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コンバースのオールスターを調べ始めると、「日本製」「MADE IN JAPAN」「US ORIGINATOR」、さらには海外の「CT70」なんて名前まで次々に出てきて、同じ星のマークの靴のはずなのに種類が多すぎて迷子になりますよね。値段もラインによってけっこう違うので、「この差はいったい何のお金なんだろう」と気になるところです。
実はこのややこしさには、はっきりした種明かしがあります。日本と海外では、「コンバース」を展開している会社がそもそも別という事情です。ここが分かると、日本のラインナップが3層構造になっている理由も、海外で人気のCT70が日本のお店に並ばない理由も、一本の線でつながります。順番にほどいていきます。
先に前提の話:日本と海外の「コンバース」は別の会社です
いちばん最初に押さえたいのがここです。日本国内の「CONVERSE」の商標権は伊藤忠商事が保有していて、海外での権利はナイキ傘下のConverse社側にあります。両者のあいだに資本関係や提携関係はなく、それぞれが正式な権利者として、それぞれの地域で「コンバース」を展開しています。
もともとはアメリカのコンバース社ひとつのブランドでした。ところが1990年代の終わりから2000年代はじめにかけて本家の経営が大きく揺れた時期があり、その過程で日本国内の商標権を伊藤忠商事が取得。一方、アメリカの本体はのちにナイキの傘下に入りました。結果として、同じ星のマーク・同じルーツを持ちながら、日本と海外で別々の会社が別々にコンバースを作るという、世界的にも珍しい形になったんです。
ゆきこ( ゚Д゚)『同じ星のマークなのに、中の会社は別だったの…』
日本で売られているオールスターは、コンバースジャパンが企画・販売している製品です。どちらかが本物でどちらかが偽物、という話ではまったくなくて、どちらもそれぞれの地域での正規品。権利のしくみがそうなっている、というだけの話です。ちなみに「実は会社の関係が意外」つながりだと、オニツカタイガーとアシックスの関係も面白いですよ。あちらは逆に「同じ会社の中の別ブランド」です。
CT70が日本のお店に並ばないのは、商標のしくみのせい
スニーカー好きの間で人気の「CT70(Chuck 70)」は、海外のConverse社が展開している、昔のオールスターの雰囲気を再現した復刻シリーズです。SNSで見かけて「日本のお店で買いたい」と探した人も多いと思うのですが、正規のルートでは売られていません。
理由は先ほどの商標です。日本国内の商標権は伊藤忠商事側にあるため、海外コンバースの製品を事業として日本に輸入・販売すると、日本の商標権の侵害にあたるとされています。この点は実際に裁判でも争われて、海外コンバース製品の輸入販売を認めない判断が確定しています。個人が海外通販で買おうとした場合でも、税関で止められたケースが報告されているのが実情です。
ここで大事なのは、これを「意地悪」と読まないことかなと思います。権利を持っている会社が自分の商標を守るのは、商標制度のごく普通の使い方です。そして日本のコンバースも、後で紹介するとおり「昔の雰囲気を楽しみたい」という声にちゃんと応えるラインを用意しています。CT70そのものの位置づけや、チャックテイラーという名前の由来はチャックテイラーとオールスターの違いの記事で詳しくまとめています。
日本のコンバースは3層構造:定番・US ORIGINATOR・MADE IN JAPAN
前提が分かったところで、本題の日本のラインナップです。お店やネットで見かけるオールスターは、大きく3つの層に分かれています。
| ライン | 位置づけ(公式の説明に基づく) | 見た目の傾向 |
|---|---|---|
| 定番オールスター | いちばんベーシックな通常ライン | 白に近い明るいソール・軽やかな作り |
| US ORIGINATOR | アメリカンヴィンテージの趣を追求したシリーズ | 黄みがかったソール・コットンの靴ひも |
| MADE IN JAPAN(オールスターJ) | 日本国内で生産される上位ライン | シャープなシルエット・生成りのテープ |
ここで冒頭の図に戻ると、3層は「どれが上等か」の階段というより、性格の違う3きょうだいと捉えるほうが実態に合います。気軽さの定番、ヴィンテージの空気感のUS ORIGINATOR、日本のものづくりのMADE IN JAPAN。値段が上がるほど「良い靴」になるのではなく、こだわる方向が変わっていくイメージです。次の2つの章で、上の2層をもう少し覗いてみます。
US ORIGINATORとは:ヴィンテージの空気をまとった真ん中の層
「US ORIGINATOR(U.S.オリジネーター)」は、コンバース公式が展開するシリーズで、コンバースのルーツである古き良きアメリカンヴィンテージの趣を追求したという位置づけです。2013年に登場しました。名前の「ORIGINATOR」は「元祖・創始者」という意味で、「アメリカ生まれのブランドとしての原点」を意識したネーミングですね。
特徴としてよく挙がるのが、経年変化したような黄みがかった色味のラバーソールや、コットンシューレースといった、デッドストックの靴のような風合いを狙った仕様です。新品なのにどこか「昔からそこにあった」ような顔をしている、と言えば伝わるでしょうか。海外のCT70に惹かれた人が日本のラインナップの中で近い空気感を探すと、まずこの層にたどり着くことが多いようです。
ちなみに、さらに踏み込んで「昔のオールスターの再現」に寄せたモデルとして、日本のコンバースからは「オールスター レガシー(ALL STAR LGCY)」というモデルも登場しています。公式ニュースによると1970年代のオールスターに着想を得たモデルで、かかとのラベルなどの意匠もヴィンテージ調。かかとのデザインでの見分け方はかかとロゴの違いの記事が詳しいです。
MADE IN JAPAN(オールスターJ)は何が違う?
3層のいちばん上が、日本製の「MADE IN JAPAN」ライン。代表が「キャンバス オールスター J」で、モデル名の「J」はJAPANのJです。日本の工場で生産されるオールスターで、公式や取扱店では「1980年代に作られていたアメリカ製オールスターを、日本のものづくりで受け継ぐ」という趣旨で紹介されています。
見た目の分かりやすい特徴は、かかとのラベルに入る「MADE IN JAPAN」の表記。そのほか、生成り色のテープやコットンシューレース、すっきりとシャープに見えるシルエットなどが公式の商品説明に挙げられています。中敷きが白いキャンバスに赤いロゴで、日の丸を思わせるデザインになっているのも、日本製ラインらしい遊び心です。
お値段は3層の中でいちばん張ります。ただこれも「高いほう が正解」という話ではなくて、毎日ガシガシ履いてラフに買い替えたい人には定番が向いていますし、一足をじっくり育てたい人には日本製の作りのよさが響く、という向き不向きの世界です。最新のラインナップと価格は動くので、購入前に公式オンラインショップで確認するのが確実です。
結局どれを選ぶ?——迷ったときの考え方
ここまでの話を、選ぶときの目線でまとめ直してみます。
- 気軽に履きたい・初めての一足——定番オールスター。汚れを気にせず履けて、買い替えもしやすい層です
- 古着や自然な色味の服に合わせたい——US ORIGINATOR。黄みがかったソールが、こなれた雰囲気を出してくれます
- 長く付き合う一足がほしい・日本のものづくりが好き——MADE IN JAPAN。贈り物にも選ばれやすいラインです
- CT70の雰囲気が好き——US ORIGINATORやオールスター レガシーを店頭で見比べてみるのが、日本での現実的な近道です
日本製ラインは定番よりも取扱店が限られるので、近くのお店にないときは通販でサイズ展開を確認するのが早いです。(楽天市場で日本製コンバースを見る / Amazonで見る)
それから、街で見かける機会がいちばん多いのはABCマートですが、「ABCマートのコンバースって普通のと違うの?」という疑問には別の背景があります。こちらはABCマート限定モデルの正体の記事でまとめました。
まとめ:3層構造は「別会社」の事情から生まれた
- 日本と海外の「コンバース」は別の会社。日本の商標権は伊藤忠商事が保有し、海外はナイキ傘下のConverse社。どちらもそれぞれの地域の正規品
- 海外のCT70が日本のお店に並ばないのは商標のしくみ。事業としての輸入販売は商標権侵害にあたるとされ、裁判でも確定している
- 日本のラインは定番/US ORIGINATOR/MADE IN JAPANの3層構造。優劣の階段ではなく性格の違い
- ヴィンテージの空気ならUS ORIGINATORやレガシー、長く育てる一足ならMADE IN JAPAN、と「こだわる方向」で選ぶのが迷わないコツ
保存版:この記事の早見表
3層構造とCT70の位置づけを1枚の画像にまとめました。スマホに保存しておくと、お店で棚の前に立ったときにそのまま見比べられます。



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