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季節が過ぎて、飾っていた掛け軸をしまう日。箱を出してきたものの、「どっちの向きに巻くんだっけ」「巻いていたら端がずれてきた」「巻緒はどう結ぶのが正しいの」と、手が止まった人は多いですよね。大切な物ほど、間違えたら傷めそうで、触るのに勇気がいります。
先に結論をひとつ。しまう前に乾いた日を選び、下の棒の端(軸先)を持って、下から上へ平らに巻く。ずれるのは、巻き始めが斜めになっていたり、力が入りすぎていたりするためです。巻緒(巻いた後に留める紐)の結び方は、家や流派のならわしがあるので、迷ったら買ったお店や表具店に聞いてください。自分の場面の章から読んでみましょう。
ケース別に読む:しまい方の流れを知りたい人|巻くとずれる人|流派のしまい方が気になる人|壁に掛けたい人
しまう手順の早見表——乾いた日、ほこり、巻く、巻緒、箱
掛け軸のしまい方は、おおまかに次の流れです。細かい作法は家や流派で違うことがあるので、「基本の形」として見てください。
| 順番 | やること | 気をつけること |
|---|---|---|
| 1 乾いた日を選ぶ | 湿気の少ない日にしまう | 雨の日や湿度の高い日は避ける |
| 2 壁から外す | 両手で支えて外す | 踏み台は平らな床に置く。重い時は2人で |
| 3 ほこりを払う | やわらかい筆やはたきでそっと | 水拭きや強くこするのは避ける |
| 4 巻く | 下の棒の軸先を持ち、下から上へ | 平らな机の上で、ゆるめに |
| 5 巻緒を結ぶ | 巻いた形を留める | 強く締めすぎない。結び方はならわしを確認 |
| 6 箱に入れる | 付属の箱に収める | 防虫剤は表示どおり。直射日光と湿気を避ける |
掛け軸には、上のほうに垂れている細い帯(風帯)など、いくつかの部分があります。風帯の扱いや巻き方の細かい点は、掛け軸ごとに違うことがあるので、付属の説明書きや、買ったお店・表具店の案内を先に見てください。巻く向きは、「下の棒から上へ」が基本です。
掛け軸は、見た目より繊細な物です。しまう作業は、時間と場所に余裕のある日に行いましょう。手を洗って、指先の汚れや汗が紙や布につかないようにしてから触ると安心です。指輪や腕時計は、表面を傷つけないよう外しておきます。小さな子どもやペットが近くにいる時は、机の上の掛け軸に手が届かない場所で作業してください。
巻くとずれる時——巻き始めの角度と、力の入れ方
巻いているうちに端がずれる。これは、掛け軸をしまう時のとても多い悩みです。ずれる理由は、主に次の3つです。
- 巻き始めが斜め。最初のひと巻きが下の棒に対してまっすぐでないと、そのまま最後まで斜めに巻き上がります
- 力が入りすぎ。きつく巻こうとすると、ずれた時に修正しにくくなります。ゆるめに巻くほうが、直しやすいです
- 机が狭い、または斜め。作業する面が平らでないと、巻いている途中で傾きます
ずれたと気づいた時は、無理に引っ張らず、巻いた分をいったん戻して、巻き始めからやり直すのがいちばん安全です。しわが寄りそうな時も、同じです。急がず、ゆっくり、平らな面で。
巻く時に、下の棒の両端(軸先)を同時に持とうとすると、片手で支えにくいですよね。机の上に置いて、手前に少しずつ転がすように巻くと、安定します。掛け軸が大きくて扱いにくい時は、2人で左右を持ちます。
流派ごとのしまい方——表千家・裏千家のしまい方は?
「表千家と裏千家でしまい方が違う」という話を見かけます。茶道の世界では、家や流派で、掛け軸の扱い方や巻緒の結び方にならわしがあると言われています。ただ、どちらが正しいという決まりではありません。
- 習っている人。習っている先生や、社中の先輩に聞くのがいちばん確実です。教わった方法を優先します
- 買った店がある人。購入したお店や表具店は、その掛け軸に合ったしまい方を知っています。相談してみてください
- 家に代々伝わる掛け軸。家族や、以前から扱っている人に聞いておくと、ならわしを受け継ぎやすいです
- どれも分からない時。この記事のような基本の形(下から上へ平らに巻き、巻緒は強く締めすぎない)でしまい、あとで詳しい人に確認します
壁にフックを付けて掛ける時——自在掛けと、壁の確認
掛け軸を壁に掛けたい。でも、床の間がない、賃貸で壁に穴を開けられない、という家は多いですよね。掛け軸用のフックには、高さを変えられる「自在掛け」があります。壁の種類に合った方法を選びましょう。
- 壁の種類を確かめる。石膏ボードか、板か、コンクリートか。種類によって使える金具が違います。石膏ボード用のフックは、専用の物を選びます
- 耐荷重は商品の表示の範囲で。掛け軸の重さは、大きさや表装で違います。フックの耐荷重の表示を確認し、掛ける物がそれより軽いことを確かめます
- 賃貸は原状回復が先。壁に穴を開けられるかどうかは、管理会社や大家さんに先に聞きます。穴を開けない方法は画鋲の代わりや粘着フックが取れない時も参考になります
- 掛ける位置。人の頭の高さ、通り道、ベッドやソファの真上は避けます。落ちても人に当たらない位置に
- 踏み台は平らな床で。高い所に付ける時は、ぐらつかない踏み台を使い、2人でやると安全です
💡 この困りごとへの提案
掛け軸の高さを変えたい時や、季節ごとに掛け替えたい時は、自在掛けのように位置を動かせるフックがあると便利です。
虫と湿気を避ける保管——防虫剤は表示どおりに
掛け軸は、紙や布、糊でできているので、虫や湿気に弱い物です。しまう場所と、防虫剤の使い方に気をつけます。
- 湿気を避ける。押し入れの下段や、壁に面した場所は湿気がたまりやすいです。風通しのよい場所に置き、箱ごと床に直接置かないようにします
- 直射日光を避ける。日が当たると、色あせや傷みの原因になります
- 防虫剤は表示どおりに。種類を混ぜて使わないでください。掛け軸に直接触れないよう、箱の中のどこに置くかも、商品の案内に従います
- においが気になる時。防虫剤のにおいが移ってしまった時の考え方は、防虫剤のにおいが取れない時にまとめています
- 他の物の保管と比べる。布団やセーターのしまい方も、乾かして、湿気を避けるところは共通しています。羽毛布団のしまい方やセーターの保管方法も参考になります
虫干しをする時期や頻度は、掛け軸の種類や家のならわしで違います。決まった時期はないので、買ったお店や表具店に聞いてください。カビやしみ、虫食いのような傷みに気づいた時は、自分で手入れせず、表具店に相談します。
季節の掛け替え——言い伝えとならわしとして
床の間に飾る掛け軸は、季節や行事に合わせて掛け替える、と言われることがあります。たとえば、春には春の景色、お正月にはめでたい絵柄、といった具合です。ただ、これはあくまで家や流派のならわし、そしてお店や地域の言い伝えで、決まりではありません。
- 決まった時期や作法は一つではない。家や流派で考え方が違います
- 迷ったら。習っている先生、買ったお店、表具店に聞きます
- 自由に楽しむ人も多い。ならわしを知ったうえで、気に入った絵を飾る楽しみ方もあります
ゆきこ( ゚Д゚)『迷ったら、買ったお店や表具店に聞くのがいちばん早くて確実だと思います。家のならわしがある場合は、家族に聞くのも近道ですよね』
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防虫剤のにおいは防虫剤のにおいが取れない時、乾かして湿気を避ける保管の共通点は羽毛布団のしまい方とセーターの保管方法、壁に穴を開けずに掛ける工夫は画鋲の代わりを見てください。
まとめ:乾いた日に、下から上へ平らに。巻緒のならわしは店や先生に
- 乾いた日を選んでしまう。ほこりをそっと払ってから巻く
- 下の棒の軸先を持ち、下から上へ、平らな机の上で巻く
- ずれたら、巻き始めからやり直す。力を入れすぎない
- 巻緒や流派のならわしは、お店・表具店・先生に確認
- 壁のフックは耐荷重の表示の範囲で。防虫剤は表示どおり、湿気と日光を避ける
保存版:この記事の早見表
手順を1枚にまとめています。


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