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七輪で秋刀魚や干物を焼いた後、片づけの段になって手が止まる。「これ、水で洗っていいの?」「灰はどこに捨てる?」「網の焦げは?」。七輪は手入れの説明が少ないことが多くて、バーベキューコンロと同じ感覚で丸洗いしてしまい、次のシーズンにボロボロになっていた、という話をよく見ます。
先に結論をひとつ。七輪の本体は水で洗わない。完全に冷めてから灰を出して、ブラシで払って、乾いた所にしまう。洗うのは網だけです。熱いうちに水をかける・本体ごと水に浸けるのは、割れと崩れの原因。そしてもうひとつ、手入れ以前の話として、七輪は屋外で使う道具。室内やテントの中で使うと一酸化炭素がたまります。水洗いがだめな理由、冷めてからの手順、網の焦げ、灰と炭の処理、保管、ひび割れの目安まで、順番に見ていきましょう。
ケース別に読む:水で洗っていいか知りたい人|使った後の手順を知りたい人|網の焦げを落としたい人|灰と炭の捨て方を知りたい人|保管場所を決めたい人|ひび割れが気になる人
七輪の本体は水で洗わない——珪藻土は水で崩れる、熱いうちの水は割れる
七輪の本体は、ほとんどが珪藻土(けいそうど)でできています。塊から削り出した「切り出し」も、粉を練って焼き固めた「練り物」も、材料は同じ。軽くて熱に強い代わりに、水を吸うと弱くなり、乾いても元の強さには戻りにくい性質があります。丸洗いした七輪が翌年ボロボロになるのは、これが理由です。
もうひとつ、もっと急ぎの話が「熱いうちの水」です。使い終わってすぐ、火を消すつもりで七輪に水をかけると、熱い珪藻土が急に冷えて縮み、ひびが入ったり割れたりします。そのうえ、一気に蒸気が上がって顔や手をやけどしやすい。七輪では「水で消す」は本体に対して禁じ手です。炭の消し方は第4章で、水を使わない方法をまとめます。
手入れの前提として、七輪は屋外で使う道具です。炭は燃えると一酸化炭素を出し、無色無臭なので気づかないうちにたまります。室内・テントの中・車内・閉め切ったガレージでは使わないでください。換気扇を回しても足りません。金属製の七輪は、その製品の表示に従ってください。
使った後の手順3コマ——完全に冷ます・灰を出す・払って乾かす
本体を洗わないなら、何をするのか。答えは「冷ます・出す・払う」の3つだけ。時間はかかりますが、手はかかりません。
- 完全に冷ます。残った炭は火消し壺に移し、本体はそのまま置いておきます。珪藻土は熱を長く持つので、見た目に火が消えていても中は熱いまま。数時間、できれば翌朝まで置いて、触って熱くないのを確かめてから次へ。子どもやペットが近づかない場所に置いてください
- 灰を出す。目皿(火皿)を外し、本体を逆さにして灰を落とします。受けるのは金属の缶やちりとり。灰は細かく舞うので、風下に人がいないか見て。目皿の下や空気口の灰も、ここで出すと次の火起こしが楽です
- 払って乾かす。内側は刷毛や乾いたブラシで灰を払い、外側は乾いた布で拭きます。脂が焼き付いた所は、ヘラや紙やすりで表面だけを軽く削るのは可。濡れた布巾は少量でも水が染みるので使いません。仕上げに日陰で風に当てて、湿気を抜いてからしまいます
「洗わないと衛生的に気になる」という声もよく見ますが、七輪の内側は毎回炭火で高温になる場所。脂や汁が落ちても、次に火を入れれば焼き切れます。気になるなら削って落とす、が珪藻土との付き合い方なんです。
網の洗い方——外して、温かいうちにこそげて、つけ置き
洗っていいのは網だけ。金属なので水も洗剤も使えます。焦げは冷めて固まると落ちにくいので、本体から外して、触れるくらいまで冷めた段階でこそげておくと後が楽です。落とし方を焦げの程度で表にしました。
| 焦げの程度 | 落とし方 | 気をつけること |
|---|---|---|
| 軽い焦げ・脂 | 温かいうちに金属ヘラや丸めたアルミホイルでこそげ、台所用洗剤とスポンジで洗う | 熱いうちは手袋でやけどを防ぐ |
| こびりついた焦げ | お湯に重曹を溶かして30分〜数時間つけ置き、ふやけた所を金たわしでこする | 容器は網が入る大きさに。ステンレス以外は長く浸けない |
| 黒くて厚い炭化した焦げ | 次に火を使う時に網を空焼きして、炭になった焦げをブラシで払う | 屋外で。目を離さない。落ちなければ買い替え |
| サビが出た | 金たわしで落とし、乾かして薄く油を塗る | サビが広い・網目がもろい網は買い替え |
洗った網は、しっかり乾かしてからしまうのが大事です。濡れたまま七輪に載せると、本体が湿気を吸い、網もサビます。落ちないサビやゆがみが出たら、網は消耗品と割り切って替えた方がいいですよ。
灰と炭の捨て方——火消し壺で消す・完全に冷めてから・自治体の表に従う
七輪の片づけでいちばん事故につながりやすいのが、ここです。灰は見た目に白くても、中に火種が残っていることがあります。
- 残った炭は火消し壺へ。金属製で蓋のできる火消し壺に炭を移して蓋をすると、酸素が絶たれて消えます。壺の外側は熱くなるので、燃えない地面の上に。消えた炭は次回また使えます。壺がない時は、金属のバケツに水を張り、炭を1つずつ入れて消します。本体に水をかけるのではなく、炭だけを水に入れる、という違いです
- 灰は完全に冷めてから金属の容器へ。ビニール袋に直接入れると、火種が残っていた時に袋が溶けて燃えます。蓋つきの金属缶で一晩置き、冷めているのを確かめてから袋に移します
- 何ゴミかは自治体の表で。灰の分別は地域で違い、可燃の所も、不燃や別扱いの所もあります。お住まいの自治体の分別表に従ってください。庭にまく人もいますが、量や土との相性があるので、この記事ではすすめません
火消し壺の使い方や炭の再利用はバーベキューの炭の処理方法に詳しくまとめています。火消し用の蓋がない人は、七輪の蓋の代用で、何で代わりにしていいか・いけないかを見ておいてください。樹脂や木の蓋は燃えます。
保管——湿気を避けて、新聞紙で包んで、屋内の乾いた所へ
珪藻土の敵は、使う時の水だけでなく、しまっている間の湿気です。屋外に置きっぱなし、物置の床に直置き、ベランダで雨ざらし。この3つが「なんだかもろくなった」を招きます。
- 完全に乾いてからしまう。使った当日ではなく、日陰で風に当てて翌日以降に
- 新聞紙で包む。湿気を吸ってくれて、灰がこぼれるのも防げます。段ボールに入れるなら底にも新聞紙を
- 屋内の乾いた所へ。玄関の棚、押し入れの上段など。床に直置きするなら、すのこや板を1枚かませて湿気を遮ります
- 網は別にする。洗って乾かした網は、七輪の中に入れず袋に入れて別に。本体を湿らせないためです
- 持ち運びはケースに。角型なら専用のケースや大きさの合う収納ボックスに入れると、ぶつけて欠けるのを防げます。落とすと割れる物です
長く使わない時も、季節の変わり目に一度出して風に当ててあげると調子が保てます。湿気だけ気を使う、そのくらいで十分です。
ひび割れた・崩れた時——使い続けていい? の目安
珪藻土の七輪は、使っているうちに細かいひびが入るのが普通です。髪の毛ほどのひびが数本なら使い続けている人が多いのですが、どこまで大丈夫かは製品と使い方で違うので、目安として表にしました。迷ったら製造元に問い合わせてください。
| 状態 | 使い続けられる? | 目安 |
|---|---|---|
| 表面に細いひびが数本 | 多くは可 | 火を入れて広がらなければ様子見。水をかけない・落とさない |
| ひびが貫通して光が漏れる | 慎重に | 金属枠が締まっていれば形は保つが、熱が外に逃げる。買い替えを考える時期 |
| 内側がボロボロ崩れる・欠けが大きい | すすめない | 水を吸った跡のことが多い。破片が食材に入り、底が抜ける心配も |
| 目皿(火皿)が割れた | 目皿だけ替える | 本体は無事なことが多い。同じ大きさを探す |
「ひびを接着剤で埋める」という話も見かけますが、炭火の温度で接着剤は持ちませんし、燃えて臭いが出るので、やらないでください。金属の枠が緩んでぐらつく時も、無理に締めずに買い替えを。寿命は使う頻度と保管で変わるので、何年とは言えません。
ゆきこ( ゚Д゚)『正直、七輪の手入れは「何もしない勇気」が9割だと思っています。洗いたくなる気持ちをこらえて、冷めるまで待つ。それだけで長持ちするなんて、道具の中では珍しいですよね』
💡 この困りごとへの提案
本体は長く使えても、網だけは焦げとサビで替え時が来ます。角型なら替えの網を1枚持っておくと、焼きたい日に「網がボロボロで使えない」がなくなります。大きさは七輪の内寸を測ってから選んでください。
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炭の消し方と再利用はバーベキューの炭の処理方法へ。火消し用の蓋や目皿が手元にない人は七輪の蓋の代用、火起こしで手こずる人はバーベキューの火起こしのコツ、金属の焚き火台や網のサビは焚き火台のサビにまとめています。七輪とコンロのどちらを持つか迷う人はバーベキューグリルで後悔した理由もどうぞ。
まとめ:本体は水で洗わない。冷めてから灰を出して払う。洗うのは網だけ。灰は火消し壺と金属缶で
- 七輪の本体は水で洗わない。珪藻土は水で崩れ、熱いうちの水は割れとやけどの元
- 完全に冷ます・灰を出す・ブラシで払って乾かす。翌朝まで置くのが確実
- 網だけ外して洗う。温かいうちにこそげ、重曹のつけ置き。乾かしてから別にしまう
- 炭は火消し壺、灰は冷めてから金属缶へ。分別は自治体の表。袋に直接入れない
- 屋外でだけ使う。室内・テント内は一酸化炭素。保管は湿気を避け、崩れたら替える
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手順を1枚にまとめました。



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