【図解】食洗機の汚れの落とし方|黒い汚れ・ピンク汚れ・残菜フィルターの下の掃除と重曹の限界

食洗機の汚れを色で見分ける(黒は塩素系・ピンクはこする・白はクエン酸) 家事

食器を洗う機械なのに、中がいちばん汚れている。食洗機の掃除で困る理由は、汚れの正体が分からないと落とし方が決まらないからです。

幸い、食洗機の庫内の汚れは色でほぼ判別できます。色ごとに原因も落とし方も違うので、まず自分の庫内がどれかを確かめてください。

色でわかる汚れの正体
▲ 塩素系とクエン酸は絶対に混ぜない。日を分ける

色でわかる、汚れの正体

正体 落とすもの
黒い 黒カビ、または排水部にたまった油とカスが変質したもの 塩素系漂白剤
ピンク・赤っぽい ロドトルラという酵母菌(カビの前段階) こすり洗い+塩素系
白い・ザラザラ 水道水の成分(カルシウム)と洗剤の残り クエン酸
茶色〜黄ばみ 油汚れの蓄積 庫内クリーナー、高温コース
ぬるぬる・ヘドロ状 食べかす+油+雑菌 物理的に取り除く

重要なのは、白い汚れと黒・ピンクの汚れは、逆の性質だということです。白い汚れは酸性のクエン酸で落ち、黒とピンクはアルカリ性の塩素系で落ちます。この2つを同時に使うと有毒なガスが発生します。絶対に混ぜないでください。日を分けて行ってください。

先に結論:食洗機に重曹を入れてはいけない

「食洗機の掃除に重曹」という情報をよく見ますが、多くのメーカーは重曹の使用を認めていません。理由は3つあります。

  • 溶け残る。重曹は水に溶けにくく、溶け残った粒がノズルの穴や排水経路に詰まります
  • 研磨剤として働く。粒子が庫内やパーツを削ることがあります
  • 泡立つ。食洗機は泡が立たない前提で設計されています。泡があふれると、水漏れや故障の原因になります

「食洗機の中に重曹を入れて運転する」は避けてください。取扱説明書に故障の原因として明記しているメーカーもあります。

ただし使っていい場面もあります。取り外したフィルターや部品を、シンクで別に洗うときには重曹は有効です。油汚れをゆるめる働きがあるからです。境目は「庫内に入れて運転するかどうか」だと覚えてください。

残菜フィルターの「下」の掃除
▲ いちばん効いて、いちばん見落とされる場所

残菜フィルターの「下」を掃除する

ここがいちばん効きます。そしていちばん見落とされています。

残菜フィルターを外して、目に見えるカスを捨てている人は多いのですが、フィルターの下(その奥の受け皿や、排水口へつながる部分)には、フィルターをすり抜けた細かいカスと油が沈んでいます。ここがにおいの発生源です。

手順

  1. 電源を切り、庫内が冷めてから始める
  2. 下段のカゴを外す
  3. 残菜フィルターを外す(多くは反時計回りに回すか、つまみを引き上げる方式)
  4. フィルターの下に残っている水を、スポンジや布で吸い取る
  5. 底に沈んだヘドロを、キッチンペーパーで拭き取ってから捨てる。流そうとしないでください。排水経路に送り込むだけです
  6. 細かい部分は綿棒か、柄の細いブラシで
  7. 外したフィルターはシンクで、中性洗剤か重曹で洗う。網目は歯ブラシで両面から
  8. 完全に元どおりに戻す。フィルターが正しくセットされていないと、カスが機械内部へ入ります

ビルトインタイプは、フィルターの下にさらに残菜受けや、外せるパーツがある機種があります。取扱説明書の「お手入れ」の分解図を一度見ておくと、外せる範囲が分かります。

フィルターの下に水がたまっているのは異常か

結論から言うと、多くの場合は正常です。ここで不安になって調べる人が多いのですが、排水経路の途中に水を残しておく構造の機種があります。ここが乾ききると、下水のにおいが庫内へ上がってくるためです(排水トラップと同じ考え方です)。

正常な水の見分け方は、透明で、においがなく、量が一定であること。

次の場合は異常を疑ってください。

  • にごっている、ぬめりがある、においがある … 排水がうまくいかず、残った水が腐っています。詰まりを疑ってください
  • 洗い終わったあと、庫内の底に水がはっきり残る … 排水不良です。フィルターの下と排水ホースを確認してください
  • だんだん量が増えている

「水がたまっていること自体」ではなく、「その水の状態」で判断してください。

頻度

メーカーの案内は「毎回」または「使用のたび」としているものが多くあります。現実的には、フィルターのカス捨ては毎回、下まで含めた掃除は週1回が続けやすいラインです。

黒い汚れを落とす

黒い汚れには2つのパターンがあります。

パターン1:ゴムパッキンやすき間の黒カビ

点々と黒い斑点が出ているならこれです。

  1. 塩素系のカビ取り剤(泡タイプ)を、キッチンペーパーに含ませてパッキンに貼り付ける
  2. 5〜10分置く(長時間の放置はゴムを傷めます)
  3. ペーパーを外し、十分に水拭きして塩素を残さない
  4. そのあと空運転(食器を入れずに運転)してすすぐ

こすらないでください。カビは奥に根を張るので、こすると表面だけ削れて、パッキンに傷が付き、次のカビが定着しやすくなります。

パターン2:庫内の底や排水口まわりの黒い堆積

これはカビではなく油とカスが酸化したもののことが多いです。前章の残菜フィルターの下の掃除で取り除きます。拭き取ってから、庫内クリーナーを使って高温コースで運転すると、残りが流れます。

それでも黒いものが出てくる場合

洗ったあとの食器に黒い粒が付く、という場合は、庫内の汚れではなく部品の摩耗の可能性があります。ゴム部品の劣化片や、内部の部品の削れかすです。この場合は掃除では解決しないので、メーカーの相談窓口に連絡してください。

ピンク汚れを落とす

ピンク色のぬめりの正体はロドトルラという酵母菌です。浴室でもよく見るもので、カビより早く発生し、落とすのは簡単です。

特徴は「湿気と、わずかな汚れがあれば増える」こと。ぬめりの段階では、こするだけで落ちます。スポンジと中性洗剤で十分です。

問題はそのあとで、こすっただけでは菌そのものは残っているので、数日で再発します。だから2段構えにします。

  1. まずこすって、ピンクの色を物理的に落とす
  2. そのあと塩素系の除菌をする(庫内クリーナー、または薄めた塩素系漂白剤を布に含ませて拭き、しっかりすすぐ)
  3. 乾かす … これが最も効きます

再発を止める鍵は乾燥です。ピンク汚れは湿気がある限り必ず戻ってきます。運転が終わったらドアを少し開けて庫内を乾かす習慣にすると、発生頻度が明らかに変わります。

白いザラつき(水垢)を落とす

庫内や食器が白くザラつくのは、水道水のカルシウムと洗剤成分です。カビではないので塩素系は効きません。クエン酸を使います。

  1. 庫内を空にする
  2. クエン酸を大さじ2〜3、洗剤の投入口か庫内の底に入れる
  3. いちばん高温のコースで運転
  4. 終わったらもう一度、何も入れずに運転してすすぐ

ただし、クエン酸の使用を認めていないメーカーもあります。金属部品を傷める可能性があるためです。取扱説明書を確認し、記載がなければ市販の「食洗機用庫内クリーナー」を使ってください。こちらはメーカーが想定している方法です。

塩素系を使った直後にクエン酸を使わないでください。間に空運転を1回はさむか、日を分けてください。

におい対策 ― 掃除より運用

掃除しても数日でにおいが戻る場合、原因は「使っていない時間」にあります。

  • 使い終わったらドアを少し開ける … いちばん効果があります
  • 汚れた食器を長時間ためない … 庫内を保管場所にすると、そこで腐敗が進みます
  • 油の多い食器は、さっと湯で流してから入れる … フィルターの下にたまる油が減ります
  • 週1回、食器を入れずに高温コースで空運転する
  • 長期間使わないときこそ、月1回は空運転 … 排水トラップの水が乾くと、下水のにおいが上がってきます

最後の項目は見落とされがちです。旅行から帰ってきたら急に臭う、という場合はこれです。

まとめ

  • 汚れは色で正体が分かる。黒=カビか油の堆積/ピンク=酵母菌/白=水垢
  • 塩素系とクエン酸は絶対に混ぜない。日を分ける
  • 食洗機の庫内に重曹を入れて運転しない。溶け残り・研磨・泡立ちで故障の原因。外した部品をシンクで洗うのはよい
  • いちばん効くのは残菜フィルターの「下」。沈んだヘドロは流さず、拭き取って捨てる
  • フィルターの下の水は、多くの場合は正常。にごり・ぬめり・においで判断する
  • 黒カビはこすらず、塩素系を貼り付けて5〜10分→水拭き→空運転
  • ピンク汚れはこすれば落ちる。ただし乾かさないと必ず再発する
  • 白いザラつきはクエン酸か庫内クリーナー。クエン酸不可の機種もあるので説明書を確認
  • においの本命は掃除ではなく「使い終わったらドアを開ける」

※使用できる洗浄剤・お手入れ方法は機種によって異なります。クエン酸・塩素系の使用可否を含め、必ずお手持ちの機種の取扱説明書をご確認ください。塩素系漂白剤と酸性のものを混ぜると有毒なガスが発生します。使用中は換気してください。

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