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朝、パンを入れただけなのに、部屋じゅうが焦げ臭い。あるいは、昨日の晩に焼いた魚のにおいが、翌朝のトーストにまで移ってくる。買ったばかりのトースターから、樹脂のようなにおいがする。トースターのにおいって、どれも「これ大丈夫なのかな」と不安になる種類のものばかりなんですよね。
先に結論をひとつ。トースターのにおいは、掃除と時間で消えるものと、消えないものにはっきり分かれます。そして消えないほうは、掃除を頑張る話ではなく、使うのをやめる判断の話になります。この線引きさえできれば、においに振り回されずに済みます。
まずは出どころを3つに分けて、それぞれの対処を見ていきましょう。どれに当てはまるかは、庫内をのぞけばだいたい分かりますよ。
においの出どころを3つに分ける
掃除に取りかかる前に、自分のにおいがどれかを当ててみてください。手当てが全然違います。
- パンくずと油が、加熱のたびに焼けている。いちばん多いのがこれです。庫内の底や受け皿に落ちたくずが、毎回炭になって焼け続けている。掃除で消えます
- 前に焼いたものの油が、庫内に残っている。魚、チーズ、油の多い総菜。飛び散った脂が壁や天井に薄く付いて、加熱されるたびに、そのにおいが立ちのぼります。掃除と乾燥でかなり消えます
- 新品の塗料と部品のにおい。買ったばかりのトースターの、少しつんとした樹脂や塗料のにおい。これは製造の過程で残った成分が飛んでいるもので、数回の空焼きで抜けていきます
そして、この3つのどれでもない4つ目があります。配線が焼けている、部品が溶けているという状態です。これだけは掃除では絶対に直りません。見分け方は後の見出しに書きますね。
①パンくずと油が焼けている時——掃除で消えます
庫内の底や受け皿に黒いくずが溜まっているなら、まずここです。加熱のたびに、そのくずが炭になり、それが焦げくささの正体になっています。
- 必ず電源プラグを抜いて、完全に冷めてから始めてください。熱いうちに触るのは危ないですし、濡らしたまま通電するのはもっと危ないです
- 受け皿を外して、くずを捨てる。底に残ったくずは、乾いた細いブラシで手前にかき出します
- 庫内の底は「ふやかして浮かせる」。お湯で濡らして固く絞ったキッチンペーパーを敷き、30分ほど置いてから、木べらでそっと押し出す。詳しい手順はトースターの焦げ落としにまとめています
- 受け皿は外して洗う。素材で使える手が変わるので、トースターの受け皿の焦げを見てから取りかかってください
- 庫内に水をかけない・スプレー洗剤を吹かない。霧が電装部に入ります。洗剤を使うなら、布に付けてから拭いてください
- 拭いたあとは、扉を開けて半日ほど乾かしてからプラグを挿す。ここを急がないことです
掃除だけで、においの多くは消えます。におい対策の8割はここだと思っています。消臭のあれこれを試す前に、まず物理的に取り除く。順番はこれが正解です。
②魚やチーズのにおいが残る時——取り方と、その限界
魚を焼いた翌朝、パンが魚の味がする。これ、地味に落ち込みますよね。原因は庫内に飛び散った脂なので、拭く・乾かす・空焼きするの3つで攻めます。
- 受け皿を必ず洗う。脂の大半はここに落ちています。ここを放置したまま消臭しても、何も変わりません
- 庫内の側面と天井を、お湯で固く絞った布で拭く。こする必要はなく、しばらく押し当ててから拭き取るだけ。重曹を溶かしたお湯を使うと、脂がゆるみやすくなります。ただしヒーター管には触れないよう気をつけて
- 扉を開けて、しっかり乾かす。湿ったにおいが残るのは、乾かし不足のことが多いんです
- 中身をすべて出して、短時間の空焼き。窓を開けて換気扇を回し、数分だけ。絶対に目を離さないでください。残った脂が焼けて飛びます
- レモンの皮や重曹を使う方法について。受け皿にレモンの皮を並べて軽く加熱する、重曹を溶かした水で拭く、といった方法はよく紹介されます。庫内を拭くのに重曹を使うのは理にかなっていますが、皮を焼く方法は、焦がすと逆ににおいの元が増えるので、私はおすすめしていません。使うなら短時間で、目を離さずに
ここで正直なところを書いておきます。庫内に一度しみ込んだにおいは、完全にゼロにはなりません。特に何年も使った機種は、塗装の細かい傷に脂が入っています。8割減らして、あとは「におい移りしない焼き方」で付き合うほうが現実的です。
魚のにおいの悩みは、オーブンレンジでも同じように起こります。オーブンレンジの焼き魚のにおいにも、庫内に脂を残さない考え方を書いているので、あわせてどうぞ。
③新品のプラスチックのようなにおい——数回で抜けます
買ってきたばかりのトースターで、最初にパンを焼いた時に「うっ」となるにおい。あれは、製造の時に部品に付いた油や、塗装の成分が熱で飛んでいるものです。多くの機種で、説明書に「初めてお使いになる前に、から焼きしてください」と書いてあります。
- 中身をすべて出して、窓を開けて換気扇を回す。ここは省略しないでください
- 説明書に書いてある時間・温度で運転する。書いていなければ、高めの設定で5分程度を目安に。長く回しても早く抜けるわけではありません
- 1回で消えなくても、2〜3回でかなり薄くなります。回数を重ねるより、使うたびに換気するほうが早く落ち着く印象です
- その場を離れない。空焼きは、庫内に何もないつもりでも、包装材の一部が残っていることがあります。目を離さないでください
- それでも何度使ってもにおいが強いままなら、初期の不具合の可能性もあります。購入したお店かメーカーに相談してみてください
掃除では消えないにおい——ここは判断の話です
ここがこの記事でいちばん大事なところです。次のようなにおいや様子があれば、掃除をしてはいけません。すぐに電源プラグを抜いて、使うのをやめてください。
- 電気が焼けるようなにおい、ビニールが溶けるような刺激のあるにおい。食べ物の焦げくささとは明らかに違う、鼻の奥にくるにおいです
- 煙が出る。掃除をしたのに、使うたびに煙が上がる
- 本体の外側やコード、プラグに焦げ跡がある。茶色く変色している、溶けてふくらんでいる
- 火花が見える、パチパチと音がする
- においが「使っていない時」にもする。プラグを挿しているだけでにおうなら、内部の話です
これらは火災につながる可能性があります。プラグを抜いて、それ以上使わず、メーカーか販売店に相談してください。何年も使った機種なら、修理より買い替えのほうが早いこともあります。費用は機種と年数で違うので、必ず見積もりを取って比べてください。
庫内に焦げ跡がある場合は、それが単なる汚れなのか、部品側の異常なのかの見分けも必要です。トースターの焦げ落としに「こすっても取れない黒の正体」として書いているので、こちらも見てみてください。
においを残さない焼き方——順番と、敷くもの
掃除でリセットしたら、次は溜めない工夫です。難しいことはなくて、順番と、下に何を敷くかだけなんです。
- においの強いものは最後に焼く。パン、餅、グラタン、魚。この順番で焼けば、魚のにおいが次のパンに移りません。翌朝に響かせないのがコツです
- 魚や油の多いものは、下に受けるものを敷く。脂が庫内に飛ぶのを止めれば、においの元がそもそも残りません。何を敷いていいかはトースターでクッキングシートの代わりになるものにまとめました
- アルミホイルで包んで焼く。魚や干物は、ホイルで包むとにおいの広がりが小さくなります。ただしヒーター管に触れさせない・はみ出させないこと。機種によっては受け皿にホイルを敷くこと自体が禁止なので、説明書を確認してください
- 焼いたあとは扉を開けて、庫内を乾かす。湿気とにおいはセットです。片づけが終わるまで開けておくだけで違います
- 受け皿を2枚持って使い分ける。魚の日とパンの日で分ける。これがいちばん効くと思います
「体に悪い?」——断定はできませんが、こう考えています
においがすると、体に害があるのではと心配になりますよね。ここは正直に書きます。においの健康への影響について、私は断定できる立場にありません。「大丈夫です」とも「危険です」とも言えません。
そのうえで、うちで考えるならこうです。
- 食べ物由来のにおい(くず、脂、魚)は、掃除で消えるものなので、消してから使う。においが残ったまま毎日使うのは、気分の面でもよくないですよね
- 新品のにおいは、説明書どおりの空焼きと換気で抜く。抜けるまでの間は、窓を開けて焼く
- 電気が焼けるにおい、刺激のあるにおいは、心配うんぬんの前に使用をやめる。これは健康の話というより、火災の話です
- 調理中は換気扇を回す。トースターに限らず、加熱の場面では換気しておく。これを習慣にすると、においの悩み自体が減ると思います
- のどの痛みや頭痛など、体調に変化があるなら、使用をやめて換気し、続くようなら医療機関に相談してください
ゆきこ( ゚Д゚)『魚を焼いた翌朝、子どもに「このパン、さかな」と言われた、という話は本当によく聞きます。原因はたいてい受け皿。洗って、焼く順番をパン→魚に変えただけで言われなくなった、という声を読んで、なるほどと思いました。消臭グッズを買う前に、まず受け皿です』
魚や餅を焼く機会が多いなら、くっつかない加工のホイルを一巻き置いておくと気が楽です。脂が庫内に飛ばないだけで、そのあとの掃除もにおいも、ずいぶん軽くなりますよ。使う時は、受け皿からはみ出させないことだけ守ってくださいね。
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においの元をたどると、たいてい掃除にたどり着きます。庫内はトースターの焦げ落とし、受け皿はトースターの受け皿の焦げへどうぞ。
同じ悩みはオーブンレンジでも起きるので、オーブンレンジで焼き魚のにおいが残る時も参考になります。買い替えを考え始めた方はオーブンレンジの評判の読み方で、口コミのどこを見るかをまとめています。
まとめ:におい3つを分ける。消えないにおいは使うのをやめる
- においはくずと油/前の脂/新品の塗料の3つ。ほとんどは消えます
- 掃除はプラグを抜いて完全に冷ましてから。庫内に水やスプレーは使わない
- 魚のにおいは受け皿を洗う・拭く・乾かす。ゼロにはならないので焼き方で対処
- 電気が焼けるにおい・煙・焦げ跡・火花はすぐ使用中止。掃除では直りません
- 空焼きは換気しながら短時間、目を離さない。健康影響は断定しません
保存版:この記事の早見表
手順を1枚にまとめました。



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