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「紙のフィルターを買い足さなくていい」。この一行だけで、ペーパーレスのコーヒーメーカーってぐっと魅力的に見えますよね。ごみは減るし、朝に切らしてあわてることもない。紙を切らした朝に台所の紙で代用しようとして、盛大に失敗した、という話はよく聞きます。そのたびに「もう紙のいらないやつにしようかな」と思う気持ち、分かります。
先に結論をひとつ。ペーパーレスは「紙代がゼロになるかわりに、毎回の洗い物が1つ増える」仕組みです。そして味の出方も変わります。ここが自分の暮らしに合うかどうかで、満足度がまるっきり変わってしまうんですよね。
いいところも正直なところも両方並べますので、紙と金属のどちらが自分向きか決める材料にしてみてください。
ペーパーレスって、そもそもどういう仕組み?
ペーパーレスと呼ばれるコーヒーメーカーは、紙のフィルターの代わりに目の細かい金属の網や、細かい穴がびっしり開いた金属の筒を使っています。ステンレスのものが多く、機械に最初から付いている場合と、別売りのものを紙の代わりに入れて使う場合があります。
紙と金属のいちばん大きな違いは、紙は油と細かい粉を吸い止めるけれど、金属は通すという点です。この一点から、これから書くメリットもデメリットも、ほとんど全部が生まれています。仕組みを先に押さえておくと、あとの話がすっと入りますよ。
デメリットを正直に5つ
- 細かい粉がカップの底に残る。金属の網は紙より目が粗いので、豆を挽いたときに出る細かい粉が通り抜けます。飲み終わりの最後のひと口で、舌にざらっとしたものが残ることがある。粗めに挽くとかなり減りますが、ゼロにはなりません
- 豆の油分が通るので、後味が変わる。紙が吸い取っていた油がそのままカップに落ちるので、とろっとした口当たりになります。これを「こくがあっておいしい」と感じる人と、「重く感じる」という人に分かれるところ。好みの問題なので、どちらが上とは言えません
- 毎回すぐ洗わないと目詰まりする。ここがいちばん大きいと思います。網の目に粉と油が入り込んで、放っておくと固まります。そうなると湯が落ちるのが遅くなり、途中であふれることも。紙なら捨てるだけだった工程が、洗うという家事に変わるわけです
- 洗い方を間違えるとにおいが残る。油は水では落ちにくく、網に残った油が酸化すると酸っぱいようなにおいになります。そのにおいが翌朝の一杯にうつってしまう。においが出てからでは落とすのに手間がかかるので、出さないほうが早いんです
- 寿命があって、交換の時期が来る。金属だから一生ものかというとそうでもなくて、網がゆがんだり、目が詰まって戻らなくなったり、ふちの折り返しがゆるんだりします。紙代は消えても、数年に一度の交換費用は残る、と考えておくと計算が合います
こう並べると身構えてしまうかもしれませんが、③と④は使い終わりの1分でほぼ防げます。あとで洗い方のところで書きますね。
メリットも、ちゃんとあります
- 紙を買い足さなくていい。ストックを気にしなくてよくなるのは、地味ですが日々の負担が減ります。朝に「あ、ない」がなくなるだけでうれしい
- ごみが減る。毎日2杯なら、1年で数百枚ぶんの紙が出ません。粉は生ごみとしてまとめて捨てられます
- 豆の風味の出方が変わる。油分が残る分、香りや口当たりが強めに出ます。深いりの豆や、しっかりした味が好きな人には向いています
- 紙の香りが混じらない。紙のフィルターは湯通しをしないとわずかに紙のにおいが出ることがあります。金属にはそれがありません
紙が向く人/金属が向く人の分かれ目
| こんな人 | 向いているのは | 理由 |
|---|---|---|
| 朝がとにかく忙しい | 紙 | そのまま捨てられて洗い物が増えない |
| すっきりした味が好き | 紙 | 油と微粉を吸い止めてくれる |
| ごみを減らしたい | 金属 | 買い足しも廃棄も出ない |
| こくのある味が好き | 金属 | 油分が通って口当たりが変わる |
| 飲んだらすぐ洗う習慣がある | 金属 | 目詰まりもにおいも出にくい |
| 洗い物をためがち | 紙 | 放置が固まりに直結する |
ちなみに、ペーパーレスの機械でも紙のフィルターを重ねて使える機種があります。「今日は来客だからすっきりめに」と使い分けている人もいて、これはなかなか賢いなと思いました。買う前に取扱説明書で確認できると選択肢が増えますね。
金属フィルターの洗い方——使い終わりの1分でほぼ決まります
ここがいちばん大事なところです。飲み終わってすぐにやると1分で済み、翌朝まで置くと5分かかります。手順はこれだけ。
- 電源プラグを抜いて、本体が完全に冷めてから始めます。抽出直後の金属部分やサーバーは熱いので、あわてて外すとやけどをします。お子さんが台所に来る時間帯なら、先に「まだ熱いよ」と一声かけてくださいね
- 粉をまとめて捨てる。ぬれた粉を排水口に流すと詰まりの元なので、生ごみとして袋へ
- 裏側から湯を通す。網は上から水をかけても、目に詰まった粉が奥に押し込まれるだけなんです。ふだん湯が出ていく側から逆向きに流すと、詰まった粉が押し出されます。これを知っているかどうかで持ちがかなり違います
- 柔らかいブラシで、円を描かずまっすぐ。歯ブラシや食器用の柔らかいブラシで、網の目に沿ってやさしく。研磨剤入りの洗剤や金属たわしは使わないでください。網に傷がつくと目が広がって、細かい粉がもっと落ちるようになります
- 洗剤は最小限、すすぎはしっかり。油が気になる日だけ中性洗剤を少し。洗剤が残ると翌朝の味に出ます
- 立てて完全に乾かす。ぬれたまま本体に戻すと、においとぬめりの元になります。ふきんの上に立てておくだけでいいので、これは習慣にしてしまいましょう
月に一度くらい、クエン酸を溶かした湯にしばらくつけてから、裏から流すとすっきりします。ここでひとつだけ約束を。クエン酸と塩素系のものは絶対に一緒に使わないでください。有害なガスが出ます。においが取れないときの詳しい手順はコーヒーメーカーの臭いの取り方にまとめてあるので、そちらもどうぞ。
買う前に見ておくと後悔しにくい3つ
- フィルターが手で外せるか、口が広いか。洗いやすさはここでほぼ決まります。売り場で実物を触れるなら、指が入るかを見てみてください
- 交換部品が手に入るか。網は消耗品です。数年後に部品が買えるかどうかは、その機種を長く使えるかどうかとほぼ同じ意味になります
- 紙のフィルターも使えるか。切り替えられると、味の好みが変わったときや来客のときに融通がききます
私は実際にすべての機種を使ったわけではないので、「この機種の味がいい」とは書けません。ただ口コミを読んでいて思うのは、不満の大半が味ではなく手入れの話だということ。買う前に見るのは、味の評判より洗いやすさかもしれませんね。手入れの負担を比べたい方はコーヒーメーカーは手入れが楽なのを選ぶもあわせて読んでみてください。
ゆきこ( ゚Д゚)『朝は子どもを起こして、水筒を洗いながらコーヒーを入れる、という家が多いですよね。この流れの中に「網を洗って立てて乾かす」が入るかどうか、が全部だと思います。入れられそうにないなら紙のままでいい。切らした朝は、素直に近所で買うのがいちばんです』
今の機械のまま金属フィルターだけ試してみたい、という方もいると思います。別売りのものを買う場合は、お使いの機械の型に合うサイズかどうかを必ず確認してくださいね。サイズが合わないと湯が横からもれて、粉だらけになります。
あわせて読みたい
そもそもコーヒーメーカーを買って後悔しやすいのはどんなときか、という話はコーヒーメーカーで後悔した理由にまとめています。手入れの手間で選びたい方はコーヒーメーカーは手入れが楽なのを選ぶ、においが気になっている方はコーヒーメーカーの臭いの取り方もどうぞ。
まとめ:紙代はゼロ、かわりに洗い物が1つ増える
- デメリットは微粉・油分・目詰まり・におい・寿命の5つです
- 目詰まりとにおいは使い終わりの1分で防げます。ためないこと
- 洗うときは裏側から湯を通す。研磨剤とたわしは使いません
- 味は好みの話。すっきり派は紙、こく派は金属が近いです
- 電源プラグを抜いて完全に冷ましてから。熱湯のやけどに注意を
保存版:この記事の早見表
手順を1枚にまとめました。



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