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夕飯の後片づけ。食器を並べて、洗剤の投入口を開けたところで「……空っぽだ」。買い置きしていたつもりだったのに、切らしていた。シンクには食器が山盛りで、明日も朝から弁当だし、今から買いに出るのもしんどい。台所の下には食器用の洗剤があるから、これでいいんじゃない?——ここで手が止まった方に、先に一番大事なことをお伝えします。
食器用の中性洗剤は、絶対に入れないでください。 泡があふれて食洗機の外に出てきて、床が水浸しになります。泡が機械の内部にまで回ると、故障につながることもあります。「少しだけなら」も、やめてください。少しでも起きます。
では何なら使えるのか。重曹は? クエン酸は? 結論から言うと「代用できます」と言い切れるものはありません。ただ、今日をしのぐ現実的な方法はいくつかあるので、そこを具体的にお話ししますね。
なぜ食器用洗剤を入れてはいけないのか
手洗い用の食器用洗剤と食洗機用の洗剤は、名前が似ているだけで、まったく別の設計になっています。いちばんの違いは泡です。
- 手洗い用は「泡立つ」ように作られています。スポンジで泡を立てて汚れを包むのが、手洗いのやり方だからです
- 食洗機用は「泡立たない」ように作られています。食洗機は高い勢いのお湯を吹きつけて汚れを飛ばす仕組みなので、泡が立つと水の勢いがクッションのように吸収されて、そもそも洗えません
- そこに手洗い用を入れると、内部で水がかき回されて泡がどんどん増えます。泡は行き場を失って、扉のすき間から外へ噴き出します。台所の床一面が泡だらけ、という話は珍しくありません
- 泡が排水の経路や機械の部分にまで回ると、センサーの誤作動や故障につながることがあります。修理を呼ぶことになったら、洗剤を買いに行くよりずっと高くつきます
- そして説明書にない物を入れて起きた不具合は、保証の対象から外れることがあります。これがいちばん痛いところです
「昔やってしまって、床の掃除で1時間つぶした」という声を口コミで読んだことがあります。想像するだけでつらいですよね。今日の手間を惜しんだ結果が、明日の1時間になるパターンです。
重曹はどうか——「入れていい機種と、いけない機種がある」
ここは、はっきり分けて書きます。重曹はどの食洗機でも使えるものではありません。 説明書に「重曹が使える」と書かれている機種もあれば、「使わないでください」と明記されている機種もあります。まず手元の説明書を見てください。ここを飛ばして判断できるものではないんです。
使えないとされている理由は、主にこのあたりです。
- 溶け残る。重曹は冷たい水に溶けにくく、粒のまま残ることがあります。残った粒がノズルの穴や排水のフィルターに詰まると、水の出が悪くなります
- アルミと相性がよくありません。アルミの鍋、弁当箱、金属の枠が付いた食器などが、黒ずんだり曇ったりすることがあります
- 洗浄力が食洗機用洗剤と同じではありません。重曹はゆるいアルカリ性で油汚れに向いてはいますが、食洗機用洗剤に入っている酵素や、たんぱく質の汚れを分解する成分の代わりにはなりません
- そして、これも大事なところ。説明書にない使い方で不具合が出たら、保証の対象外になることがあります
説明書で認められている機種なら、少なめの量から、油の少ない食器だけで試すのが現実的です。カレーの鍋や揚げ物の皿を重曹だけで回すのは、たぶんがっかりします。
クエン酸は「洗う」道具ではありません
クエン酸は酸性で、水垢や白い曇りを落とすためのものです。食器の油汚れや食べかすを落とす力は、ほとんどありません。ですから洗剤の代わりにはならないと覚えておいてください。庫内の白い汚れが気になる時に、庫内洗浄として使う場面のものです。
そしてクエン酸で必ず守ってほしいことがひとつ。塩素系のもの(漂白剤・カビ取り剤など)と混ぜないでください。酸性のものと塩素系が混ざると、体に害のあるガスが出ます。「昨日塩素系の洗浄剤を回したから、今日はクエン酸」という続け方も避けて、間に水だけの運転を入れるか、日を空けてください。庫内洗浄をする時は、換気も一緒に。
ちなみに、水切りかごの白い曇りに困っている方は水切りかごの水垢の落とし方のほうが実用的だと思います。同じ水垢の話です。
今日をしのぐ4つの逃げ道
「入れちゃだめなのは分かった。じゃあ、目の前のこの食器の山はどうすれば」。そこが本題ですよね。順に、現実的なところから。
- 今夜は手洗いする。いちばん確実です。全部やろうと思うとつらいので、明日の朝に使うものだけ洗って、残りは②へ回すと気持ちが楽になります。食器用洗剤を切らした時の代わりも切らしているなら、そちらもどうぞ
- 食器を並べて、洗剤なしで「すすぎ」だけ回す。これは洗えているわけではありませんが、食べかすを流して、汚れが乾いて固まるのを防げます。カレーやチーズ、卵は、乾くと本当に落ちなくなるので、これだけでも翌日がまるで違います。洗剤が手に入ってから、あらためて通常の運転を
- 粉末が少しでも残っていれば、それで回す。袋の底やスプーンに残っている分をかき集めて、いつもより少ない量で。汚れの少ない食器だけを入れて回せば、意外といけます。量が足りない時こそ入れる食器を減らすのがコツです
- 近くの店で小袋を買う。夜でも開いている薬局やスーパーには、小さめの袋やタブレット少量入りが置いてあることが多いです。切らしている状況をもう作らないためにも、これを機に少し多めに
どの道を選んでも、「泡が出るものを入れて回す」だけは選ばないでください。ここだけです。
粉末・ジェル・タブレット——切らさないための選び方
買い足す時に、どれを選ぶかで「切らしやすさ」まで変わります。それぞれの向き不向きを並べてみますね。
| 種類 | 向いているところ | 気をつけるところ |
|---|---|---|
| 粉末 | 量を自分で加減できる。まとめ買いで一番安く、汚れが少ない日は減らせる | 計量が面倒。湿気で固まるので保存に注意 |
| ジェル(液体) | 溶け残りが少なく、冷たい水でも溶けやすい。庫内に白い粉が残りにくい | 粉末より割高になりやすい。入れすぎに注意 |
| タブレット | 1回1個で計量いらず。忙しい日でも迷わない。家族の誰でも回せる | 少ない食器の日でも1個使う。溶け残ることもある |
切らしがちな人におすすめなのは、粉末の大きい袋を1つ常備しておいて、日常はタブレットを使うという組み合わせです。タブレットが切れても、粉末の袋がある。この二段構えにしてから、「空っぽだ」の瞬間がなくなった、という話をよく聞きます。
そして、切らさないためのいちばん簡単な仕組みは「残り3回分になったら買い足す」と決めてしまうこと。空になってから買うと、必ずどこかで今日のような夜が来ます。買い物の記録アプリに書いておくのでも、冷蔵庫に貼るメモでも、なんでも大丈夫です。
重曹をどこまで使っていいのか——「庫内に入れて運転する」のと「外したパーツをシンクで洗う」のでは話がまったく別です。その線引きは食洗機の汚れの落とし方の記事で詳しく書いています。
洗剤を替えても取れないにおいと汚れは、庫内側の話
洗剤を切らした話とは少しずれますが、代用を探している方の中には「そもそも最近、洗い上がりがよくない」という方もいると思います。その場合は洗剤の種類より、庫内側を見たほうが早いことが多いです。
- 残さいフィルター。底の受け皿にたまった食べかすを、こまめに捨てる。ここが詰まると、汚れた水を回すことになります
- ノズルの穴。回転する腕の細かい穴に食べかすが詰まると、水が届かない場所ができます。つまようじでそっと
- 扉のパッキンのすき間。ぬめりがたまりやすい場所。かたく絞った布で拭きます
- 並べ方。深い器を重ねたり、大きなまな板で水をさえぎったりすると、そこだけ洗えません。水の通り道を空けるつもりで並べます
ゆきこ( ゚Д゚)『男児2人の家だと、食器の量が毎日すごいことになります。だから「洗剤を切らした夜」の絶望が本当によく分かる。うちで決めるなら、洗剤は残り3回分で買う、それだけ。安い時にまとめ買いしておくと、こういう夜が来なくなります。ちなみに床を泡だらけにするのは、掃除より心が折れるそうです』
家電の洗剤や消耗品は、切らした夜がいちばん高くつきます。粉末の大きい袋を1つ台所の下に置いておくだけで、この記事を読むような夜が来なくなるので、次の買い物のついでにどうぞ。
あわせて読みたい
食器用洗剤のほうを切らしてしまった時は食器用洗剤を切らした時の代わりにまとめています。庫内の白い曇りが気になるなら水切りかごの水垢の落とし方が同じ考え方で使えます。それから、洗濯機や食洗機のような大きな家電は、買ってから「思っていたのと違った」となりがちです。縦型洗濯機を買って後悔した理由は、家電を選ぶ前にどこを見ておけばよかったかがまとまっているので、買い替えを考えている方に読んでほしい1本です。
まとめ:食器用洗剤は入れない、重曹は説明書しだい、今日は手洗いかすすぎだけ
- 食器用の中性洗剤は絶対に入れない。泡があふれて故障につながります
- 重曹は入れていい機種といけない機種がある。まず説明書を見る
- クエン酸は水垢用。洗浄力の代わりにはならず、塩素系と混ぜない
- 今夜は手洗いか、すすぎだけ回して汚れを固めないのが現実的です
- 次から切らさないコツは残り3回分で買い足す。粉末を1袋常備で安心
保存版:この記事の早見表
手順を1枚にまとめました。



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