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夕方、冷凍庫を開けて「解凍するの忘れてた」。あの瞬間の絶望感、共感しかありません。夕方まで仕事に出ていた日は、肉がカチカチのまま、という家は多いですよね。せっかく電気圧力鍋があるんだから、このまま放り込めたらいいのに、と思いますよね。
先に結論をひとつ。冷凍のまま入れられるかどうかは、肉の「厚み」で決まります。薄切りやひき肉のように熱が中心まで届きやすい形なら、そのまま入れて作れることが多いです。反対に、かたまりのまま凍った厚い肉は、中心まで火が通りきらないことがあって、そこがいちばん気をつけたいところ。焦げつきや予熱の話もあわせて、順番に見ていきましょう。
なお、機種によってできること・できないことがはっきり分かれる家電です。この記事の内容よりも、お手元の取扱説明書のほうが優先です。特に「入れてよい最大量」と「最少水量」は、必ず説明書の数字に合わせてください。
そのままで大丈夫な肉と、解凍したほうがいい肉
いちばん知りたいところから書きますね。目安はこうです。
- そのままで作りやすいもの:薄切り肉(バラ切り落としなど)、こま切れ、一口大に切ってから凍らせた鶏もも、小さめの角切り。買った日に平たく広げて凍らせておいたものは、いちばん扱いやすいです
- 解凍してからのほうが安心なもの:かたまり肉(豚バラのブロック、鶏むね1枚まるごと)、骨つき肉、厚みのあるステーキ用の肉、パックのまま四角く固まったひき肉
理由はシンプルで、厚みがあるほど、中心に熱が届くまでに時間がかかるからです。外側はほろほろになっているのに、中心だけ生っぽい、という状態が起こりうるんですよね。圧力鍋は短時間で仕上がるのが魅力ですが、その短さが「凍った中心」には不利に働きます。
それと、意外な落とし穴が四角いまま凍ったひき肉。ブロック状で入れると、加圧が終わっても中でくっついたまま塊で残ることがあります。ほぐれないと味も入らず、加熱のむらも出やすいです。ひき肉は買った日に袋の上から折り目をつけて薄く凍らせておくと、割って入れられるので断然ラクになります。
冷凍のまま向く料理・向かない料理
- 向くもの:カレー、シチュー、肉じゃが、豚汁、スープ、煮込み。水分が多くて、多少崩れても気にならない料理です。冷凍の肉から出る水分も、そのまま味になります
- 向かないもの:焼き色をつけてから煮る料理(先に焼けないので香ばしさが出ません)、肉の食感を楽しむ料理、ゆで卵や葉物と同時に入れる料理(火の通り方が違いすぎます)
- ちょっと注意:ごはんものや、とろみのある料理。理由は焦げつきの見出しでお話しします
「今日は煮込みにする」と決めているなら、冷凍のままでかなり戦えます。焼き色が欲しい日だけ、解凍を待つか別のメニューに切り替える。そう割り切ると、平日の夕方がだいぶ穏やかになります。
入れる時のコツ——広げる、水分、加圧時間、途中でほぐす
- 重ならないように広げて入れる。凍った肉どうしが重なると、そこだけ塊のまま残ります。内鍋の底に広げて、できるだけ平らに
- 水分は少し多めに。凍った食材は温度を上げるのに時間がかかるぶん、水分が減りやすいです。ただし説明書の最大量は絶対に超えないでください。増やすのは最少水量から少しだけ、が安全です
- 加圧時間を足す。同じ料理でも、冷凍から始めるぶん長めに見ます。目安として、いつもの加圧時間に数分足すところから試して、足りなければ次から増やす。いきなり倍にしないほうが、煮崩れずに済みます
- 途中でほぐせるなら、ほぐす。一度加圧を終えてふたを開け、塊が残っていたら木べらで割ってから、もう一度短く加圧する。二段構えにすると失敗がぐっと減ります
- とろみのある調味料は後から。カレーのルウ、みそ、しょうゆベースの甘いたれ、片栗粉。これらは加圧が終わってから入れて、混ぜて煮る。理由はこのあとすぐ
そして加圧中は、どんなに気になっても無理にふたを開けないでください。中に圧力が残っている状態で開けようとすると、熱い中身が噴き出す危険があります。圧力が抜けきるまで待つ、が唯一の正解です。ふたが開かない時の待ち方は圧力鍋のふたが開かない時の対処にまとめてあります。
いちばん大事な確認——中心まで火が通っているか
ここだけは、やわらかく書きません。冷凍から作った日は、食べる前に必ず、いちばん大きい肉を1つ取り出して切ってみてください。
- 中心が冷たい、または冷たく感じる → 火が通っていません。そのまま食べずに、水分を足してもう一度加熱を
- 切ったときに、中心だけ色が違う・赤みが残っている(鶏肉と豚肉は特に) → 追加で加熱してください
- 肉汁が透明ではなく、赤い汁が出る → まだです
- 迷ったら、鍋に戻して加圧をもう一度短くかけるか、フライパンや電子レンジで中心まで加熱してから食べる。「たぶん大丈夫」で食べないこと
子どもに出す日は特に慎重に。大きめの肉を1つ味見用に切って、断面を確かめてから食卓に出す、を習慣にしておくと安心です。ひと手間ですが、これをやっておくと安心して座っていられます。
焦げつく4つの原因——「焦げつき」の表示が出る時に見るところ
冷凍から作ると焦げやすい、という声をよく見かけます。実際に起きているのは、たいていこの4つのどれかです。
- 水分が足りない。いちばん多い原因。凍った食材は水分を吸うように見える瞬間があって、レシピどおりでも足りなくなることがあります。最少水量を下回っていないか確認を
- とろみのある調味料を先に入れた。カレーのルウ、みそ、砂糖やみりんの多いたれ、トマトの缶詰、乳製品。これらは底に沈んで、加熱の最初に焦げつきます。加圧のあとに入れて、混ぜながら仕上げるのが基本です
- 底に食材が張り付いた。凍った肉が底にぴったり貼りついたまま加熱が始まると、その部分だけ焦げます。先に水分を入れてから肉を置く、それだけで変わります
- 内鍋の傷やコーティングのはがれ。金属のおたまや金属たわしで傷んだ内鍋は、同じ作り方でも焦げつくようになります。ここまでくると内鍋の買い替えどきです
焦げてしまった時は、こすらずにぬるま湯を張って30分ほど置き、ふやかしてから、やわらかいスポンジで落とす。それでも取れない時は、湯をはって少し加熱してからもう一度。金属たわしやクレンザーは、コーティングを削ってさらに焦げつきやすくなるので使わないでくださいね。
ちなみに、パッキンのゴムが硬くなったりにおいが取れなくなったりすると、圧力がうまくかからず、加熱の失敗にもつながります。ここは消耗品なので、傷んだら交換の考え方でいいと思います。
予熱が長いと感じる理由
「加圧5分のレシピなのに、なんで30分もかかるの?」と最初に驚いた方は多いはずです。電気圧力鍋の表示している加圧時間は、圧力がかかってからの時間で、そこに至るまでの予熱と、終わったあとの圧力を抜く時間は含まれていません。
- 凍った食材を入れると予熱が長くなります。中身を氷点下から沸騰まで持ち上げるので当然なんですよね。ここは仕方のない時間です
- 中身の量が多い、水が冷たい、部屋が寒い時期も、予熱は長くなります
- 短くしたいなら、水の代わりにお湯を使うのがいちばん効きます。ただし説明書でお湯の使用が禁止されていないか確認してください
- 予熱の間はキッチンを離れられるので、実は「待ち時間」というより「手が空く時間」。洗い物や宿題の丸つけをこの時間に片づける、という使い方ができます
逆に、いつまでも予熱が終わらない、蒸気が横から漏れ続けるという時は、ふたの閉め方かパッキンを疑ってみてください。それでも直らないなら、分解して直そうとせず、メーカーか販売店へ。電気の部分に水をかけるのも厳禁です。
説明書のレシピから外れる時の考え方
付属のレシピどおりに作ればいちばん確実なのですが、毎日それでは続きませんよね。外れる時は、この順番で考えると失敗が減ります。
- 近いレシピを探して、そこを土台にする。作りたいものに材料と水分量が近いレシピを基準にして、そこから少しだけ変える
- 変える要素は一度に1つ。冷凍にするなら冷凍だけ、量を増やすなら量だけ。2つ同時に変えると、うまくいかなかった時に原因が分かりません
- 越えてはいけない線は守る。最大量、最少水量、入れてはいけない食材(ふくらむもの、とろみの強いもの)。ここは好みの問題ではなく、安全の線です
- 1回目はメモを残す。加圧何分、水はどのくらい、仕上がりはどうだったか。2回目からがぐっと楽になります
そして、この鍋そのものが自分の暮らしに合っているかどうかも、たまに立ち止まって考えていいところだと思います。使ってみて後悔した人の理由は電気圧力鍋で後悔した理由に、別の調理家電をやめた話は自動調理鍋を使わなくなった理由にまとめています。買う前の方にも、しまい込んでいる方にも読んでほしい内容です。
ゆきこ( ゚Д゚)『冷凍のこま切れ肉と玉ねぎだけ入れて、あとは加圧が終わってからルウを溶かす。この形にすると平日が本当に楽になった、という声はよく聞きます。先にルウを入れて盛大に焦がして、内鍋をこすりながら泣きそうになった、という失敗談も多いですよね。あれは水分不足とルウの二重奏です』
においが移ったり、ゴムが硬くなったりしたパッキンは、圧力がかからない原因にもなります。お使いの機種に合う型番のものを確かめたうえで、消耗品として持っておくと安心ですよ。
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買ってから「思っていたのと違った」となりやすい家電でもあります。電気圧力鍋で後悔した理由には、置き場所や洗い物の話も書きました。似た立ち位置の自動調理鍋を使わなくなった理由もあわせてどうぞ。ふたが開かなくて困った時は圧力鍋のふたが開かない時の対処へ。
まとめ:厚みで判断して、最後は必ず中心を確かめる
- そのままで作れるのは薄切り・こま切れ・一口大。かたまり肉は解凍を
- 入れる時は重ならないよう広げて、水分は少し多め。加圧時間も少し足す
- とろみのある調味料は加圧のあと。先に入れると底で焦げます
- 焦げつきの原因は水分不足・先入れ・張り付き・内鍋の傷の4つ
- 食べる前に大きい肉を切って中心を確認。加圧中は無理に開けない
保存版:この記事の早見表
手順を1枚にまとめました。



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