもりも消えます
  • ホーロー:△。重曹の湿布は大丈夫ですが、表面がガラス質なので金属たわしやホイルでこすると細かい傷が入り、そこにまた汚れが入り込みます。こするのはスポンジかメラミンまで。急な温度差にも弱いので、冷ましてから
  • アルミ:×アルミは重曹(アルカリ)に反応して黒ずみます。一度黒くなると元に戻すのが大変なので、アルミ鍋の外側の焦げは、クリームクレンザーでやさしく磨くか、酸素系ではなく中性のクレンザーで。雪平鍋や無水鍋の多くはアルミなので要注意です
  • フッ素(テフロン)加工:×。加工が外側にも施されているものは、研磨するとコーティングがはがれます。内側はもちろん、外側も柔らかいスポンジで重曹ペーストをなでる程度にとどめて、落ちなければ「そういうもの」と割り切るのが長持ちのコツ
  • 鉄:○。焦げは落ちますが、洗ったあと油を薄く塗っておかないとサビます
茶色い焦げは重曹の湿布・素材を確かめてから外側の焦げの落とし方①鍋を完全に冷ます②重曹3:水1のペースト③焦げに厚めにのせる④ラップで30分〜一晩⑤スポンジかホイルで こする→よく流す乾かさないのがコツ素材別の可否ステンレス○ ホイル可ホーロー△ スポンジまでアルミ× 重曹で黒ずむ →クレンザーでフッ素× 研磨しない内側の焦げ付きは重曹水を沸かして一晩使い分けと安全茶色い焦げ=重曹白い膜・水垢=クエン酸混ぜると中和して無駄熱い鍋に冷水をかけないホイル・たわしは手袋アルミに重曹は使わない吹きこぼれ防止:水は鍋の7分目まで/沸いたらすぐ弱火/木べらを鍋に渡すふたは少しずらす/麺やいも類は大きめの鍋で/油を1滴たらすと泡が立ちにくい焦げは「ついたその日に落とす」が最短。冷めたらすぐ、外側も一緒に洗う習慣を

内側の焦げ付きは「重曹水を沸かして一晩」——こすらずに浮かせる

煮物やカレーで鍋の内側が焦げ付いた時は、外側より簡単です。水に浸せるので、重曹を溶かした水を沸かして、そのまま放っておくだけ。

  1. 焦げがかぶるくらいの水を入れ、重曹を大さじ2ほど加える(水1リットルに大さじ1〜2が目安)
  2. 弱火で10分ほど沸かす。ぐらぐら煮立てなくて大丈夫。重曹は熱で炭酸ソーダに変わり、アルカリが強まって焦げをゆるめます
  3. 火を止めて、冷めるまでそのまま。できれば一晩
  4. 翌朝、木べらやスポンジでなでると、焦げがめくれるように取れる。残ったところだけ重曹ペーストで追い打ち

ここでもアルミ鍋は例外で、重曹水を沸かすと内側が黒ずみます。アルミの内側の焦げには、水に酢を少し入れて沸かすか、りんごの皮や玉ねぎの皮を一緒に煮る昔ながらの方法が向いています。フッ素加工の鍋は、重曹水を沸かすのは大丈夫ですが、こする時は必ず柔らかいスポンジで。フライパンの底の焦げについてはフライパンの底の焦げの落とし方で、ホットプレートはホットプレートの焦げの落とし方で別に書いています。

重曹とクエン酸の使い分け——焦げは重曹、水垢はクエン酸。混ぜても意味がない

「重曹とクエン酸を一緒に使うとシュワシュワ泡が出て落ちる」という話を聞いたことがあるかもしれません。あの泡は、アルカリと酸が中和して出る二酸化炭素で、汚れを落とす力はほとんど残っていないんです。せっかくの重曹もクエン酸も、互いに打ち消し合って水と塩に近いものになってしまう。なので、どちらか一方を、汚れに合わせて使うのが正解です。

  • 茶色・黒い焦げ、油のベタつき、煮汁の跡 → 重曹(アルカリ)
  • 白いうろこ状の膜、ポットの底の白い固まり、蛇口まわりの水垢 → クエン酸(酸)
  • 鍋の外側で「茶色い焦げの上に白い膜がのっている」時は、先にクエン酸で白い膜を取ってから、重曹で焦げの順。同時にはやらない
  • クエン酸は塩素系の漂白剤と絶対に混ぜない。有害なガスが出ます。同じ日に同じシンクで使う時も、間によく流す

吹きこぼれで焦げないコツ——外側の焦げは、ほとんどが吹きこぼれから

外側の焦げを落としたあとに気づくのが、「これ、吹きこぼれのあとだ」ということ。パスタをゆでる時、豆を煮る時、牛乳を温める時。あの泡が鍋の外に垂れて、火にあぶられて炭になります。吹きこぼれを減らすだけで、外側の焦げは目に見えて減るんですよね。

  • 水は鍋の7分目まで。泡が立つ料理ほど余裕を。麺やいも類、豆は、思っているより大きな鍋で
  • 沸いたらすぐ弱火。強火のままが吹きこぼれのいちばんの原因。ぐつぐつが一度おさまれば、弱火でもゆで上がりは変わりません
  • 木べらや菜箸を鍋の上に渡す。泡がへらに当たって割れるので、あふれにくくなる。昔ながらの知恵ですが、本当に効きます
  • ふたは少しずらす。ぴったり閉めると蒸気で泡が一気に持ち上がる
  • 油を1滴たらす。麺をゆでる時に少量の油を入れると、泡の膜が壊れやすくなって吹きこぼれにくい
  • 牛乳や豆乳は目を離さない。これは道具ではどうにもならないので、温めている間はそばに

それから、焦げはついたその日に落とすのが圧倒的に楽です。何度も加熱されるうちに炭が硬く厚くなって、湿布の時間がどんどん長くなります。鍋が冷めたら、内側と一緒に外側の底もさっとスポンジでなでる。この習慣だけで、あの茶色いふちとはほぼ縁が切れます。

ゆきこ( ゚Д゚)『わが家のカレー鍋は、底が茶色を通り越して黒かったんです。重曹ペーストにラップして一晩、翌朝ホイルで軽くこすったら、買った時の銀色が出てきて息子と一緒に「おおー」と声が出ました。落とせるって分かると、今度は焦がしたくなくなるから不思議ですよね』

重曹は焦げ落としのほかにも、排水口のぬめりや冷蔵庫の消臭、まな板の手入れにも使えるので、1kgくらいの大袋を台所に置いておくと、鍋を焦がした日にすぐ動けて気が楽です。食品用として売られているものなら、鍋に使ったあとの安心感も違います。


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鍋の困りごとは焦げだけではなくて、においも悩みの種ですよね。鍋に残ったカレーのにおいの取り方では、重曹とはまた別のアプローチを書いています。フライパンの底の焦げはフライパンの底の焦げの落とし方を。食器用洗剤を切らした日に鍋を洗いたい時は食器用洗剤の代用になるものも参考になると思います。

まとめ:焦げは重曹、水垢はクエン酸。素材を確かめて、冷ましてから

  1. 外側の茶色い焦げは重曹ペーストの湿布。ラップで乾かさず30分〜一晩
  2. ステンレス○・ホーロー△・アルミ×・フッ素×。アルミは黒ずむのでクレンザーで
  3. 内側の焦げ付きは重曹水を弱火10分、冷めるまで放置して翌朝なでる
  4. 焦げは重曹、白い水垢はクエン酸。混ぜると中和して効かない
  5. 熱い鍋に冷水をかけない・こする時は手袋。吹きこぼれを防げば焦げは減る

保存版:この記事の早見表

手順を1枚にまとめました。

鍋の外側の焦げの落とし方の早見表:外側の茶色い焦げは油と煮汁の炭化なので重曹の担当。鍋を完全に冷まし、重曹3に水1のペーストを焦げに厚めにのせ、ラップをかぶせて30分から一晩、ゆるんだところをスポンジやアルミホイルでこすってよく流す。素材別の可否はステンレス○でホイルも可、ホーロー△でこするのはスポンジまで、アルミ×で重曹は黒ずむのでクレンザー、フッ素×で研磨しない。内側の焦げ付きは水に重曹大さじ2を入れて弱火10分、冷めるまで放置して翌朝なでる。茶色い焦げは重曹、白い膜や水垢はクエン酸で、混ぜると中和して効かない。熱い鍋に冷水をかけない、ホイルやたわしを使う時は手袋。吹きこぼれ防止は水を7分目まで、沸いたら弱火、木べらを渡す、ふたを少しずらす、油を1滴

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