圧力鍋の代用は普通の鍋でできる——時間換算の目安表と、炊飯器・保温調理で時短するワザ

家事

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レシピに「圧力鍋で20分」とあるけれど、うちに圧力鍋はない。角煮も豆も、圧力鍋がなければ諦めるしかないのか——台所でレシピを前に立ち止まっている方、大丈夫です。

圧力鍋がやっていることの正体は、「鍋の中の沸点を115〜120℃ほどに上げて、調理時間を短縮する」——これだけです。特別な化学変化を起こしているわけではないので、普通の鍋でも時間をかければ同じところに届きます。つまり圧力鍋の代用とは「道具を替えること」ではなく「時間で払うこと」。この記事では、その時間換算の目安と、少しでも待ち時間を縮める裏ワザを整理します。

あつりょくなべの代用=時間ではらう 正体:ふっとうの温度を115〜120どに上げる やっているのは「時間のたんしゅく」だけ ◎ ふつうのなべ+弱火でコトコト 角煮なら1時間半〜2時間が めやす ◎ 時短ワザ=おとしぶた・保温調理・冷凍 火を使わない時間に やわらかくする △ すいはんきの調理コース とりせつで対応かくにん。対応外はこしょうのもと ※ふつうのなべにフタを重しして圧をかけるのは絶対NG

圧力鍋がやっている事の分解——115〜120℃という数字だけ

水は普通の鍋では100℃までしか上がりません。どれだけ強火にしても、100℃で蒸気になって熱が逃げていくからです。圧力鍋は蓋で蒸気を閉じ込めて内部の圧力を上げ、水の沸点そのものを115〜120℃前後まで引き上げます

この15〜20℃の差が効くのは、肉のすじのコラーゲンがゼラチンに変わる反応や、豆の内部への吸水と軟化が、温度が高いほど速く進むから。反応のゴールは同じで、たどり着く速さが違うだけです。だから普通の鍋の100℃でも、時間さえかければ角煮はとろとろになり、豆はやわらかく煮えます。昔ながらの「コトコト何時間」は、圧力鍋のない時代の完成された代用法だったわけです。

ここで、ひとつだけ先に固い話をさせてください。「密閉度の高い鍋に重しをして圧力鍋の真似をする」のは絶対にやめてください。圧力鍋は、設計された圧力を超えたら逃がす安全弁を持っているから成立している道具です。安全機構のない鍋を無理に密閉して加熱すると、蓋の吹き飛びや熱い中身の噴出につながります。代用は「時間で払う」の一択です。

普通の鍋での時間換算——目安表

「圧力鍋で◯分」を普通の鍋に読み替える目安です。火加減は、沸騰したらごく弱火で表面がゆらゆら揺れる程度をキープ。ぐらぐら煮立てても温度は100℃のまま上がらず、煮汁が減って肉が硬くなるだけなので、強火は時間の節約になりません。

料理 圧力鍋での加圧時間 普通の鍋での目安 コツ
豚の角煮 約20分 約1時間半〜2時間 下ゆでを長めに。ゆで汁ごと冷ますと味が入る
牛すじ 約20〜30分 約2〜3時間 下ゆでこぼしをしてから本煮込み
乾燥豆(大豆・金時豆) 約5〜15分 約1〜2時間 一晩の浸水は省略しない。差し水しながら
いわしの骨まで煮 約20〜30分 骨までは困難 普通の鍋では2時間以上でも骨は残りやすい。骨は外して食べる割り切りを
カレー・シチューの煮込み肉 約10〜15分 約40分〜1時間 小さめに切れば時間はさらに短縮できる

数字はいずれも目安です。肉の部位や豆の乾燥度で前後するので、「時間が来たから終わり」ではなく竹串がすっと通るか・指でつぶれるかで判定してください。なお表のとおり、魚の骨を丸ごとやわらかくする料理だけは、120℃という温度そのものが必要なため普通の鍋では代用しきれません。ここは圧力鍋の独壇場です。

炊飯器は代用になるか——「調理コースがあるなら」が答え

「圧力鍋 炊飯器 代用」と調べたくなる気持ち、わかります。炊飯器は密閉に近い構造で長時間加熱してくれる、いかにも煮込み向きの顔をした家電ですから。

答えは機種によります。「調理」「煮込み」コースを持つ機種なら、そのコースの範囲で堂々と使えます。角煮風や無水カレー風のレシピが取扱説明書に載っている機種もあります。一方で、調理コースのない機種で通常の炊飯や保温を煮込みに流用するのは、取扱説明書で認められていない使い方です。煮汁の吹きこぼれによる故障、蒸気口の詰まり、想定外の内圧上昇といったトラブルの原因になるので、必ず自分の機種の取扱説明書を確認してから使ってください。「ネットで見たレシピでは炊飯器でやっていた」は、あなたの機種で安全な根拠にはなりません。

使える機種の場合も、量は内釜の最大目盛りを超えないこと。カレールーなど粘度の高いものは調理コースでも不可の機種が多いので、そこも取説の禁止事項に従ってください。

時短の裏ワザ——火を使わない時間にやわらかくする

「2時間コトコト」の大半は、実はコンロの前に立っていなくていい時間です。待ち時間の質を変える3つのワザを紹介します。

  • 落とし蓋+普通の蓋の二重使い——蒸発を抑えて煮汁の温度を安定させ、少ない煮汁でも肉に味と熱がまわる。アルミホイルの落とし蓋で十分です
  • 保温調理(火を止めて放置)——沸騰させた鍋を火から下ろし、バスタオルでくるんで1〜2時間置くと、余熱がゆっくり食材をやわらかくする。再度10分加熱→また包む、を繰り返せば光熱費も見張り時間も大幅に減ります。専用の保温調理鍋がやっていることの自家版です
  • 冷凍してから煮る——肉やこんにゃく、大根は、冷凍で組織に氷の結晶ができて繊維がほぐれ、火の通りと味しみが早くなる。角煮用の肉を買った日に切って冷凍しておくと、当日の煮込みが短縮できます

ゆきこ( ゚Д゚)『2時間鍋の前に立つんじゃなくて、2時間放っておけばいいのか』

保温調理には食中毒予防の注意がひとつだけあります。ぬるい温度帯で何時間も放置しないこと。包む前に必ずしっかり沸騰させ、食べる前にも中心まで再沸騰させてください。「温かいままゆっくり冷めていく」を意図的に作る方法なので、仕上げの再加熱だけは省略しないのが約束です。

それでも圧力鍋が欲しくなったら——選び方はひとことだけ

時間換算で数回作ってみて「この料理を月に何度も作りたい」と思ったなら、それが圧力鍋の買い時です。選び方を一言でいうと、最初の1台は扱いがシンプルなおもり式(蒸気がシュッシュと出て圧を教えてくれるタイプ)か、表示ピンの見やすいスプリング式の、3〜4.5Lサイズが扱いやすいところです。大は小を兼ねません。大きすぎる圧力鍋は少量調理で圧が安定しにくく、洗うのも億劫になって戸棚の置物になりがちです。

すでに圧力鍋を持っていて「蓋が開かなくて困っている」場合は、圧力鍋の蓋が開かない時の対処にまとめています。開かないのは多くの場合、故障ではなく安全装置が仕事をしている状態です。蒸し器がない時の工夫は蒸し器の代用でどうぞ。

まとめ:道具を替えるのではなく、時間で払う

  1. 圧力鍋の正体は「沸点を115〜120℃に上げて時間短縮する道具」。普通の鍋でも時間をかければ同じ料理に届く
  2. 換算の目安は角煮20分→1時間半〜2時間、豆→1〜2時間。仕上がりは時間でなく竹串と指で判定する
  3. 魚の骨までやわらかく、だけは普通の鍋では代用しきれない圧力鍋の独壇場
  4. 炊飯器は調理コースのある機種で、取扱説明書の範囲でのみ使う。対応外の流用は故障・事故のもと
  5. 時短は落とし蓋・保温調理・冷凍の3本柱。普通の鍋を無理に密閉して圧をかけるのは絶対にしない

保存版:この記事の早見表

時間換算と時短ワザを1枚の画像にまとめました。レシピに「圧力鍋で」と書いてあった時に、スマホでさっと読み替えられます。

圧力鍋の代用カード:圧力鍋の正体は沸点を115〜120℃に上げる時間短縮の道具、角煮は普通の鍋で1時間半〜2時間・豆は1〜2時間が目安、時短は落とし蓋・保温調理・冷凍の3本柱、炊飯器は調理コースの有無を取説で確認、普通の鍋での加圧は絶対NG

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