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来客の直前、麦茶を注ごうとしたら氷が切れていた。製氷皿はひとつしかなくて、次の氷まで数時間——夏の台所あるあるです。引っ越し直後や、そもそも冷蔵庫に自動製氷がない家でも、「氷を作る型が足りない問題」は意外と起きます。
でも氷作りの条件を分解すると、「水が漏れない・凍ったら取り出せる・清潔」の3つだけ。この3つを満たす容器なら、製氷皿でなくても氷は作れます。この記事では家にあるものの使い分けを比較表で整理して、大きい氷を割って使う方式、そして検索でよく出てくる「卵パックで作れる?」に衛生面からはっきり答えます。
代用できるもの比較表——形と取り出しやすさで選ぶ
候補になるのは、どの家の台所にもだいたいあるこの顔ぶれです。氷の形・取り出しやすさ・向いている場面が少しずつ違うので、先に表で全体を見てしまいましょう。
| 代用品 | できる氷 | 取り出しやすさ | 向いている場面 |
|---|---|---|---|
| タッパー | 大きな板氷・ブロック氷 | △(割る手間あり) | かき氷・クーラーボックス・大量に欲しい時 |
| シリコンカップ(お弁当用) | カップ形の氷1個ずつ | ◎(ひねる・押し出す) | 飲み物用・離乳食の小分けと兼用 |
| ポリ袋(食品用) | 平らな板氷 | ○(袋ごと割る) | 急ぎで小さい氷が欲しい時 |
| アルミカップ・小さめの金属容器 | 小ぶりの氷 | ○(底を水で温める) | 早く凍らせたい時(金属は熱が伝わりやすい) |
| 製氷袋(100均) | 粒氷 | ◎ | 持っていれば最短の答え |
タッパーで棒状の氷が欲しい時は、水を張ったタッパーに割り箸を渡して仕切りにするという手もあります。完全な仕切りにはなりませんが、割る時のガイドラインになって、細長い氷が取りやすくなります。水筒の口に入る氷が欲しい時に便利です。
どの容器を使う場合も、食品用として売られているものを、洗って清潔な状態で使うこと。氷は加熱せずそのまま口に入るものなので、条件は食器と同じです。凍らせれば安心、とはならない理由は後半で説明します。
大きい氷をタッパーで作って割る——実は本命の方式
製氷皿の代用というと「小さい氷をどう作るか」を考えがちですが、大きく凍らせてから割る方式は、むしろ本命と呼びたい実力があります。氷は大きいほど、体積のわりに表面積が小さくなるので溶けにくい。かき氷器用やクーラーボックス用の氷は、この方式のほうがむしろ都合がいいくらいです。
手順はこうです。
- タッパーに水を張って凍らせる(深さ3〜4cmまでにすると割りやすい)
- 凍ったら底をぬるま湯にさっと当てて、板氷を取り出す
- 厚手のタオルか丈夫なポリ袋で包み、まな板の上でアイスピックやフォークの柄の先を当てて割る
割る時は必ず布や袋で包んでから。破片が飛ぶのを防ぎ、手も滑りにくくなります。アイスピックを使う時は、刃先の進む方向に手を置かないこと。マイナス20℃前後の冷凍庫から出した直後の氷は硬くて滑りやすいので、少し置いて表面がなじんでからのほうが割りやすくなります。
ゆきこ( ゚Д゚)『かき氷屋さんの氷が大きい塊なのは、溶けにくいからでもあったのか…』
卵パックは使っていい?——衛生上NG。理由はサルモネラ菌
「製氷皿 代用」で検索すると必ず出てくるのが卵パックです。たしかに形はくぼみが並んでいて製氷皿にそっくり。ですが、結論をはっきり書きます。卵パックで氷を作ってはいけません。
理由は卵の殻です。生卵の殻にはサルモネラ菌が付着していることがあり、パックの内側は輸送のあいだずっとその殻に触れています。サルモネラ菌は食中毒の原因菌で、氷は加熱せずそのまま口に入れる食品です。加熱工程で菌を殺すチャンスが一度もないまま、口に届いてしまいます。
「よく洗えばいいのでは?」と思いたくなりますが、卵パックの細かい凹凸とすき間は洗いきれません。素材も薄いプラスチックで耐熱温度が低く、熱湯消毒しようとすれば変形します。洗っても、熱湯をかけても、食品用の型にはなりません。さらに冷凍しても菌は死なず、増殖が止まるだけです。溶けかけの氷の表面は、菌にとってむしろ居心地のいい水分になります。
卵パックの再利用そのものがダメという話ではありません。小物の整理や園芸の種まきポットなど、口に入らない用途なら大丈夫です。線引きはひとつだけ——口に入るものの型には使わない。ここだけ守ってください。
離乳食の小分け冷凍と兼ねるなら、シリコンカップが優秀
お弁当用のシリコンカップは、氷用としても優秀ですが、実は離乳食の小分け冷凍と兼用できるのが隠れた強みです。だし・スープ・おかゆ・野菜のペーストをカップ1杯ずつ凍らせて、凍ったら保存袋にまとめる——氷を作るのとまったく同じ動きで、1食分ずつのストックができます。
兼用する時の約束ごとはこの3つです。
- 凍らせている間はラップか蓋で覆う。冷凍庫内の匂い移りとホコリを防ぐ
- 生の肉や魚と接触させない。トレイやバットに載せて、生鮮食品と棚を分ける
- 凍ったら保存袋に移して日付を書く。離乳食は1〜2週間を目安に使い切る(目安です。月齢や食材によって早めに)
ごはんの冷凍もこの「小分けして密閉」の考え方がそのまま使えます。詳しくはタッパーでごはんを冷凍する話にまとめてあります。
取り出しやすくするコツ——ぬるま湯とひねりの理屈
代用容器で氷を作ると、最後に待っているのが「取れない問題」です。氷が容器に張り付くのは、氷と容器の壁がぴったり密着しているから。ということは、壁との間にほんの少し水の膜を作ってやれば、するっと外れます。
- 硬いプラスチック容器:底をぬるま湯に3〜5秒当ててから、逆さにして軽くたたく。長く当てると氷まで溶けるので「さっと」が正解
- シリコンカップ:底から押し出すだけ。ひねれる形ならひねると一気に外れる
- ポリ袋:袋ごと軽くたたいて割れば、袋をむくように取り出せる
製氷皿と同じ「ひねり」がきかない分、代用容器では完全に凍りきる少し前に一度ゆすっておくと、後の張り付きがゆるくなります。タイミングが合えば、の小ワザですが覚えておいて損はありません。
なお、氷を素手で長くつかんでいると指が痛くなるほか、出したての氷が唇や指に張り付くことがあります。お子さんが手伝う時はトングかスプーンを使わせてください。
在庫メモ
代用でしのげるとわかった上で、氷をよく使う家なら蓋付きの製氷皿をひとつ足しておくと楽になります。蓋があると重ねられて、冷凍庫の匂い移りにも強くなります。
氷の匂いが気になっている場合は、容器を替える前に原因の切り分けを。製氷皿の氷が臭い原因と対処の記事で3つの原因に分けて整理しています。
まとめ:条件は「漏れない・取り出せる・清潔」の3つだけ
- 製氷皿の代用はタッパー・シリコンカップ・ポリ袋・アルミカップで十分。形と取り出しやすさで使い分ける
- 大きく凍らせて割る方式は本命級。大きい氷は溶けにくく、かき氷やクーラーボックスにはむしろ好都合。割る時は布で包んでから
- 卵パックは使わない。殻に付くサルモネラ菌の心配があり、洗っても凹凸は洗いきれず、冷凍しても菌は死なない
- 取り出しは「壁との間に水の膜」。ぬるま湯を底にさっと当てる、シリコンは押し出す、で解決する
保存版:この記事の早見表
代用品の使い分けと卵パックNGの理由を1枚の画像にまとめました。スマホに保存しておくと、氷が切れた日の台所でそのまま確認できます。



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