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「歩行器、そろそろ買った方がいいのかな」。つかまり立ちが始まった頃に、そう考える人は多いですよね。祖父母から「早く歩けるようになるよ」とすすめられたり、お下がりの話が出たり、家事の間に座らせておけたら楽なのに、と思ったり。迷う理由はいろいろあると思います。
先に結論をひとつ。歩行器で歩くのが早くなる、とは言えません。小児科や公的機関の案内は「使わなくていい」「事故が多いので使わない方がいい」という方向でおおむねそろっていて、海外には販売そのものを禁じている国もあります。だから「いらない」と決めても、赤ちゃんの発達に何かが足りなくなるわけではないんです。なぜそう言われるのか、どんな事故が起きているのか、代わりに何をすればいいのか、それでも使う時に守ること。順番に見ていきましょう。
ケース別に読む:早く歩けるか知りたい人|何が危ないか知りたい人|いらない派の理由を知りたい人|代わりを探している人|もらった物を使いたい人
「歩くのが早くなる」とは言えない——一般的な案内と、断定しない理由
歩行器は、座面で赤ちゃんの体重を受け止めて、足で床をけって進む道具です。自分の足で歩く時に必要な「バランスをとる」「体を支える」という動きは、座面に預けたままになります。だから、歩行器でよく動き回れることと、自分で歩けるようになることは、別の話なんです。
- 「早く歩けるようになる」根拠は示されていない。小児科や公的機関の一般的な案内では、歩行器が歩き始めを早めるとは言われておらず、むしろ事故の多さから「使わなくていい」「使わない方がいい」という方向でそろっています。海外には販売を禁じている国もあります
- だからといって「使うと遅れる」とも断定しません。歩き始めの時期はもともと幅が広く、個人差が大きいものです。この記事は発達の判断をする場所ではありません
- 気になることがあれば小児科や乳幼児健診で。歩き方や時期に心配がある時は、道具の話より先に、かかりつけや健診で相談してください
つまり「いらない」と決めるのは、赤ちゃんに何かを我慢させる選択ではなく、案内どおりの普通の選択です。迷いの入口が「早く歩けるように」だった人は、ここで一度肩の力を抜いて大丈夫ですよ。
事故——階段からの転落・やけど・高い所の物に手が届く
「使わない方がいい」と言われる理由の中心は、事故です。歩行器に乗った赤ちゃんは、大人が思うよりずっと速く、遠くまで動けます。目を離した一瞬で、普段なら行けない場所に着いてしまうんです。
- 階段・玄関の段差からの転落。歩行器ごと転がり落ちる事故は、昔からいちばん多く報告されている型です。段差が数センチの敷居でも、車輪が引っかかってひっくり返ります。浴室やベランダも同じ考え方です
- やけど。ストーブやヒーターに近づいて触れる、テーブルから垂れたポットや炊飯器のコードを引っ張って熱湯をかぶる、鍋の取っ手に手が届く。立った時の目線が高くなる分、普段は届かない熱い物に届きます
- 高い所の物に手が届く。テーブルの上の刃物、薬、たばこ、熱い飲み物、小さな物。歩行器に乗ると、床にいる時より10〜20cmほど手の届く範囲が上がります
- ひっくり返る。カーペットの端、コード、おもちゃを踏んで転ぶ。歩行器は重心が高いので、倒れると頭から落ちやすいです
どれも「目を離した数秒」で起きます。逆に言うと、目を離さないなら起きにくいのですが、家事の間に座らせておきたいという歩行器の使い方そのものが、目を離す前提になりがちなんです。そこが、いちばんのねじれですよね。
いらない派の考え方——使う期間が短い・場所を取る・親が楽になるとは限らない
安全面のほかにも、「買わなくてよかった」「使わなかった」という家の理由には、共通するものがあります。
- 使える期間が短い。腰がすわって、自分で歩き始めるまでの数か月。歩き始めたら、歩行器は用なしになります
- 場所を取る。折りたためる物でも、リビングに置くとかなりの存在感。段差のない広い部屋が必要なので、賃貸や和室と洋室が混ざった家では置き場に困りがちです
- 親が楽になるとは限らない。動き回るので、結局ずっと見ていないといけません。「座らせておける」なら、囲いのあるベビーサークルの方が、目を離せる時間は長いという声をよく見ます
- 自分で歩く動きとは違う。つま先で床をけって進む形になるので、歩く練習の道具というより「動ける椅子」に近いものです
- お下がりや贈り物で断りにくい。祖父母世代には定番の道具だったので、善意ですすめられることが多いですよね。「安全のために使わない方針にしている」と、事故の話を添えて伝えると角が立ちにくいです
「囲って、目を離せる時間をつくる」という目的なら、サークルの方が答えに近いことが多いです。サークルで迷いやすい点はベビーサークルは後悔する?にまとまっています。
代わりになるもの——手押し車と、つかまり立ちの環境づくり
歩行器を使わない場合、何か特別な道具が要るわけではありません。赤ちゃんは、つかまる物さえあれば自分で立とうとします。家にある物と、あると楽な物を並べてみますね。
| 代わり | 向く時期の目安 | 気をつけること |
|---|---|---|
| つかまり立ちできる家具 | つかまり立ちが始まった頃 | 倒れない重さの家具に。角にはカバー、ガラス戸のある棚は避ける |
| 手押し車(カタカタ) | つかまり立ちが安定してから | 速く進みすぎない重さと、速度を調節できる物。階段や段差の前にゲート |
| ベビーサークル | 動き回る時期全般 | 中に危ない物を入れない。つかまり立ちで乗り越えないか |
| 親の手を持って歩く | 歩き始め | 腕を強く引き上げない(肘を痛めることがあります)。両手を持って、赤ちゃんのペースで |
| 室内のジャングルジム・滑り台 | 1歳前後から | 下にマット。登れる高さが増えるほど転落に注意 |
歩行器に近い役目をするのが手押し車です。違いは、赤ちゃんが自分の足で立って、自分で押すこと。体重を座面に預けないので、歩行器で言われる「動きの違い」がありません。ただ、手押し車にも段差からの転落やスピードの出すぎはあるので、階段の前にはゲートを付けて、目を離さないのは同じです。
室内で体を動かす道具として、ジャングルジムを考えている家は室内ジャングルジムは後悔する?を、歩けるようになった先で三輪車を考えている家は三輪車で後悔した理由を見てみてください。座って遊ぶ時期の道具は積み木の代用で、家にある物で試す方法を書いています。
それでも使うなら——短時間・目を離さない・段差のない部屋
すでにもらってしまった、上の子で使っていた物がある、という家もありますよね。使うなら、次のことを守ってください。
- 目を離さない。大人が同じ部屋にいて、見える所で。「ちょっとだけ」の間に事故が起きます
- 短時間にする。長く乗せっぱなしにしない。赤ちゃんが飽きたり、ぐずったりしたら終わりの合図です
- 段差も階段もない部屋だけで使う。階段や玄関へ行ける所はゲートで区切る。敷居のある部屋は避ける
- キッチン・暖房のそばに入れない。コードは垂らさない。テーブルの上に刃物・薬・熱い飲み物を置かない
- 体に合った高さに。両足の裏が床につく高さ。つま先しかつかない高さは、転びやすくなります
- 古い物・壊れた物は使わない。お下がりは、車輪やロック、座面の布の緩みを確かめて。安全基準の表示がある物を
そして、歩き方や歩き始めの時期で気になることがあれば、道具の話ではなく小児科や健診で相談してください。この記事は一般的な考え方をまとめたもので、赤ちゃんの月齢や体の状態によって判断は変わります。
ゆきこ( ゚Д゚)『正直、「早く歩けるように」より「目を離せる時間がほしい」が本音の家が多いと思うんです。それなら歩行器よりサークルの方が、答えに近いですよね』
💡 この困りごとへの提案
「自分で立って、自分で押す」形の手押し車は、歩行器の代わりとしていちばん近い道具です。選ぶなら、速度を調節できる物と、押した時に前に倒れにくい重さの物を。階段の前のゲートは、道具に関係なく必要になります。
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まとめ:早く歩けるとは言えない。事故は階段・やけど・届く物。代わりは手押し車と環境づくり
- 歩くのが早くなるとは言えない。一般的な案内は「使わなくていい」。発達の断定はしない
- 事故は階段・やけど・高い所の物。動きは大人の予想より速く、目を離した数秒で起きる
- いらない派の理由は期間・場所・楽にならない。目を離したいならサークルの方が近い
- 代わりは手押し車とつかまり立ちの環境。段差の前にゲート、家具の角にカバー
- 使うなら短時間・目を離さない・段差のない部屋。心配は小児科や健診へ
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手順を1枚にまとめました。



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