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替えブラシを外した時に、根元のところに黒い点がついている。本体の、ブラシを差し込む軸のまわりが、なんとなく黒ずんでいる。気づいてしまうと、そのあと使うのがためらわれます。
結論から書きます。電動歯ブラシのこの場所には、実際にカビが生えます。そして厄介なことに、目に見えている点は、たいてい一番外側だけです。奥のほうが見えないので、拭いて表面がきれいになると「取れた」と思ってしまいます。
口に入れるものなので、この記事では判断を甘くしません。カビが疑われる替えブラシは、洗って使い続けるのではなく交換してください。そのうえで、どこがどう汚れるのか、本体側はどう扱えばいいのかを見ていきますね。
白と黒は、まったく別のものです
同じ場所に出るので混同されがちですが、この二つは正体も対処も違います。
| 水垢 | カビ | |
|---|---|---|
| 色 | 白〜灰色 | 黒、黒緑、点状 |
| 手触り | ざらざらして硬い | ぬめりがある・柔らかい |
| こすると | 粉になって落ちる | にじんで広がる |
| 出る場所 | 水が乾く場所全般 | 水が残って乾かない場所 |
| 正体 | 水道水のミネラル分 | 菌類 |
| 対処 | クエン酸でふやかして拭く | 替えブラシは交換/本体は消毒 |
迷った時の見分け方はひとつで、白い布で軽くこすってみることです。粉っぽいものが白く付くなら水垢。黒いものがにじんで布に移るなら、カビを疑ってください。
この見分け方は、木の弁当箱でも同じ考え方が使えます。曲げわっぱの黒い点の見分け方のほうにも書きましたが、「色が薄いから大丈夫」という判断はしないのが基本です。見えている面積は、いつも実際より小さいので。
ちなみに白い水垢のほうは、充電されない原因にもなります。台のくぼみが白くなっている場合は、充電できない時の切り分けのほうも見てみてください。同じクエン酸で片付く話です。
なぜ、よりによってあの場所に出るのか
電動歯ブラシの替えブラシは、本体から出ている細い軸に、上からかぶせるようにして装着されています。ねじ込むのではなく、差し込んで固定する形です。
この構造だと、軸とブラシの内側のあいだに、わずかなすきまができます。そして歯みがきのたびに、そこへ水が入る。使い終わって立てて置くと、水はすきまの底にたまったまま、外へ出ていきません。
洗面所は湿度が高く、温度も低くない。栄養になるものは歯みがき粉と唾液の成分として供給される。水・温度・栄養という条件が全部そろっているので、カビにとっては住みやすい場所になっています。
「毎日水で流しているのに」と思われるかもしれませんが、流しているのは外側だけです。すきまの中は、水を流すたびに新しい水が入るだけで、乾く時間がありません。洗っているのに臭う・汚れる、という現象は、たいてい洗えていない場所があるという意味です。
外して洗える範囲と、洗えない範囲
ここを分けて考えると、作業が整理できます。
| 部位 | 扱い |
|---|---|
| 替えブラシ(ブラシ部分) | 取り外して丸洗いできます。裏返せませんが、内側まで水を通せます |
| 本体の軸(ブラシを差す棒) | 外せません。流水で流し、布と綿棒で拭きます |
| 本体の外側 | 防水表示のある機種なら流水で洗えます。取扱説明書の記載に従ってください |
| 本体の底・充電される面 | 水に沈めないでください。拭くだけにします |
| 充電台 | コンセントを抜いてから拭きます。水をかけないでください |
| ブラシスタンド・立てる容器 | 丸洗いできます。ここに残った水も汚れのもとです |
作業の順番としては、こうなります。
- 替えブラシを外す。まっすぐ引き抜きます
- 本体の軸を流水でよく流し、乾いた布でつまむようにして拭く。根元のくぼみは綿棒で
- 黒ずみが残っている場合は、台所用漂白剤を規定の倍率に薄めた液を布に含ませ、軸に巻きつけるようにして数分置きます。液を本体に流し込まないでください
- 水を含ませた布で漂白剤を完全に拭き取り、乾いた布で仕上げます。薬剤を残さないのが大事です
- 完全に乾かしてから、新しい替えブラシを装着します
漂白剤を使う時は、他の洗剤と混ぜないでください。とくに酸性のもの(クエン酸を含む)と一緒に使うのは危険です。水垢の除去とカビの除去を同じ日にやりたい場合は、あいだに水でよくすすぐ工程を必ず入れて、時間を空けてください。
接続部の掃除に、つまようじを使わないでください
軸の根元の細いくぼみは、綿棒でも届きにくいところがあります。それでつまようじや針でほじりたくなるのですが、ここはやめてください。
理由は二つあります。ひとつは、本体の防水は、この軸のつけ根にあるゴムの部品で保たれていることが多いからです。ここを固いもので突くと、目に見えない傷が入ります。水が中へ入るようになると、故障だけでなく感電の心配も出てきます。
もうひとつは、削れた樹脂やゴムのかけらが、余計に汚れを溜めることです。表面が荒れると、そこに新しい汚れが入り込みます。
届かないところは、無理に届かせないでいいです。布を軸に巻きつけて、指でくるくる回すだけで、細いくぼみの汚れはかなり取れます。歯間ブラシの柔らかいものを使う方法もありますが、力を入れないのが前提です。
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替えブラシは、思っているより早く替え時が来ます
カビの話をしていると必ず行き着くのが、そもそも替えブラシを長く使いすぎていないかという点です。
一般に言われている交換の目安は三か月です。ただこれは毛先の話で、毛先が開いてきたら、それより早くても交換の時期と考えてください。開いた毛先は歯にきちんと当たりませんし、開いた分だけ汚れも溜まります。
| 替えブラシの様子 | 判断 |
|---|---|
| 毛先がまっすぐで、色の目印も残っている | まだ使えます |
| 毛先が外へ開いてきた | 交換の時期です |
| 色つきの毛の色が薄くなった | 交換の目印として設計されています |
| 根元に黒い点がある | 交換してください。洗って使い続けないでください |
| においが取れない | 交換してください |
| 使用者が体調を崩していた期間に使っていた | 交換をおすすめします |
四行目と五行目は、固く書いておきます。口に入れるものです。替えブラシは本体に比べればずっと安いものですし、迷った時に「まだいけるかも」を選ぶ理由がありません。
替えブラシは、同じシリーズでも形状がいくつかあります。合うものが分からなくなったら、替えブラシの種類と選び方をまとめた記事のほうを見てみてください。まとめ買いのほうが一本あたりは安くなるので、交換を後回しにしない仕組みとしても有効です。楽天市場で替えブラシを見る/Amazonで見るから、対応機種の記載を確かめて選んでください。
生えさせないための、使い終わりの三十秒
ここまで書いてきたとおり、原因は「水が残って乾かないこと」の一点です。だから予防も、水を残さないという一点になります。
- 使い終わったら、替えブラシを外して別々に洗う。毎回でなくても、二日に一度でも違います
- 洗ったあと、本体を下向きにして軽く振る。軸のくぼみの水が飛びます
- 立てて保管する。横に寝かせると、水がすきまに残ります
- 浴室に置きっぱなしにしない。これがいちばん効きます。使ったら洗面所や部屋へ出してください
- スタンドの底にたまった水も捨てる。ここを見ている方は少ないです
- コップに立てるなら、コップも毎日洗う。ブラシだけきれいにしても、容器から戻ってきます
浴室に置かないというのは、カビだけでなく本体の寿命にも効きます。湿気は電池にも充電の接点にもよくありません。使うたびに持ち出すのは面倒に感じますが、結果として買い替えの周期が延びます。
使用中の音が急に変わった、という時も、実は装着部分の汚れが関係していることがあります。そちらは電動歯ブラシがうるさい時の切り分けのほうにまとめました。
最後に、この記事は道具の手入れの話です。歯ぐきの腫れや出血、口の中の症状が続く場合は、歯科医院で相談してください。
まとめ:見えている点は、いつも実際より小さいです
- 白っぽくざらつくのは水垢、黒くてにじむのはカビ。白い布でこすると見分けられます
- 出る場所は替えブラシと本体の軸のすきま。ここに水が残って乾きません
- 毎日流していても、流れているのは外側だけです
- 替えブラシは取り外して丸洗いできます。本体の軸は外せないので、流水と布と綿棒で
- 黒ずみが残る本体側は、薄めた台所用漂白剤を含ませた布を巻いて数分。液を流し込まないでください
- 漂白剤を他の洗剤やクエン酸と混ぜないでください。作業を分ける時は水でよくすすいでから
- つまようじや針で接続部をほじらないでください。防水のゴム部品を傷つけます
- 替えブラシの交換は三か月が目安。毛先が開いたらそれより早く交換します
- 根元に黒い点が出た替えブラシは、洗って使い続けず交換してください。口に入れるものです
- 予防は外して洗う・振って水を切る・立てて保管・浴室に置かない。スタンドの水も捨ててください
保存版:この記事の早見表
水垢とカビの見分け、洗える範囲、替えブラシの交換の目安を1枚にまとめました。替えブラシを外したついでに、当てはめてみてください。



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