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突っ張り棒が落ちるたびに締め直すのは、正直しんどいです。100円で止まるなら止めたい。そう思って売り場に行くと、耐震ジェル、滑り止めシート、棚受け、滑り止めテープと似たようなものが並んでいて、結局どれを買えばいいのか分からないまま戻ってくる——あれ、私も何度もやりました。
じつは、この選び方には答えがあります。自分の突っ張り棒が「どんな落ち方」をしているかで、効くグッズがきれいに分かれるのです。ずるっと下がって落ちるのか、片側だけ外れるのか、重みで一気に落ちるのか。この3つで買うものが変わります。
理由だけ先に3行で言うと、突っ張り棒を支えているのは壁との摩擦で、そこに効く道具は「摩擦を増やすもの」「接地面を作り直すもの」「摩擦に頼らず下から受けるもの」の3方向しかありません。だから落ち方=どこが崩れているかが分かれば、道具も決まります。その仕組みそのものはそもそも突っ張り棒が落ちる理由と正しい取り付け方のほうで詳しく書いたので、原因から知りたい方はそちらへどうぞ。
この記事では、現物のほうに絞ります。なお100均の品ぞろえは店舗や時期によって取り扱いが違いますので、同じ名前の商品が置いていないことも普通にあります。似た役割のもので代えられるように、「何をする道具か」を軸にまとめました。
100均で手に入るのは、大きく4つの系統です
棚やフックのコーナー、地震対策のコーナー、DIYのコーナーに分かれて置かれているので見つけにくいのですが、役割で分けると4系統しかありません。
- ①耐震ジェル・滑り止めシート——壁と棒のあいだにはさんで、接地面の滑りにくさを上げるもの
- ②カラーボード・厚紙・木の板——当て板にして、でこぼこの壁に平らな面を作り直すもの
- ③棚受け・L字金具・落下防止ホルダー——棒を下から物理的に受け止めるもの
- ④滑り止めテープ・面ファスナー——横ずれや回転を押さえるもの
このうち①②④は摩擦の側を助ける道具、③だけが摩擦に頼らない道具です。ここが一番大きな分かれ目で、どうしても摩擦が足りない壁では③しか効きません。逆に、③をつけるためのネジ穴が開けられない賃貸では、①②④で粘ることになります。
ゆきこ( ゚Д゚)『売り場が3か所に分かれてたのか…』
買う前に、どんな落ち方をしているか思い出してください
売り場に立つ前に、ひとつだけ確かめておきたいことがあります。落ちる瞬間ではなく、落ちるまでの経過です。
数日かけてじりじり下がってくるなら、摩擦がわずかに足りていない状態。この場合は①の耐震ジェルや滑り止めシートで足りることが多いです。壁を拭いてから貼り直すだけで止まることもあります。
片側だけがぽろっと外れて、斜めにぶら下がるなら、その側の接地がうまくいっていません。壁紙の凹凸、柱の角、窓枠のふちに乗っているケースです。②の当て板の出番になります。
何かを乗せた瞬間、あるいは物を取ろうとした瞬間に一気に落ちるなら、そもそも荷重が摩擦の限界を超えています。①②を足しても、限界が少し先に伸びるだけで根本は変わりません。③で下から受けるか、棒そのものを見直すほうが確実です。
ここまで分かったら、あとは該当するものを買いに行くだけです。
①耐震ジェルと滑り止めシートが効く壁・効かない壁
いちばん手に取りやすいのがこれです。地震対策コーナーにある透明なジェル状のパッドと、キッチンや引き出し用の網目状の滑り止めシート。どちらも壁と棒のキャップのあいだにはさんで、滑りにくさを稼ぐ道具です。
効くのは、平らでツルツルした面です。化粧板、塗装した木の枠、なめらかなビニールクロス、金属面。こういう場所ではジェルがぴったり密着して、摩擦がはっきり上がります。
効きにくいのは、次のような壁です。
- 凹凸が深い壁紙——ジェルが凸の部分にしか触れず、接している面積が増えません。ここは②の当て板と組み合わせるほうが確実です
- ざらざらした砂壁・繊維壁・土壁——貼っても表面ごと剥がれてしまい、壁のほうを傷めます
- 浴室など水気のある場所——濡れると密着が落ちますし、ジェルの粘着が持ちません
- 直射日光が当たる窓辺——熱でジェルが柔らかくなり、少しずつずれることがあります
使い方のコツは2つ。キャップより少し大きめのサイズを使うことと、貼ってすぐに荷重をかけないことです。粘着が落ち着くまで、できれば半日は空けてから物をかけてください。
それから、耐震ジェルははがす時に壁紙を持っていくことがあります。賃貸で心配な場合は、ジェルを壁に直接貼らず、後述の当て板の側に貼るという逃げ方があります。板ごと外せるので、壁には何も残りません。
②当て板は自分で作れます——カラーボードの切り方
凹凸のある壁で落ちる場合、いちばん効くのがこれです。しかも100均の材料で作れます。
使えるのは、カラーボード(発泡スチロール系の板)、MDFなどの木の板、厚手のプラスチック板、まな板シートなど。条件は「押しても潰れない硬さがあること」と「切り出せること」です。柔らかいスポンジや薄い紙は、押されて縮んでしまうので向きません。
作り方はこんな流れになります。
- 棒のキャップの直径を測る——だいたいで大丈夫です
- キャップより一回り大きい正方形に切り出す——目安としてキャップの直径の1.5倍から2倍くらい。大きいほど力が分散します
- カッターで切る時は、定規を当てて何回かに分けて——一度で切ろうとすると刃が滑ります。手を切らないよう、刃の進む先に指を置かないでください
- 壁側になる面に滑り止めシートかジェルを貼る——ここで①と組み合わせます
- 棒と壁のあいだにはさんで、締め直す
カラーボードは軽くて切りやすい反面、押されると少しへこみます。棚として使うような荷重のかかる場所では、2枚重ねるか、木の板のほうを選んでください。逆にカーテン程度の軽い用途なら、1枚で十分です。
この当て板、じつは壁のへこみ跡を防ぐ効果もあります。石こうボードの壁に強く押し当てると丸い跡が残りますが、板をはさむと力が広い面に散るので目立ちにくくなります。退去時の心配が減るという意味でも、賃貸なら最初から入れておく価値があります。
③下から受ける棚受け・L字金具は、どこまで見込めるか
摩擦がどうしても足りない場所での切り札です。棒の下に金具を取り付けて、落ちてくる棒を物理的に受け止めるという考え方で、摩擦とはまったく別の原理で効きます。
100均で見つかるのは、この3つくらいです。
- 突っ張り棒用の落下防止ホルダー——棒の受け皿がついた専用パーツ。ネジや粘着で壁に留めます
- L字金具(隅金)——DIYコーナーにある小さな金具。棒の下に当てて使います
- 小型の棚受け——同じくDIYコーナー。板を渡す用途のものを転用します
ここでとても大事な注意があります。これらの金具の強さは、金具自体ではなく「壁への留め方」で決まります。付属の小さなネジを石こうボードに直接ねじ込んだだけでは、荷重がかかった時にネジごと抜けます。柱や下地板のある位置に留めるか、石こうボード用のアンカーを使ってください。壁を軽く叩いて、こもった音ではなく詰まった硬い音がする場所に下地が入っています。
粘着テープで留めるタイプもありますが、粘着は下向きの重さに対しては弱いという性質があります。粘着式のホルダーは「じわじわ下がるのを止める補助」と考えて、しっかり支えたい場所ではネジ留めのほうを選んでください。
そして、100均の金具に何キロまでという表示があっても、それはネジが正しく効いている前提の数字です。表示の数値をそのまま信じて重い物を乗せるのは避けてください。
④滑り止めテープと面ファスナーの使いどころ
この2つは主役ではありませんが、はまる場面があります。
滑り止めテープは、階段の縁などに貼るざらざらしたテープです。壁側ではなく棒のキャップのほうに巻くと、接地面がざらついて摩擦が上がります。ジェルより薄いので、隙間がぎりぎりの場所でも使えるのが利点です。
面ファスナーは、摩擦を増やす道具ではありません。効くのは棒が回ってしまう場合です。カーテンをかけていると、開け閉めのたびに棒が軸のまわりに回ろうとして、少しずつ緩んできます。棒と壁、あるいは棒と窓枠を面ファスナーで軽く留めておくと、この回転が止まります。
100均の小物で工夫する話としては、傘の修理を100均のパーツでする方法や、水筒の肩ひもカバーを作る話と考え方は同じで、「この素材は何をする素材か」で見ると代わりが見つけやすくなります。
貼る前の下地づくりで、効きがはっきり変わります
ここは地味なのですが、飛ばすと全部が台無しになります。壁のほこりと油分は、それ自体が滑る層になります。ジェルを貼っても、テープを巻いても、そのあいだに油の膜があれば意味がありません。
順番はこれだけです。
- 取り付ける位置を、固く絞った布で拭く——キッチンまわりなら、うすめた中性洗剤を含ませた布で油分を落とします
- 洗剤を使った場合は、水拭きして洗剤を残さない
- しっかり乾かす——湿ったまま貼ると粘着が効きません。急ぐ気持ちは分かるのですが、ここは待つところです
- 棒のキャップ側も拭く——見落としがちですが、こちらにもほこりが積もっています
アルコールで拭きたくなる場面もありますが、壁紙の種類によっては色が抜けたり傷んだりします。目立たないところで試してからにしてください。
100均では足りない場面は、正直にあります
ここは正直に書いておきます。次のような場合は、100円のグッズを足しても止まりません。
- バネ式の棒に棚板や収納ボックスを乗せている——バネ式はもともとカーテンのような軽い布のための道具です。ジャッキ式(ねじ式)に替えるほうが早く、結果的に安く済みます
- 2メートル近い長さに伸ばしている——棒がたわんでいるので、接地面をいくら改善しても限界があります
- 浴室で、しかも重い物をかけている——水気で摩擦が落ちるうえ、ジェルの粘着も持ちません
- 砂壁・繊維壁・土壁——壁の表面ごと崩れるため、そもそも押し当てる相手として向いていません
- 電子レンジやテレビなどの重量物を支えたい——用途として突っ張り棒の範囲外です
このあたりに当てはまる時は、道具を足す方向ではなく、棒の方式を替えるか、置き場所を変えるか、床置きのラックに切り替えるという判断のほうが確実です。どこを見て判断すればいいかは突っ張り棒が落ちない方法の記事に、壁の材質や適応幅の見方まで含めてまとめてあります。
安全のために、ここだけは守ってください
グッズで補強しても、突っ張り棒は落ちうる道具です。ここは固く言い切ります。
- 突っ張り棒にぶら下がらない。体重をかけない。落下時に打撲や切創のおそれがあります
- 人が通る場所の頭上、寝ている場所の真上には設置しない。玄関、廊下、ベッドや布団の上は避けてください
- 耐荷重の表示を超えて使わない。表示は「正しく取り付けた場合」の値です。補強グッズを足しても、その数値が上がるわけではありません
- 地震の時に避難経路をふさぐ位置には設置しない。
- 浴室では、水気で摩擦が落ちることを前提にする。
- 板を切る作業は、刃の進む先に手を置かない。カッターは何回かに分けて浅く引いてください
- 取り付けたら、必ず手で下向きに軽く引いて確かめる。少しでも動くなら、その位置では使わないでください
落ち方から買うものを引く早見表
売り場で迷った時のために、対応をまとめておきます。上から順に、費用が小さいものです。
| 今の落ち方 | 崩れているところ | 買うもの・やること |
|---|---|---|
| 数日かけてじりじり下がる | 接地面の滑りやすさ | 壁を拭いて乾かす。耐震ジェルか滑り止めシートをはさむ |
| ツルツルの面でだけ落ちる | 素材の摩擦不足 | 耐震ジェル(平らな面に密着するタイプ) |
| 凹凸の壁紙で落ちる | 接している面積が足りない | カラーボードや木の板で当て板を作り、壁側にジェルを貼る |
| 片側だけ外れて斜めになる | 接地位置が枠や角にかかっている | 当て板で面を作る。位置を平らな場所へ移す |
| カーテンの開け閉めで緩む | 棒が回転している | 面ファスナーで棒と枠を軽く留める |
| 隙間が狭くジェルが入らない | 接地面の摩擦不足 | 滑り止めテープをキャップに巻く |
| 物を乗せた瞬間に一気に落ちる | 荷重が摩擦の限界を超えている | 棚受けや落下防止ホルダーで下から受ける(下地かアンカーに留める) |
| バネ式に棚板を乗せている | 方式の選び違い | ジャッキ式に買い替える(100均のグッズでは止まりません) |
| 砂壁・繊維壁で落ちる | 壁の表面が崩れる | 設置場所を変える。床置きのラックに切り替える |
まとめ:どの落ち方かが決まれば、買うものも決まります
- 100均で買えるのは4系統。耐震ジェルと滑り止めシート、当て板の材料、棚受けやL字金具、滑り止めテープと面ファスナーです
- じりじり下がるなら①、片側が外れるなら②、一気に落ちるなら③。落ち方で選ぶものが変わります
- 耐震ジェルは平らでツルツルの面に強く、凹凸の壁紙と砂壁と水気には弱い。当て板と組み合わせると届く範囲が広がります
- 金具の強さは金具ではなく壁への留め方で決まります。下地かアンカーに留めてください
- 貼る前に壁とキャップを拭いて、乾かしてから。ここを飛ばすと全部の効きが落ちます
- バネ式に棚板、2メートル級の長さ、砂壁、浴室の重い物は100均では止まりません。方式や場所のほうを変えてください
- ぶら下がらない。頭上と寝ている場所の真上には設置しない。耐荷重表示を超えない。補強しても、この3つは変わりません
なお、ここで挙げた商品は店舗や時期によって取り扱いが違います。同じものが見つからない時は、「摩擦を増やす」「面を作る」「下から受ける」のどれをしたいのかで代わりを探すと、案外近いものが別のコーナーに見つかります。
保存版:この記事の早見表
落ち方と、それに効くグッズの対応を1枚の画像にまとめました。スマホに保存しておくと、100均の売り場でそのまま確かめられます。



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