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キッチンマットが濡れている。足元がひんやりする。しゃがんで覗いたら、食洗機の下から水が広がっている——この瞬間、頭が真っ白になりますよね。何が起きているのか分からないまま、とりあえず雑巾を取りに走ってしまう方が多いです。
でも、いちばん先にやるのは拭くことではありません。水と電気が同じ場所にある状態を、先に断ち切ってください。順番を間違えると、床材の被害よりずっと大きいものを失いかねません。
今日は「まず止める」「どこから漏れているかを見る」「自分でやっていいことだけをやる」の順番でお話しします。この記事は、分解しての修理をおすすめする記事ではありません。むしろ、どこで手を止めるかを決めるための記事です。
いちばん最初に:止める順番は「運転→電源→給水→拭く」
床の水が目に入ると、つい先に拭きたくなります。けれど順番はこうです。
- 運転を止める。ボタンで止まらなければ、次に進んでください
- 電源プラグをコンセントから抜く。据置型(卓上型)はプラグを抜く。ビルトイン型はプラグが見えないので、分電盤でその回路のブレーカーを落とします
- 給水を止める。分岐水栓のコック、シンク下の止水栓、それでも分からなければ家全体の元栓です(回し方は後の章に書きます)
- そこで初めて、床の水を拭く
2番と3番を飛ばして拭きにかかるのが、いちばん危ない動きです。濡れた床に膝をついて、濡れた手でコンセントやプラグに触らないでください。食洗機のコンセントは床に近い低い位置にあることが多く、漏れた水がそこまで届いていることがあります。プラグに水がかかっている場合は、プラグには触らず、先にブレーカーを落としてください。
それから、ブレーカーや漏電遮断器が自分で落ちた場合は、入れ直さないでください。落ちたのは異常を検知したからです。入れ直して再び通電させるのは、いちばんやってはいけないことです。
先に線を引きます:分解しての修理は、しないでください
ここははっきり書きます。食洗機は水道と電気が一つの箱の中で隣り合っている家電です。だから、次のことは家庭ではやらないでください。
- 本体のカバーやパネルを外さない。中には水の通る部品と、電気の通る部品が並んで入っています
- 給水ホースの接続ナットを工具で締め直さない。締めれば止まりそうに見えますが、中のゴムを潰して悪化させることのほうが多く、水道の圧がかかったまま外れると被害が一気に広がります
- 部品を買って自分で交換しない。ゴムのパッキン一つでも、正しく座っていなければそこから漏れます
- ビルトイン型を、自分で引き出さない・外さない。給水・排水・電源が固定されており、動かすと必ずどこかに無理がかかります
- 分岐水栓や水道の配管に手を加えない。ここは水道の工事の領域です
「業者を呼ぶほどでもないかも」と思う気持ちは分かります。でも、失敗した時に返ってくるのが感電と、階下の天井まで巻き込む水の被害なので、割に合いません。自分でやっていいのは、電気にも水道の配管にも触らない範囲だけと決めてしまうのがいちばん安全です。
漏れている場所で、原因はほぼ分かれます
止めるところまで終わったら、どこから漏れているかを見てください。ここが分かると、自分で様子を見ていい話なのか、すぐ連絡する話なのかが決まります。
| 漏れている場所 | 考えられること | どうするか |
|---|---|---|
| ドアのすき間から | 洗剤の入れ間違い・入れすぎ/ドアのゴムの汚れ/食器の入れすぎ | 自分で確かめられます |
| 排水のあたり・シンク下 | ホースが抜けた、折れた、詰まって逆流している | 目で見る・差し込みを確かめるまで |
| 給水ホースの接続部 | ゆるみ、内部のゴムの傷み | 触らない。給水を止めて連絡 |
| 分岐水栓のまわり | 取り付けの不良、ゴムの傷み | 触らない。元栓を締めて水道業者へ |
| 本体の下から | 内部の部品や庫内の傷み | 触らない。使用をやめて連絡 |
| 壁ぎわ・シンク下の奥 | 食洗機ではなく配管側のことも | 触らない。水道業者か管理会社へ |
場所がどうしても分からない時は、床を完全に拭いてから、しばらく置いて最初の水滴がどこに現れるかを見ると分かります。ただし本体の下から漏れている疑いがある時、ブレーカーが落ちた時は、確かめるための試運転もしないでください。
いちばん多いのは、洗剤の入れ間違いです
ドアのすき間から漏れている時、真っ先に疑ってほしいのがこれです。そして、いちばん簡単に元に戻ります。
手洗い用の台所洗剤を食洗機に入れると、庫内が泡でいっぱいになります。食洗機は「泡が立たない専用の洗剤を使う」前提でつくられているので、泡には行き場がありません。あふれた泡が、ドアのすき間から水と一緒に押し出されてくる——これが「水漏れ」の正体だった、というのはとてもよくある話です。
心当たりがあるなら、こう戻します。
- 運転を止める
- 庫内の泡を、布やスポンジでできるだけ吸い取る。流そうとせず、吸って捨てるのがコツです
- 洗剤を入れずに、すすぎのコースを2〜3回運転する
- 泡が出なくなったことを確かめる
専用の洗剤でも、入れすぎれば同じことが起きます。とくに粉末は「これくらいかな」で多めになりがちです。計量スプーンで、決められた量を守ってください。
食器の入れ方と、ドアのゴムの汚れ
洗剤に心当たりがない時は、ドアまわりを見ます。ここは分解ではないので、自分で確かめて大丈夫なところです。
- 大皿やまな板がドアに当たっていないか。ゴムとドアの密着を、食器が邪魔していることがあります
- 回転する腕(ノズル)が回るか。ドアを閉める前に手でくるっと回して、どこにも当たらないか確かめてください。当たって止まっていると、水が思わぬ方向へ飛びます
- お椀やコップの底に、水がたまっていないか。伏せ方が甘いと水がたまり、ドアを開けた瞬間にこぼれます。これは故障ではありません
- ドアのゴムの溝に、食べかすや油が詰まっていないか。指でなぞると分かります
ゴムの掃除は、中性洗剤を含ませた布で拭き、溝は綿棒で。黒い点々が出ている時は、塩素系のものをキッチンペーパーに含ませて5〜10分だけ貼り、そのあと十分に水拭きします。こすらないでください。ゴムに傷が入ると、今度はそこから漏れます。塩素系と、クエン酸やお酢などの酸性のものを一緒に使わないでください。有毒なガスが出ます。
掃除しても漏れる、ゴムが硬くなっている、変形している、切れている——ここまで来たら部品の傷みです。自分で買って付け替えたくなりますが、ここから先はメーカーか販売店にお願いしてください。正しく座っていないゴムは、付いていないのと同じです。
排水がうまくいっていないサイン
意外と多いのが「詰まって逆流している」という形の漏れです。ホースそのものが破れているのではなく、水の行き場がなくなって、つなぎ目からあふれてきます。
目で見て確かめられるのは、ここまでです。
- 排水ホースが排水口から抜けていないか
- ホースが折れていないか、途中で持ち上がっていないか(水が流れる向きに下がっている必要があります)
- ホースの先が水に浸かっていないか
- ホースにひび割れや硬化がないか
- シンク下の排水のトラップが詰まっていないか
そして残菜フィルターと、その下を掃除してください。ここに油とカスが沈むと排水が滞り、庫内に水が残って漏れにつながります。「洗い終わっても庫内の底に水がはっきり残っている」なら、まずここです。掃除のやり方は食洗機の汚れの落とし方にまとめてあります。フィルターの下に少量の水が残るのは正常な機種もあるので、あわせて読んでみてください。
水の止め方が分からない時——止水栓のありか
「給水を止めてください」と言われても、どこを触ればいいのか分からない、という声はとても多いです。順番に見ていきましょう。
- 分岐水栓のコック。シンクの蛇口の根元から食洗機へホースが伸びていれば、そのつなぎ目に小さなレバーやつまみが付いています。ここを閉じるのがいちばん近道です
- シンク下の止水栓。扉を開けると、配管にマイナスのねじのような頭やハンドルが付いています。右(時計回り)に回すと閉まります
- 家全体の元栓。戸建てなら敷地の水道メーターの箱の中、集合住宅なら玄関横の扉の中にあることが多いです。ここも右に回すと閉まります
固くて回らない時は、力ずくで回さないでください。古い止水栓は無理に回すとそこから漏れ始めます。回らなければ、元栓のほうを閉めるか、管理会社や水道業者に連絡してください。日ごろから「うちの元栓はどこか」を家族で確かめておくと、いざという時に慌てずにすみます。
ゆきこ( ゚Д゚)『床を拭くより先にプラグ、って本当にしつこく言いたいです。濡れた床に膝をついてコンセントに手を伸ばしている図を想像すると、私は正直こわい。床は張り替えられますけど、体はそうはいきません』
すぐに連絡したほうがいい状態
次に当てはまるなら、自分でどうにかしようとしないでください。使用をやめて、連絡が先です。
- 本体の下から漏れている … 内部の話です。開けずに連絡してください
- ブレーカーや漏電遮断器が落ちた … 入れ直さないでください
- 焦げくさい、これまでしなかった音がする、煙が出た
- エラーの表示が出ている … 表示された記号を控えて、説明書の一覧と照らしてから連絡すると話が早いです
- 集合住宅で、階下へ落ちそうな量が出ている … これは急ぎます。メーカーだけでなく管理会社にも連絡してください
- ビルトイン型で、まわりの棚や床板が濡れている … 木の部分は濡れたままだと戻りません
- 分岐水栓の本体や、蛇口の根元から漏れている … 元栓を閉めて水道業者かメーカーへ
連絡する時に①型番 ②いつ買ったか ③どこから漏れているか ④エラーの表示 ⑤いつから起きているかを手元にそろえておくと、来てもらう回数が減ります。型番は本体の側面や扉の内側のシールに書いてあります。
様子を見る間は、床を守っておく
連絡してから来てもらうまで、数日空くこともあります。その間にじわじわ床が傷むのがいちばんもったいないので、食洗機の足元に吸水するものを敷いておくと安心です。台所は水はねの多い場所なので、修理が終わったあともそのまま使えます。
直すか、買い替えるか——金額の前に確かめること
いちばん気になるのは費用だと思います。ただ、金額は原因と機種と地域で大きく変わるので、ここで「いくらです」と書くことはできません。代わりに、見積もりを取る時に確かめてほしいことを並べます。
- 見に来るだけでいくらかかるか。出張費や診断料は、直らなくても発生することがあります。電話の段階で必ず聞いてください
- 部品が今も手に入るか。メーカーは補修用の部品を持っている期間を公表しています。それを過ぎていると、そもそも直せません。型番を伝えれば確認してもらえます
- 保証が残っていないか。メーカーの保証、販売店の延長保証、ビルトイン型なら住宅の設備としての保証。3つとも確かめる価値があります
- 同じ機種の今の値段はいくらか。修理の見積もりが本体価格の半分を超えるなら買い替えも考える、というのが一般的な目安として使われています
- 工事が要るかどうか。据置型は本体を入れ替えるだけですが、ビルトイン型は取り付けの工事が別にかかります。そのぶん、直して使い続ける価値も大きくなります
据置型で内部の部品を替える段階に入っているなら、買い替えのほうが結果的に安くつくこともあります。どちらが正しいということはなく、見積もりの数字と、あと何年使うつもりかで決める話です。
再発を防ぐ、毎日の一手
- 専用の洗剤を、決められた量で。これだけで多くが防げます
- 残菜フィルターのカス捨ては毎回、下まで含めた掃除は週に1回
- ドアのゴムを月に1回拭く。溝は綿棒で
- 詰め込みすぎない。閉める前に、回転する腕を手で回してみる
- 給水と排水のつなぎ目を、年に1回は目で見る。白い粉のような跡があれば、少しずつ漏れているサインです
- 長く使わない時期も、月に1回は空の運転を。ゴムの乾燥と、排水側の水切れを防げます
あわせて読みたい
庫内のにおいや黒い汚れが気になっている方は、食洗機の汚れの落とし方へ。残菜フィルターの下の掃除は、水漏れの予防としてもいちばん効く場所です。庫内に重曹を入れてはいけない理由も、そちらに書いています。
まとめ:止める順番と、手を止める場所
- 順番は運転を止める→電源を抜く→給水を止める→拭く。拭くのは最後
- 濡れた手と床でプラグに触らない。落ちたブレーカーは入れ直さない
- 分解しない・ナットを締めない・部品を替えない。ここが線引き
- ドアからの漏れは洗剤の入れ間違いと入れすぎがいちばん多い
- 本体の下から/焦げくさい/階下に届きそうなら、すぐ連絡する
保存版:この記事の早見表
いざという時に見返せるよう、手順を1枚にまとめました。

※機種によって構造もお手入れの方法も異なります。作業の前に必ず電源と給水を止め、お手持ちの機種の取扱説明書をご確認ください。分解を伴う作業、電気や水道の配管に関わる作業は、メーカーまたは有資格の業者にご依頼ください。


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